女騎士と少年魔導師~憧れの女性(ひと)と旅に出たら~エピローグ (Pixiv Fanbox)
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邪騎士グイナトとの戦いから一ヶ月……功績を認められたリュミエールは褒美としてナバロゼ城下町の外れにささやかながら領地と屋敷を与えられた。
ソラフィスとの仲も深まり、研究の傍ら夜を共に過ごすことも多かった。
「……う、っ…………」
「ソラフィス君、もうお昼だよ?」
二階建ての真新しい屋敷には、自分と護衛としての部下が数人、料理人と身の回りの世話を行う使用人が生活していた。
二人の関係は全て知られているだろうが、それでも構わないと言わんばかりに毎日のように互いの身体を貪り合っていた。
「食事できてると思うから、一緒に食べよ?」
白い絨毯が敷き詰められた部屋には自らが身に付けていた白銀の鎧と籠手、壁には剣が飾られ見る度に戦いの日々を思い出す。
ソラフィスが眠そうな目を擦るシーツも乱れた大きなベッドがたっぷりと精を注がれた子宮へ穏やかな疼痛を歩かせた。
部屋着も兼ねた水色のワンピースを開かれた窓から入る風になびかせながら扉を開け、魔導書の隣に置かれたホワイトグレーの上着と茶色のズボンを手に取り着替え始めたソラフィスの背中を見守る。
食事を済ませたら、一休みして……想像が重なり肉路を愛液が伝う、ぬちゅりと染みを作る下着が無毛の肉土手にとろみを添え、咄嗟に脚を閉じた。
「行きましょうか………………どうしたんですか?」
「え、あ……うん、そうだね」
後ろ手で扉を閉め、水色の布を握り締めながら白い花飾りに指を添える。
僅かな毛束の縺れに気づいて手櫛で梳り直しながら一足先に階段を降りるソラフィスの後を追い、チョコレート色に磨かれた床に慌ただしい足音を刻む。
掃除の行き届いた、塵一つさえも落ちていないエントランスに足を踏み入れると使用人から来客の旨を伝えられる。
「ニルリア、どうしたの? それに……あなたは」
「よう、久しぶりだな!」
外で待っていたのはニルリアとかつて城で姿を見た黒髪のメイド、ソラフィスと関係を持ったということもあり、困惑が笑顔から白い歯を隠す。
「リュミエール様、ソラフィス様……お久しぶりでございます」
「………………」
「……あら……いかが致しましたか? 表情が浮かないようですが」
「いえ、そんなことは…………何かご用でしょうか?」
ソラフィスが後ろめたさ故か視線を逸らす、承知済みとはいえ二人の行為を想像し両足の指が自然と強く握られた。
「別の用でここに来たからさ、ついでに顔でも見ようかって。この人はお前に話したいことがあるとか……」
「そろそろリュミエール様に嫌われて一人寂しく、と思っていましたが大丈夫なようですね」
「……! ちょっと、何を……!」
「ふふっ、冗談ですよ」
気づけばメイド向かって一歩を踏み出す、彼を舐め見る闇を彷彿とさせる瞳に目尻の吊り上がりと頬の熱を感じながら。
「お、何かいい匂い……飯か? そういうことなら私も」
しかし、ニルリアの一言に持ち上がったはずの肩が落ち、ゆっくり吐かれる息とともに口角が上向きを取り戻す。
ソラフィスの腕を強引に引っ張りホールへ進む後ろ姿を送ることしかできず、天窓を始点に降り注ぐ陽光に温められた手の甲を何度か軽く擦るばかり。
「…………では、私もご馳走させていただきましょうか。ソラフィス様のこと、いろいろ教えて下さいね?」
穏やかな陽気にいつの間にか忍び寄っていた黒雲、あのメイドに何かされないだろうかと俯き加減のままソラフィスを案じるが、振り返ったニルリアに「早く来いよ」と呼ばれ、温められた空気を引き連れるように最初の一歩を踏み出した。