後輩寝取られ十二話 (Pixiv Fanbox)
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初めて見た恋人の裸体に目は釘付けに、桃色に染まる素肌が布団に隠れると我に返り、カーペットの上に置かれていたクッションを乱暴に蹴飛ばしながらベッドへ向かう。
手足の震えが止まらず、歯も折れんばかりに食い縛るが、当の直久は自信たっぷりに唇の端を歪ませていた。
「何だ、ずいぶん遅かったな……ママに相談でもしてたのか?」
「………………」
「ふざけるな、どういうつもりなんだ!!」
「ち、違うんです、これは、その……」
上目遣いには恐怖と罪悪感の彩り、他の男に身体を許した穂乃香への怒りもあったが、向こうが無理矢理手を出したのだろうと思い込み顔めがけて殴りかかる。
しかし掴まれた右手首を捻り上げられ、骨が折れんばかりの激痛に突き飛ばす腕を避けられず、背中をカーペットに叩き付けてしまった。
穂乃香は追撃体勢に入る直久を止めるでもなく、狼狽を双眸に浮かべながら二人を交互に見るだけだった。
「……何怒ってんだよ、そもそもお前が悪いんだろ?」
「お前……何言って」
言葉に耳を疑い、手の甲で唇を拭って間抜けな声を喉手前で封じ込める。
ぶつかった衝撃で唇を切ってしまったのか、肌には真紅が滴る。
鋭い痛みを口元に感じながらも立ち上がるが、はるかに上回る腕力を思い出し一歩、二歩と後ずさってしまった。
目元に雫を残す、哀れみに満ちた大きな瞳に本来の目的を思い出し、ベッドに乗ろうとするが、穂乃香は壁際まで身体を逃がし、魁人との距離を広げる。
垣間見えた拒絶が足を縺れさせ、きっと取ってくれるはずだと差し出した手も虚しく宙を彷徨った。
「ま、どうでもいいけどさ…………穂乃香ちゃん、続き」
「え……や、やだ……先輩が、っん……ふうぅ……ナオ君、だめ、ぇ」
腰から豊かに張り出したお尻へと続くなだらかな曲線を引き寄せ、小さな白い顎を指で支えつつ綻んだ肉厚の唇を直久が貪る。
啄まれた二枚の花弁の隙間から漏れる上ずった吐息、最初こそ筋肉で充実した胸板に両手をついて、首を振りながら曲げた肘を伸ばそうとしていた。
だがくちゃりと唾液の混ざり合う音がした途端、脱力した両腕はベッドに沈み、荒い鼻息とともに直久の手を握り返し、眉尻を下げて瞑った目に滲ませた法悦を深めるように舌を重ねる穂乃香。
未経験の魁人でも、眼前の光景が何を意味するかすぐに察知した。
官能を引き上げられた穂乃香は、口端から唾液をこぼしながら繋いだ手はそのままに、直久は大ぶりのボールを思わせる双球を向かい合う雄々しい身体でむぎゅっむにゅっと押し潰し、半球の頂点にある肉塊のボリュームと正反対の控えめな尖りを浮き沈む腰に合わせてそよぎ転がしていく。
「やめろ……やめてくれ」
自分とのキスは拒否した一方で、直久とは口吻を交わす……露骨に差を付けられた屈辱が、舌が絡みぐちゅっ、じゅぷっと唾液を啜り合うノイズと相乗し魁人の手に冷たい汗を被せる。
煮え滾る怒りは背筋に震えを走らせるが、両手を腰に回し、目を瞑って行為に没頭する彼女を見ている内に、歩を進める足も伸ばした手も見えない鎖に雁字搦めにされる。
「止めてみろよ、次は俺も本気出すけど」
「んっ、っ……ふ、ああぁ……」
穂乃香が横目でちらりと魁人を見る。
レンズに煌めく濡れた睫毛と桃色に上気した目元と頬、”邪魔するな”とさえ言われた錯覚で鎖の締め上げがより窮屈に、手に残るのはかつての温もり、匂い、柔らかさ……喪失を痛感し、位置のずれたクッションの上にへたり込んでしまった。
「穂乃香さん……どうして、こんなの…………ひどすぎる」
頬を流れる温かい涙、自分でも呆れる女々しさが立ち上がる力を奪い尽くす。
反撃に転じない魁人は直久にとってはゴミ同然なのか、蠢く左右の手は胸とお尻の実の詰まった膨らみに宛てがわれ、重たそうに波打つ肉を平手打ちでもするように揉みくちゃにして、指をめり込ませる。
ついに知り得なかった柔らかさは妄想を加速させ、ズボンの中で先走り塗れの勃起ペニスがぐちゅぐちゅと擦れ、ぬるま湯を思わせる粘り付きを下腹部に広げる。
「お前泣いてんの? 粗チンの童貞には刺激が強すぎたか」
「……先輩…………ああ、はあぁ」
突き刺さる憐憫に拭ったはずの涙が甦り、視界を曖昧に。
水膜の一枚先で穂乃香は喘ぎを立てて息苦しそうに唇を離す、こぼれる涙とともに風景が鮮明になり、頭の動きに引っ張られ戻る舌先には陽光を反射する細い唾液の糸が。
余韻への取り縋りを象徴するそれがぷつりと途切れたところで、穂乃香はすぐ上の首筋にあどけなくも整った横を埋めた。
直久も栗色のショートカットへ指を滑らせ、毛先の間を掻き分けるように後頭部を包み撫でて、預けられた頭を受け支える。
絡み合う呼吸、擦れるシーツ、押し潜る両手が叩き捏ねるたわわな肉……無音の部屋に響く淫靡な旋律。
愛する人を汚され、奪われた苦痛と、目前で普段の落ち着いた声とは対照的な上ずりきった喘ぎを発する穂乃香への尽き果てぬ興奮、渾然とした感情に魁人は思わず目を閉じる。
しかし、絞れば水が出そうな湿り切ったソプラノボイスも、リンスの香りに混じる甘さと生臭さが混じる愛液の匂いも、手のひらに食い込む爪の痛みも、舌裏に溜まる唾液の味も際限なく近づき瞼を強引にこじ開ける。
「穂乃香ちゃんも盛り上がってきたみたいだし…………見るだけならご勝手に」
劣情への嫌悪感か、罪悪感故の逃避か、穂乃香はちらちらと横目で魁人を見下ろす。
無視されていないのは唯一の救いだが、直久が乳首を摘みお尻の割れ目に指を滑らせれば、潤んだ瞳は正面に向き直って首を持ち上げた先への媚悦を眺める羽目に。
帰り道、二人でした何気ない話、一緒に作った新聞、頼まれて勉強を教えたこともあった……自分に見せた表情よりも、身体を嬲る直久への蕩けたそれは何倍も嬉しそうだった。
なぜ自分ではないのか、なぜ直久なのか、立ち込める後悔に目眩すら覚え、舌は引き攣り、喉は渇くばかり。
ただ、両目だけは力を失うことなく痴態へ、穂乃香も思い出したように魁人に目線を向ける、まだ気持ちが残っている証拠だと思い込めば、諦めを怒りに置き換え、”奴”を睨むこともできた。
「んっ、はあ、ぁ……やっ、こんな、ところで……先輩も、んんっ、いるのに」
身体だけの関係は長続きしない、もう一度やり直せるはず、楽観する毎に正反対の思考も脳裏を蝕む……もう無理なのではないかと。
唇を被せながら唾液に濡れた舌を巻き付け、胸とお尻を荒々しく揉み、肉を弾ませと官能を引き出す指遣いが魁人の気持ちを諦念へと傾け、両拳を握る力も少しずつ緩む。
「…………いいだろ、別に。見せたくないくらい嫌いなのはわかるけどさ、最後の情けってことで」
二人はもう一度唇を寄せ合う。
くちゅっ、ぴちゃっと唾液を掻き混ぜる音が伸ばしたはずの背中を湾曲させ、顔も俯かせてしまう。
総身は脱力するもののペニスだけはズボンを内側から押し上げ続け、裏布に染み込んだローション代わりの我慢汁がぬちゅぬちゅと亀頭を揉み扱き続ける。
頭をもたげる苦悶を意識の片隅へ追いやるドス黒い快感と興奮、考えうる最大の屈辱が与える理解し難い心境の変化に戸惑い、寄り添い合う裸体に首は固まり瞬きも忘れた。
手を伸ばせば穂乃香を抱き寄せられる、しかしその手には重たく伸し掛かる枷が。
今の自分はさしずめ空を飛ぶ術を失った羽虫だった。
「ん、あうっ……でもっ、ふ、ぅ……恥ずかしい、んああっ」
穂乃香の内心を満たすのは”拒絶”ではなく”羞恥”、自分の前でなければ指弄も許すのか、明瞭となった視界が再び涙で滲み、光景の境界線も、全てが一体となる。
言葉だけでも、形だけでも二人を止めたかった、しかし口は強張り舌も喉奥に潜り最後まで動こうとしなかった。
「……穂乃香ちゃん、次は舐めてくれる? あいつも見たいだろうし」
「…………ナオ君、だめだよ……そんなの」
愛撫に溺れた穂乃香が背中を倒す寸前、直久が乳首を扱き転がしていた片手を背中に回り身体が起こされていく。
先端から抜け落ちる優しい痺れに僅かだが理性を取り戻し、カーペットの上で項垂れる愛してい”た”人に首を向けた。
「………………」
無言のまま汗が飛び散り乱れたベッドを見上げ、開きかけた口から掠れ声を漏らす魁人。
さらに視線を落とすと勃起したペニス、しかし自分でも驚くほどに何も感じなかった。
薄れ行く同情に代わるのは”彼”への愛おしさ、魁人は最早瑣末な存在に過ぎなかったが、だからこそ彼の前で奉仕をすることに躊躇し、天井を睨む亀頭に絡ませた指を離してしまう。
薄く曇ったレンズを隔てた先で直久が笑い、魁人に比べると長い十本の指が頭をくしゃくしゃに撫で回す。
乳首やクリトリスへの刺激とも異なる優しい快感が心の奥底に残った申し訳なさを吹き飛ばし、カリ首に五指を宛てがいつつ饐えた匂いを放つ亀頭に顔を近づけた。
「やめるんだ……頼む……」
「……ん、むぅっ……ふ、うっ」
魁人の懇願と直久の体温を引き金に、穂乃香は舌先を鈴口にくぐらせ、描く円の直径を広げながらエラまで丁寧に舐め回し、手のひらで根元を緩く握ったまま口内に亀頭を頬張る。
ぬちゅ、ぴちゃ、くちゃっとぬめついた唾液を纏う内頬が亀頭を押し揉み、水音が耳奥まで届けられた。
「ああ…………そんな、何で」
「ん、ふ、っ……んぅ……く……う、ん……」
先走り独特の臭気が鼻に抜けると、背筋を始点に頭にぞくりと震えが走った。
跳ね上がる肩が一頻り痙攣した後、顔中が火照りと微弱な痺れに包まれ、奉仕の衝動に身を委ね、袋との繋ぎ目近くを親指で拭い撫でながら、顔を前後させて竿の半分ほどまで口に含む。
直久の眉間に薄く皺が寄ったところで、回転させた舌で裏筋に螺旋を描き、頬を窄ませて圧着させた粘膜でぬりゅぐちゅと先端を転がし続けた。
ひどく遠くから魁人の止める声が聞こえたような気がしたが、唾液と先走りが混ざり合う音に掻き消される。
邪魔しないでと思いながら、穂乃香は唇で作ったリングをカリ首に引っ掛け、捲り上げたエラを唾液で満たしていく。
舌は再度鈴口に戻り、穴を広げて先走りを啜り、濃い塩味と苦味が同居した粘液を喉を鳴らして飲み下す。
「っ……よく見てろよ、ううっ……いいよ、穂乃香ちゃん」
声が上向き、ペニスも脈打ちを強め穂乃香の内側に鼓動を送り込む。
直久と一体化したような錯覚を呼び水に右手でべとべとに照り光る袋を柔らかく揉み解しながら、左手で蜜をしとどに湛えた肉扉をくつろげ開き、パールピンクの重なりの隙間を満たすべとべとの愛液を穿り出し、歯のない軟体動物さながらの蠢動が招く通りに指を奥へと導く。
「だめだ、こんなの……間違ってる」
魁人は首を上げることも無く小声で呟きながら自分の腕を頻りに引っ掻き続けていた。
横目の端に捉えた何本もの蚯蚓腫れに胃の辺りがちくりと痛み、袋を軽くバウンドさせる手の動きが止まる。
しかし、口中で跳ね暴れる亀頭に意識が吸い寄せられ、口の中を満たす粘つきを飲み啜りながら頬を窪むほどに窄ませ、頭の前後に反動をつける。
同じペースでぬたぬたとした花弁を捲り返し、接着剤めいた愛液を迸らせる襞のあわいで泳ぐ穂乃香の指、むちむちのお尻がシーツの上で揺れ動くと、敷き詰められた蚯蚓を思わせる膣壁のぞよめきに変化が生じ、腰骨から一直線に光の束を飛ばし、冷えきった身体をぬるま湯に浸からせたような甘い痺れが肌に染み渡る。
至上の法悦がストロークの間隔を伸ばし、亀頭は唇の締め付けをくぐり抜けた後は上顎から喉手前の粘膜までぬりゅっ、ぐちゅちゅっと唾液を挟んでの摩擦に拭い扱かれる。
口弄の丹念さに比例して眉間に寄った皺は深まり、背中に添えられた直久の両手は胸やお尻へと這い回り、乳首を抓り上げながら尻谷の底にある菊穴の皺を外から内に探り込んだ。
「っふ、んんっ……はあ、ああっ、ああああぁ……ナオ君の、おちんちん……っ」
快点が増えれば、ぐじゅ、じわり……と狭隘な肉ゼラチンからシロップが溢れ出す。
どこまでも上り詰めたいと、穂乃香は指を一本膣穴に加勢させ泥濘の奥を懇ろに耕しながら、唇の端から唾液を垂れ落とすのも構わず、歯を立てる寸前まで口内粘膜をうねくり返す。
根元から亀頭までの往復運動と相まって、ぐちゅっ、ずちゅっと水音も露骨に肉棒を満遍なく舐り解し、縮めた唇環でカリ首を締め上げた。
「……………………」
「っ、ぐう……いいよ、もっと強く、っ……」
頭上に響く囁きに身を委ねた穂乃香は尖らせた舌先をカリの段差に忍ばせ、表面のざらつきを擦り合わせながらエラを捲り上げ、力を込めて硬くした舌でつついては押し潰し、敏感な部分を布で磨くように何度も何度も強く撫で拭う。
横から聞こえた鼻を鳴らす雑音も気にせず、口に含んだペニスを飴玉を転がす要領で満遍なく舐めたくり、玉袋を両手で掬い、持ち上げたままやわやわとマッサージで軽い圧力をかけた。
「ふ、ぅ……っ、ん、んっ……は、うぅ、ん、ああぁ……ふ、ひゃうっ」
「はあっ……! たっぷり、飲ませてあげるからね……うううっ!」
息苦しさに呼吸のペースを早めつつ、口内で亀頭が行き来できる限界まで窮屈に肉棒を挟み込む。
そして強張らせた舌でカリ裏を包んで凹ませた頬で圧力を一気にかければ、直久の腰が大きく震え頭頂の囁きは呻きに変わる。
「んんっ!? ん、ぅ…………んぐっ、ふう……」
咽頭部に叩き付けられる熱い塊、苦味の濃い生臭くどろどろの精液が粘糸となり舌に歯茎にこびり付く。
呼吸の苦しさに穂乃香は喉の奥へと必死に精液を導くが、重なる迸りが小さな口の中から溢れ、白の上に白を押し着せる。
欲望の凝縮された半濁スライムを胃の中に取り込むと、嬲られる愉悦が残っていた魁人への思いに完全に上書きされ、罪悪感も薄れる。
これでいいんだと脚を開き、左手の指で肉畝を広げながら右手の指で中心に向かって捩れた蕩け崩れる肉を一枚ずつ剥がし、直久を見上げ結合をせがむ。
射精が終わり、頭の芯を痺れさせる心地よい脱力感の中で直久はペニスを引き抜く。
乳白色の液体に包まれたそれが亀頭裏で滴りを作り、落ちた先のシーツに染み広がっていく。
口を閉じたままカーペットを、自分の腕を掻き毟る魁人の諦めと怒りはここまで伝わり、それがドス黒い征服感、達成感へ。
「……オナニーくらいならしてもいいんだぞ? それとも、ズボンの中で出しちまったか?」
言葉に割って入るくちゅ、にちゅという粘調豊かな音、ヘッドボードに背中を預けて精液じみた白蜜を撹拌する穂乃香が目に入る。
魁人も一瞬だけ首を動かしたが、すぐに唇を噛んだまま元の俯き加減に戻った。
直久は桃色に染まり汗を噴き出す柔らかな女体を抱き寄せ、先の広がったMの字に開脚させて自分の上に座らせた。
外れた魁人の視線が太ももに引っ張られて開く濡れ肉の扉に集まり、息が当たるところまで顔を近づける。
「はあっ、はああぁ……ナオ君…………して……気持ちよく、なりたい」
「………………! だ、だめだ……頼む、やめて……」
「嫌だって言ってるけど?」
すぐ下にある穂乃香の耳裏に呼気を流す、亀頭を膣口に押し当てて腰を揺り動かせば、シロップをたっぷりと吸って膨らんだふんわりねたねたの襞蟲が男根にしゃぶりつき、引き寄せる動きとともに蚯蚓さながらの襞が蜜を吐き出してうねうねぞよめく。
「…………して、おちんちん、おまんこに、入れて……じゅぽじゅぽってして……先輩の、前で……あああっ!」
心変わりを突き付けられた魁人の表情が硬直する、目を見開いたまま唇を震わせ爪頭を白くするまで拳をきつく握る……察して余りある屈辱が直久を高揚させるが物足りなさも覚え、大きなお尻を抱えて肉汁まみれの入り口を亀頭で撫でそよがせ、目尻を下げきって挿入を待つ穂乃香の耳朶を甘噛みしつつ囁きかける。
「後は…………って言ってくれる?」
「…………え、い、いいの? うん…………」
「……………………せん、ぱいのことは……ま、まだ好きです……でも、ナオ君のおちんちんの方がずっと……だから、おまんこぐちゅぐちゅされて、き、気持ちよくなるところ、見ててください」
「はい、よくできました……っ!」
しばしの逡巡を挟み、抑揚に乏しい言葉を並べる穂乃香。
魁人は言わせたことにも気づかず肩を竦めながら両目に光を灯す。
希望を持たせておけば絶望もより深くなる、加速する想像に心を踊らせながら、襞のあわいに亀頭を潜り込ませ、にちゅ、ぐじゅるぅっと収縮と弛緩を繰り返す繊毛めいた膣肉のぬめり豊かなせめぎ合いを掻き分けては潜り進む。
魁人からはくちゃくちゃに溶け解れた結合部への深いグラインドが見えているはずだ。
じゅぽっ、ぐぽっ、ずちゅっと舐め吸い寄せられるまま膣穴深く根元を捩じ進めれば、包んでは巻き込み、締め付けてはそよぎ立ちと壺の内側にびっしり敷き詰められた蚯蚓が触手同然に絡み、濡れた手の中さながらの膣壁がぐちゃぐちゃに握り揉む。
「っは、ああっ……あああ、っ、いい……気持ちいい、よぉ、ナオ君、もっと、もっと」
穂乃香は魁人も忘れて落とした柔腰を踊らせ、熟した果実を思わせる大きな半球状の膨らみを波打たせながらお尻で内向きの螺旋を幾重にも描く。
そして一旦ベッドに腰を引き戻し、反動をつけて円運動の中心を突き捏ね、どろどろに煮え崩れて蜜を染み出させる内側の蠢動を活発にさせた。
「………………」
肩越しに上下する二つの肉弾、体動に揺さぶられた先端が二つの球体を透明な糸で釣鐘状に歪ませる。
直久は弾む乳房を鷲掴みにし、頼りないほどにふにゅふにゅした乳房を背後から掬い揉み、互いの密着を高めて亀頭を秘奥の狭環へと吸引させ、丸く膨らむ行き止まりを何度も突き繰り回す。
「じろじろ見やがって、そんなに触りたいのかよ」
「はあ、あはああっ、だめ……触って、いいのっ、ナオ君、だけ……あああっ!! だめっ、一番、奥、そこっ、気持ちいい、ナオ君、んううぅっ……!」
子宮口をペニスで押し叩かれた穂乃香が喘ぎ混じりの叫びを上げれば、ぐちゅっ、じゅぷるっと一定間隔で収縮する肉のリングがぐちゃぐちゃ飛沫を立てながら先端の広がった部分を扱き潰す、さしずめ表面に緩めのゼリーをたっぷりと含ませた雑巾絞りだった。
抱えた小さな身体の発熱は夥しく、色付いた花弁を思わせる練絹の肌は汗を噴き、ぬるぬると滑った指が弾力豊富な肉スライムを取り逃がし手のひらの中でぷるんぷるん小刻みに打ち震えて添えた両手に心地よさを送り続けた。
お返しに芯を帯びた突起を抓り転がし、粘り気で押し返す桜色の控えめな果肉を始点に快感電流を流し返す。
「ああっ、ああ、ああぁ! おまんこ……はあ、あああぅ」
後髪が縺れたうなじから漂う甘く媚びた香りを撒き散らしながら穂乃香は律動を倍加させ、肉筒の内側に満遍なくねちょねちょと糸を張る膣穴が円周を狭める。
エラ裏にまでぬめぬめの襞が入り込み、粘液を隔てて敏感な箇所をこれでもかと揉み込んだ。
口内に一度射精したばかりだが、睾丸が回転するような迫り上がりが強烈な衝動に置き換わり、気持ちよさを伴い二人の下半身が熱されたクリームのように混ざり合う。
「あ、ああっ、あああ……ぁ、ナオ君、すき…………すき、ぃ……」
媚態を明かす言葉、顔を上げた魁人が涙を滴らせてすぐに目線を真下のカーペットに移す。
言い終えた穂乃香の目も口も弛みきり、汗に涎に顔をべとべとにしながら柔らかく温もりの篭った肉厚のお尻で直久の太ももを敷き潰す。
「はあ、あ、うっ、んふ、ぅ……ああっ、あああっ、いっちゃう、んんぅ、せん、ぱいの、前で……」
「いいよ、もっと、気持ちよくなって…………俺も、ううううっ!!」
ミストサウナさながらの潤いに満ちた大きなお尻が平らに潰れれば、ぐにゅりと重量感に溢れる肉が伸し掛かり、上に乗った穂乃香との距離が一際縮まる。
亀頭も子宮口を強く抉り、うねうねざわめき立つ襞が粘膜の蔦と化し竿を巻き上げ、抽送に縋り付きどろどろにへばり付く泥濘が寸分の隙間無くペニス全体を包み込む。
「ああ、ああぁ……ごめんなさい、先輩っ……ナオ君、いっちゃう、あああああっ!」
窮屈に握り締めるローション塗れの手のひらを思わせる過激な収縮、穂乃香は肌に痙攣を走らせて、天井を仰ぎながら背中を預け、嬌声の後に大きく息を吐ききった。
脱力した女体の重みと柔らかさ、そして温かさが作る混沌とした快楽に頭の先まで埋もれた直久も射精し、ぐちゅぐちゅと四方から縮こまる肉ゼリーへ白濁液を吐き散らかした。
引き抜いた先からは精液がごぽり、ごぽりと溢れ出る。
境界線すら曖昧になるほどに滴りを落とす陰裂の下端を垂れこぼれる精液は会陰部を伝いねばねばと形を保ちながらシーツまで落ちる……ペニスは既に萎びており、ベッドに沈む手足も下腹部を中心に広がる射精の余韻に痺れ、両手をついて崩れる姿勢を支えた。
「ああ、あぁ……ナオ君の、いっぱい……んっ」
振り向いた穂乃香が顔を寄せ、朝露を浴びた花弁と紛う唇を重ねる。
唾液に濡れた粘膜が一回、二回と触れ合い、くちゅっ、ぴちゃっと音が弾ける。
汗の甘香で肺を満たすと、今度は直久から舌をぬめらかで傷一つ無い口内に忍ばせた。
身体ごと向き直った穂乃香の両手が背中に回り、胸をぐにゅりと押し付けながら、何度も何度も甘さの残るキスを繰り返した。
「……ナオ君?」
「シャワー浴びてくる、あとは二人でごゆっくり」
直久が立ち上がり、扉の向こうに。
後に残された静寂と絶望、そして愉悦に酔いしれ、微かな身悶えと切なげな吐息を残す穂乃香。
話しかけようにも口は引き攣り、舌は石化し動こうとしない……ただ、乱れたシーツの上に座り、枕を抱き締め、赤の残る顔で窓の外に顔を向ける姿を見つめるばかり。
「………………」
「……………………別れて、ください」
足元が崩れ落ちる錯覚、まだ好きと言ってくれた……直久に抱かれたのも一時の気の迷い、淡い期待も全て打ち砕かれ、枯れたはずの涙が頬を伝う感触に魁人は両手で顔を覆う。
一方で穂乃香は涙一つも流さず、口を閉じ無表情のまま解れた後髪を手櫛で整える。
記憶に新しい、肩口にかじりつく汗と涎に汚れただらしなく快楽を貪る牝の顔、離さないと言いたげに強く相手を抱き締める腕、瞼の裏に焼き付けられた光景が魁人の胃に溶けた鉛を流し入れる。
「……何で……そんなに、あいつがいいのか!?」
穂乃香の肩がぴくりと跳ねる、ゆっくりと向けられた双眸は宙を彷徨い、やがて魁人を見据える。
落ち着いた様子で毛束の間を流れた指が毛先を巻き込みながら汗に湿った枕を伝い、太ももの間へと滑り落ちた。
「……………………はい」
「好きだって言ったのは、全部嘘なのか……?」
女々しさは承知していた、しかし気づけば穂乃香の肩を掴んで肉付きのいい身体を揺さぶってしまう。
汗の引きかけた生肌の滑らかな温もり、指先の皮膚を通じて送られる触れ慣れない快感に問い詰める言葉も途切れ、飲み込む生唾に次の句も絡め取られる。
「着替えます、出てってもらえますか……?」
「………………」
窓際へ向かう身じろぎ、遠ざかる穂乃香の身体を捕まえようと手を伸ばす。
枕が落ちて熟した大きな果実を思わせる乳房が、自分は服越し、直久は……劣等感と屈辱故の怒りが女体を組み敷かせ、押し返そうとする腕を一纏めに掴ませていた。
魁人を見上げる瞳には軽蔑と怒り……激情に任せ、手首の拘束で反撃を封じても空虚なばかり。
キスをしようとすれば顔を背けられ、胸に触れようとすれば強く蹴飛ばされる、直久へ向けられた牝の貌を欠片も見出だせない情けなさから、細い両手首に爪を立ててしまう。
「っ……や、ああぁ…………離して、ください、んんっ」
「…………気持ちよくすればいいんだろ! それなら……」
「やだぁっ、やめて! ナオ君、助けて……っ」
直久にできたのなら自分にも可能なはずだ、自分ならもっと幸せにできるはず……ぐちゃぐちゃに掻き混ぜられた怒りと悲しみ、そして興奮が魁人の思考を飛躍させ、かぶりを振る穂乃香との距離を触れる寸前まで詰めて、もう一度唇を被せようとする。
だが、不意に後ろから引っ張られて穂乃香の顔が遠のく、そして全身が宙に浮き、天井も遠ざかると背中に衝撃が走り呼吸も止まった。
「クズ野郎が、さっさと出てけ!」
「ナオ君……」
起き上がると同時に激痛が飛ぶ、引いた拳が殴られた実感を頬に刻み付ける。
押さえた頬には熱と痛み……しかし、軽蔑の色が濃くなった穂乃香の硬い表情に比べれば身体の痛みなどあまりに些細だった。
「……………………」
もう、自分は路端のゴミに過ぎない。
勝ち目も救いも最初から無かった、感情が醒めるに従い無力を思い知らされ、寄り添いあう尻目を二人に、魁人はふらついて乱れる足取りで半開きの扉へと向かう。
二人に笑われた気がして振り向こうとしたが、夕暮れ近くの涼しげな穏風に背中を押され、風さえも穂乃香と直久を祝福しているような錯覚に陥り、向き直る気力も踏み躙られた。
「あ、ああぁっ……ナオ君、ん、っ、んぅ……」
閉ざされた扉の先には布地が擦れる音、そして割って入る唾液の混ざる音。
歩を前に出せば忌々しいノイズからも逃げられる……口の中に広がる錆びた鉄の臭い、それは敗北の味そのものだった。
※※※
穂乃香に別れを突き付けられたのは、二人の繋がりを見せ付けられた翌日……事務的なメールが、細く残る糸の最後の一本を断ち切った。
レンズを挟んだ先でくるくると動く丸い瞳と、優しげな笑顔を思い出しては涙する日々、何が悪かったのか既に知る術はない。
もう一度声を、とも考えたが真正面からの拒絶が携帯を持つ手を震わせ、結局電話はできなかった。
傷心の日々を過ごす魁人だが、妹の七海も塞ぎ込みがちだった。
部活も欠席しているのか、休日は朝から晩まで部屋に篭りきり……理由を聞いても返答は曖昧で、何も知り得ない間に今度は帰宅が夜遅くなり、会話の機会も消えることで無力さを深く痛感し、それが穂乃香を奪われた記憶と繋がり、魁人も次第に七海を避けるようになった。
「…………」
放課後の部室、帰り支度の手を止めて暮れゆく空をぼんやりと眺めている魁人を、ノックの音が現実に引き戻す。
扉を開ければ見覚えのない少女がそこに、相手が軽く会釈をすると肩までの黒髪がふわりと波を作った。
伝わるリンスの匂いに穂乃香を思い出し、染みる鼻の奥を手の甲で軽く拭う。
「えっと……」
「すみません、いきなり……来ちゃって。あの……」
やや高く弾む声が記憶を手繰る紐となり、すぐに穂乃香が度々話していた弓原美雪だと思い出す。
涼しげな目元に薄い唇、通りのいい目鼻立ち、長い手足と穂乃香とは対照的な大人びた少女だったが、床に落ちたままの視線とわずかに緩められたネクタイの端を摘んでは離す仕草に控えめな部分を感じ取る。
「弓原さん、だっけ? ど、どうしたの……」
多少の面識はあるが会話も交流もない彼女が部室まで来た理由を図りかねたが、立ち話では……と室内に招き、穂乃香の使っていたパイプ椅子を引いたところで、美雪はぽつりぽつりと辛うじて聞き取れるトーンで話し始めた。
「……穂乃香、あまり学校に来なくなって……家にも……帰ってないみたいなんです。朝洲君ってバスケ部の人と付き合い始めてからどんどんおかしくなって……私とも全然話してくれなくて」
「ここにいたときはすごく楽しそうで、毎日色んな話を嬉しそうにしてくれたのですが、今は…………」
やり直せば元に戻るとでも考えたのか、美雪の水膜を薄く滲ませた瞳が魁人を見上げる。
しかし、これ以上何ができるか、言葉一つも出せない自分が咎められた気になり、窓の外へと目を運ぶ。
闇空の底には眩い光の点、視界は少しずつぼやけ、黒と白が混ざり始めた。
「……もう、終わったことだから」
「そう、ですよね…………ごめんなさい」
「…………送ってくよ」
長机に置いた鞄を持ち、ドアに足を向ける。
背中を挟んだ後ろの足音……次第に重なり合うそれに穂乃香の記憶を掘り起こされ、早足になってしまう。
※※※
「あっ…………」
前を歩く三つの影、直久と、穂乃香……そして七海。
交差点へと向かっていた両足は勝手に後を追いかける。
シルエットの正体に美雪も気づいたのか、背中に細く柔らかい指先と熱っぽい吐息を感じた。
砂を踏み締める音を後ろ手で制しつつ、茂みを挟んだ先に視線を辿らせる。
「あっ、あああ……だめ、ナオ君っ、人が来ちゃうっ!」
「ずるいっ、最初は私からって約束……ふああ、ぁ」
木陰に身を隠し、スカートを捲り上げて穂乃香のお尻を揉み捏ねる直久。
開いているもう片方の手は七海のまっすぐ伸びた太ももを掻き分け、股間へと進む。
布ずれの音、弾ける声、その一つ一つが侮蔑の言葉を耳の奥へ鮮烈に叩きこみ、こめかみの辺りに僅かな痛みを感じた。
「…………………」
見るべきではない、両手で口を押さえて立ち尽くす美雪の手を引いて公園の出口まで。
月明かりに照らされる顔は緊張と興奮に引き攣り、紅を浮かべていた。
擦れ合った内腿に寄せられた両目を電柱に貼られたポスターへと向けてごまかし、握ったままの手も咄嗟に離す。
「ごめん、つい……」
「いいんです、気にしないでください」
残り香が薄れる皮膚へ、甘い温もりが再び重なる。
見た先には遠慮がちに指を被せる美雪の左手が……失った全ての、欠片だけでも取り戻せるような思いから魁人はその小さな手を握り返した。
伝わる柔らかな体温で、吹き付ける風も忘れたくて。