放浪の剣士フォーヴァル~魔女の刃と大地の宝珠~八話 (Pixiv Fanbox)
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「フォーヴァル様、見てください。森を抜けて、えっと、しばらく歩くと街がありますよ」
リリシュが荷物袋から掌に収まる小さな水晶球と地図を取り出し、彼方の景色を映し出す。
緑葉生い茂る湿度も高く深い森は、低木も疎らな林へ変わり、やがて川沿いに広がる平原が見えた。
その先には豆粒ほどの建物らしき何かが……しかし視界の中心にノイズが生じ、直後に玉の表面は曇り一つ無い透明を取り戻してしまう。
「申し訳ありません。私の魔力ではここまでです」
「構わんさ…………ずっと真っすぐ行けばいいのか?」
「はいっ、行きましょう!」
しゃがんだまま眉尻を下げるリリシュだったが、フォーヴァルがそっと肩に手を置けば桃色の頬に笑みを貼り付け、灰色の長いローブを風にはためかせながら歩き出すが、背中越しに聞こえた足音が二つ、じめついた風の不快さに手の甲を汗で拭ってから振り向くと、リリシュが木々の隙間に潜む赤い茂みに視線を移していた。
「どうした?」
「あれ、赤蔦草ですね。何とか粘液を取れないでしょうか」
首を傾け辿った先には、根を地深くに張った魔物が。
自らを激しく求めたレシドスのペニスを内側に思い出し、ぬるりと下着の奥で媚肉が粘って捩れる。
「ああ、だが不用意に近づくな」
剣を抜き、木漏れ日に銀を輝かせ、蔦をしならせる相手へと突き付ける。
直後に触手じみたそれらが地を飛び、フォーヴァルの前方全てを取り囲むが、戦隊の届かない場所まで間合いを取り伸びきった触手を一本一本落としていく。
半分ほど生々しく濡れた胴体と決別させてやると、敗北を察したか、以前と全く同様に風波にたゆたう肉縄をずちゅ、ぐちゅるっと引きずりながら中心部に触手を集め、埋め込まれた核を守らんと試みる。
「甘いっ!」
粘液に濡れた地面を力を込めて踏み締め、足跡を深く刻みながら伸ばした右腕で半円を描き赤蔦草を一閃。
切っ先から三分の二ほど食い込んだ刃先には赤黒いぬるまりがこびり付き、地面に滴りを置く。
「倒し……ましたか?」
背後ではリリシュが白い木杖を構え、眼前の空間に火球を作り出していたが、赤蔦草に顔を近づけ、微動だにしないそれへ向けるはずだった炎を天高く飛ばす。
「おそらくはな……しかしこんな物、どうするつもりだ?」
「お薬の材料になるんです、金貨五枚くらいで売れますから、結構貴重品ですよ?」
身を屈めてナイフで太い茎を二つに裂き、血と紛う内部に滲む液体を刃表で掬い刮げる彼女を眺めながら、丸まった小さな背中と微風になびいて舞い上がる金細工を思わせる通りのいい髪、そして垣間見える蝋石さながらの白いうなじ……見入る自分に気づき、顔を逸らしたところで風船の破裂音と同時に真下の両肩が突然びくりと跳ねた。
「ひゃっ、こいつ急に爆発して……やだぁ、べとべとしてる」
「……早く洗った方がいい、そのままだと…………」
「…………?」
「何でもない。ほら、さっさと洗え」
皮袋に入った水をリリシュに手渡す、赤桃色を塗りたくったきめの細かい滑らかさを隙間無く貼り付けた指が袋の結び目にかかり、口を解いて広げた掌にささやかなせせらぎを伝い落とす。
丸く、やや肉のついた頬を走る赤みが気がかりで、粘液を浴びた悦に浸る自分を思い出し、一歩後ずさってしまう。
「申し訳ありません、大事な水なのに」
「少し歩けば川に出るのだろう? 気にするな」
すまなそうに小瓶を鞄に戻すリリシュを尻目に歩き出したが、背中越しに聞こえた足音はせわしなくも次第に大きさを増し、フォーヴァルの真後ろへ近づくと、今度は間隔が乱れ始めた。
怪訝な思いを隠しきれずに何度もちらちらと振り返るが見上げる曇り無い双眸に言葉を失い、逆に”見られている”という自覚が前に出す足を乱れさせ、葉露に湿る土に刻まれる足跡にも乱れが生じていく。
気のせいだと言い聞かせても、鳥の音色、虫の声さえ聞こえない森の中では否応なく内省も膨らみ、こみ上げる何かのままに鎖帷子の裾を握り締めてしまう。
「………………」
リリシュもやや気まずそうに横にした杖を両手で持ち、無言でフォーヴァルの後を追う。
結局、森を出て川沿いにある集落に足を踏み入れるまで互いに言葉を交わすことはなかった。
※※※
「結構大きな街ですね、近くにお城があるからでしょうか」
「……そうかもしれないな」
清流の匂い立つ町並み、彼方へと続く波に冷やされた風がフォーヴァルの頬を優しく撫で、濃い緑が作っていた不快な蒸し暑さを忘れさせる。
居住と交易に適した環境故か、往来も活発で店々も賑を見せていた。
「……っ、あ、あの……宿をとっておいてもらえますか? その間に買い出しを済ませてきますので」
「ん、わかった。頼む」
屋台の脇で器に盛られた残り物を食べる黒猫を撫で回そうとした矢先、リリシュが一言残して雑踏の中に消えた。
遠ざかる彼女が最後に見せた桜色の頬と酩酊を思わせる覚束ない足取りが気になるが、幾重もの人波が行く先を追うことも許さず、後で休ませればいいかと大通りの突き当たりにある一際大きな煉瓦造りの建物を視界の端に捉えつつ黒猫の近くへにしゃがみ込む。
「あ…………何だ、しょうがないな」
しかし、フォーヴァルが目を離した隙に猫は手の届かない位置に移動し、店主の靴に自らの身体を擦り寄せていた。
※※※
「ふう…………」
ベッドが二つとテーブルが一つ、後はサイドボードにランプが置かれているだけの質素な空間。
最後の一部屋だったが不幸中の幸いだった。
ベッド脇に荷物を置いて鎧、グリーブ、鎖帷子と順に外していけば開かれた窓から吹き込む昼下がりの風が薄いシャツ越しに肌の火照りを冷ましていく。
「……風呂は、確か一階の奥だったな」
リリシュが戻ってくる前に背くらいは流そうとドアノブに手を掛けるが、フォーヴァルが手首を右に回転させる前にノブは左に回り、厚手の板を張った扉が勢いよく開かれた。
「………………」
「リリシュか、驚かせるな………………んんっ!?」
撫で繰り回す指が肌に熱を添える、相手の意図もわからない内に背中を仰け反らせ、着替えを置いたベッド近くへと逃げるが、よく磨かれて掃除の行き届いた飴色の床に足を滑らせ、シーツの波に全身が縺れる。
本能的な不安のまま布製の下衣に包まれただけの脚を閉じるが、馬乗りになったリリシュがそれを割り開き、練絹さながらの滑らかな手指がシャツの裾を捲り上げ、皮膚を直に撫で回す。
「ひ、ああっ……おい、何のつもりだ……?」
金色の髪がなびき、背後の天井も窓越しの青も覆い隠された。
彼女の両瞳はとろんと鈍い光を放っており、目元には鮮やかな紅が。
予兆さえ感じられなかった急激な心変わりと、内腿向かって滑り落ちる指の痒疼がフォーヴァルを戸惑わせ、覆い被さる細く小さな身体を押し退ける両腕の肘も伸ばせずじまい。
「ごめんなさい……でもっ、フォーヴァル様を見ていると我慢できなくて」
衝動任せの行為が根本を思い出させる。
彼女が赤蔦草の粘液を掌に浴びたことを思い出すと、もはやどうもならないと撫でた肩にあてがう手を下ろし、窓際に顔を背ける。
「好きにしろ、満足すればすぐに戻るはずだ」
「え………………ふふっ、そうですか。わかりました」
眼前の緑がエメラルドと紛う輝きを放つ。
多少なりとも罪悪感が残っていた前の発言とは異なり、端を歪ませた唇に漏れる言葉は嗜虐欲を滲ませており、腕を舐める寒気が背筋を震わせた。
受容を前に出した自らの言葉を悔み、フォーヴァルが壁にもたれかかる一方でリリシュは手際よく着衣を脱がし、数回の瞬きを経たところで下着一枚にさせられていた。
「はい、こっち向いてくださいね……フォーヴァル様にも楽しんでもらわないと」
ささやかな臍を起伏にそってなぞり回す指がうなじに絡み付き、ガラス越しの景色を捉えていた両目に、整いながらも幼げな顔を飛び込ませる。
水膜で照り光る睫毛へ吸い寄せられた錯覚に陥ると、肩を伝う五指が型崩れとは程遠い上向きの巨大な半球を揉み締め、弾力と瑞々しさに富んだ丸い膨らみを掌全体で押し潰しては裾野より掬い上げてたぷたぷと男の手でも持て余す肉塊を波打たせた。
「っあ、ああ……あまり、触るな」
羽箒で擽られるような優しい愛撫、揉み寄せられ、捏ね回され、撫で弄られ……さしずめ揉み療治といったリリシュの手戯が赤子の頭ほどある乳房を柔らかく解し、指の隙間に垣間見える幾つもの隆起は夥しさを増す。
悦を見出す自己に並行して困惑と諦念は激しい羞恥に変わり、むにゅぐにゅっと細指が急激な上り坂を描く肉の丘を揉みくちゃにする相手へ、制止を試みるが震える腕は宙を彷徨い、僅かな距離でさえ詰められず総身をぬるま湯と包む快感に、手足の指を湾曲させるばかり。
「ああ、っああ……」
接触が積み重なるにつれて背中と腰がくねり、真新しく整えられたシーツと肌が擦れて汗含みの濡れた音が、上ずって天井へ吸い込まれる嬌声に混じった。
今すぐにでも両手に力を入れれば、歪笑を浮かべつつ額に髪を貼り付かせながら熱を帯びふにゅふにゅと柔らかさを増した乳房を揉み回すリリシュを振り解くのも可能だ、だが直径の小さな乳輪に何回も円を置かれる内に、痺れた上半身が跳ね回り力が抜けていく。
「フォーヴァル様、気持ちよさそう……」
「ふああっ、ん、うぅ……やめろ……っ」
”戯”を繰り出す細指に耐えかね身を捩らせるが、ぷるぷると左右に揺れ弾む双丘と両手がぶつかり合い、深い接触の実感を促されて天を仰いでしまう。
さらに頂へ上り詰めた指が、芯を孕み始めた先端を捻り摘むと稲妻めいた疼痛が皮膚の内側を駆け抜け、言葉の中断とともに顎が一気に持ち上がった。
「なあんだ……やめろなんて言ってましたけど、本当は触ってほしいんですよね?」
冷たく響く頭上の声、しかし内なる声を暴露されたような気がして、頬に熱を感じながら目を瞑って大きく首を振った。
見下ろすリリシュの顔は、真珠色の歯をこぼし表情には期待を貼り付けている。
あどけなさに目を奪われつつも、耳に届けられた”嘘”を否定しようと両肘を伸ばして身体を押し返さんとするが、つつましい突起を覆う薄桃色の濡れ膜をもぎ刮げる右手の指が雫を伝わせる紅混じりの透白を湛えた頬へ絡み付き、肩を強張らせてしまう。
「ああ…………ん、んむうっ」
揉み拉げられ、手の中でぷるんぷるんとバウンドするまでに柔らかく蕩けた肉塊の先端を引っ掻かれ、喘ぎも身じろぎも断ち切られる。
露呈した媚態がフォーヴァルに抵抗を許さない一方、加虐に支配されたリリシュへ反発を見出し、纏わり付く指を掻いくぐろうと安い作りのベッドが軋むまで枕に爪を立てながら上半身を泳がせた。
「はあ、ぁ……キスしちゃっても、いいですか?」
「……おいっ、リリシュ……ん、んふっ、はあ、ああぁ」
扉を挟んだ先に革靴の足音が聞こえた。
淫気を充満させた二人の部屋近くで、響き渡る乾いた音がほんの一瞬止まる。
ふらつく頭を細く流れてはきらめく真鍮から板張りの茶色へ移すと、錆びた金属製の内鍵は施錠されておらず、いつ人が来るともしれない宿の一室でその身を嬲られる現実が肌を粟立たせんばかりの羞恥を内申に植え付け、上り詰める香気と食い縛った歯の隙間から漏れる吐息にのぼせを添える。
”早く……”と念じるフォーヴァルだが、リリシュの舌が閉ざされた歯列をこじ開け、温かさを帯びた唾液塗れの口内を丸めた舌先で満遍なく舐め回してしまう。
「こんなっ……せ、せめて、鍵を……ん、ふああっ、あぅ、んん」
止めどなく溢れる、微かに粘り気を伴った唾液の味が内側に広がり、閉じた瞼の裏に薄暗く埃の積もった地下室を思い出させる。
片隅にあの時の恐怖を抱き、シーツの波に沈む両手を暴れさせながら自分の舌を尖らせてぬるりとした異物を押し返そうとするが、持ち上がる顎と同時にざらつきを纏う小振りなそれが上顎をくすぐり、なぞり回し、舌先をすり抜けるように蠢き始める。
「ん、ん…………ふうっ、大丈夫ですよ、人なんて来ませんって」
利用者も多い宿故に廊下ではしきりに人が行き交い、右から左から足音が近づいては遠ざかる。
時折それが扉の近くで止まれば、全身の産毛が逆立ち、眼前にあるサイズの小さい柔丘を押し退けるが、反対にしこり立ち艶やかに光る自らの乳首に爪を押し付けられ、我が物顔で湯を染み込ませた真綿を思わせるぷにゅぷにゅした内頬の粘膜を舐め拭われてしまった。
「しかし、足音が……あ、ぁ、はあ、はあっ」
舌の往復が重なる度に口の中がとろとろに煮え蕩けていき、しとどに溢れる甘い唾液を飲み干すと喉奥が焼けるように熱くなり、下着の裏地がぬちゅぬちゅと粘り気に満ちた糸を引いた、同時に未知の経験がフォーヴァルの感情を高ぶらせ、映し出された金の細糸と溶けるミルクの白肌もぼやけてしまう。
「あら……濡れてますね。それじゃあ、脱いじゃいましょうか」
手の甲で涙を拭き、腋下に感じる汗に両腕を枕元へ投げ出すが、その隙を縫ってリリシュが飾り気のない純白の下着に指を引っ掛け、括れた下腹を皮切りに自重とベッドの間にむにゅりと挟まれて平べったい円と形を変えた安産型の巨尻へ薄布をずり下ろす。
「っ…………! ああぁ」
下着は膝近くで丸まった布切れと化し、引き締まった下腹となだらかな丘を作る肉の土手があからさまに。
両手を戻し雫が溜まり爽やかさを含んだ淡い酸味を撒き散らす腋窩と、少女じみた薄い茂みに覆われたぬめる外扉を手の甲で纏めて隠すが、手首を掴まれ振り払われてしまう。
力では負けるはずがない……だが、緑の瞳に見据えられ、自己を取り巻く非現実的な空間を否応なく認識することで、添え直さんと浮かばせた右腕をシーツへと深く沈めてしまう。
「本当は、気持ちいいの大好きなんですよね……」
”これでいい”と言いたげにリリシュは花弁を彷彿とさせる唇端を歪ませ、反面フォーヴァルは”いいはずはない”と身を起こすが、くちゅりと指が水音を立てつつ浅い撹拌を開始すると、愛撫をせがむように身を乗り出し開脚して腰を上げてしまう。
「ふふっ……よかった」
「…………ああっ、わ、私は、そんな……んんうっ!」
ぎゅっと内側が縮こまる感覚、指の一本一本まで硬直し背筋も弓なりに。
最初に押し寄せたこの緊張は、ふかふかと柔らかく漏れた泥濘が纏う土手をくつろげられ、緩やかに疼く襞のあわいに指が潜ることで消え失せ、厚い雲に手足が沈み込むような落下感に包まれる。
「すごい……もうぐちゃぐちゃ…………ここにおちんちん入れたら、きっと気持ちいいんでしょうね」
不意に遠ざかる天井と涼やかな声、閉じた瞼裏を侵食する深い闇の底……咄嗟にリリシュの腕を掴むフォーヴァル。
谷間に体温の名残を置いた汗をたっぷり溜めて、ややぬめついた巨尻の内壁を撫で抜ける細指が手の甲を経由して自らの指へ絡み付く。
触れている実感が高揚を加速させ、鋭敏さを増す膣内の感覚に膝が自然と持ち上がってしまった。
「っぅ、ああ……ん、そ、そこは……はうああっ」
”くちゃり”と皮膚と粘膜の擦れ合う音が加速をつけ始めた抽送に比例して大きさを増す。
筋肉の薄い華奢な腕への圧力が強まるごとにリリシュは眉間に浅く皺を寄せるが、頬に涙を伝わせ顔を振って横髪をふわりとなびかせては縋り付くフォーヴァルに許容を見たか、媚肉の重なるぬたぬたと粘蜜をしぶかせた窪みの中心へ二指を埋没させながら、親指で包皮を捲り桃色の粒も露わなクリトリスを押し転がす。
「あ、あああ……っ、だめ、だ……んんっ、はあ、あああ」
視界が捉えるは歯を見せてしきりに舌なめずりを繰り返すあどけなくも妖しい”貌”。
しかし、開いた窓の隙間から吹き入って肌を舐める微風でさえ悦の材料としてしまう今の自分では、意識は次第に浅く撹拌され続ける膣壁へと引き向けられ、とろとろに蕩け崩れて無数の襞がひしめき合う深みへと進み潜る往復運動も容易に把握してしまう。
「はあ、う……ああああっ!」
悲鳴じみた甲高い声が飛べば、上端で生温かい蜜に溺れたつつましい突起を捻り潰され、呼吸すら許さない強烈な麻痺が全身を包み込む。
法悦への反応がより大きくなるにつれて、媚喜に乗じたリリシュは二指でのストロークを激化させ、じゅぶじゅぶぐちゅぐちゅっと蜜温む狭隘な穴を形作る粘っこい襞蚯蚓を擦り撫で続けた。
「…………ぅ、ん、フォーヴァル様ぁ……」
何か文句の一つでもと目尻に力を込め、汗できらめきふわふわの毛先を噛み締める頬辺りを睨み付けるが、クリトリスを抓り引っ張られながら左手の指で乳首を挟み付けられると、抜ける呼気とともに甘く心地よい疼痛を浴びせられ、筋を浮かばせ緊張を表す太ももを意志とは無関係に開いてしまった。
「ああ、ぁ、ん……ふああっ、ひゃ、あああん」
「ふふっ、可愛い…………男の人に狙われちゃうのも、わかるような気がします」
花香に紛れたリリシュの熱く火照る柔肌がぬたりと押し付けられた。
重なり合う吸い付きに富んだ雪肌と、ぴちぴちと瑞々しい弾力を帯びた桃彩……不規則に並ぶ汗玉もぬちゅりと潰れて豊満な肢体を滑らかに伝い落ちる。
密着が深まることで、襞の狭間もずちゅ、ぐちゃぁっと蠢動し、付け根付近まで潜り蜜海にたゆたう指をまろやかに締め付けていく。
その収縮を掻い潜るように起伏の上を舐め進む侵入物が、結合部に端を発し会陰部まで愛液を噴きこぼし、お尻に生温かいぬめりを感じさせる。
「わたしも、ぐちょぐちょになっちゃいました、フォーヴァル様も、わたしのおまんこ……触ってください」
手を取られ、熱に浮かされながら、上気した声に誘われるまま指を綻びかけた、縺れ合うように捩れて乳白色の粘液を刷き散らす中心部の窪みへくぐらせてしまう。
一度は固めかけた拳も、痴態もあからさまな奔放さに弛み、花口の環に水没する人差し指に感覚が集約される。
桃色の内側は窮屈な締め付けに加勢して、ぞよぞよぬめぬめと浅い粒立ちがざわめき立ち、触れて触れられる二種の快感が自らのぬたついた肉の泥へ痺れを走らせ、手足の先を跳ね暴れさせた。
「あ、ああっ……ん、い、いい加減に…………はあ、う」
気づけばフォーヴァルも襞の表面を這いずり回って蜜を絡ませる指を受け入れつつあった。
ドア越しに聞こえる足音も、窓の先で響く誰かの声も意識の片隅に追いやられてしまう。
薄れ蝕まれる理性のせいか、ぬめり環をくぐり抜ける指が与える快感に従い細やかに痙攣する全身を幾度もリリシュに擦り当ててしまい、ぷよぷよと波打ち弾む乳房の頂点にしこり立つ突起が正面の小さく儚い膨らみに押しつぶされる。
与えられる緩やかな麻痺感に耐えかねて腰越に両手のひらを滑り落とし、手弄に応じて濡れ絹を思わせる欠片たりとも引っ掛かりの存在しない背中から腰へのやや括れに乏しい曲線に縋り付いた。
「え、やめちゃっても……っん、いいんですか?」
「………っあ、ふう、あ、ひい……っ、調子に、んあああ」
後ろ暗い悦のたっぷり込められた嬌声、ぞわりと全身の毛穴を逆撫でる快感……それらに一歩先んじてリリシュの指が奥へ奥へと蠕動する肉蔓の集合体から嘲笑うように引き下がり、しがみつく襞を掻き分けて膣口へ。
「ああんぅっ……」
羞恥と困惑に抵抗した理性は消えかけ、”もっと……もっと”と内なる声が胸元へ逃げる手首を掴み、唾液をこぼす唇をわななかせてしまった。
「大丈夫ですよ、今度はこっちで気持ちよくしてあげますから」
「……ん、はあぁ、好きに、しろっ」
リリシュが取り出したのは、両端が亀頭さながらに節くれだった木製の張り型。
何をされるか、容易に広がる想像が快感の余韻に浸るフォーヴァルの脚を閉じさせ、むちむちと量感に富んだ太ももの隙間を両手で覆い隠させるが、指とは比較にならない太さに意識が奪われ、このまま気持ちよくなりたいと快を求める本能と、女同士で……と自制心の二つが葛藤を作り、双頭の片側が額近くを睨む棒へ右手を伸ばしては引っ込める。
「これ……男の人にされるのと同じように、おまんこが気持ちよくなっちゃうんですよ?」
熟れた女体を組み敷いたリリシュが自己の秘奥に一方の膨らみを捩じ入れ、直後にエラの広がりまで精巧に作られた木製の亀頭が、くちゃくちゃに蠢く膣内へゆっくり沈んでいく。
「ああっ、はあう……っ、な、何だ、これは……!?」
直径は男根としてはやや太め、故にずちゅり、ぐちゅりと内向きの蠢動に息を吐き身を委ねても、完全な埋没まで多少の時間を要した。
「あ、ああああっ! あふうっ、あああああん」
張り型の両端が全て押し込まれた瞬間、触れていないはずのぬめりの中にも子猫の舌を思わせる浅いざらつきと、擬似肉棒に取り縋るぐじゃぐじゃと蕩け崩れたうねつきが渾然となり、反り返る背中を灼熱で包んだ。
さらにリリシュが腰を前後させると、起伏の一本一本まで舐め回すように襞間を掻き分ける尺取虫さながらの緩やかな律動を鮮明に感じてしまい、だめだと思いつつも彼女のお尻を抱き寄せ、深みを穿てと暗にせがんでしまう。
「んうぅっ……フォーヴァル様のおまんこ、ぎゅうぎゅうって締め付けてきて……おちんちんって、こんなに気持ちよくなれるんですね」
顎を仰け反らせて歓喜の声を天井向かって飛ばすリリシュ。
媚肉寄り添う膣壁で前後する先端から快感を送り込まれているのだろう。
フォーヴァルも腰を揺さぶる度に、張り型が引き絞られる肉の環を不規則に配置した膣内を行き来する水音が赤く染まった耳に届けられ、縮こまった秘奥でエラを舐り回しながら窄まる筒状の粘膜が最も直径の広いエラを練り揉む様を感じたまま、切っ先を億に導き寄せる。
「ふううっ……あ、あ、あああっ! す、すごい……こんなの、初めてです」
ペニスを始点に注がれる気持ちよさのみならず、亀頭がどろどろの泥濘と化した膣内を律動する鮮烈な感覚が衝動に油を注ぎ、”聞こえるかも”という周囲への意識も忘れ、憚りのない声を弾き飛ばし、甘い汗に塗れてぬるりと光る全身を大きくくねらせ、伸し掛かる薄い胴体と細くすらりと伸びた太ももを何度も蹴飛ばしてしまう。
「ん、っ……はう、ぅ、ああっ、ふあああっ! リリシュ……」
「フォーヴァル様、もっと、奥まで……んふ、ひゃあっ」
切なく響く声がストロークの間隔を縮め、言葉に身を任せて深みをくじり回し、膣底真近にどっぷりと溜め込まれた、蜜と紛うほどに甘く粘っこいであろう愛液を掻き出し、絡み合う二人の絹肌を糸引く半濁液でへばり付かせ、くちゃくちゃっと粘着質な塊を柔らかく握り包むような音が下腹でぬるやかに響く。
「んあああっ、はあ、ああんうっ、いい……ひゃ、ううっ」
快楽を貪らんとする牝の本能ばかりが心の内側を占め、片隅に追い払われる理性に伴い、フォーヴァルは今までに刻み付けられた愉悦を思い出し、腰の回転を加速させる抽送が二倍三倍と深さと速さを比例させるにつれ、固まりかけのプディングじみた熱っぽい襞と肉の粒に埋め尽くされた筒の内部が下腹部を前に迫り出せと促す。
単純なグラインドにもかかわらず数百本に及ぶだろう幾多の襞蟲は、ぬめぬめぴちゃぴちゃとその一本ずつが各々我が物顔で感覚の共有を果たした張り型に全方位より絡み付き、生乾きの糊を連想させるべとついた肉の紐が亀頭を、エラ裏を搾り上げて煮崩れてとろみを滲ませる粘膜越しに握り締めていく。
「あうっ……んひいぃ、ああああっ! っんあ、気持ち、いい……っ、はあ、ああぁ」
挿入”する”悦と”される”悦が一体と混じり、同性であるリリシュと肉交に耽り、快感に溺れる……赤蔦草の媚液に原因はあると承知していたがやはり認め難く、一度は受け入れた彼女の下腹を押し返さんと右腕を間に滑り込ませる。
しかし、汗を孕んだ蜂蜜色の毛先がめいめいに解れては舞い上がる様に、一度は顎を引き目を逸らすも微笑みを声とした彼女がフォーヴァルの両腿を握り掴み、恥骨を擦り合わせるように下腹部を左右にスライドさせると、開きかけた唇を軽く突き出してしまう。
「ん……っはあ、ぅ…………んむ」
ぬちゅくちゅ、ぐちゅっと皮膚の間を隔てるぬめりを揉み潰し、互いの膣口をどろどろにしぶかせて抽送の加速を促す中、小さな舌が溢れる寸前まで唾液を溜めた口内へと入り込む。
「ああんっ、ふああ、ぁ! わ、わたしも……」
張り型がぷるぷるとろとろの粘膜で満たされ、刻まれた襞蚯蚓が縺れる膣奥へと幾重ものエラを締め付ける環をくぐっていく。
「リリシュ……あ、あまり激しく……んんぅっ、奥は……は、ううっ!」
くちゃり、ずちゅりと頭の裏まで水音が響き、湯上がりを思わせるのぼせ肌には汗雫がびっしりと浮かぶ。
蒸し暑さに浮かされるにつれ、秘奥を撹拌する切っ先へ襞が絡み付き、さしずめ表面にまで水気を浸らせた泡塗れのスポンジに近い、ぬめりを湛えた愛液の底へ小刻みなグラインドを繰り返す擬似亀頭が飲み込まれる。
リリシュの折り重なった媚肉が手押しポンプのように規則正しく快感を内側に送り、肩口に貼り付いて光の粒を撒き散らす鮮金を見守りながら青さの残る幼い女体を抱き締め、暴れる手足を封じたままベッドが軋むまでにゅるにゅると絡み縛る肉紐のあわいを先端で掻き分け続けた。
「ああっ、ひゃ……ん、こっちも……触ってあげますね」
「……っ、んああぁ……ふ、ぅっ……」
涙に濡れた睫毛を瞬かせながら天を仰いで指戯をせがむ、直後に乳首とクリトリスを摘み転がすリリシュ。
背中が跳ね上がれば、湿り気を含む白布とを隔てる隙間が生まれ、肌を取り巻く熱気と冷気が混じり、背骨の線を伝う雫を感じつつ身を起こす。
双丘の頭に爪を立てられ、追い打ちで迫り出した腰が強くぶつかって太く長い張り型が子宮口を突き込み、丸い盛り上がりを凹ませた。
頭の中目がけて駆け抜ける光の束はゾーグラスの荒々しいピストンを思い起こさせ、絶頂寸前まで追い詰められたいたたまれなさがフォーヴァルの手指に力を与えると同時に、絶頂が近いか小鼻を膨らませて髪を振り乱し、掌で容易に包み隠せるであろう薄い胸を仰け反らせたリリシュの身体を捕まえるフォーヴァル。
向こうもお返しと言わんばかりに仰向けになりつつも、肉のドームを保つぷりぷりと張り詰めた膨らみを掴んでは指甲を隠さんばかりに乳房を揉み続ける。
「っは、ああ……ひ、ううっ……ああ、あ、ああああっ!」
内を占めるは犯し犯される高揚感と後ろ暗さ、最後に尽きることを知らない愉悦への渇望……それ以外は何も考えられず、フォーヴァルはひたすら腰を振り、どろどろぬちゃぬちゃの襞がへばり付いては蠢く膣底を、衝動のままに穿ち続けた。
誰かに見られても構わない、弄り回された肉粒がもたらす快感と自らの奥を抉られて泥濘を掻き出される快感に、全身を皮膚の裏側から揉みくちゃにされる錯覚に陥り、リリシュのうなじを後髪ごと引き寄せ、薄く開いた唇の先に舌をこじ入れる。
「っ、ふ、ひゃあっ……フォーヴァル、様ぁ」
”軟”と”硬”を自在に操る舌が滲ませる唾液を啜りながら、瞼裏が真っ白に染まるまで息づきに合わせて、ぞよぞよとうねくり返る煮詰められたジャムさながらの媚肉へ律動を往復させる。
「あ、ああっ、いく、いく、っ………………ああああーーっ!!」
「ん、ふああぁ……わたしも、ん、あああっ!!」
頭頂を打ち付けられる痺れと紛う絶頂の快感、二人は唇を合わせて注ぎ送られる悦に耽り、ベッド上を満たす逃げ場のない落下感に身を委ねた。
※※※
「…………? っう……」
身体の重たさと喉の渇きを覚え、フォーヴァルは目を開ける。
窓の向こうには高く上った太陽が……雲一つない青空から降り注ぐ光線が肌を刺し、その熱がリリシュとの営みを思い出させる。
秘裂へ感じた疼き故に、床に投げ出された着衣を手に取る間も両脚をきつく閉じて、太ももを擦り合わせてしまっていた。
「はあっ……まったく…………さすがに、もう大丈夫だろうが」
テーブルに置かれたガラスのポットに直接口をつけ、陽に当てられぬるくなった水を飲み干す。
乾きが癒されるにつれて前髪をべっとりとへばり付かせる汗と、肉土手にこびり付いた薄めた糊状に乾いた白蜜の名残が気になり、部屋着と同じくベッド脇に放置されたタオルを拾い上げ、微かに湿り気の残るそれで身を拭い、服に袖を通した。
「…………あっ! えっと……フォーヴァル様……」
「すまん、起こしてしまったか」
布ずれの音が別の布ずれへと連鎖し、横向きに寝返りを打ったリリシュがそのまま身を起こし、乱れきってウェーブを作る髪を手櫛で整えながら眠そうに目を擦る。
しばらくは両腕を伸ばして舌と歯を見せるほどの大きな欠伸を繰り返し、片隅で丸まった毛布に潜り直してと微睡みを露わにしていたが、やがて勢い良くベッドから飛び降りるとフォーヴァル向かってつむじが見えるまで頭を下げた。
「ごめんなさいっ! わたし……あんなことしちゃうなんて」
「……もういい、あの粘液のせいだ。私も責めるつもりはない」
頭頂部を優しく撫でてやれば彼女も顔を上げる。
余程昨日の振る舞いを気にしていたか、目尻にはこぼれんばかりの涙が溜まっていた。
※※※
「ふふっ……さらさらしてる」
「気に入ってもらえて何よりです」
「…………あ、い、急ぐぞ。三日も歩けばラシュレアだ」
宿を出た後、お詫びということでリリシュが露天に並んでいた、紐でくくられた小さな猫のぬいぐるみを買ってくれた。
黒猫の毛と髭で作られたそれは耳に白い布、口に赤い布が貼り付けられ、両目には黄色のガラス球が嵌め込まれており、作りも手触りも本物同然だった。
口角を緩やかに上げて指を毛束に絡ませ何度も往復させていると目の前に影が。
顔を覗き込まれて相好を崩した無防備な自分を見られたと知り、紐をベルトに引っ掛けてポケットに入れつつ、積み上げた石で作られた門へと早足を向ける。
「…………?」
しかし立ちはだかる人の気配に進む歩も妨げられる。
怪訝をあからさまにしつつ視線を上に向けると、門扉に続く砂利混じりの道は、槍を持った軽装の兵士たち三人に塞がれていた。
「先を急いでいる、どいてくれないか?」
「ラシュレア国銀竜騎士団の団長、ジスドールだ…………悪いがそうはいかない、陛下の命を受けているものでな」
胸当てに足甲だけを身に付けた兵士とは違う、銀色に光る全身鎧を身に付けた黒髪の男が、兵の間を掻き分けるフォーヴァルに剣を突きつける。
「あっ、もしかしてこれのことでしょうか?」
リリシュがゾーグラスの持っていた宝珠を差し出すが、ジスドールは陽光に輝く大ぶりの琥珀を一度は手に取ったが、直後に広がったままの掌へそれを改めて置いた。
「どうして……? これを探してこいといったのはあなた達です、もう用は無いはずですよね?」
「その話は城で聞こう、だがフォーヴァルといったな?陛下がぜひ貴様に会いたいと申している、来てもらうぞ」
「待て? なぜだ、なぜ私のことを?」
「門の外に馬車を用意した、行くぞ」
一度は右手を剣の柄にかけたが、目を逸らしがちな相手から感じるは殺気ではなく畏敬の念……不自然な気遣いに不審は残したものの、出方を窺うのが先だと腕を戻した。
「確かに、よく似ている……レンフィシア様に」
心配そうに肩を竦めるリリシュを軽く抱き寄せ、真意も測りかねたままフォーヴァルは先導に沿って出口へと歩く。