学園独り占め、女子は全員俺のものプロローグ (Pixiv Fanbox)
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「よし、このくらいでいいか……ったく」
夜の九時半……シャープペンシルをペンケースに戻した瀬尾翔真は机の上に広げたノートと教科書を閉じ、二年生になって急に増えた宿題に不満をこぼすと同時に、カーテンが半分開かれた窓の向こうへ視線を移した。
目の前には塗りつぶされた黒と疎らなきらめき。
穏やかなそよ風を感じつつ背中を両腕と一緒に大きく伸ばして上半身をリラックスさせると、続けて画面が消えたノートパソコンのタッチパッドを人差し指で軽く叩く。
「…………お、今日はここにするか」
左クリックを数回重ねたところで扇情的な表情をこちらへと向ける女性が。
ズボンの奥ではむくりと起き上がったペニスが早くも先走りを吐き出して露出と摩擦をせがみ始めていた。
「はあ……誰かやらせてくれないかな」
翔真の通う学校は男女比三対七の新設校、可愛くスタイルの良い子ばかりだが入学当初から強気に迫りすぎたせいで、一部の女子からは毛嫌いされてしまっていた。
「この子、双葉ちゃんにちょっと似てるな……こっちは副会長か」
頬の弛みもそのままに、逸る気持ちを抑えて動画プレーヤーの再生ボタンにカーソルを近づける。
しかし液晶越しの女性がソプラノボイスで喘ぎ始めた瞬間、「あのー、ちょっとよろしいでしょうか?」と声が聞こえ背後の気配に慌てて振り返った。
「…………!! な、あ……えっと、な、何で……ああっ! これは……その」
ショートカットの毛先を僅かに舞わせるように小さく首を傾げた青髪青瞳の少女、その視線が驚きを羞恥へと塗り替え咄嗟にノートパソコンを閉じる。
数秒後に嬌声が消えて息をつくものの、眼前の不可解な存在に翔真はドアと彼女に交互に視線を移してしまう。
「ごめんなさい、びっくりさせちゃったかな。ボクはフィン……実はキミに頼みがあるんだ」
「た、頼みって……」
焦りと困惑で発すべき言葉も見当たらない中、フィンと名乗った少女は膝まで隠れる白い薄手のワンピースの裾を微風になびかせながら口を開いた。
「…………よく、わからないよね。でも……世界を救うためにはキミのすっごく強い性欲が必要なんだ」
フィンの話を内心で繰り返す、異世界を救う勇者を召喚するために候補として選ばれた女性と行為に及んでほしい、そのためにはどんなサポートでもする……女性との恋愛に縁遠かった翔真からすればこの上ない申し出である反面、非現実的な説明に膝へ手を置いたまま天井を見上げる。
翔真の態度に疑念を察したかフィンは一瞬小さく肩を竦めるも、すぐに顔を上げ大きな瞳をまっすぐ向けた。
水膜に輝く偽りを感じさせない双眸に、身を屈ませ俯いたまま顎に手を当て、敷かれた灰色のカーペットを中心に捉えつつ思考を巡らせた。
仮に真実ならば絶好の機会だろう、一方で都合の良さが脳裏に疑いをよぎらせる。
”騙されているのでは”と……渦を巻く二つの可能性が首を縦にも横にも振らせず、翔真は唇を軽く結んだフィンをじっと見つめ返してしまう。
「でもな、そもそもフィンがした話が本当だって保証も」
「そうだね、疑うのも仕方ないかな…………これ、見てくれる?」
拳大の水晶球が宙に浮かぶ。
汚れも傷もない透き通った球体に見えるは一人の男性が五人の女性を思うままに嬲り、弄り回す様子が……匂いや温もりすら届く映像が、生唾を飲み込ませ呼吸のペースを早め、そして一度は萎びたペニスに脈動と疼きを与える。
「信じる、信じないはどうでもいいんだ。ただ、ボクが住んでる世界はいつなくなっちゃってもおかしくない……頼れるのはキミしかいないんだ、だから……」
詰まる言葉に続けて縮まった互いの距離、届けられた息遣いと温もり、そして消え入りそうな「お願い」という声が”自分を騙す必要なんてないはずだ”、と思考の切り替えを促して翔真を大きく頷かせた。
「…………わかった、信じるよ。嘘をついてるようには見えないからな」
「ありがとう!! ボクも全力で協力するからねっ!」
見上げた先で綻ぶ唇、呼吸を挟む間もなく両手を強い力で包み握られた。
これでよかったのだろうかと躊躇いを覚えるが、映像が本物であれば夢のような毎日を過ごせるはず……期待を膨らませた翔真は立ち上がり、澄み切った夜空へと目線を向けた。