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女騎士と少年魔導師~憧れの女性(ひと)と旅に出たら~九話 (Pixiv Fanbox)

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「すごい真っ暗……あっちに行けば、いいんだよね?」

「はい、中の造り自体は単純みたいですね。ですが……罠が仕掛けられているみたいですから、気をつけてください」

風も葉擦れも消え失せ、聞こえるは靴底が石畳を蹴る音ばかり。

城内に窓は一つも無く、壁に備え付けられた燭台で光る紫色の輝石を除くと、炎の灯った松明越しに見える光景は延々と続く灰色のみ。

前を歩くソラフィスの言葉通り、通路は一本道で曲がり角も行き止まりも存在しない反面、随所に罠が配置されているようでその度に立ち止まり光る水晶球で床を照らし、罠の構造をあからさまに。

「またかよ…………後どのくらいだ?」

「もう少し歩くと大きな扉があります、ただ……今の位置からだと魔力の干渉が強すぎて、先に何があるかはわかりません」

ニルリアの足元に隠れていたのは、毒槍が飛び出す仕掛け。

他にも絶命の呪詛が施された魔法陣に濃酸の海へ向かう落とし穴など、単純だが致命傷ともなりうる恐ろしい罠が足の踏み場も感じさせないほど敷き詰められていた。

「すごいね、罠の位置までわかっちゃうなんて」

その全てを回避し、ここまで無事でいられたのは先導するソラフィスがあらかじめ配置を探り当てているおかげだった。

「ありがとうございます………………罠自体を無力にすることはできませんので、気をつけてください」

魔物の襲撃を警戒しながら五十歩ほど進むと、罠も無くなり大きなアーチ型の白い扉が赤燈に姿を見せた。

扉の隙間に顔を近づける、頬を舐める濃密な”邪悪そのもの”が肌を粟立て、膝を震わせた。

「何だよ、いまさら怖いなんて」

「ニルリアも覗いてみればいいんじゃない?」

リュミエールが後ずさりソラフィスの上着を軽く掴む、次いでニルリアが扉に近づけば肩が震え、首が勢い良く左右に振られた。

「…………確かに、こいつは」

軽く頬を持ち上げていたはずの表情には曇りが生まれ、瞬きを繰り返す赤瞳もどこか逸れがちに。

暫くの間、三人で顔を見合わせていたが意を決し頷いたところで音もなく扉が開く。

中は輝石が放つ蒼白の光に朧と光る謁見の間……天井は高く底知れぬ闇を感じ取った。

「いよいよ、ですね」

上へと吸い込まれるそれぞれの足音、玉座へと続く道の半ばには古代から伝わる禁呪の紋様を描く魔法陣が力無く残されていた。

おそらくグイナトを封印するために使われたものだろう……ソラフィスも立ち止まり、魔法陣と玉座を交互に見つめ軽く額の汗を拭っていた。

「……我が影を倒したか、よくぞここまで来た。歓迎しよう」

最後の段差に足をかけたところで立ち上がる一体の甲冑、謁見の間を包む暗闇とは比較にならない漆黒の全身鎧と同色の円盾、蓄積された魔力故か透き通る真紅の刃、鉢中央からは白く、馬の尻尾を思わせる長い毛を伸ばした兜、そのスリットからは紫色の……命を感じさせる瞳が覗いていた。

「あなたが、魔物を…………!」

「そうだ、罪深きナバロゼの血を絶やすために」

「罪深き……それは、どういう意味でしょうか?」

グイナトの目が鋭くソラフィスへ向けられ、端が吊り上がる。

あからさまな怒りに任せ輝く刃先を三人へと突きつけた。

「語るのは容易い。だが…………」

小さく風が吹き、五感の全てが奪われる。

無限に続く黒に浮かぶは、あまりに理不尽な裏切りと膨らみ続ける憎悪、そして悲しみ……再び視界に甦るグイナトに剣の柄を握る指先が強張り、手首から上も石と化す。

「これでも……まだ我に刃を向けようというのか」

「………………でもっ、もうずっと前の話じゃない! あなたを苦しめていた人はもういない、だから……!」

発した言葉が両手の力を取り戻す、鞘から剣を抜き構えるがグイナトは切っ先を一瞥したのみで微動だにせず透紅を高く掲げ、蒼白に煌めかせた。

「ふざけたことを! ナバロゼの恩恵を受ける者全てが同罪、我の血が、命が貴様らへ祝福を施しているようなものだ……死をもって全てを償うがいい」

「けっ、勝手なことばかり言いやがって……つまんねー野郎だな」

「何!? 貴様……!」

途端に、グイナトが身を乗り出しニルリア目掛けて刃を叩き下ろす。

僅か一呼吸の間に閃光が褐色の首筋へと駆け抜けるが、触れる直前に鉄製のシャフトが甲高い騒音とともにそれを阻む、合わせて走る火花が盾に刻まれた還魂の一節を浮かばせた。

「ニルリアさんの言う通りです、一度目の戦いで多くの人を殺し……そして今も魔物を解き放っている。理由があったとしても許せるものではありません!」

「…………やはり相容れないか。我を封印するつもりだろうが、飛竜のような雑魚を持て余す貴様らに負けるとは思えんがな」

反撃を試みたニルリアが突き飛ばされ尻餅をついた。

姿勢を戻す間もなく肩口に刃を向け斜めから叩き付けるが、今度はリュミエールが斜め上に斬り上げた剣で眩さすら感じられる一閃を弾き飛ばす。

「はあああああっ!!」

「……なるほど、心得はあると見た…………!」

だが、グイナトは二、三歩後ろに下がると反動を付けた突きを繰り出す。

暗闇を切り裂く風圧に軽い痛みを覚えつつ右に回り込むが振り下ろされた刃がもたらす衝撃波の直撃を受けてしまい、耳鳴りを覚えながらその場によろめいた。

「うっ……く、ぅ…………」

「危ないっ、リュミエールさん!」

防護の紋様で強化された胸当てにもかかわらず、白銀には直線状の深いヒビが入れられていた。

あと一歩でも間合いを詰めていたら鉄板ごと二つに……追撃せんと前に出した右足の爪先が強張り、上体が前のめりに。

躊躇の生まれたリュミエールにグイナトは刃先で素早く十字を作り、加えて迫る光線に先んじて振り下ろされた斬撃を膝を崩しつつも辛うじて受け流した。

「下がれ、次は私が!!」

金属の衝突音と呪詛を放つ暗闇に混じりニルリアの声が、高く掲げられた斧刃の先端が勢いを付けて石畳の上へと叩き込まれた。

振りの大きな一撃は呆気無く見抜かれたものの、風刃を放つ前にグイナトを剣の間合いに捉えた。

「甘い! この程度で……」

「そこだっ!」

掌に走るは、骨が砕けんばかりの痺れが追い打ちを阻む。

一方で体重を乗せた縦斬を感情を窺わせない瞳のまま受け止める相手、だが金属同士の衝突を捌き落とそうと上体が開かれ隙が生まれた。

ここでソラフィスが燃え盛る火弾をグイナトへ浴びせる。

溜め続けた魔力を全てぶつけたか、澱んだ空気が煮え滾った飴さながらに焦げる腐臭と剥き出しの肌を舐める熱風が全身に押し寄せ両脚をよろめかせる。

「これで……終わらせる!」

しかし立ち上がりの遅れたグイナトより少しだけ早く曲げた肘を戻し、盾と剣の間に刃先をくぐらせ組み合わされた鉄板の隙間に突きを繰り出した。

「…………うおおおっ!」

今までも落ち着いた声とは対照的な朽木を擦り潰すような声、紋様が帯びる光に輝く白銀は鎧の間に刺さるがスリットの奥に苦悶は感じられず、盾を持つ手で刃を引き抜くと肘を戻りを阻む腕力でそれを握り締めたまま、斜めへの振り下ろしを試みる。

「くっ…………!」

「やらせるかっ! グイナト!」

あえて身体を近づけ、胴体に蹴りを入れて腕を引き剥がす。

真紅に弧を描く先端が籠手を、腕を掠めたところで飛び上がったニルリアが捻った上体で動きを作り稲妻を思わせる渾身の力を振り絞った一撃を背中に当てた。

「ぐうっ、貴様ら……どこまでも」

強打に背筋が屈み、握る力が緩む……機に乗じたリュミエールが傷の痛みも忘れ装甲の薄い首筋に刃を押し当て一気に引いた。

籠手に包まれた指が剣を滑り落としかけるが、紫瞳が睨みを明かし後ずさる間もなく着衣に隠れた脇腹を斬り裂かれた。

「う、うっ……そんな、まだ……!」

「……こいつ………………ああああっ!」

思い出され一つに重なる全身の痛み、”立ち上がらなければ”と崩れた膝に直立を促すように足指を曲げて頬に背を伝わせながら靴底に力みを添えるが、気づけば目の前には衝撃波……ニルリアも刀身の痛打をまともに受けて金具で保護された石突を支えに崩れ落ちる寸前だった。

「やめろーっ!!」

総身を貫いた一陣の突風に思わず肩を縮こまらせる、本来なら手足も胴体もばらばらに切断されるはず……恐怖のままに目を開けるが、視界の先には淡緑を反射させたヴェールが。

リュミエールだけでなくニルリアの身体も同様に薄膜に包まれた。

さらに足元に描かれた白黄の真円が手足の先まで光が行き渡らせ、傷が塞がるとともに痛みが消えた。

「っ……ソラフィス君……」

苦もなく立ち上がり、一直線に走り出したグイナトを睨み返しながら剣を構える。

肘を曲げた状態で三歩踏み込み、砂利の擦れる音の中で有利な間合いを作れば、夥しい数の糸が赤刃を振り上げた腕に絡み付く。

粘り気を滴らせる糸は直ちに断ち切られたが、頭上の剣が落ちる寸前に懐へ入り真横に刃を一閃……両腕もろとも鉄の板に固く弾き飛ばされたものの痛みを意に介さず力任せに剣を引けば、掌には肉を断ち切った手応えが確かに残った。

「う、ぐ…………邪魔が入ったか。だが……!」

盾に浮かぶ刻印が明るさを増し鎧を伝う血を止めた、刃先を重ね流さんと身を翻らせるがリュミエールが構えるより一呼吸早く、グイナトの剣は空を裂きながら肩口へと接近しつつあった。

「ニルリア!? そんな……どうして」

だが、二人の間にニルリアが入り込みその刃を真っ向から受け止めた。

痛みも、熱も感じない……眼前には戦斧のシャフトを割られ、それでも両腕と身体全てを使ってグイナトの腕を抑え込む彼女の姿が。

「馬鹿っ、早くこいつを何とかしろ!! こんなところで死んでたまるかっ……!」

肘を掴まれ、膝蹴りを繰り返すグイナト。

だが動きは完全に封じられており、上半身が僅かに揺れるばかり。

この機は逃せないと、飛び上がり垂直に上げた刃先で最上段から斜めに切り下ろす。

「リュミエールさん!」

さらにソラフィスが魔法を剣向かって飛ばす、輝きを増した白銀が兜に突き立てられ真っ二つに。

鉄も肉も纏めて切り裂いたにも関わらず、両手には何も感じられない、肘を張り切っ先に睨ませてと構えを維持しつつも空を断つような曖昧さを残したまま落ちる首へと視線を向けた。

「ぐ、ううううっ……貴様らごときに、何故だ!?」

還魂の一節によるものか死を欠片を窺わせない、見上げる紫の瞳……だが、不意に浮かび上がる魔法陣がグイナトの首も胴も地の底へと沈ませる。

「それは……っ! おのれ……我は、ただ…………うおおおおおおおおっ!」

樹帝の杖を用いて封印を果たしたのだろう、気づけば甲冑も魔法陣も消え、静寂に満ちた暗闇が周囲に甦った。

「…………うっ、そうだ……ニルリアは!?」

「大丈夫です、少し時間がかかるかもしれませんが」

横たわり、眉間に皺を寄せて呻きを漏らす様子が朧げに見える。

革鎧では守りきれなかったか、右肩には大きな傷が開き鮮血をこぼしていた。

その傷口にソラフィスが掌をかざし穏やかな光を注ぎ送る……時間が経過する度に生々しい赤は塞がり、面輪にも緩みが生じた。

「ぅ、ああ……っ、ん…………やったな、これで全部……終わったんだろ?」

「……また、復活するかもしれないけど」

「ずっと後の話だろ? もういいぞ、見ろ……血は止まった」

身を起こさんと上体を持ち上げるニルリアにリュミエールが手を差し伸べた。

「帰りましょうか、さすがに……疲れまし……」

ふらりとソラフィスがよろめき、膝から石畳に崩れ落ちる。

魔法を使い過ぎたのだろう……目を閉じたままゆっくりと寝息を立てる彼を抱え、汗に濡れた頬に優しく唇を被せた。

「ソラフィス君、こんなになるまで……」

小さな身体を背負いながら出口向かって歩を重ねる内に、鼻の奥が滲み、視界がぼやけ始める。

邪気の消えた暗闇に眠気にも似た安らぎを覚えつつ、リュミエールは後ろ手でだらりと下がったソラフィスの掌をそっと握り締めた。

※※※

「ソラフィスよ、お主なら必ずグイナトを封じてくれると信じておったぞ」

「いえ……僕が勝てたのは、リュミエールさんとニルリアさんのおかげです」

三人が城に戻ると、早速宴が用意された。

吹き抜けによる高い天井と彩色の施されたガラスが埋め込まれた天窓、それを支える螺旋状に模様が刻まれた大理石で作られたの柱、白と黒が交互に配置された、同じく大理石を敷き詰めた床で構成されたホールには豪華な食事が用意され、集められた多くの貴族や大商人、領主なども相まって明るく喜びに満ちた雰囲気に溢れていた。

「うむ、リュミエールもご苦労であった。そしてニルリアとやら……そなたにも褒美を取らせよう」

「……み、身に余る光栄であります」

屈めた背中を強張らせ頭を上げないニルリアに苦笑しながら、段差の先に設えられた赤いビロード張りの玉座に腰掛け、儀式に用いられる宝石が散りばめられた黄金の王冠と深蒼のローブを身に付けた国王を見る中で、グイナトの言葉を思い出した。

初代国王があの男に何をしたのか今となっては知る余地は無い。

単なる逆恨みか、闇に落ちてもなおやむを得ないと思えるほどの何かがあったか…………

「………………では、ささやかながら宴を用意した。存分に楽しむがいい」

思考を積み重ねていた間に王の話は終わっており、聞かなかったことに申し訳無さと頬の熱を感じつつ立ち上がる。

焼けた肉の香ばしい匂いに、孤島に辿り着いてから殆ど食事を取っていないことを思い出し、臍の辺りがぎゅっと縮こまるような空腹感を思い出した。

既に、ニルリアもソラフィスもテーブルに並べられた山積みの料理へ向かい、皿に取り分け各々口に運んでいた。

リュミエールも後を追うようにハーブを利かせた骨付き肉と白身魚のパイ、豆のサラダを皿に乗せた。

「何だよ、お前らいつもこんなうまいもん食ってたのか?」

「ううん、こんなに豪華なのは久しぶりかな」

濃い味付けに乾いた喉は、上質な葡萄酒で癒やす。

強い酸味と甘味に隠れて喉を走る熱が、腹の中で広がり次の食欲を生む。

隣に座るソラフィスの唇を布で拭いてやりながら、よく煮込まれた柔らかい仔牛の肉を頬張る。

その内に、自分の部下やソラフィスの仲間である王宮魔術師団の魔術師達が近くまでやってきて旅の話をしてくれとテーブル越しに身を乗り出し頭を下げて三人に頼み始めた。

「どうしよう、ソラフィス君……お願いしてもいい?」

「は、はい。それじゃあ…………」

砂糖菓子をナイフで切り分ける手を止めて、どんな魔物を倒し、どんな場所を探索したかゆっくりと話し始めるソラフィス。

さらに私達にも聞かせてくれと言わんばかりに吟遊詩人や他の来客も集まり、今度はリュミエールがグイナトとの戦いを話すこととなった。

身振り手振りを交える中で人はさらに増え、彼の近くには女性の魔術師達が。

甲高い声を上げながら身体に触れ、頬に唇を寄せ、谷間の露出した乳房を押し付けてと彼が頬を赤く染め俯いた様子に笑顔を浮かべている。

「……………………」

その光景にスプーンを持つ手に力が入り、拳が震えた。

その上ニルリアに自分の怒りを見抜かれたようで、顔を覗き込まれにやりと歯を見せ頬を持ち上げる。

「おいおい、大丈夫か? 止めるなら手伝うぞ」

彼女を腕で制しつつもその言葉に促され、ソラフィスの太ももを強く抓り上げた。

痛そうに顔を顰めると同時に会話が止まり、他の女性が顔に怪訝の色を貼り付けた。

「もう……っ」

「すみません、ちょっと夜風に……ニルリアさん、あとお願いします」

そっぽを向いたところで脚に置かれたままの手の甲に掌が添えられ、立ち上がった彼に連れられホールの出口へ。

自分を気にかけてくれた嬉しさと、主役が宴を抜け出す戸惑いを感じつつも、一応手だけは離し持て囃す周囲をを掻いくぐるように城の外に向かった。

「ごめんなさい、どうしても二人になりたかったから……」

気が付くとホールからは少し離れた場所にある中庭に、警備も向こうに集められているのか月明かりに照らされた景色に人の気配は全く感じられなかった。

「ううん、気にしないで。ちょっとびっくりしちゃったけど」

枝が整えられた高く太い木々が並ぶ庭園、一面には同様に先の整えられた芝生が敷き詰められ、視線の先には大きな噴水を中心とした池が見える。

「……静かだね、向こうとはぜんぜん違う」

眩しささえ感じさせる雲一つ無い空に浮かぶ満月、タムグティエとは対照的な澄んだ暗闇に映し出される栗色の髪と青瞳……天を仰ぐ一方で沈みがちな目線には濃い疲労が感じられる。

「………………」

「どうしたの? あ、っ…………!」

ソラフィスに背を向けた瞬間、下腹に手が回された。

その状態で右腕がむちむちの巨尻を引き寄せ、丸さを強調させる短いスカートの中に五指が忍び入った。

”誰か来るかも……”と理性が肩を竦ませ踵を持ち上げるが、大きなお尻を撫で抜けるそれぞれの指が全体に満遍なく心地よい痺れを置き、次の言葉を喘ぎに置き換えていく。

「リュミエールさん……」

肩越しには涙で潤む双眸、無言のおねだりと交差する視線は口吻に置き換わり近づく顔が頬の熱と唇の柔らかさ、唾液の微かなぬめりを肌と粘膜の内側に注ぎ込む。

上下の歯もこじ開けられて舌と舌が絡み付く、自分たちのために開かれた宴を抜け出してまで……と後ろ暗さを覚えながらも身体を反転させて背中を屈め、互いの距離を近づけると舌の根までなぞり回し唾液を啜った。

「ん、ああぁっ、ふ、ううっ……」

体内を駆け巡るぼんやりとした痺れはにちゃにちゃと口内の潤いを掻き混ぜられる毎に強まり、比例して手足の力も抜ける。

スカートを捲り薄緑の精緻なレースが施された下着越しに巨尻を揉み寄せる両掌を支えに、リュミエールはソラフィスの細く小さな身体にもたれかかった。

「ひゃ、ああぁっ! だ、だめ……こんなところで」

「で、でもっ、もう我慢できません」

抵抗は言葉に留まる、下着の中に侵入を果たした十指が汗ばんだ肌を揉み解し、掌の上でたぷんたぷんと弾ませた。

隔てが消えた接触はさらなる体温の上昇と麻痺感をもたらし、リュミエールの姿勢を膝から崩す。

重くないだろうかと彼を心配する反面、布地に押し込められ形を歪ませる下の弧をむにゅりと掬われ、加えて皮膚も薄く柔らかな鬩ぎ合いを露呈させた尻谷を押し分けられると、竦んだ肩が伸び足の指も反り返ってしまう。

芝生を踏み荒らす音が、布の擦れと吐息に混じる。

誰かが近くを通りかかれば聞こえてしまうだろう、続きなら部屋ですればいい……思考は積み重なるものの絶えず送られる快感が全身を鎖で縛り上げ、秘裂の表面をねっとりと蒸し暑い粘蜜で溢れさせた。

「っふ、あ、あ、ぁ……んっ」

息苦しさ故か、舌が一旦唾液塗れの口内からつぷっと戻された。

混じり合う液体が架け橋を作り銀に照らされたが、下端に雫ができるとその重みですぐに途切れた。

肌寒い空気が火照った身体の発する吐息に白を含ませる、際限なく高まった興奮に無毛の割れ口は疼き、下着にも糸を引かんばかりの濃い愛液がべっとりとこびり付く。

「あ、あの、この前みたいにお尻で……」

頷くリュミエール、葉を擦らせる大木の陰に歩み寄り、スカートを捲ったまま大きなお尻を突き出した。

長い髪が軽くなびけば下着からこぼれた尻肉の上をぞわりと冷気が舐め撫でた。

※※※

視界の中心に捉えられた安産型の大尻、下着はややサイズが小さいか淵は豊満な肉に飲み込まれ、斜め向きの段差が作られていた。

淡い緑色の薄布は真横に皺ができるまで左右に引っ張られた上に汗に濡れ、奥に潜む深い谷間と立てた指二本分はあろう山頂までの標高を明かす。

幾度と無く触れてきたリュミエールのお尻……太ももから膝裏向かって伝う汗玉を眺めながらズボンを下ろすが擦れる裏地が気持ちよく、思わず一歩後ずさり身体を引いてしまった。

「……これで、いい?」

横髪を掻き上げたリュミエールが水膜に煌めく鳶色の瞳をあからさまに。

掌には汗の温もりと吸い付くような絹肌の心地が依然として残る、彼女自身が発する甘い匂いに惹かれつつソラフィスは両手でお尻を寄せながら右山の頂点に勃起したペニスを軽く押し付けた。

「んっ、っ…………気持ち、いい」

肉付きの分厚い、もっとも柔らかく温かい部分が圧力にぷにゅりと潰れ、先走りにねとついた亀頭を包みながらぬるんっと滑らせる。

腰の辺りには蕩けそうな快感が忍び足で這い進み、身体を自然と前に押し出す。

リュミエールは木の幹に両手を預け目を瞑り眉間に紅と陶酔を浮かべる一方で、お尻全体で球を描き亀頭を左右に揺さぶった。

「はあうっ、じゃあ、もっと強くしてあげる……」

躊躇いの無さに一瞬背筋が伸びるが、”向こうも気持ちよくなりたいんだ”と思考を切り換え、さらに”見つかってもどうにかなる”と上体を縦に動かし、竿の内側を直に練り揉むようなむちむちすべすべの柔肉で亀頭裏を擦り上げる。

二人の動きが重なり、ペニスはバウンドを繰り返しながらぷるっぷるっと弾む切れ込みに少しずつ埋もれていく。

押し潰され、弾き飛ばされ、纏わり付かれ……律動に応じてむぎゅむぎゅふわふわぷりぷりと柔軟と弾力の間で行き来を続ける。

リュミエールの腰も異なるタイミングで大きなストロークの前後運動を円に混じえ出し、激化したそれがどこまでも沈む指の間に新しく肉の盛り上がりが生じるまでに強く巨尻を揉みしだく両手も押しのけてしまった。

「どう、かな……? ソラフィス君のおちんちん、いつもより……ん、おっきくなってる」

「はあ、っ……う、んん……全部、飲み込まれ、そうです」

それでも唇をわななかせては震える尻山にしがみつく、貼り付いた布に汗を滲ませる蒸れた谷壁が亀頭裏を窮屈な下着に割り開かれた谷間へと導き、エラの内側には形に応じてふにゅりと拉げる絹肌に包まれた柔肉が。

滑らかなクリーム状の生地を思わせる、一切の摩擦を感じさせない皮膚を不規則に動く十指で練り捏ね、寄せられて深まった谷間にペニスを根元まで沈めた。

「ん、うああ……っ、ひゃ、あああああんっ!」

照り光る二つの山、その間へにゅるりと飲み込まれる亀頭にまず訪れるは行く手を阻む柔らかくも強烈な圧力。

リュミエールもくねる背筋と呼吸にやや遅れて双尻を窄ませ、肉の分厚さと汗のぬめりが相まってぬるんっぷるんっと亀頭が滑り谷間を這い出てしまう。

狭苦しくひしめき合った内壁は一旦切っ先にくつろげられるが、下半身に少しでも力が入るとエラが捲り上げられその状態のまま淵へと追いやられる。

何度も緩やかな前後を繰り返す中で、ペニスは先走りを吐き出し粘着質な抽送の回数に比例して潤いはぬめりと化し、腰の動きは少しずつスムーズに。

「はあ、あぅん、っ……いい、よ、もっとお尻で、ああ、ああっ」

「……は、はい……ぃっ、ん、んんん」

甲高い声が発せられ、汗ばみ白銀に照り光った背中が反り返り突き出されて張り詰めた巨尻がソラフィスの腰に近づく。

肌と肌がぶつかり、下腹部全体でどろどろと濃度の高い渦を巻く快感を受け入れると辛うじての返事は呻き声に打ち消された。

お尻を掴む両手の指も過剰寸前まで豊富な量感を誇る蕩け肉に全て埋もれ、指間でぷるぷるバウンドを繰り返し、オイルを塗りたくられたようにぬるつきを伴って滑り回る。

「あっ、あ、ああああん……お尻の穴、っう、んん……」

幹に預けられていた右手が、女体に漂う甘酸っぱい汗香をくぐり抜けてお尻に宛てがわれ、肉の扉を割り開く。

むわっと蒸気を彷彿とさせる熱気を発しながら露わとなった谷間はペニスをさらに奥へと導き、鈴口付近には下着を隔てた先に潜む固く引き締まった窄まりが。

姿勢を保ったまま、狭隘な肉サウナに挟み搾らせたペニスをエラが抜け落ちる寸前まで戻してから、皺穴まで早く、遅くと精路を歩き回るうねりに命じられるまま反復運動を続けた。

「あ、はあ、ん……ひゃ、ああああっ……こ、このまま、んう……入れても」

「は、っ……ああう、最初は、お尻で気持ちよくなりたい、です……っ」

振り返ったリュミエールは目尻を下げ、目元を紅で添えながら茶瞳を涙で潤ませていた。

顔と巨尻に埋もれた股間へ交互に視線を送りつつ自分の唇に舌をなぞらせ、やがてお尻を左右に振り立てペニスへの振動を激化させた。

身じろぎと手弄に任せ楕円に潰れた巨尻は重量を存分に竿へ送り込み、しっとりと熱く滴りを落とす谷間の中では厚扉に平手打ちさながらの衝撃がぶつけられた。

もっとも、脂肪の充実した肉塊は竿に一切の痛みを与えず、揺れて波打つ膨らみが圧迫される反面、お尻の動きが止まれば頼り無さを覚える柔らかさを取り戻して火傷しそうな熱気とぬたつきで包み込む。

「っあ、あああぁ……へ、んだよね……誰か、んああっ、来るかも……しれないのにっ!」

確かに警備は王のいるホールに集中していた、しかし城内の警備が疎かになるはずはない……事実、ぶつかる枝々に混じり遠くでは靴の音が。

リュミエールもそれは承知済みか、湯気じみた白息を吐き散らしつつも時折音の先に視線を送りぬちゅぬちゅとへばり付くような律動を止める。

しかし、悦がもたらす射精感に支配されたソラフィスはお尻を揉む手を引き寄せて濡れた尻肉トンネルへの挿入を右に左にスライドさせては、うなじに舌を進ませ動いてと彼女に促す。

「ん、はあああぁっ……大丈夫、だよね?」

「はあっ、は、はい、っ……ですから」

リュミエールも言外のおねだりに応じ、むちむちの巨尻肉が再び活発に動き始める。

谷間が引き締められ盛り上がった二つの山が腰と腰のぶつかり合いで平らに凹み、ぐっしょりと体液でぬめる薄布を巻き込み捩れさせながらぬるっ、ぐにゅっと左右から先走りを溢れさせ射精も近いペニスを揉み扱いた。

「はああっ……っあぁ、布に擦れて、ううっ」

下着を挟み重なる互いの肌……今にも吸い付きそうな、粘着性すら感じさせる大きなお尻は触り心地のよい上質な生地と相まってソラフィスの体奥にどろどろの快感を積み重ねていく。

ずりゅっ、ぐちゅ、ぬちゅ、むにゅっと滴りを降ろす両手で片尻を掴んでもなお余るであろうお尻が球運動で竿を扱くと、むず痒さが先端まで迫り上がり、溶けて女体と重なりそうな下腹部に感覚が集中し始めた。

「あ、ああっ、あ、あああ……っ、で、出ます……!」

泳ぐ腰が豊かな尻肉を小刻みに痙攣させ、ぬるっ、ぷるんっと亀頭も竿も押し弾く。

強まる刺激が服越しに揺れる乳房へ両掌を導き指間で乳首を挟ませた、ふにゅぷにゅと形を歪ませもたれかかるやや大き目の肉弾と、その頂点に佇む芯を含んだ弾力が、竿の内部を練り揉む螺旋の往復に一層の濃さを与えた。

「あ、ああああんっ、あ、あああああああああっ!」

加速度的にトーンが高まる憚りのない声、並行して上体は月光に輝く金が流れる背中に覆い被さり、ペニスはにゅるにゅると滑りながら押し合いへし合いを続ける蕩け肉をくぐり抜けて一気に谷底まで。

全身で女体の熱と甘香、マシュマロを彷彿とさせる湿っぽい柔らかさを感じつつ、きめの細かい涙の跡が残る頬に唇を押し付ければリュミエールも指先を闇に踊らせながら向き直り、ぬちゅ……くちゃっと淡い起伏を並べる舌を絡ませ、内頬を舐り回し唾液を啜り取る口吻が交わされた。

「ん、んふ……っ、んはあ、ああぁ…………」

「あ、あ、ああああ……リュ、リュミエールさん……っ!」

歯列を通る彼女の舌が薄いとろみと馥郁を残し、一方でむちむちぷりぷりのお尻をぎゅっと引き締めペニスを押し出さんばかりの挟み付けを含んだ円運動でエラを捲り上げ内部を解れて蕩けきった柔肉で取り巻き扱く。

その大きな双山が亀頭を歪むまでに舐め潰し溜まりきった我慢汁を搾り出した、瞬間内から外へ迸りを感じ脱力と愉悦が総身を駆け巡る。

どくっどくっとペニスは脈打ち、下着越しの巨尻に白濁をぶち撒けてお尻、太ももと粘っこい糸を伝わせる。

射精を終えても腰の動きは止まらず、鈴口に残る半固形の液体を汗に蒸れた下着に擦り付け、残り汁で新たな細糸を尻山に散らす。

「んっ、ソラフィス君の……熱い、っ」

リュミエールは唾液が顎に垂れるのも構わず瞬きを繰り返し、精に汚れた下着を脱ぎ捨てる。

そして闇夜を睨み続けるペニスに視線を送りながら背中が水平近くになるまで巨尻を突き出し、軽く触れた指でさえめり込まんばかりに柔らかい肉の扉をぐぐっと掻きくつろげる。

「入れ……て、ソ、ソラフィス君のおちんちん」

白く染まる吐息を挟んで見えるは、色素も薄い巨尻とは比べ物にならない楚々とした小さな肛門口。

腰の捩れに応じて放射状に皺を集めた入口は開いて閉じてと亀頭を招き寄せた。

誘いのままお尻を掴み、窄まりに亀頭の位置を合わせる。

急激な曲線と過剰な肉付きで作られたふかふかの柔尻とはどこまでも正反対の固い弾力……もっともそれが肛環の締め付けを想像させる、痛みにも似た快感の錯覚が一度は霧散した射精衝動が呼び起こされ腰をじわじわと前に出していく。

「ふあ、あああ……っ! 入って、くるっ!」

「う、っ……ぅああ」

膣内以上に収縮が夥しい皺穴は前からの圧力に僅かずつ押し開かれ、中に広がる腸液を溢れさせつつ亀頭、カリ首、竿とペニスを飲み込んだ。

リュミエールも嬌声を上げながら左右に捩らせたお尻を高く捧げ、息を大きく吐いては唇を引き締め眉間に皺を刻ませる。

「……はあ、あっ、あああぁ……んく、ふうぅっ」

前の穴と異なり抽送に不慣れ故か、縮こまる入口が張り出したエラへ噛み付き粘膜も薄く敏感な部分に痺れを塗り付ける。

妨げられる突き潜りが腰の動きを止めるが、汗を迸らせ芳香をたっぷりと乗せた女体が脱力するにつれて穴も少しずつ緩み、狭隘なぬめりの輪が亀頭を全て押し沈ませた。

「……あんうぅ、ごめんね、ああ、っ……い、入れてほしいなって考えたら、はふ、う……緊張しちゃって」

「い、えっ……僕も、気持ち、うっ……いいんで」

一度は近づきかけた足音が再び遠ざかる。

リュミエールの右手が後ろに回りスカートを押さえるが、ソラフィスが抵抗の薄れた尻穴へ竿を一気にくぐらせることで彼女の顎が持ち上がり金色の毛束が跳ね馬の尾さながらに熱気を孕んで舞い上がる。

太く開いた肉傘に比べれば竿の没入は比較的スムーズで、ずちゅっ、ぐちゅっと水音を立てながら切っ先はびっしりと縦襞が刻まれた肛口と直腸の中間地点まで進み抜いた。

「あふ、っ……う、ん……あああっ! あああああっ!」

結合部から太ももへ垂れる粘液、息遣いに合わせて歯のない咀嚼を繰り返す窄まりの奥にはしとどに溢れた腸液がペニスの四方を取り囲む桃色に透けた柔らかな洞窟にたっぷりと乗っかり、蠕動と抽送の間で潤滑油の機能を果たす。

裏筋には相変わらず強烈な収縮、同様にカリ裏にもとろみに包まれた襞が入り込み、にぢゅり、ぐぢゃり……と敏感な段差を舐め回し、ぬるつきながらエラを練り揉む。

「ひう、っ、んはあああっ、お尻の穴……あ、あっ、入って、奥まで……んんっ!」

ぐねつき追い縋る起伏をくぐり抜けた先にはねっとりと夥しい粘着さをもって亀頭を絡め取る直腸が。

粘り気だけでなく柔らかさもさらに増し、突き穿たれた穴の奥は男根の形に合わせてぴったり貼り付き、異物を押し返す蠢きとともにもたれかかるような吸い付きと締め付けを明かす。

「っ……すごい、いつもより、締まる……っ!」

「はあっ、あ、ああぁ……っ、あふうっ! あ、あ、ああああっ!」

背の低いゼリー状の突起がにゅるにゅるとペニスを舐り倒す。

奥に進むに従って激しい締め上げは和らいだものの、纏わり付いて離れず、かつ奥から手前へとぬたつきを及ばせた真綿を思わせる媚肉が微弱な快感電流を絶えず送り続ける。

その上皮膚よりもずっと熱を帯びた液体が泥濘を作り、ぐじゅぐじゅに蕩け崩れそうな腸壁との間で活発なストロークを助ける。

幹の軋む音にリュミエールの絶叫じみた高音の喘ぎ……いつ誰かが来ても不思議ではないにもかかわらず、括約筋の収縮と、直腸内で不規則に配置された浅い襞の相乗効果で、腰の律動は加速の一途を辿る。

「はあ、ああんっ、うう、ふう……っ、こんなに、気持ちいいの……あ、あっあああああっ!!」

ぐぐっと大きなお尻が差し出されると同時に、目元に涙をこぼす茶瞳が向けられた。

濡れて黒に光る睫毛と桃彩もあからさまな頬、唇端には唾液の糸……悦を全面に滲ませた貌がソラフィスの興奮を煽り、お尻を掴む十本の指を分厚い肉に突き刺して掌上でたぷたぷ弾ませながら、肛口まで引き付けた先端を腰と巨尻がぶつかるまで一気に埋没させた。

「あああああっ、はああああああああっ!!」

気持ちよさを感じ易いエラの内側が、放射状の皺穴、縦に置かれた深い襞、繊毛を思わせる細やかな肉粒と順を追って快感に晒された。

尻谷で一度精を吐き出しているが、袋が持ち上がる錯覚と一緒に背筋を見えない何かがゆっくり這い登る。

リュミエールも、ひどく気持ちよさそうに顎を吊り上げ、背中は屈めては反り返らせを重ねつつ右手で幹にしがみついて左手をソラフィスの腰に回していた。

”もっと感じてほしい”、相手がリュミエールだからこそ抱く思い……内なる声に命じられるままお尻を掴む右手を前に滑らせ、無毛の土手をくつろげると粗相と言っても差し支えないほどに薄白く粘っこい滴りを落とす桃色の重なりを一枚ずつ剥がしていく。

「や、ああっ、そ、そこ、んんあああっ! だ……だめ、気持ちよく、なり、んっ、過ぎちゃうから」

「……でも、はあぁっ……リュミエールさんに、もっと…………」

にゅるにゅる絡み付く触手じみた腸襞が途端に蠢動を激化させ、ぎゅううっと吸い搾る直腸に導かれたペニスはストロークの距離をさらに伸ばす。

濡れきった双眸と唇で三日月を作るリュミエールの膣内もペニスを待ち受けているか、回転させた手首が織りなす指先の行き来に直腸以上の収縮を露呈させる無数の襞蚯蚓。

蟲巣のざわめきは薄膜一枚を隔てた先にある腸壁にも及び、裏筋近くに一際強力な稲妻が駆け抜ける。

「ん、うんっ……ありがと、ああうっ、ソラ……フィス君、はあ、ああっ、い、いっちゃいそう、っああぁ!」

互いの身に近づく絶頂と射精、ペニスの往復運動と僅かに遅れて前後に耕される膣穴を満たす蜜もせせらぎから迸りへと変わり、リュミエールは葉に隠れた星煌めく夜空を仰ぎながら白息を吐き、膝を崩しつつお尻で円を描き続ける。

回転する腰が竿を取り巻く襞と腸壁にぞよめきを置くと、じわりじわりと精液が根元まで進むような錯覚に襲われた。

「で、でもっ……出すのは、こっちに……ふああっ」

このまま……とソラフィスが粘露を湛えた花弁層に指二本をくぐらせながら、舐りそよぐ直腸に全方向から優しくも窮屈に包み込まれた亀頭へずちゅっ、ぐちゅっと猛然と突き上げを繰り出すと、不意にリュミエールが動きを止めて後ろ手で腹部を押し返した。

「…………どうしたん、ですか?」

「わ、私………………えっと…………ん、ソ、ソラフィス君の……赤ちゃん、ほしいな?」

抜かれたペニスは、びくっびくっと脈を打ちながら湯気を発し、粘液が月明かりに照り光る。

リュミエールは視線を切っ先に固定しながら、木に背中を預け、掴んだソラフィスの左手首を引き寄せる。

※※※

「……だから、こっちでして……?」

子を望む牝の本能を吐露した瞬間、焔が手足の先まで舐め抜けた。

鳥肌が立ち、全身の毛穴が開く感覚……下腹は甘切なく疼き、幾筋もの流れとなって太ももを垂れる愛液の熱も鮮明に皮膚の内側へと送られた。

相手は自分よりもずっと幼い少年……後ろ暗さはあったが、その事実もまた膣内をぞくりと震わせる呼び水にしかならず、騎士団の一員として求められる自律も節度も全て忘れ、両脚を軽く開いて左手の指で汁塗れの土手をぬちゅりを広げた。

「リュミエールさん…………わ、わかりました」

勃起を維持したままのペニスが、花弁に押し当てられた。

触れ合う粘膜が固体と紛うほどの濃厚な悦を生み、肛門を穿たれ身体が絶頂近くまで引き上げられたことを思い出す。

ソラフィスも気持ちは同じか、目を閉じたまま腰を前に出し折り畳まれた肉層を一枚ずつそよぎながら亀頭を泥濘じみた膣内へと捩じ入れていく。

「ああっ、ん……ぅ、っ…………」

もたれた背中を撓ませ、ソラフィスの肌も細かい頬に掌を添える。

見下ろす果てに軽く開かれた唇に自らのそれを重ね、歯茎と内頬へ舌をなぞらせた。

口吻の間もペニスは奥へ奥へ進み、傘を思わせる裾野が粘つきを噴きこぼす襞を掻き回した。

「ん、ああ……っ、固くて大きいのが…………い、いいよ……もっと、一番奥まで、あうううっ!」

十分すぎる潤い故後の穴よりも抽送はスムーズで、蜂蜜に近い粘着質な襞や粒立ちの間をペニスは収縮も意に介さず奥へと突きくぐる。

結合部を見ると長大な剛直は三分の二ほどにゅるりと舌なめずりを繰り返し下腹部に疼痛を広げる膣穴に埋もれていた。

段差を形作る襞は一筋ずつエラに押し撫でられ、粘膜同士の接触が強まることで皮膚の内側に痺れ、痛み、擽ったさ……そして気持ちよさと、あらゆる感覚が駆け抜けた。

「はあっ、はあっ……全部、入りそう…………っう」

しとどに蜜雫をこぼす膣内だったが、収縮は外側からも感じ取れるほどに夥しく、掌で押さえた下腹越しにペニスの固さと亀頭を奥へ吸い寄せる膣壁の蠢きがごく薄くだが感じ取れる。

ソラフィスと一つにつながっている……この事実がリュミエールの情感に油を注ぎ、周りを囲む木々も、芝生も闇空も全てが消え失せて閉じた瞼の裏には二人だけの世界が作られる。

「ああんっ、ああ、はああぁ、あああああっ!!」

一方、心の奥底で燻る羞恥心が嬌声を封じようと唇を、舌を噛ませるが、わななき粟立つ肌と見えない糸で吊り上げられた顎に口元は下がり緩み、それでも……と後ろへ回した十指で背中を掻き毟った。

眉間に皺を寄せつつも、右手を幹とお尻の間に滑り込ませ左手で乳房を揉み乳首を捏ね繰り回し始めたソラフィス。

不規則な動きは各々の肉塊を揉み拉げ、特に熟し肉の付いた身体と比べても前に盛り上がり左右に広がったお尻は、木に押し付けられることで平らに潰れ標高を下げているにもかかわらず、さほど力を入れずとも、指甲まで沈ませ周りの肉を盛り上がらせた。

「っああぁ……もっと、んんっ、はあ、ああぁ……強く、ああんあっ」

「は、はいっ…………! でも、気持ちよすぎて、ううあっ」

「……おね……がい、んふっ、うう……して、もっと、ソラフィス君で、どろどろに、あああっ」

分厚く実る汗と体温を湛えた巨尻が引き寄せられれば、ぬるつきを隔てた互いの肌が一つに重なり境界線も曖昧に。

同時にざわめく泥濘と収縮を繰り返す膣環を掻い潜る亀頭が、狭まり襞も入り組む奥に辿り着いた。

手付かずの粘路が子宮の寸前で螺旋を描き、細やかな濡れ蚯蚓が穴をくじり上げるペニスの周囲でぐぢゅっ、にじゅっと粘着質なノイズも露に鬩ぎ合う。

一突き毎に悦で満たされる思い。

ソラフィスが望むなら、と脚を軽く開き何度も唇を被せ合い、唾液を啜りながら両掌で筋肉に乏しい胸板と腹部を探り回す。

女性じみた指通りのよい滑らかな肌から伝わる心地よさが背筋に光の束を走らせ、反り返りのまま後頭部を木にぶつけてしまう。

「あ、ああああぁ…………っ、ん、あああっ、そ、そこ……んはああっ!!」

リュミエールが上体で弓を作ると下半身がしっかりとくっつき、愛液に満ちた粘膜がにゅるにゅると取り巻き続ける膣底深くまで亀頭が達し、切っ先が子宮の入り口を僅かに掠める。

思わず飛んだ嬌声、開き切った二枚の唇を塞ごうにもソラフィスの優しい体温に肌と肌の間は糊付けを施され両手は動かない。

”もう聞こえても構わない”、羞恥心の欠如とは異なる全てを見てほしいとの思い……軽い突き上げに反して押し寄せる全身を燃え焦がさんばかりの愉悦、次いで閉ざされた双眸が星々の明滅を生み、手足を駆け巡り頭へと届けられた快感は指の先まで万遍なく戻りソラフィスの背中を平手で何度も叩いてしまった。

「すごい……っ、く、うっ…………どんどん、搾り取られて」

「ふあああっ! だ、だめ……っ、そっち、いっちゃう、ああ、ああああ!」

瞼の裏には眩白、子宮口へのノックが積み重なれば捲り剥がされ縺れた襞が抽送を繰り出し最奥を穿つペニスと一体化を始める、筒もソラフィスの形へと作り変えられ、ずちゅっ、にちゃっと彼の思うままに掻き混ぜられた膣内は愛液を結合部に湛えさせ、消えかけた摩擦とともにリュミエールを絶頂へ導く。

叫びは宵闇の果てに霧散し、耕された襞のあわいは意志とは無関係にぐねぐねと蠢動を激化させ柔らかな淫ら蟲は全方位からペニスへ噛み付く。

「あ、あ、ひあああっ、あああんっ、だめ……ああ、ふああっ、いっちゃう、んうっ、ひうう」

「ぼ、僕も、リュミエールさんの、中に……」

もっと気持ちよくなりたかった、これが実際だった。

しかし昂ぶり小刻みな痙攣を歩かせる総身はエクスタシーの大波を眼前に迫らせ、”いった後”の気持ちよさを錯覚として体奥に送り込む。

ぱちっ、ぐじゅじゅっ、ぬちゅっ……不意にストロークが織りなす水音が大きさを増し襞蟲がペニスを握り込む。

カリ裏、エラの内側、鈴口とぬめりに富んだ細かい起伏が舐り回し、襞間に敷き詰められた小さな肉の粒がぐりゅっと裏筋を強く押し撫でた。

「あ、あああんっ、あ、あ、あああああああーっ!!」

蕩け崩れた筒内と子宮口を突き上げられ言葉は全て嬌声と化した、近づく絶頂によるものか肌を灼熱が駆け抜ける。

「ううぅ……っ、全部、っ……出します……!」

「わた、しも……んん、ああああああああぁああっ!!」

脈打ちの直後、下腹に注がれる熱の塊……精液を浴びせられた瞬間リュミエールの身体をオーガズムの悦楽が包み込んだ。

ソラフィスは体重を預けながらお尻にしがみつき、亀頭は膣内に栓を施したまま白濁の逃げ道を封じる。

本当に子供ができてしまうかもしれない……しかし、背中にもたれる頭を軽く撫でながらリュミエールは緩みきった面輪に頬と唇を持ち上げた。

「…………んっ、ね……もう一回、しよ?」

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