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放浪の剣士フォーヴァル~魔女の刃と大地の宝珠~二話 (Pixiv Fanbox)

Content

「ここか……随分と時間がかかったな」

油布を先端に巻き付けた松明を手渡される。

赤く鮮やかな炎が、剣を振り回せるところまで人工的に切り開かれた洞窟の岩壁に二人の影を伸ばした。

「剣のある祭壇はここから真っすぐ行けばすぐだ。しかしまずは……」

レシドスが左側の通路に視線を移す、火をかざした先からは冷たく湿った空気とかすかに届けられる甘く饐えた匂い……頬を舐める不快な風に、無益と知りつつも纏わり付くそれを手で払う。

弾みで蹴飛ばした小石が別の砂利にぶつかり、静まり返った闇の奥に乾いた音を反響させた。

「しばらく歩けば地下水路が見える、その近くだが…………魔物が来るかもしれん、気を抜くなよ」

剣を手にかけたまま左手の松明を際限なく続く黒の底へと向ける。

漂う異質な気配に目を凝らして奥を見れば、壁には白くぼんやりと浮かんだ何か。

近づくにつれて朽ち果てた人骨とわかり深く息をついたが、傍らに打ち捨てられた折れた剣に留め金が鋭利な刃物で切断された錆の浮かぶ胸板……次第に濃さを増す邪気が高揚感と恐怖を掻き混ぜて指を、膝を震わせた。

「やられたのは、一人だけではなさそうだな」

レシドスとの距離を詰めれば、頭から爪先まで埋め尽くす古墨を払う互いの光が重なり合い、二人を赤橙光で包む。

見える姿は竦みかけた肩を撫でて弾む呼吸を緩やかに、遠火は肌を掠め炙り、鎖帷子の内側にまで温もりを染み渡らせる。

松明を握る掌にかいた汗をショートパンツで拭いながら、岩壁に刻まれた目印と大きな背中を追って右に左に狭い通路を進む。

「なぜだ…………?」

「……何だ、いきなり」

「いや、なぜあの剣が必要か気になってな」

自分を犯した男が、魔道士を一人連れただけで山をも凌ぐ巨大な竜を打ち倒したと聞いたのは一ヶ月ほど前……真実であれば勝ち目など万に一つもないだろうと方法を探る内に、かつてラシュレア城お抱えの学者だったダレクという名の老人に出会い、今手に入れんとしている”魔女の刃”を知ることとなった。

「………………」

魔女の心臓を貫いた剣、持ち主であった聖なる騎士の一振りは大地を割り、海を裂き、嵐を生んだ……あくまで伝承だとダレクは呟いたが、実在は確かであるとも付け加えた。

「話したくないのなら構わん、しかしあの剣は男が引き抜けば指が落ちる……」

「…………それが呪いか?」

「それだけではない、女が持てば……」

ここでレシドスの歩が止まる、爆ぜる炎に合わせて、ずるり、ずるりと濡れた何かを引きずる音が。

「赤蔦草だ、こちらにつられたようだな」

音は一層大きくなる、松明を壁に立てかけて剣を抜くフォーヴァル、しかし橙に照る銀色を闇に向けた刹那、勢いよく飛び込んだ何かが左腕に絡み付く。

呼吸めいた風を纏った、生温かくぬるぬるとした縄を思わせる触手を剣で切り裂き、二本三本と鎖帷子を追うそれらと間合いを取りつつ、近づく切っ先へと刃を立てた。

「くっ、ううぅ……」

粘液が肌上を滑るごとに倦怠感は強くなるものの、強く地面を踏み締めて両足の支えにしながら返す刃を斜めに振り下ろす。

何本かの頭は落とす一方で、生き残りがレシドスに狙いを定めて切れ込みのある突起部分から桃色の液体を彼の肩口に浴びせる。

「しまった、こいつ!」

取り落とした短剣は指同然に動く触手が弾き飛ばし、乾いた甲高い音を立てながら洞窟の奥へと姿を消した。

ぬめ光る自らの剣を奴の”手”に突き付けた状態で、ずるりずるりと濡れ音を伴って這い寄る相手に腰を低く屈めたまま壁に背中を預けた。

「下がっていろ。この程度の相手、私一人で」

「…………すまん。だが油断するな、何人も殺された」

長剣二本分先の正面に、その姿が松明の火に映された。

足元には茶色の皮に包まれた球根らしき本体、そこから暗赤色の触手が無数に生えて虚空を舐り撫でるように蠢く。

湾曲しては伸び、表面に滲む体液を地面に撒き散らす手の代替器官は全体に万遍なく浅い凹凸を置き、突端の亀裂には動物の体表を連想させる無数の細長い繊毛が飛び出していた。

嫌悪感を誘発させる外見に、感じるのは皮膚の粟立ちと背筋の寒気……そして、舐め回される想像が生んだ秘裂への薄い粘り気。

「っ……次が来るぞ、逃げろ!!」

レシドスが崩れた足を支えに後ろへと飛び、壁際に下がる。

一人が間合いから外れたことで、赤蔦草は狙いをフォーヴァルに定め、手首足首目がけて触手を振り回す。

しかし、捕食の本能故か追撃は単純極まりなく、接触の寸前に背を反らせて回避しながら、ブーツに巻き付くそれに剣を突き立て、加えて左半身を狙う三本の触手を斬り抜けた。

的確な反撃が功を奏し、敵は本体を庇うように伸ばした肉の縄で球根を雁字搦めに、降って湧いた最大の好機に、砂混じりの地面を一気に蹴り上げて広い歩幅で間合いを詰める。

相手も縮ませた触手を伸ばし、突きを繰り出したフォーヴァルの前方を取り囲む。

「そこだあああっ!!」

側面から叩き付けられたぬるつきも意に介さず、体重を乗せた斬撃で球根の包皮ごと切り裂き、露出した白い核に向けて刃先を刺し付ける。

さくりと果実を二つに割ったような弱い手応えが指先にまで伝わった。

「………………!!!」

全身を痙攣させる赤蔦草、やがて触手はぬるま湯めいた液体を迸らせて一本ずつ地面に崩れ落ちていく。

完全に動きが止まったところで、吐き出された桃色でべとべとの両腕両足を取り出した布で拭いながら、うずくまるレシドスの元へ。

幸いにも軽傷なようで、立ち上がる動きは滑らかだった。

「不意を突かれた……しかし…………」

彼が瓶と匙を手に持ち粘液を採取する様子を後ろで見守る。

何気ない動きの間、フォーヴァルは広い背中と腕筋の盛り上がり、そして引き締まった横顔に両目も縛り付けられ、瞬きさえ忘れてしまう。

焼き付けられた光景は身体中に痺れを走らせ、そこにあるはずもない素肌を弄る何本もの指先を想像し、もたらされた夥しいむず痒さに背中を捩ってしまう。

ぶつかり合う細く編まれた鎖、内なる欲情を紛らわせるように抜き身の剣を鞘に戻し、土の上に残された数多の足跡に視線を落としながら屈んだ背中を突っ張らせ、自ずと擦れ合う太ももを開いては下腹に溜まる居た堪れなさを振り払う。

「……しかし、何だ?」

「媚液をたっぷりと浴びたようだな……さっさと帰るぞ」

”媚液”、聞き慣れない言葉に首を傾げるフォーヴァル。

だがレシドスは何本もの小瓶に薄桃色の液体を満たし終えるや否や、口を閉ざしたまま瓶がぶつかるのも構わず、松明を突き付けて来た道を慌ただしく大股で引き返す。

「おいっ……媚液、だと? それを浴びるとどうなるんだ?」

弾む呼吸に察しを抱きつつもレシドスに聞き返す、相手の血走った目に胸が高鳴り始めた。

加えて膣口もぐねぐねと蠢き立ち、クロッチ部分にぬちゃぬちゃと染みを作る……答えなど聞くまでもなかった。

「……………………」

歩くごとに、着衣の内側では乳首が目覚め、クリトリスも薄布に擦れて踏み出そうとした足にぎこちなさを与える。

向こうも媚液の高価が出始めたか、途切れがちな足取りの合間に首を動かし、幾度と無く振り向きざまに遠慮がちな視線を送った。

最初は顔、次第に目の行く先が鉄鎖を押し上げて丸い形を明かす乳房に、やがて桃色に染まる剥き出しの腕と太ももに滑り落ちていく。

「っく……祭壇までは、後どのくらいだ?」

松明を正面にかざしてもそれらしきものは見えず、両端には延々と続く灰色の壁が底知れぬ闇を取り囲む。

ざわめく不安が覚束ない足取りを作るが、なぜか眩赤が照らす革鎧を見るだけで総身に甘切ない疼きが走り、地を蹴るブーツに加えて着衣の布ずれが快感の芽を育てる雨水に。

「は、ああ…………ぁ」

疲労とは異質な吐息、瞬間翻ったレシドスが悶える身体を壁に押し付け、逞しい胸板を両目が射抜いた直後に、鎖帷子が脱がされていく。

「お、おいっ……ん、何を……」

返答の間も惜しく、無言のまま汗に貼り付いたシャツ越しに乳房を揉みたくり、右手の中で自在にむにゅむにゅと拉げさせる。

長旅に適した強張りを残す頑丈そうな布地であっても、蒸れる汗のおかげで繊維は解れて奥に潜む蕩けんばかりの肉塊をほぼ直に感じられた。

並行して左手は巨尻に宛てがい、窮屈そうなショートパンツに押し込められることで生じた左右に伸びる皺をなぞりつつ、中指を全て飲み沈める深い谷間を弄った。

ふんわりとした軽さとずっしりとした重さが片手ずつに、フォーヴァルは見上げるように睨みながらも、背中を壁から離せずに触れる手に自分の手を被せて腰を左右させるばかり。

「ん、ああっ……こんなところ、で、はあぁ……ま、まさかさっきの」

あの粘液さえ浴びなければ……大きな乳尻の上で戯れる十指は止まらずに、内心を走り抜ける肉欲と指が埋もれるぷるぷるの柔らかさに促されて両手の指が忙しなく動く。

お尻を浮かせるフォーヴァルは両目を吊り上げながらも、涙を浮かべた赤い瞳は焔に塗れて宝石のようにきらめき、桃唇の端にも唾液の跡がうっすらと残っていた。

不可抗力だ、相手も受け入れている……と悦に耽る自分へ言い聞かせながらレシドスは探り当てた下着のラインに指先を引っ掛け、目が詰まったスポンジの塊を思わせる大きなお尻を、息遣いに合わせてぎゅっぎゅっと揉みしだく。

「……ん、はあぁ……っ、そ、そういうこと、か……くううっ!」

黒布の微かなざらつきを隔て、掌に送られるは柔らかくも分厚い肉感、曲がっては伸びる五本の指に従い、細いウエストから一気に突き出た、むちむちとした重量感たっぷりの手に余るお尻はめり込むそれを優しく抱きとめ、離れればぷるるんっと弾力に応じて押し返して元の楕円を取り戻す。

柔肉は揉むほどに熱く解れ、布の向こう側にこもる湿気が感じられた。

「こうなったらしばらくは落ち着かない……諦めろ」

胸から手を離して長身を反転させ、その場にしゃがみ込むレシドス。

松明の灯が、視界を埋め尽くす巨大なお尻を眼前に鼻で深く呼吸をすると染み出した汗の甘ったるい香りが鼻の内側まで撫で繰り回す。

括れた腰からハート型のように左右へ広がる豊尻、一本二本と指を限界まで沈ませてその隙間に肉を盛り上がらせては、ぷりぷりと弾む球体を側面から揉み寄せ、谷底へと続く傾斜を急激に。

巨大な白桃を思わせる立体的な丸みがよりあきらかになることで、後ポケットに入った四角い何かが裏地を突き上がる肉とフィットする布地のままに形を浮かばせた。

「は、ああうっ、く……ぅ、やめろ、くずぐったい、んうう」

くねる下半身を壁と自らの両手で挟み、レシドスは引き千切らんばかりの力でショートパンツを脱がし、白い下着に包まれたお尻を暴き立てる。

濃厚な匂いと蒸し暑さの中で、谷間に集まる薄布はそのままに、橙色の光に照らされた白肌に指を添えて高価な陶器を使うように付け根部分の弧を持ち上げた。

半円のシルエットを描く肉は触れただけでたゆんっと形を歪ませ、皮膚を通じて布越しのもどかしさとは異なるもっちりした吸い付きが押し寄せる。

「っ、ふ……ぅ、あ、ああっ」

揺さぶられたお尻は鍛えられて引き締まった肢体とは対照的に、泳ぐ背筋につられてたぷんたぷんと波打ち、汗気の発散を助長させる。

鼻奥にまで届けられた花蜜と紛う香りに衝動もそそられ、しっとりと熱に潤う雪肌の上に跡を残すショーツも引き下ろした。

暴露された巨大な白パンを思わせる肉弾……壁を掻き毟っていたフォーヴァルの両手が蒸れた尻谷を隠そうと黒宙を滑り落ちるが、それを手の甲で軽く払い、荒ぶる呼気を染み一つない純白の肌に吹き付けながら、谷間の内壁が鼻先を掠めるまでに顔を近づけながら十指を桃割れに引っ掛け、灯りに照らされながらも仄暗さを湛えた深いスリットをくつろげ広げた。

「く、ああっ……だ、誰がそこまでして、ああんぅ」

伸し掛かる尻たぶの重圧に加わる僅かな固さと浮かぶ窪み、隠されていた窄まりに光が近づくにつれて締め付けは強まるが、ふわふわふにふにとした皮膚の薄い汗塗れの肉に挟まれた指を腰骨から会陰部へ伝わせると、緩い吐息と一緒に、閉じかけの谷間が開く。

掻き分けた柔扉の先には桜色の窄まり、中心に集まる放射状の皺に見とれつつ触れようとすると、フォーヴァルの身悶えが激化し、見下ろす眉間にも皺が深く寄る。

「……悪いな、図に乗り過ぎた」

むっちりとした双肉に両手を宛てがった状態で立ち上がるレシドス、僅かに丸まった背中に覆い被さり、汗熱を蓄えた墨髪に頬を擦り付けながら居尻を叩き掴んでぷるぷる振動させながら、肌にフィットし、生温い潤いを吸い込んだシャツの裾に手をかけ、曲げた指を鉤代わりに捲り上げていく。

「く、んっ……か、構わん……私も……だが、ああっ、は、早く」

「わかっている」

絹の内にも陽光の名残りをかぶる手足とは真逆の、外気と遮断された透白……上り詰める右手に比例して、汚れ知らずの生肌をなぞり回す。

小さな臍に指先がぶつかれば筋肉の薄い肩が竦み、ささやかに揺れる頭も意に介さず腹部を露にした布裾を引っ張るが、呼吸に合わせてたぷたぷと弾む乳房の下輪郭が妨げに。

受容の中にも羞恥が残るのか、フォーヴァルは両目を見開き、反射的に右手で胸を押さえるが、その寸前に巻き付けられた細布もろとも頂点、そして鎖骨へと続く上り坂まで裾を追いやった。

「…………あまり見るな、ん……っ」

あるべき場所へ戻る彷徨う指を封じつつ、正面に向き直らせた身体を頭から爪先まで首を傾けつつ舐め見る。

やはり視線はつんっと上向きの球体に引きつけられ、生唾を飲み込みながら細目のまま顔を近づけてしまう。

「大した肉付きだな」

立ち上る甘い匂いが、狭苦しい岩壁の通路を淫魔の巣さながらの媚態に満ちた空間へ変貌させた。

フォーヴァルもそれに中てられたか、屈むレシドスを睨み付けながらも、松明に照らされる面輪は安堵にも似た緩みを滲ませ、息がかかる寸前まで距離を詰めても険は表れなかった。

「っはああ、あぁ……う、ううっ……ふああ、っ」

ここでフォーヴァルが目線を逸らし、乗じたレシドスがおもむろに双球を肋近くから掬い上げて親指で先端を押し転がす。

支え持つ圧力が乳肉の下弧を平べったく伸ばし、楚々とした色の薄い頂点は見えない何かに引っ張られるように隆起をあからさまに。

広げた指は内向きの渦を描き、長身、薄い胴体、あどけなさの残る顔立ちとは不相応な豊乳が揉み拉げられる。

皮製の大きなボールじみた弾性と指を押し付けただけでふにゅふにゅと飲み込む柔らかさを同居させた極上の感触……華奢な鎖骨を始点とする優美かつ鋭い曲線も申し分なく、くぐもった息遣いに任せてたぷったぷっと揺れて生じる波に衝動がより湧き立てられた。

「……感じやすいな、やはり粘液のせいか」

「知るか……っ、そんな、んあああっ……こと、ああううぅ」

ぬめりのヴェールを纏ったなだらかな凹凸が置かれた乳輪を指腹で刮げ回すと、フォーヴァルの背中が反り返り、ルビーのきらめきを錯覚させる双眸が固く瞑られた。

濃黒の中をよろめき飛ぶ人差し指は、最初こそ柔乳を揉みたくる両の掌へと直進したが、直後に震えながらあらぬ方向へ。

「ひっ、ああ……あう、ふうっ……あぁ」

芯を帯びた突起の根元を摘み上げて捏ね繰り回せば、砂を踏む音とともにフォーヴァルの背中が壁にもたれかかる。

鮮やかな炎は睫毛の小さな震えまで映し、嗜虐をそそる表情が五指を、手の中で形を失ってしまいそうなほどに柔らかく蕩け、生温かいプディングをぶち撒けた練絹を連想させる乳房へとめり込ませた。

「…………脱がすぞ」

その双肉塊をぐにゅぐにゅと揉みしだきながら、レシドスは開いた指を下着の縁に向かわせ、貼り付いて中心へと寄り集まる湿った薄布を、桃の皮でも剥ぐようにゆっくりと捲り下ろす。

彼女の頼りなく崩れる膝と上半身を支えつつ、皮膚の内側に送り込まれるビロードめいたさらさらの柔らかさと粘調さえ感じられるむっちりとした重み。

だがそれら以上にレシドスの目を引いたのは淡い茂みに潜む桜色の亀裂……拘束から解き放たれてねたねたと蜜を太ももまでこぼし、馥郁たる媚を放つ肉扉を掠めた指先で割り広げる。

「ふうっ……んああ、っう」

ふにふにとした縦筋を軽く押しながら、垣間見えるピンク色に接触点をなぞらせる。

汗とは全く違うへばり付かんばかりの潤い。

よろめく女体を壁に押し付けた状態で陰裂の前に跪けば、ふわりと漂う秘花露の匂いが間近に感じられ、ぬらぬらとぬめ光る桃色の折り重なりを捩れに合わせて撫で上げていく。

「ああっ、ふ、ああっ……んっく、っ……はあ、ああぁ」

岩に背中を委ねたフォーヴァルの右足がずれて小石を蹴飛ばす。

四方には乾いた音……一方で水分をたっぷり蓄えた新鮮な生貝を思わせる媚肉は、口を浅く掻き混ぜる異物を取り囲み、ぐねぐねと蠢き重なり合おうとする。

にちゃ、にぢゅうっと粘液を重くなるまで吸い込んだ布を搾るような水音が耳奥まで届けられた。

その音は、レシドスが触れた部分へ内向きの渦を描き、くちゃくちゃに蕩け崩れた桃肉で締め付けられるに比例して泥濘を踏み締める音に変わる。

誰の目にも明らかなフォーヴァルの官能がレシドスを興奮の局地へと追いやり、てらついた太もものくねる様を右手で押し留めつつ、右手の親指でクリトリスを、人差し指と中指を表面いっぱいに蜜を溢れさせた狭輪へとくぐらせた。

「んん……ふうあっ、うっ……ひううううっ!」

身じろぎの反動故か、小さな迸りが唇近くを飛び交う。

差し込んだ指を通じて伝わるぬたつきと粘り気に相乗し、快感の呼び水となる薄甘い塩気混じりの愛液……躊躇と逡巡を解す雫を皮膚に感じながら、レシドスはたぷんたぷんと弾むお尻とざらついた鼠色の間に両手を忍ばせ、舌の根が膣口に触れる寸前まで顔と割れ目の距離を縮めた。

フォーヴァルの絹布めいたすべすべの掌が額を押すが、振り立てた顔でそれを追い払って蜜溜まりの下端、抽送の甲斐あって僅かに捲れてゼラチン質を彷彿とさせるぷるぷると頼りなさげに震える肉の羽根を始点に、クリトリスへと続く上端まで、ぐじゅぐじゅと溶け合わさる肉の層を戯れ回した。

「ふああっ、ん、やめ……ろっ! そこ、は……っひううっ」

爪が立てられた両手にも屈さず、丸めた舌表を伝い落ちる蜜を口内に溜め、開いてはぞよぞよと蠕動し、奥へ招き寄せつつも締め付けて行く手を阻む襞に囲まれた筒内の心地を堪能する。

「本当にいいのか? ここでやめても……」

流れ出る言葉は枯渇知らずの湧水、媚液が与える饒舌さに苦笑しながらも、脇腹を蹴飛ばそうとした膝が止まるのを確認し、入り組んで段差を作るふかふかの肉絨毯に舌を走らせた。

フォーヴァルが脱力し、壁との密着を深めるにつれて手の甲には固い痛み……反面、緊張の抜けた大尻は、ふよふよと形を平らに崩しながら掌に纏わり付く。

しとどに濡れたスライムに包まれる錯覚の中で、レシドスは甘蜜を飲み下しては喉を鳴らし、飽きたらんと言いたげに重肉を荒々しく揉み潰しながら、壺の内部にこれでもかと敷き詰められた襞蟲の上に大小様々な模様を描き、つるつるぷにぷにぐじゅぐじゅの吸い付きに応じて舌を根元まで捩じ込んだ。

「……こっちはしてほしいみたいだがな」

「はあ、あっ……んあああっ、あ、ああぁ……だが、こんな場所では……せめて、はあっ」

肩に力なく置かれる両手、見上げた先には汗と涎に濡れた桃彩の走る頬……痙攣する皮膚は、舟の舳先を思わせる上部の尖りを親指で軽く押すことで、一段階激しさを増した。

「ううっ……舌を、はう、ああぁ……離れ、ろ」

ぬらぬらと煮え蜜を吐きかける膣内、掻き分ける舌はそのままに人差し指も加勢させて肉真珠を摘み捻る。

硬さをはらんだ小振りな特機に不規則な振動を送る一方、うねくり返る襞の流れに沿って舌先を動かし、ゼラチン層の外側にある肉リングの引き結びを促した。

ぴちゃっ、くちゃ……ねちゃ……愛液の弾ける音が重なれば、フォーヴァルの喘ぎも露骨さを増し、押さえ付けていたはずの両手が後頭部へ。

招き寄せる動きは舌を奥処に導き、狭隘な膣穴のぞよめきは激化するばかり。

膨らんでは凹む下腹も迫り、柔肌の熱も愛蜜の香りも総身深くまで染み広がる。

異物を締めあげる圧迫感は夥しく抽送の妨げになる一方で、ずりゅっ、ぐちゅ……一本一本の襞が渦を巻きながら手前から奥まで蠕動する様子が、レシドスを包む快感をより鮮烈に、フォーヴァルも細腰を右に左に回転させて、目を細めて眉尻を下げつつ、白い歯の隙間に吐息をこぼす。

「んっ、あ、そっちは……奥……ああ、っ、だめ、だ……っ」

ぐじゅぐじゅに水分を含んだ紐を束ねたリングを捏ね回す音に合わせ、勢いを増す体動……ぞよぞよと張り巡らされたふわふわつるつるの肉は、粘液をへばり付かせながらうねくり返って獲物たる舌に巻き付き、舐め返すように鬩ぎ合う。

あわいで練り揉まれ、絡み扱かれる中で収縮は加速度的に強まり、合わせて内側まで伝わる長身の痙攣が咀嚼じみた動きを加える。

皮膚がそそけだつような快感に息を止めて腹筋に力を入れながら、押しつぶした小粒を基点に愛撫を送るが、ペニスを迫り上がる射精感故か、気を抜けば指はすぐに離れてしまう。

「はああっ! や、やめるんだ……これ以上は、あああぁ」

フォーヴァルの目元には不安の紅、粘液を浴びて普段以上に乱れる自分は到底認めがたいのか、二の腕に置かれた掌は目に見えるまで震えており、生温かい汗のじとつきが筋肉質な部分を直に擽る。

「……媚液のせいだ、何も気にすることはない」

「でもっ、んん……はあぁ、ああ、んっ……そこ、っ……はあああ」

眼前の腹筋に力が加わり、臍周りにしなやかさを併せ持つ硬さを感じる、つむじ近くを置き撫でる吐息にこそばゆさを覚え、レシドスは絶頂近いフォーヴァルのお尻を両手で掴んで、火を入れる前のパン生地同然にずっしりと柔らかい肉を揉み捏ねながら、顔を下腹部に埋めて舌つかずの秘奥で狭く縮こまった襞を舐り撫でてはくちゃくちゃに耕していく。

粘つきを吸った真綿の紐を思わせる筒内の万遍ない圧縮、ズボンの内側ではペニスも完全に膨張しており、普段は亀頭を隠す包皮もそれに耐え切れず、我慢汁を潤滑油に動く膝のままに捲れて戻ってを一定の間隔で繰り返した。

「あ……ん、はああっ、いく………………も、もう終わりに」

上ずった甘哀の媚声が洞窟内の湿った空気を孕み、頭上へと落ちる。

それが皮の内側でぬちゃぬちゃと扱かれるペニスの気持ちよさを倍加させ、間近に迫る射精を通関させた。

「っ…………」

次の句すら継げず、纏わり付く衝動から逃れるように舌先の円運動を加速させ、じとじとに濡れ蕩けた肉の段差を掃き拭い、被せた唇で愛液を露骨に啜る。

口端にこぼれた雫は太ももを照り汚し、水を弾く革ブーツを流れ伝いながら、細かい砂土に円形の染みを落とした。

「は、あう……んっ、ひあああああっ!」

嬌声が四方へと飛び回り、吸い込まれる。

肌のわななき、背筋の震えが触れ合う部分を通じて伝えられ、口をだらしなく開いた面輪を愉悦で塗り潰す。

黒猫を思わせる濡れ毛に隠れた彼女を見上げつつ、縺れた肉紐の奥へと続く桃色の空間に舌を捩じ付けて、直後に引き撫でる。

前後運動のペースに比例して、虚ろな瞳のまま身を屈めたフォーヴァルも愛液にふやけた白土手を押し付け、引き攣る寸前までぬめぬめの環にくぐり込んだ舌を奥へと導く。

「ん、んっ……ああ、ふああっ……ぁ、っん……ひ、ううう……あ、あ……もう、だめ…………っ!」

戦いで見せた勇ましげな横顔、重剣を軽々と振り回す力強さを秘めた細腕……仮の姿は容赦なく剥ぎ取られ、頭上にいるのは掠れた呻き声を上げて涙を滴らせる弱々しい少女、原因こそ赤蔦草の媚液だが、彼女を官能の底に沈めたのは間違いなく自分だった。

気高く、慣れ合いとは無縁そうな戦士が牝と化す様は、燻り続けた獣欲を爆発させるに十分過ぎる点火剤だった。

「はあ、ああ、うっ……ふ………ぁ、く、っ……は、うう……気持ち、いい」

フォーヴァルの、細く尖りつつも柔らかなラインを残した顎が炎にぼんやりと照らされた天井を仰ぐ。

舐り立ての加勢にしこりを帯びたクリトリスの根元を摘むと腰が振り回され、押し出す動きに南国の大きな果実を思わせる乳房がぷるんっと揺れ震え、そして引き戻す動きに十指が巨尻にもにゅもにゅと埋もれて高まる密着度に手首も固定された。

「あああっ……はああ、あぁ! ん、ぅ……もっと、んあああ!」

陰核をそよぎ転がす一方で、レシドスはおねだりに任せて丸めた舌先で襞間をなぞり抜けながら届く限界まで奥へとそれを差し込む。

粘蜜に貼り付いた桃色の秘奥を剥がすように、舌を濃厚な蜜が溢れる寸前まで溜まった蠢動のあわいへと泳がせる。

自然と飲み干してしまう美酒を彷彿とさせる愛液がレシドスの興奮を煽り続け、先走りに濡れた裏布に曝された亀頭もびくっびくっと脈打ちながら、一定の間隔で竿の内側から鈴口に向かって快感を注ぎ送る。

夜空とは異質な星明かりのない闇、澱んだ空気、口へと忍び寄る埃っぽさ……全てを吹き飛ばすような。

「あ、ううっ……! はあうぅ、ひゃあっう、んんんぅっ!!」

腕に食い込む爪の痛みが弾け飛ぶ嬌声を連れて遠くに消えた。

口元で両手を押さえるフォーヴァル、顔は耳まで真っ赤に染まり、小鼻を膨らませた様子に近づく絶頂を見出し、稼動させた舌を膣壁に強く押し付け、蜜と唾液でべとべとにへばり付く襞に幾度と無く渦を描くと同時に、捻り上げた粒立ちを指先で軽く弾く。

くちゃくちゃに捩れた筒の内部は、互いの粘膜を隔てる境界線すら曖昧になるほど蕩け解れ、右から頬を炙る遠火とは比較にならないほどの熱を発しており、繰り出される律動が積み重なるごとに食い千切らんばかりの蠕動も活性化し、激化する愉悦を全身で表していた。

「ああっ、ああっああ、いく、いく…………っ!!」

支える力を失った、つるつるの肘が押さえていたはずの口から手を離させ、憚りもない声の呼び水に。

とうとう絶頂を迎えたのか、うにゅうにゅとした肉のひしめき合いも際限なく高まり、水分を漏れる寸前まで含んだフォーヴァルの悲鳴も闇を裂くように乾いた壁にこだまする。

口の中にもぬちゅりと愛汁の迸りが降りかかり、唾液とは比べ物にならない濃厚な液体が引き返す舌に内頬に乗り、飲み込んでも纏わり付く無数の粘糸へと姿を変えた。

「はあっ……はあ、ああぁ……っ」

ひとしきり叫んだところで、立ち上がったレシドスの背中に手を回し、肌上を走り抜ける震えを相手に伝えるようにしがみ付く。

鮮烈なエクスタシーの余韻が足指を湾曲させ、背筋をおののかせる中で身を起こそうにも膝は崩れ、顔を相手の右肩に押し付けてしまう。

脱力したフォーヴァルのお尻は増長をあからさまにした両手に揉み開かれ、拉げて伸し掛かる重く分厚い肉を通じて汗ばんだ雪肌の上でぬちゃぬちゃと芋虫さながらに動き、広げきった掌で付け根の弧を抱え持つ。

「やはり、後ろからだな」

「………………!?」

正面には埃を被った黒灰色の壁、宙を彷徨う細指がそれを掻き毟る間、雫を溢れさせて身じろぎの度にぐじゃぐじゃと貼り付いては剥がれる襞のあわいに亀頭が滑り込む。

貝の剥き身を思わせる複雑な肉の構造が作った窪みがペニスを招き寄せ、内部に潜む襞でぬめりを吐きかけつつ異物を食い締めた。

襲いかかるのは灼熱じみた気持ちよさ、ぬるっ……ぐちゅっと潜り入る先端が意思とは無関係に腰を乱れさせ、声を出す間もなく汗で解れて頬に粘着する横髪を気にする余裕も奪われた。

さらに、不規則な体動が挿入の角度を変えることで互いの粘膜がより密着し、竿に縋り付く桃色の蠕動をダイレクトに感じてしまう。

岩壁に腕を伸ばしたまま手をつき、崩れる膝を支えつつ巨尻を突き出す内で、容易に相手を受け入れる悔しさに両目を固く瞑るが、ぐちゅぐちゅ、ずちゅずちゅと重なる抽送が愉悦で嫌悪を吹き飛ばし、結合部から垂れ溢れる愛液の発酵混じりの甘みが漂う埃臭さを遥か向こうへと追いやった。

「あ、ああ……っ、あ、んうっ、ああああっ!」

視覚を除く全感覚が渾然とフォーヴァルの総身を、心を揺さぶり続け、自分でも羞恥を覚えるほどの絶叫が暗闇の果てに飛ぶ。

口を塞ぐべき両手は糊付けされたように壁から離れない、魔物も住む洞窟の奥に人が来る可能性はない……と自身に言い聞かせるが、竿を巻き縛る襞蟲を意に介さない雄々しい前後運動が、にゅぷっ、ぐちゅちゅっとストロークが生み出す音を否応なく耳奥まで導き、壁を引っ掻く音も際限なく高さを増す。

「ん、はああ……っ、ひ、いいっ……ああぁ、ふあああっ」

勢いよく叩き付けられるレシドスの腰、巨尻にたっぷりと付いた肉が乾いた音を立て、たぷたぷと揺れては弾んで衝撃を吸収する。

初めこそ膣口を浅く掻き混ぜるだけの単純なピストンだったが、腰が泳ぐにつれて次第に膣奥を深く穿たれ、走り抜ける身を焦がさんばかりの稲妻が肌を震わせ、腹部を浮き沈みさせながら前へ前へと擦り足で動いてしまう。

「はあっ、はあっ…………あの男の、言った通りだ」

「んっ……ううふ、っ……な、何を……ひうううあ」

聞き返す言葉は律動に合わせての回転と並行し、じゅぷぐちゅっと亀頭に絡み付くぬるぬるの襞を押しのけて引きずり上げる太い竿に阻まれた。

肌の粟立ちと加速する熱……”あの男”とはカロナークのことだろう、口の軽い男が人を集めて自分との情事を触れ回る、容易に想像できる光景が怒り混じりの羞恥を膨らませるが、休み知らずの往復運動が背骨に光の束を走らせ、それが心地よい幻想と紐付けられる。

一回の突き上げごとに肘は曲がり、右の頬は壁に押し付けられて震える膝から姿勢が崩れていく。

レシドスがお尻を掴んでいなければ、体液を吸った地面に倒れていただろう。

「ああっ! は、ああぁう……ああ、んっ」

嬌声を否応なく上げさせられて立ち眩みを感じる中でも、ペニスと触れ合う部分には鮮烈な感覚が残っていた。

愛液をぐちゃぐちゃにしぶきつつも互いに寄り添い閉じていた二枚の内扉は、押しくぐる先端にこじ開けられて捲れ返り、奥に潜むぞよぞよと蠢き立つ複雑な肉の模様も、張り出した肉傘の裾野で掻き撫でられる。

太く逞しい男根は狭穴をいっぱいに埋め尽くし、ぬめり筒を髪の毛一本すら入らないほど拡張するが、しとどに溢れる蜜の助けを借り、反動を助けににゅるにゅると鬩ぎ合う襞のあわいを拭い擦りながら潜り進んでいった。

「は、ああぁ……ん、ううぅ……ふああ、あああっ」

忙しない抽送が、ぐちゃぐちゃの愛液塗れになった媚襞と縺れ合い、そよぐ様子が手に取るように感じられた。

一つにまとめられた黒髪は、二人の身体がぶつかり、たぷたぷのお尻が波打っては弾む動きに引っ張られ、速駆馬の尻尾さながらに舞い上がっては落ち、松明の赤に照り光る背中を擽る。

そして粘ついて追い縋る膣壁を突き捏ねるペニスがむず痒さと気持ちよさを生み、遠火に炙られる軽い痛みがマーブル状に重なって牝の本能を燻らせた。

「ん、んふっ……さ、さっきより、いい、ぁ……もっと、ああっ、んうっ」

ずりゅっ、ぐちゅっ、ぬりゅ、ぐちゃぁ……と剛直に混ぜ返される愛液、続いてぬる壺の内部にびっしりと敷き詰められた肉蚯蚓が触手と化して子宮口近くへと叩き付けられるペニスに追い縋ってはぎゅうっと収縮して律動を妨げる。

息づく筒状の媚粘膜は、濡れた布を搾るように右から左からペニスを握り揉み、穴を起点として全身に伝えられる快感が、フォーヴァルの頤を高く上げさせる。

「くうっ、うう……っ! 大した締め付けだな」

顎が上がれば、つられてお尻も踵も持ち上がってしまう。

姿勢が変わることで膣壁と亀頭の擦れる角度も変わり、ぐにゅる、ぬちゅっと粘膜同士の摩擦が積み重なる出し入れに合わせて激化する。

頭の中で飛び交う白い火花は目を瞑っても逃れられず、鮮やかさを増す明滅に眩しさを覚え、力の抜けた身体はその場に崩れ落ちてしまう。

壁が頬を擦る痛みに愉悦の朧も一旦は晴れたものの、レシドスの掌が波を作る大きなお尻から頂点の桃粒を固く尖らせた乳房の下輪郭へと滑り込む。

「あ、ああっ……あっ、はああ、ああああぁっ!」

覆う皮膚がなければ、揉む圧力で容易に拉げ潰れてしまいそうなほどに、柔らかく解れて汗と涙に塗された乳肉を滑り、指は小振りな先端へ。

そよぎ転がされる乳首に走る痺れが膣内を貫かれる快感と一体化し、総身は無意識の内に跳ね暴れ、後ろ手で何度もレシドスを叩いてしまう。

「くっ、う……そろそろ、だな」

「っ、はあ、ああぁ……ぅ、いい、いい、っ……も、っと……!」

”感じやすい”、上ずりながらもどこか余裕を残したからかいに、被虐に浸かったフォーヴァルの手足まで疼きが届けられた。

全身が正面の壁にもたれかかれば、体重のかかった爪先が砂利を踏み荒らし、その音が風と嬌声に乗って闇の底に消える。

響くノイズに一度は快楽を忘れたが、口走った言葉をすぐに思い出し、恥ずかしさから振り乱れる腰を止めようとした腹を凹ませて前後運動を押し留めるが、乳輪が円を描くように刮げ撫でられ、無数の襞が織りなすぐねぐねとした蠢動と相まって法悦はよりあからさまに。

粘着質な水音も弾け、膣穴に突き潜るペニスが掻き出す愛液は幾筋ものせせらぎを肌上に進ませ、膝裏を伝ってブーツの内側まで注がれる。

官能の極みを自覚させられ、フォーヴァルは眉間に深く皺を寄せながらもかぶりを振った。

もっとも、身じろぎがペニスをより深くまで吸い寄せ、快点を直に撫でられる錯覚が、最奥での結合を促すように腰を落とさせたが。

「あ、ああっ、ん、ううっ……あああああああああっ!!」

沈むお尻を呼び水に、背筋を満遍なく駆け上がる灼熱、膣底に何度も叩き付けられる切っ先……規則正しいリズムで押し寄せる快感が理性を削ぎ落とし、きつく結んでいたはずの両目と唇をだらしなく開かせる。

「あ、あ、あ、ああっ、っ! はふ、ああうっ、ん……!!」

その上、抽送に捻りが加わると悦も増幅し、自ら亀頭を強く擦り当てるために、深まる惑溺感と同時に力の入らない腕を伸ばし、レシドスとの密着を深める。

うなじに吐きかかる呼気さえも心地よく、ぐじゅぐぢゅに溶け崩れた泥濘を突き上げてほしいと言わんばかりにぬりゅぐちゅっとくぐり行っては戻る竿の動きと一致したタイミングでお尻をくねらせた。

収縮する媚肉がもたらす快楽も、固く締まった肉体も、乳房を鷲掴みにする大きな手も、全てを愛おしく感じ、重さに従い釣鐘状となった肉塊を掴んで捏ねる手の甲に自分の掌を添える。

「はあ、ああ……んふ、ううぅ、ひ、あああっ!」

ひしめき合う襞の間へ往復を繰り返しつつ子宮の入口にノックを繰り返す亀頭が、瞼の裏へ迫り来る火花の強さと明るさを際限なく増幅させる。

近づく絶頂に耐え切れなくなったフォーヴァルは、残った理性で胸を弄る十本の指を振りほどく反面、その行為は真意に到底程遠いと言いたげに、一回転による強烈な摩擦に下半身を崩しかけながらも真正面へ向き直り、背中に手を忍ばせて忘我の内で彼にしがみ付く。

「あ、あぅっ……あああっ! いく、ぅ……んあああああっ!」

鎖骨近くに齧り付いた横顔、軋む歯の隙間から垂れこぼれる熱息……律動に応じて押し込まれたペニスに膣壁を舐り回され、絶頂へと追い立てられる。

唇の隙間から発せられる掠れた嬌声を耳奥で感じながら、自分を抱き締めるレシドスにもたれかかった。

「ううっ…………!!」

落下感に割って入る熱の塊、見上げた向こうの顰めた表情が射精を物語る。

子宮に降り注ぐ迸りがエクスタシーを倍加させ、フォーヴァルの周囲を取り巻く生温い空気を粘土質じみた思い泥へと変え、全身を浮かび上がらせる。

思考は全て恍惚に吸い尽くされて言葉を喉奥に封じられたまま、正面へ上半身を預け、収束する襞の蠢きを感じて満たされた思いに耽るものの、ここで本来の目的を思い出し、手を熱い胸板について壁に背中を預けながらペニスを引き抜いた。

「っ、もういいだろ……離せ」

「……………………すまなかった」

「………………」

非を詫びるレシドスに何も言えず、ぎこちない空気のまま吐精の後始末を終え、たくし上げられたシャツの裾を下げる。

身支度を整え終えても感情の高ぶりは収まらず、松明を持つ手が小刻みに震えた、レシドスも思いは同じか頻りに振り返っては歩調をあからさまに乱す。

雰囲気には流されまいと顎で前進を促すフォーヴァル、だが前に進む度に精液の残りか新たな愛液か、ぬちゃ、くちゃっと水飴を掻き混ぜる音を作り、小虫のように付き纏う……耳に残るそれが、額に、頬に熱を置いて拳を固く握らせる。

「…………いつまで歩かせるつもりだ?」

「………………」

静寂が包む暗闇、外から吹き込む風が伝える湿った黴臭さ、淫靡とは無縁な空間であっても、普段以上に乱れた記憶が冷気にぬめりを与えて疼痛の名残りを肌に置く。

歩は幾度と無く止まったが、魔力が蓄えられた輝石に照らされた複雑だが規則性を持った紋様を描くレリーフと人の手を感じさせる光景を助力に、早足でレシドスとの距離を詰める。

「剣はこの奥だ」

視界の端には光を手に持った、髪の長い女性を象った石像、通路代わりに隙間なく敷き詰められた石畳を前に進めば、奥の祭壇は遠目に突き刺さった剣が見えるほど明るかった。

地面に埋められた石の隙間に躓きかけるのも構わずに、フォーヴァルは柄の握り心地を錯覚し、何度も生唾を飲み込みながら小走りで剣の元へ。

「こ……これか……」

白く塗られた鞘に収められた刀身は、切っ先が石の中に埋まっていた。

鍔を作る鋼には薄く錆が浮くものの、左右の壁に飾られた林檎大の輝石に照らされ、七色に光る宝珠がその中心に設えられており、禍々しさにも近い魔力が感じられた。

「……手に取った男は、皆指を落とした」

「ふん…………」

数歩離れた、背中からの途切れがちな声。

グリップにかかった指が強張って止まるが、深く息を吐けば震えも抜ける。

災厄の根源と忌み嫌われた魔女を屠り捨てた聖剣、その力であの男を……鉄の冷たさが強く感じられる鞘ごと剣を持ち上げ、言葉を発する間も惜しみ刃を引き抜く。

汚れを被った外側とは対照的に、細身の銀色は油を刷いたと見紛うほどの輝を放つ。

優美な冷艶さは血との縁遠さも感じられたが、顔を近づけれはなびく風にさえも、人の作りし剣に到底存在し得ない、全身を逆撫で切り裂いてしまう独特の殺気が感じられる。

戯れ半分に振り回すのも憚られ、ただ虚空目がけて突き立てた刃先を仰ぐのみ。

「素晴らしい……この剣さえあれば」

気持ちを抑えられないフォーヴァルだったが、レシドスの怪訝そうな視線に現実へと引き戻され、僅かな赤面を自覚しつつ帰るべき場所に銀を導く。

用が済めば、途端に狭苦しい洞窟の澱んだ空気に不快感を覚え始めて踵を返し、右手に剣を、左手に松明を持って大股のまま来た道を引き返す。

「どうやら……呪いの心配は無さそうだ。見ろ、指もしっかりと残っている」

「だといいがな」

含みのある言葉は刺と化し、女には別の災いが訪れるのではないか……不安を内心に刻み付けられ、背筋に寒気を感じて肩が竦んでしまう。

一方でその不安とは正反対の、踵が自然と持ち上がるような、疼きを伴った高揚感を覚えつつあった自身がそこにいた。

誰かに抱かれる悦びに近いそれは、青葉の香りが強まるにつれて制御が効かないほどに露骨なものへと変わり、思わず自分の腕で震える身体を抱き締めてしまう。

「……何だ、これは……まさか、な」

鞘をベルトに挿し、代わりに使い慣れた剣へと持ち替える。

冷めていく気持ちに安堵して息をつきながらも、刃に秘められた妖しい力の片鱗にフォーヴァルは知らぬ間にかいていた額の汗をそっと拭った。

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