放浪の剣士フォーヴァル~魔女の刃と大地の宝珠~四話 (Pixiv Fanbox)
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灰色の空、灰色の木々、灰色の大地……目眩すら覚えるほどの乾ききった風景の底で、着衣をくぐり抜ける肌寒い空気を吹き付けられたまま、ダレクより渡された革袋を開け、油紙の包を避けながら羊皮紙で作られた地図を取り出す。
「もう少し、か」
話の通り、剣には呪いが込められていた。
男の手指を切り落とし、女を愉悦の深みに堕とす……だが、打ち棄てられた古代遺跡の最奥に眠る聖杖を使えば解除も可能であると知らされ、フォーヴァルは一人遺跡へと向かう山道を何日も歩き続けていた。
目的地までさらに十日程歩かされるが、地図によればこの先に小さな村がある。
鞄には堅く焼いたパンと干し肉の欠片、朝から何も口にしていないことを思い出し、黒ずんだ血糊がこびり付く鎖帷子越しに腹部を押さえながら垣間見えた灰の積もる屋根を助けに、枯れ葉積もる下り坂を小走りで進んだ。
※※※
「……高いな。まあいい……適当に持ってきてくれ」
古びた酒場、奥へと下がる色褪せた粗末な布服越しの背中に目をやりながら、店全体をぐるりと見渡すフォーヴァル。
くすんだ雰囲気と疎らな客に相応しく窓は埃を被り、棚の酒瓶も乱雑に並べられていた。
さらに柱の傍に置かれた黒樽には蜘蛛の巣……テーブルにもところどころ汚れが残っており、価格の高さも相まって落胆に肩も落ちてしまった。
「………………? 随分と早いな」
目前が店主の身体で遮られる、置かれたのはベーコンとチーズ、干した後水で戻した葉野菜を挟んだサンドイッチと蒸かした芋の置かれた木皿とと葡萄酒が注がれた陶製のコップ。
口を付ければ酸味の強い安酒、しかし冷えた身体を温めるには丁度良く、飢えと渇きを癒やしたい一心でフォーヴァルはサンドイッチに齧り付いた。
「…………? 何か用か?」
芋の皮を剥いて塩を振ったところで、空席は山ほどあるにも関わらず老人が隣に。
椅子を軋ませる音と埃っぽい体臭に顔を背けるより先に、嗄れた声が耳に届いた。
「助けて、くだされ……」
物乞いかとも思ったが、禿げた頭の下には質の良い衣服。
意を測りかねたフォーヴァルはサンドイッチを皿に置き、組んだ両手を震わせる老人をまじまじと見返した。
「村の男が、あなたの戦いぶりを偶然見たそうです。この村は山賊共に目を付けられておりまして……時折山を降りてきては全てを奪い尽くしていきます。魔物を倒せるほどのお方でしたら……」
「……見ていたのか」
拭い残した鮮血の染みへ視線を落としながら、頂上近くで鋼を思わせる硬い体毛に包まれた二本足で歩く巨大な猿と鉢合わせ、一刀のもとに切り捨てたことを思い出した。
「数は?」
「は、はい、およそ十人ほどですが……魔法を使いこなす賊も何人か」
「…………どこまで出せる?」
「奴らは隠れ家に宝を集めています。地図はここに」
老人は汗を拭いながら、皺だらけの額に手を置く。
食料も含めて手持ちはあまりに心許ない……立ち上がり、脇に掛けた長剣をベルトに差すフォーヴァル。
その横顔を見上げる落ち窪んで濁った目は、寂れた酒場に不似合いな輝きを取り戻す。
「いいだろう、礼は弾んでもらうぞ」
「あああ……ありがとうございます、これで娘も……」
泣き崩れる老人を背中に酒場の扉を開けると入れ違いに一人の女性が。
どこか慌しい様子に口も開きかけるが手にした地図がそれを許さず、束ねた後ろ髪を引っ張られるような思いを抱きつつも、まだ見ぬ宝に思いを馳せ、砂埃立つ灰色の地面を踏み締めて村の出口へと急いだ。
※※※
「ふん、大したことはなさそうだな」
敢えて物音を立て、見張りを茂み近くまで誘き寄せたところで足音を殺しつつ背後に忍び寄り、革鎧には包まれていない脇腹に刃を突き立てる。
血飛沫を上げて崩れ落ちる身体を膝を前に出して支え持ち、枯れ草の上に寝かせながら、崖下で人工的な半円を作る洞窟を見上げる。
直後、硬い素材で作られた靴の小石を蹴る音が”一つ”……攻め入るなら今だ、と岩に背中を預けつつ横歩きで入口近くへ。
耳を立てれば細かな砂利を擦り潰す音が風に乗って運ばれる。
次第に近づく音を聞きながら紅を塗り込めた切っ先を地面に突き立て、相手が外に出るのを左手で鎖帷子の裾を掴みながら、汗を拭うのも忘れ待ち続ける。
「おーい、交代……」
薄汚れた革靴の先が見える。
山賊が次の歩を踏み出す前に、振り上げた剣を首筋目がけて斜めに叩き付ける。
大きな岩を転がしたような鈍い音……瞬間、視界は噴き出る赤を捉えた。
「……ちっ、もう一人いたか!」
足元に落ちた生首を蹴飛ばしながら、無造作に置かれた切り株に座る別の男へ近づくが、首を傾けたまま微動だにしない。
酒精を放ち、うつらうつらと上下に揺れる頭、歯軋りを繰り返す品のない寝顔に不快感を煽られ、フォーヴァルは暗闇に目配せを起きつつ、眠る男の首も刎ね飛ばす。
土へ染み入る赤に重ねられた新しい赤……錆びた金属を感じさせる血の臭いに鼻を押さえつつ、忍び足でランプが並ぶ先に向かう。
「酒盛りか……丁度良い」
屑籠代わりに使われたトロッコに身を隠して奥の様子を窺えば、荒々しさを蓄えた賊が六人、掘り広げられた大部屋で酒瓶を手に取り、壁に響くほどの大声で騒ぎ立てていた。
骨付き肉に喰らい付く大柄な男の背には金貨が詰まった大きな袋が三つ、他にも宝石に調度品、陶器が所狭しと積み上げられて、蝋燭の薄暗い灯火を跳ね返す。
予想を裏切る見返りの多さに気分が高揚し、思わずレールの残骸に爪先を引っ掛けてしまった。
「誰だ!?」
「……っ…………!」
甲高い衝突音に気づいたか、地面に置かれた斧と盾を持ち立ち上がる山賊たち。
だが何人かは酩酊故に歩幅も左右に乱れていた。
機を見出したフォーヴァルは薄暗い足元の障害物を落とした目線で探りつつ、水平に構えた刃先を正面に立った男に突き刺し、身体の中心に狙いを定めて斬り上げる。
鮮血に掻き消される断末魔の声、間を縫うように右斜めから別の男が槍でフォーヴァルを腹部を狙う。
「甘いっ!」
だが先端は鎖の表面を薄く掠めるのみ、二撃目に備えて引き下がる槍頭より早く間合いを詰め、革鎧ごと胴を真っ二つに。
残りは後四人……一気に決めてしまえと、狼狽をあからさまに酒瓶の転がる壁際に後ずさった山賊たちを追い詰めるが。
左から身を射抜かんと発された火球に、今度はフォーヴァルが引き下がった。
「エラルゴの兄貴、ここは俺が!」
老人の言葉を思い出しながら、短い詠唱の後矢継ぎ早に繰り出される火を、左右に動いては直撃寸前で回避する。
「今だ、一気に攻めろ!」
髪を炙る焔と狭い天井まで一気に駆け抜ける光に気を取られ、背後にはエラルゴを除く生き残りが二人……身を翻し、低い姿勢のまま体重を乗せて腹部に剣を突き立て、残った一人には返す刃で首筋を一閃。
声を出す間もなく崩れ落ちた死体を踏み蹴り、炎を投げつける男向かって全力で走り出す。
「……っ、もう少し、持ってくれ」
足元を狙う火の玉が地面に炸裂し、酒の名残りをへばり付かせる澱んだ空気が焦げる臭いとともに噴き上がる熱風が膝を崩すと同時に、下着の奥でぬるりとした愛液の滴りを感じてしまい、咄嗟に身体が前のめりに。
全身を走る痺れがグリップを握る掌を震わせ、頭を起こすタイミングを遅らせる。
刹那、額を舐める高熱……死体の持つ盾を剥ぎ取り、細かな傷の浮かぶ薄い鉄板で炎を防ぐ。
眼前で弾ける赤に光も眩さと化し、男の垢で汚れた頬の傷が鮮明に見えた。
「しまった! こいつ」
盾を捨て、一歩二歩と間合いを縮める。
相手もこの距離では魔法を使う余裕もないと感じたか背を向けて走りだすが、空を切る斬撃が肩を捉え、絶叫とともに血の海へと崩れ落ちた。
「ひいっ、ゆ、許してくれ!」
「悪いがそうも行かない……っ……」
残されたエラルゴが地面にへたり込む、頭を垂れたまま動こうともしないが、言い分を聞くつもりもなく、しとどに濡れた割れ口に眉を顰めながらゆっくりと近づき、長剣を限界まで振り上げる。
「親分、一体何が……?」
乱暴な足音に振り向けば、小太りの山賊が若草色のアンダードレスに白い外衣を身に付け、頭巾をかぶった少女の顔に短刀を突き付けていた。
「………………」
「そいつは村長の孫だ、お、おい……俺を殺したらあいつが何をするかわからんぞ、それでもいいのか?」
「た、助けて……」
ただの嘘だ、彼女を死なせてでも……と思考は積み重なるが、ほんの幼い少女はかつての自分……涙で満ちた悲しげな瞳は手枷となり、あの男に犯された心の痛みが持ち上げたはずの剣を下ろしてしまう。
「よし、素直じゃないか。まずは剣をしまってもらおうか」
血糊がこびり付いたままの刃を鞘に戻す。
エラルゴの視線が鎖帷子越しの胸とお尻の膨らみを這い回り始めた。
爪が食い込むまで握り込んだ拳で目の前の男を殴りつけたい衝動に駆られるが、少女の啜り泣く声に唇を噛んで歯を軋ませ、左手で震える右手を押さえる。
「何ぼんやりしてやがる…………次はそいつを下に置いて、裸になってもらおうか」
命乞いまでさせた相手に刻み付けられる屈辱、だが今の自分に逆らう術は見当たらない。
躊躇も許されない中で、革ベルトから剣を抜いて投げ捨て、裏にキルト縫いの厚布を貼り付けた鎖帷子も脱いで地面に叩き付けた。
「でかい胸だな……」
手下は一人を残して全員死んだが、眼前の汗に僅かだが透ける薄布を挟んで、呼吸の度にふるふると揺れる片手では掴み切れそうにない球体に、エラルゴは憎悪も忘れてしきりに唾を飲み込んでしまう。
一方で、フォーヴァルはショートパンツの裾を皺になるまで握り締め、白い歯をこぼし怒りを剥き出しにする。
薄い胴体と細い肩からボールを詰め込んだように夥しく迫り出し、まろやかな曲線を描いた先の頂点をきっかけに、強く抱けば折れてしまいそうな腹部へと丸く滑り落ちる乳房……殺気に気圧されつつも、何日も女を抱いていないからか、エラルゴは股間に軽い疼きを覚えつつ、手斧と盾を捨てて彼女へとにじり寄った。
「お、親分……後で俺にも」
「ああ、少し待ってろ…………そいつ、しっかり押さえとけよ」
間近で獣欲をそそる、シルエットを露呈させた女体に誘われるまま、鼻を擽る汗の甘い匂いに呼吸を荒らげる。
視界の中心に捉えた大きな胸を両腕で隠すフォーヴァルだったが、長剣など到底似合わない儚げなそれらではつんっと連なった実りの良い果実を思わせる双山など隠せるはずもなく、押さえる力に柔肉はむにゅりと圧迫され、腕を埋もれさせる半球は縦二つに別れながら隆起を高める。
「へへっ、すげえ……こんなでかい乳……牛みてーだ」
行く先を阻む両手を引き剥がすと、反動でゆさゆさと上下に波打つ光景を誘引剤に、エラルゴは二つの乳房を広げた十指で揉み潰さんばかりに握り掴む。
皮膚の内側を駆け巡るは限度無く続く柔らかな重み、フォーヴァルのむず痒そうな身動ぎと相まって、曲がって伸びる指のままに乳山は触れた部分を勢いよく突き飛ばさんばかりに大きく揺れた。
「ん、んんうっ……貴様のような男に、こんな」
裾野に指先を宛てがい、頼りなさすら感じるふよふよの肉塊を引っ張って釣鐘状に。
意に任せて変形するぬるま湯を詰めた水風船を思わせる巨大な膨らみを、何度も捏ね回してあやし立てる親指と人差し指の間に余った肉がはみ出し、中心の起伏を軽く擦るとフォーヴァルは肩を震わせ、俯いた状態で唇を噛みしめる。
それは嫌悪の発露にも感じられたが、五回十回と掌の開閉を続け、ぷりんぷりんと揺れる双球の頂きを摘んでは捻り転がす内に、張り詰めた弾力を表に纏った胸は、次第に熱を帯びてふにゃふにゃと解れ、突き刺した人差し指も三分の二ほどまで埋もれ沈んでいく。
「…………そんなに怒るなよ、すぐに気持ちよくなるって」
「……ん、ああ、あぁ……う」
手下の仇も忘れ、エラルゴは左手でぷっくりと浮かぶ先端を穿り返しながら黒いショートパンツの裏地に隙間なく貼り付き、真横に何本も皺を作るまで大きく実った巨尻に右手を添え、胸同様にむにゅ、ぐにゅにゅっと豊かな張り出しに掌全体が飲み込まれる様を楽しんだ。
長旅故か、お尻は乳房と比べると瑞々しい弾力と重さをこれでもかと含んでおり、下向きの弧を掬い上げた指で尻山を揉み弾ませながら、頂点を滑り落ち谷底近くまで追いやられて捩れた下着の線を探っていると、叩き付けるような質感に溢れた揺れ具合に、微かな痺れさえ覚えつつあった。
「っ……あ、あの子は……別の場所に、んんっ」
胸を揉む手と少女の間を泳ぐフォーヴァルの視線……頬が赤らみ、着衣の端を下に引っ張るのは背中を挟んだ先の、涙を滲ませた両瞳によるものか。
もっとも、エラルゴは恥じらいの炎に油を注ぐように、震える手甲を下腹から叩き落とし、汗で潤う縫い返しを力任せに引き上げ、鎖骨下まで捲ってしまう。
「……う、ううっ」
「あのガキ……じろじろ見てやがるな、お前が気持ちよさそうにしてるからだ」
「……!! 違う、こんなもの……不愉快な……はあ、ぁ」
眼光も鋭い赤瞳、だが頬と口元は桃色に透け、染め上げられた首筋にも汗が伝う。
加虐をそそる抵抗と愉悦の狭間、接触を待つようにたゆんたゆんと揺れる凝脂の塊に巻き付き、ささやかな突起を隠す細い白布を留め金ごと剥ぎ取り、裏地をぷっくりと押し返していた薄桃色の粒をあからさまに。
生肌が漂わせる馥郁たる芳香に中てられ、全ての指が一直線に乳房へと向かう。
妨げが失せた分、掌に残る柔らかさも倍増し、粘り気さえ感じられる吸い付きがエラルゴの手つきに荒さを添え、不規則に蠢く指がむにゅ、ぐにゅ、ぷにゅっと双山を拉げさせて汗でぬめる肉のドームに手型を置いた。
「……っふ、ああ、ぁ、ん」
滲む涙のきらめきは認めがたい快楽への葛藤か、フォーヴァルは膝を伸ばしたまま、擦り足で細かな砂利を踏み締めつつ直立の姿勢を維持しようとするが、腰は左右に捩れ、背中も撓んでは反り返る。
甘切なく上ずったくぐもり声に興奮を煽られたエラルゴは、屹立を正面の彼女に突きつけながら左手を脇腹、腰へ落として巨尻を揉みたくる。
たわわな果実を二つ、大きさの合わない服に押し込めたことで、尻山の頂点から谷底に向かう切れ込み近くが毛羽立ち、生地が僅かだが薄くなっている。
「……ふん、いい声出しやがって」
「ああ……っ、ぅ……っ、ち、違う……ああぁ」
否定の言葉も突起を摘んで捻り上げれば、呼気とともに天井へ吸い込まれる。
開いたままの唇端には細い唾液のせせらぎ、顎に伝い進む小さな雫玉を拭い去る手の甲……目前で広がる抗いに、エラルゴは尻谷をくぐらせた手で細く、だが肉感的な身体を寄せ、テントの頂点を弾力と柔らかさが同居したむちむちの太ももに擦り付ける。
「たまんねえな……おい、もっとこっち来いよ」
「…………ごめんなさい、ぐすっ」
「何言ってやがる、こいつも本当は喜んでんだ。よく見てろ」
隙間無く閉じた左右の脚を亀頭で押し分けたまま、ベルトを緩めショートパンツを引きずり下ろすエラルゴ。
村の若い女と似た飾り気に乏しい純白の下着……一方で、桃色を滲ませる透白の肌を暴き立てられたフォーヴァルから漂う妖花さながらの湿った風と同時に上り詰める、蜜を煮詰めた匂いに酔いしれ、汗雫を潜ませた綿布を巨尻の中心に追いやって尻たぶを完全に露出させると、後ろに肉がぐぐっと張り出した付け根へ突き刺した指を小刻みに震わせ、過剰なまでの豊かさを背中越しに見せ付ける尻をぷるっぷるっと弾ませて意のままに弄ぶ。
「っ、ふ、ああぁ……んっ、うう、ぅ……見ないで、くれ」
羞恥の極点に追い詰められたフォーヴァルは、エラルゴの首筋に熱っぽい吐息をこぼしながら背筋をわななかせると同時に、両膝を笑わせ手は姿勢を崩す。
さらに周囲の桃円ごと盛り上がる乳首を指腹で擦り転がせばお尻を突き出し、添えた掌にむにゅにゅっと重厚な肉が伸し掛かった。
密着が深まるにつれて、均整の取れた二つのアーチは押し潜る五指に、薄甘く香るぬるつきを伴いながら平べったく潰れ始めた。
「おい、そいつを縛ったらあれを持ってこい」
「…………わかりました、まだ残ってるといいんですけどね」
ロープできつく雁字搦めにされた少女の薄い胴体、細い手足……幼いなりにも状況を理解したか、頬を真っ赤に染めて俯き、拘束された後ろ手をしきりにもがかせていた。
「……っふ、ああぁ……何を、する気だ」
半円状の空間に響く布ずれと縄の軋む音、だがそれも熟した女体を持つフォーヴァルの嬌声に掻き消される。
途切れがちに疑問を露呈させた彼女を無視して、固さを着込んだ突起を捻り潰し、椀形の真円を保つ球体を腋下から寄せ上げる。
粘り気じみた吸い付きを湛えた肉塊は圧力に呆気無く屈し、楕円に盛り上がりながらぬちゅぬちゅと深まる谷間で膨らみ同士が鬩ぎ合う。
「親分、持ってきました!」
足音と一緒に近づく手下が渡す小さな瓶を受け取ったエラルゴは、蓋を開けてどこまでも続く桃彩と粘露を纏う広大な絹白へ中身をぶち撒けた。
「こいつはよく効くぞ、たっぷり気持ちよくなっていいんだからな」
「く、ああぁ……誰が、そんな、あう、ふぅ」
薄緑色の液体は、柔らかく変形してもちもちと指戯に追い縋りながらも汗玉を弾く若々しい肌上を滑り、上輪郭、乳首を通り抜けて自重で傾斜を増した下輪郭まで万遍なく広がる。
相手も液体の効能を察したか、背中をたわませを瞑ったまま頬が窪むまで歯を食い締めるが、ぬるつきを十二分に着せられた乳首を指間で挟み付けると、上下の歯が開いて湯気が立たんばかりの汗香と呼吸を散り広げる。
「はあ、ああぁ……ん、う、そだ……こんな……ひううっ!」
媚薬を塗したことで、ランプの淡明に滴りがきらめき、乳肉はぬらりと照り光る。
淫靡な光景に吸い寄せられたエラルゴは、右の乳首を構い立てたまま、左の乳首を口に含んで舌先で転がす。
ぬちゅり、くちゅりと塩味と酸味、甘味が混じるこぼれ汁を喉を鳴らして体奥へと送り注ぎながら、啄んだ先端の周囲へ薄く小さく広がる乳輪にとろみを拭い撫でるように唇を被せた。
「ここが弱いんだろ? 正直に言ってみろよ」
澱む虚空に白く細い指を彷徨わせるフォーヴァル、行き着く先は喘ぎ弾ける綻んだ花唇……しかし、しこりを持つ突起に当たった歯が、広げた指の一本一本まで硬直させてしまう。
「ひ……っ、違、うっ……ああ、あああぁ」
一度は持ち上がった両手もだらりと下腹に落ち、和らぐ抵抗に乗じて果肉を前歯で柔らかく噛みながら、媚薬でぬめついて掌内でぷるぷると弾んでは指の隙間から逃げる乳房を揉み掴む。
刺激を加えるごとに、フォーヴァルは見えない糸に顎を吊り上げられ、発熱に重ねて一つに束ねられた古墨の髪もなびいては生温い風をエラルゴの元へ送り届ける。
”牝”を強く感じさせる空気が体奥まで染み渡り、着衣の内側を突き破らんばかりに亀頭がそそり立つ。
先走りでどろどろになった先端は、迫り出す腰に合わせて圧迫感を下半身に広げ、吐精の機会を窺うようにもどかしさ混じりの快感を渦巻かせた。
「よし、そろそろだな……おい、こっちに来な!」
広間の奥に敷かれた、綿を詰めただけの粗末なマット……背筋を縮めて膝を曲げ、その場に留まろうとするフォーヴァルを腕力のまま仰向けに押し倒し、直後にズボンを脱いで天井を見上げる屹立を露わに。
「…………っ、ふん。随分と、粗末だな……子供のものかと思ったぞ」
開いた口の先には侮蔑、しかし薄汚れた布の上で脚を閉じて太ももを擦り合わせ、下腹を浮き沈みさせた彼女にはひどく不似合いな言葉だった。
エラルゴも明らかな挑発には応じず、馬乗りの状態でペニスを寄せた胸の谷間に挟み、腰の前後を開始させる。
たっぷりと揉み抜かれた熱っぽい乳房は弾力を持って押し返す反面、皮膚がなければ今にも蕩けて無くなりそうなまでに柔らかく、深く狭隘な切れ込みに竿が圧迫されても、重さと体温、そして湿度ばかりが伝わり痛みとは無縁の世界が広がる。
「すげえ……こんなでかいのぶら下げてよく戦えるよな」
「あ……ああ、ぅ……だま、れ……っそこ、は、ああぁ」
意趣返しの一言……歯噛みしつつ顔を背けるフォーヴァル。
加えて双山を揉みしだく手の甲に爪を立てるが、脱力故に表面を軽く引っ掻かれるに留まる。
形ばかりの抵抗も気にせず、ぐにゅぅ、ぷにゅっと柔肉を捏ね回し、前後のストロークを深める。
蒸しパンを思わせるふかふかの内壁は、熱と湿気を溢れるほどに湛え、跳ねる背中に応じてぷるっぷるっと弾んでエラ裏、カリ首まで練り揉む。
体内を直に撫で回すようなこそばゆさと疼きが手足の指先まで駆け巡り、同時にフォーヴァルも、媚薬がもたらす認め難い愉悦からか、片手でマットの端を握り締めては片手でエラルゴの身体に幾筋もの赤を刻み付けていた。
「あ、ああぁ……んう、ぅ……っく、ふああ、な、なぜだ……?」
快感に浸りつつも嫌悪を前に出し、腕を掻き毟るフォーヴァルだったが、次第に手とマットの距離が近づく。
天井を虚ろに彷徨う双眸は、涙で赤をより鮮明にしながら、蕩けた脂肪の塊が包む、汗と先走りでぐちゃぐちゃに糸を引く肉トンネルへ出入りを繰り返す亀頭とエラルゴの顔を、眉尻を下げながら交互に見つめ始めた。
「効いてきたみたいだな」
二枚の唇を震わせ、フォーヴァルは頻繁に首を振る。
もっとも彼女が何を考えているかは些細なこと、数えるのも煩わしいほどに積み重なる往復の回数に衝動は限度無く掻き立てられ、指間に戯れかかってぐにゅう……っと指の甲さえ丸呑みする巨大な肉塊に何度も腰を打ち付け、スライムを思わせる二つの山を小刻みに痙攣させた。
「あっ、ああ……っ、あまり、激しく……んうう、こ、こんなもの」
「いい加減素直になれよ………………おら、自分でデカ乳押さえろ」
「…………クズが………ぁ、ううぁ」
縄を食い込ませ、苦悶に顔を歪ませる少女へと目を向ければ、マットの擦れる音に続けて面輪を微かに緩ませたフォーヴァルは、渋々といった様子で両手を乳房に添え、ぎゅむっと谷間で挟み込みペニスへの圧迫を強める。
あまりの窮屈さにストロークの感覚も伸びるが、空いた指で乳首に円を描き、強張る乳谷の間を縫って高温のサウナと錯覚させる内側のひしめき合いに酔いしれた。
「っ……うう、たっぷりぶち撒けてやる」
ぐにゅっ、ずちゅっと波打つ両胸は滲み出る我慢汁も相まって、生温かい煮凝りを感じさせるぬたつきは一層激化し、カリ首にも押し潰された球体が忍び入り、液体が溜まりぬるぬるとした粘膜の狭間をしっとり滑らかな皮膚が揉み扱き、強くなる締め付けに重なってエラルゴを射精へと追い詰める。
駆け巡る媚香故か、フォーヴァルも朧げな炎に照らされながら腰をくねらせ、お尻を持ち上げて乳肉の圧力を一段階強くする。
「っふ、あうう……っ、は、早く、終わらせるんだな…………ひゃあうっ!」
僅かに残した余裕も、突起に指弄を浴びせれば反り返る顎に次いであらぬ方向へと霧散する。
村娘より垢抜けた一方で娼婦とも違う純朴な女を、命を盾に取り意のままに操る……膨らむ優越感が唇端を歪上させ、胸を押さえ付ける彼女の両手を、自分が命じたことも忘れて引き剥がし、限界まで広げた掌で力任せに掴み、とろとろぬめぬめの狭間に反動を連れて亀頭を潜らせ、纏わり包む二つの乳房をエラで擦り立てては波打たせる。
「そうか……う、ううっ……じゃあ、全部飲んでもらうとするか……っ!」
度重なる厚肉の快感が、ぐにゅり、ぐぢゅりと挟み付けられた亀頭を揉み回して探り回す両手の動きも乳房の波打ちを助長させる。
さらに大渦を作る快感が下腹部向かって収束し、竿の周囲で取り縋るぬめついた肉が、それを鈴口付近まで持ち上げる。
「く、う……ん、だ、れが……ああ、ふああぁ」
腰全体を回転させながら、フォーヴァルの口元に射精寸前のひくついて震える亀頭を突き付けた。
少女を前にした意地か、両の眉尻を吊り上げて蕩けきっていた表情を固く戻そうとするが、根元を柔肉越しにむにゅむにゅっと揉み込みながら唇に先端を押し付ければ、雫をこぼす双眸が細まり、粘っこい水音とともに弾力のある内頬と薄くざらつきを伸ばした舌が混じり合った液体でぬめるペニスを刮げ拭う。
遠慮なく伸し掛かる粘膜が総身に疼痛めいた痺れを走らせ、瞼裏に飛び散る白い火花に急かされるようにフォーヴァルの後頭部を掴み、挿入を深めながら精を吐き出す。
「ううっ……出すぞ……! こぼすなよ……っ!!」
「んんっ!? ふ……ぅ、んんぐ……うううっ!」
震える身体に合わせてぷるぷると寄せては返す巨双乳、男根を引き捻られる脱力感に身体が崩れるも、肘を伸ばしマットに手をつく。
「く……っ、ん、ふううぅ」
鼻から呼気を抜くフォーヴァルは上ずり声を漏らしつつ、ごくりと何度も喉を鳴らして口内にへばり付いた唾液と混じる液体を体内へ注ぎ送る。
白濁液を撒き散らされた桃色の粘膜は、張り巡る糸を敷き詰められ、ぬるぬると亀頭を心地良く包んでくれた。
射精が終わった後も緩やかに腰を動かして唇裏がエラを捲り返して締め付ける感触を堪能した。
「おっと……へへっ、こんなに出しちまうなんて」
フォーヴァルは口を小さく開けたまま天を仰ぎ、時折手の甲で涙を拭いながらエラルゴを殺気に満ちた視線で睨み付ける。
頬を赤く染めて身を乗り出し、上半身を暴れさせて泣きじゃくる少女を心配そうに見つめて唇を噛みながら……
「よし、こっちにでかいケツ出せや、ここまで来たら最後まで楽しまないとな」
「……っ…………」
屈辱の淵に身を置いても守るべき少女に目配せ……そして小さく首を振った後、四つん這いになり巨尻を高く突き出した。
直立状態では歩く度にぬちゅぬちゅと谷間が擦れ合い、下着の奥で蒸れて汗ばんでいたであろう楕円形の尻肉は、前傾姿勢に上下から引っ張られて弛む肉付きが薄くなった反面、丸みを強調させていた。
「どっちの穴も綺麗じゃねえか……初めてってわけじゃなさそうだが」
張り詰めていても皮膚の薄さ故か、ぷにぷにとした赤ん坊の頬を思わせる汗のぬるついた内壁に指を引っ掛け、丸パンを割るように尻谷をくつろげて体液が溜まりせせらぎを作る皺の集まった穴を暴露する。
その先には薄く褐色の乗った肌が続き、透桃に輝く小舟型の割れ口が果てに佇む上端には糸を引く半透明の愛液がしとどに溢れ、真下には大きな円形の染みが。
限界まで湛えられたとろみに目を奪われたエラルゴは、滑らかでもちもちと吸い付かんばかりの大尻を鷲掴みにしたまま、萎えとは無縁なペニスを膣口に擦りつけ、浅い律動で背中をゆっくりと沈ませると、泥濘に溺れる生貝の剥き身がぬちゅくちゅっと蠢き、鈴口を優しく舐め撫でた。
「ひああっ、んんっ!! はあ、ああぁ」
微かな刺激にもフォーヴァルは顎を反らし、お尻を左右に振り立てる。
互いの下半身が擦れ合うことで、肉扉にこびり付いたトロ蜜が表面の捩れから押し出され、裏腿まで染み渡って薄めた糊さながらの粘調が下半身に満遍なく広がる。
「うおっ……すげーな、この締め付け……偉そうな割には好き者だったってことか」
フォーヴァルが膝の角度を縮めて巨大なお尻を沈ませたところで、エラルゴが十指を、破裂寸前までぬるま湯が詰まった風船を思わせる、ぽよんぽよんと揺れ弾む柔尻を掴んで分厚い双肉を両端に広げると、身悶えに合わせて打ち震える半透明のぐじゅぐじゅに入り組んだゼラチン目がけ適当を一思いに捩じ込んだ。
「はああっ、あああああああああっ!!」
大部屋に響く鈴を掻き振った甲高い声、直後に全身を駆け抜ける甘美な稲妻、入口も先にある複雑な構造も狭く窮屈な作りだった。
しかし痩せ細った小柄な村娘とはどこまでも対照的な、肉感に富んだ襞蟲は針のある重い巨尻をぷるんっと弾ませるほどに腰を打ち込めば、骨の軋みなど微塵も感じさせない厚造りの膣肉は襞をぞよぞよとざわめかせながら、無数の狭隘なリングを潜り抜ける亀頭に粘り気を押し着せつつ握り込むように全方位から収縮する。
「うっ……へへっ……いい感じに解れてやがるな」
「あは、あっ……ああぁ、っ、ん、だ、め……見ない、で」
フォーヴァルの目線を辿ると、ランプに照らされて汗にぬめ光る裸体を少女が顔を近づけ、瞬きも忘れて食い気味で見つめていた。
それを気にしてか、四つん這いを支える左手で切れ込み近くを隠そうとするが、指は熱気を運ぶ微風の中で彷徨うばかり。
羞恥を明かす仕草も反動をつけたストロークが吹き飛ばし、一突きで愉悦の淵に追い込まれたかほんの布一枚程度の直線を形取るだけの筋肉に包まれた腰を左右に回転させ、くねる背中を橙に光らせながら、喉奥から嬌声を搾り出す。
「はあ、っあ、あああっ! ふああ、こんな……ああんぁ」
ぬちゅぐちゅと細やかに蠢く、泥濘に沈んで粘り気に塗れた襞蚯蚓にしがみ付かれたペニスは不規則な収縮と弛緩に晒される。
息づく膣壁が亀頭をぞわぞわ舐め拭っている間に、先細りの筒を感じさせる狭苦しい膣底まで切っ先をくぐらせるが、フォーヴァルが大きく息を吸ったところで熱蒸気を撒き散らす身体が強張り、膨らむ下腹に比例してエラ裏に侵入した肉環がぎゅううっと引き絞られ、幾重にも肉紐が縺れ合い潤滑油がしぶきを立てる膣内で滑らかなストロークを繰り出していた肉棒の行く手を阻む。
「っ……おいおい、そんなにぎゅうぎゅう締めるなって……たまんねえな、まったく」
「あ、ああっ……! 馬鹿な、ああぁ……はああうっ」
粘膜同士の擦れ合いは、さしずめ蜂蜜へ浸したビロード越しにきつく握り潰されるようなものだった。
一回の抽送を挟んで膣壁は、内向きに渦を描きながら縮こまり、ふわふわぬるぬるの肉絨毯で男根を満遍なく包んだかと思えば、突き込みに若干遅れて膣壁が追い縋り、カリ首に侵入した桃色ゼラチンがずる……ずる……と這いずり回り、亀頭の表面を起伏に富んだ柔らかな蔦で舐り上げる。
「いいのか? ガキの前でいっちまっても!」
掘り広げられた天井向かって捧げられた巨尻目がけて早腰をぶつけ、肉と肉がぶつかる乾いた音が二人の間を取り巻く。
筒中でも襞がぐにゅぐにゅとうねくり返り、膣奥まで捩じ込まれた亀頭はグラインドに捻りを加えるごとに歯のない口に食い千切られ、縛り上げんばかりの圧縮を全面に受けてしまう。
押し寄せるは乳谷での射精をはるかに上回る鮮烈な衝動……こめかみ、手首、腰骨と心地よい熱が広がり、それらが一本の束と化してペニスを内側から擽り弄る。
「あ、っ……ああっ、そんな、あはあああぁ!!」
前後運動の速度がピークに達すると、絡み合うぬめ襞を押し分ける粘っこい水音がずちゅっ、ぐちゅっ、ぬちゃっと大きさを増し、彼女の上質な楽器を思わせる涼声の乱奏の極地へと進む。
「俺のは濃いからな……産まれても知らねえぞ」
まだ出すなと内心で強く願ったにもかかわらず、フォーヴァルの膣内は入り組んだ襞のあわいへと突きくぐる先端を食い締め、布巾でも搾る要領で右へ左へ戯れかかる。
「あ、ああっ、んあああぁ、はあ、う、ひゃあ、うううっ!」
粘膜のざわめきは緩やかに包み込んでぎゅうっと抱きつき、意図とは無関係にせよ追い打ちで巨尻を振り回して竿を隅々まで扱き拭っていく。
思考は次第に射精衝動へと塗り潰され、欲求に引きずられるように大きなお尻と奥に潜む底無しの泥濘へ先端を何度も叩き込んだ。
「…………っ、腹がでかくなるまで、逃さねえからな!」
「あ、ふああぅ……やめ、ろ……中は、んうう」
そして、あまりに唐突な射精の瞬間。
フォーヴァルが息を止めてお尻を高く上げればカリ裏の深くまで襞が侵入し、収縮に比例して強まった摩擦を含んだままずりゅっと形にそって舐め上げられてしまい、全身を包む脱力感のままに眼前の巨尻へ覆い被さってしまう。
吐精を繰り返す切っ先から注がれる甘美な痺れ、下腹部の内側はクリーム状にどろどろと溶けていき、快楽を除く全ての感覚が遠くへ追いやられた。
「……あ、ああっ……出て、る…………いやあああっ!」
飛ぶ言葉は嫌悪そのもの、しかしフォーヴァルは全身を痙攣させながら頤を上げて何度もかぶりを振り続け、積み上がる脈動の数につれて絹肌に粟を走らせ、唇端に漏れる吐息も甘切なさを露呈させる。
「ふう……あのガキともども、たっぷりかわいがってやるからな……殺された奴らの分もな」
ペニスが引き去った結合部では栓が無くなり、肉路にへばり付いた白濁液がどろりと内腿を伝い落ちてマット上に這い回るスライムのような薄い球体を作る。
「お、親分……次は」
「わかってるって、さっさと来いよ」
ロープで縛られた少女を、武器と死体が乱雑に転がった地面に打ち捨て、露骨に股間を膨らませたまま、血走った目で手下はフォーヴァルの元へ。
粗末な布が擦れる音の中で血糊に塗れた彼女の剣を見つけ、拾い上げたそれを飾る七色に輝く宝珠をランプの光にかざす。
「ほう、こいつは高く売れそう……な、うううっ!!」
恍惚と被虐に浸る意識は、エラルゴの叫び声に引き締まる。
レシドスの言葉通り、柄を握ったはずの指は石化した後根元から朽ち果て、地面に音もなく転がる。
思わぬ好機にフォーヴァルは立ち上がり、取り落とした剣で痛みに顔をゆがめるエラルゴの胴体を胸当てもろとも真っ二つに。
「親分!! ひ…………いっ、許してくれ、お、俺は何も……」
尻餅をついてなお後ずさろうとする最後の一人、逃すつもりはないと首根に刃を当てて狙いを定める。
甲高い風切り音とともに、手下の頭は壁際へと叩き付けられた。
「大丈夫か…………まったく、何もしていないとはよく言ったものだ」
服を着るのも忘れ、フォーヴァルは荒縄で雁字搦めにされた少女へ駆け寄った。
外衣もアンダードレスもはだけており、肉付きに乏しい白い脚とほつれが見て取れる質素な見えており、手足についた砂と乱れた足跡も相まって、ナイフで縄を切る指が震えてしまう。
「…………もう大丈夫だ。
すまなかったな……こんな目に」
拘束から解き放たれた少女の衣服を整えて埃を払ってやれば、しばらくはぼんやりと自由になった手足を見つめていたが、ふと涙の溜まった青い瞳を何度も瞬きさせながらフォーヴァルにしがみついてくる。
「お姉ちゃん……ごめんなさい、ごめんなさい」
「気にするな………………無事でよかった」
自らの全てを奪い傷つけた男を思い出しながら、雫をこぼし、顔を埋めたまま動こうとしない少女の頭を撫でる。
こうして助けられたなら、あてのない旅の末に憎悪に駆られることもなく、ささやかな幸せを誰かと共にしていたのかもしれない。
「……泣くな、さあ……帰ろう」
だが、尽くされた陵辱の限りがあってこそ、目の前の少女を救うことできた……握られた掌の温もりに、笑顔を返し立ち上がった。