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後輩寝取られ八話 (Pixiv Fanbox)

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「ただいま」

「…………………………おかえり」

「七海、もう帰ってたのか。ずいぶんと早いんだな」

「うん……」

リビングの白いソファーに横になっていた七海は、室内に入ってきた魁人には目もくれず、ぼんやりとテレビを見ていた。

映っていたのはニュース番組、彼女の好みとは程遠いもののはずだ。

「今日は部活じゃなかったのか?」

「うん、ちょっと具合悪くて」

横向きになった七海は目だけで魁人を見上げる。

シャツの裾がめくれ、引き締まった白い腹部が見える。

日に焼けた手足とのコントラストに両目が引きつけられてしまう。

「風邪か……涼しくなってきたからな」

「平気だよ、薬は飲んだから……っ……」

隣の部屋に畳んで置かれていたタオルケットを手に取り、寝転がった七海の身体にかけてやる。

タオルの端を持った指先が肩に触れた途端、七海がびくりと大きく身体を弾ませた。

「あ、悪い……」

「いいよ。ねえ、お兄ちゃん、あの人とはどう?」

「……今聞くことかよ、具合悪いんだろ?」

多少元気を取り戻したのか身体を起こす七海、それでもいつもの快活さは微塵も感じられない、肩の落ちたどこかけだるそうな雰囲気を身に纏っていた。

「いいから教えて」

「まあ、それなりには。最近は会えなかったりすることのが多いかな」

「朝洲さんとこの前一緒に歩いてた」

「それは、たまには会うときもあるだろうし」

「……親しそうな感じだった…………」

どう返事していいのかわからず、顎に手を当てたままうつむいてしまう。

顔を軽く上げて七海に視線を向けると、すぐに逸らされてしまった。

「気のせい、だろ」

「ごめん、心配させるようなこと言っちゃって……」

七海の思い違いなのだろう、かろうじて詰まりながらも言葉にできたものの、確信があるわけではなかった。

だが、部室で初めてキスをしてから、もう一度……と思い、彼女に顔を近づけたときはさり気なく身をかわされ、結局あれから一度もキスをしていない。

親しげにしている直久と穂乃香の姿が頭に浮かぶ。

「いや、まさか、な……」

そもそも、穂乃香が浮気するなど考えられない。

たとえ直久に強く迫られたとしても……自分自身に言い聞かせようとするほどに、二人の様子が親密さを増していく。

もしかしたら、自分よりも先にキスをしていたのかもしれない、もしかしたら、自分より先にそれ以上のこともしていたのかもしれない、一滴が波紋となり、焦りへと置き換えられたそれはどこまでも広がっていく。

「………………」

「七海?」

ひとしきり考え込んでいる間に、七海は眠ってしまったようで、規則正しい寝息が聞こえてきた。

心配を煽るような言葉を残すだけ残して、夢の世界へと入り込んだ妹に腹立たしさを覚える。

「何なんだよ、まったく、穂乃香さんが、そんな……」

黒に染まろうとする窓の外、魁人の内心も同じだった。

信じたいという白が、もしかして……という黒に覆い隠されていく。

一度こびりついた黒は拭っても落ちることはなかった。

※※※

「遊園地なんて久しぶりです、あっ……ど、どうも。何だか恥ずかしいですね、私もう高校生なのに」

近くにいた動物の着ぐるみを着た人から緑色の風船をもらい、紐を軽く指に巻きつけた穂乃香は恥ずかしそうに首を小さくかしげながら魁人を見上げた。

頬が少し持ち上がった、愛らしい笑顔を浮かべる彼女を見ていると、直久との関係を少しでも疑った自分が恥ずかしかった。

「そんなことないって、よく似合ってるよ」

「風船が似合うっていうのも変な感じですね、でもこれじゃジェットコースター乗れないかも」

「預かっててもらえばいいんじゃない?」

久しぶりのデートは、たまたまフリーパスのチケットが二枚手に入ったことにより、遊園地で丸一日たっぷり遊ぼうということになった。

雲一つない晴れ渡る空、絶好の遊園地日和だが日差しが強いということもあり、それほど混雑はしていなかった。

隣を歩く穂乃香を見る、肩を出した膝丈の白いワンピースがよく似合っていた。

生地はかなり薄いようで、奥の肌色が時折日に透けて見える。

呼吸のたびに小さく上下する丸い乳房と合わせて、魁人の目を引きつけ、内に熱い滾りを感じてしまう。

「…………?」

「い、いや……何でもない。穂乃香さんの私服、ここ最近見てなかったなって」

眩しそうな表情のまま見上げてくる、眼鏡のフレームが太陽に反射してきらりと輝く。

熱に火照る肌を舐める風がワンピースの裾を持ち上げて、生白く滑らかな皮膚に包まれた膝を露にする。

吹き付ける風が肌色の見える範囲を更に大きくしたところで、穂乃香が裾を手で押さえた。

見ていたことを咎められたような気がして、とっさに視線を外した。

「こうやって出かけるの久しぶりですからね……」

ここ何週間かは、魁人が誘っても用があるとかで断られることが多かった。

だからこそ、こうやって一緒に出かけられるのが何よりも嬉しかった。

気持ちが上向きになれば、心の底でくすぶっていた疑いも霧散し、歩調もきびきびとしたものに変わる。

「うん、そうだね……」

手の甲で額の汗を軽く拭う、穂乃香も手のひらでしきりに顔を扇いでいた。

「ちょっと暑いですけど、あんまり並ばなくて助かりましたね」

「ああ、最初はどれに乗る? フリーパスだから好きなだけ乗れるよ」

「そうですね、最初は……」

二人がちょうど立っていた位置もまずかったのかもしれない、聞こえるのはけたたましいジェットコースターの音、甲高いがどこか楽しそうな悲鳴……

※※※

「すごかったですね、急降下して、その後一回転……先輩?」

「だ、大丈夫。ああいうの、ちょっと慣れてないだけだから」

地面に足をつけているはずなのだが、宙に浮かんでいるような不思議な感覚に包まれていた。

吐くとまではいかなかったが、胃をわしづかみにされて上下に振り回される錯覚に気持ち悪くなり、穂乃香の手を握ってしまっていた。

握り返してくる小さな手はほんのりと汗ばんでおり、優しく心地いいものだった。

大丈夫だとアピールするために笑顔を作る。

もっとも、唇の端が変に持ち上がるだけでかえって相手を心配させてしまったのだろうか。

「……ごめんなさい、無理させちゃいましたね。少し休みましょうか?」

「いや……でも、できれば次は、激しくないのが……あ、お化け屋敷なんてどう?」

「いいですねっ、行きましょうか」

目に入ったおどろおどろしい建物。

二、三人の小さな行列の後ろに立つとちょうど日陰に差し掛かり、汗も引いていく。

自分たちの順番が来たところでフリーパスを見せて中に、ドライアイスの煙が立ち込める中、老婆の人形がいきなり包丁を振り上げてきた。

「きゃあっ!」

「ほ、本物じゃないから……うわあっ!」

視線を外した先には、赤黒い液体でぬらついた生首が。

作り物だとわかっていても十分怖かった。

穂乃香も同様に身震いし、不安そうな目を魁人に向けていた。

「軽い気持ちですすめたんだけど、け、結構しっかりできてるんだね」

「はい、私も大したことないって思ってましたけど…………きゃっ!」

順路に従って進んだ先は行き止まりだった。

錆びついた声が聞こえる中、なぜか何もないところで穂乃香が突然声を上げた。

ただ、それは今までの恐怖による悲鳴とは少し違う、羞恥や困惑を感じさせるどこか妖しいものだった。

「また何か出た?」

穂乃香の視線の先を追うが何もなかった。

「いえ、ただ、何か近くにいたような気がして……あうっ」

「お化け屋敷でそれはやめてくれよ」

一度は顔を上げて笑顔を見せてくれたのだが、すぐにうつむいて目を閉じてしまう。

よほど怖いものを見たのだろうか……彼女の隣に寄り添い、そっと肩を抱いた。

「もう少し、近くに」

触れ合う先から送り込まれる、甘ったるい温もりが魁人を大胆にさせる。

真っ暗で誰もいないからだろうか、二の腕にむにゅりと乳房が押し付けられるほどに身体を近づけてくれた。

たぷたぷとした水風船を思わせる重たい膨らみが二の腕を飲み込む。

薄手のワンピース越しに伝わる精緻なブラの装飾と体温、そして脂肪の塊の柔らかさ……恐怖などどこかに吹き飛び、全ての感覚が触れ合っている部分に集まってしまう。

「は、いっ……」

「……こっち、出口みたいだから」

※※※

「会えない?」

「だって、先輩と、一緒に……」

ぐじゅり……指が不意に引き抜かれた。

細かな襞が刻み込まれた襞がぐねり返り、粘度の高い愛液を迸らせながら、奥から入口へと消えゆく指に取りすがるように蠢いた。

愛撫の余韻が肌をくすぐり、産毛を逆立てる。

右手は思わず直久へと差し伸べてしまっていた。

「そんなの断れよ、俺とあいつ……どっちが大事とか聞かせる気?」

伸ばした手を肘を曲げて引っ込める、無意識であっても直久を求める仕草を取ってしまったことを魁人に申し訳なく感じつつも、さっきまで指を突き込まれていた肉花弁は指弄の再開をせがむようにぎゅっと握りこむように蠢く、それが快楽に変わり、穂乃香は下腹を押さえたまま軽く足を後ろに引いた。

「っはあ……っ、先輩のほうが大事に……はう、ふうぅ」

「…………指一本触れてこないあいつのどこがいいんだか」

最初こそ身体を求めてこない魁人に本当に愛されていると実感を抱いていた。

しかし、直久に何度も性感を引き上げられ、快楽の芽を植え付けられるたびに、魁人は自分のことなどどうでもいいのではないか……と疑問さえ抱き始めていた。

「先輩は、直久君と違うから……」

「穂乃香ちゃんのことなんて大して好きでもないんだろ…………まあ、どっちでもいいか。別に行ってもいいけど、一つだけ約束してくれる?」

「約束……?」

直久が穂乃香につきつけた条件、それは…………

※※※※

「はあうっ!」

「穂乃香さん、どうしたの?」

「な、何でもないです……っ」

……遠くから遠隔操作できるローターを下着の中に埋め込んで、魁人と一日行動を一緒にすることだった。

お化け屋敷でも何度か動いていたが、弱々しいものだった上に、悲鳴でごまかすことができたので問題はなかった。

しかし、二人が外に出たのを見計らって、振動はだんだんと激しく、間隔も短くなっていった。

周囲に紛れてしまいそうな僅かな電子音を伴って、小さな卵型の球体が刻み付けるような痙攣を始め、膣口をくすぐる。

指よりもずっと浅い動きだったが、指ではなし得ない間隔の短いタッチがいつにない困惑をもたらし、魁人にもたれかかってしまう。

「……つ、次はどこに」

「ん、ふっ……そうですね、えっと、ひゃあうっ……コーヒーカップのやつとか……」

「いいね、そうしようか。どこにあるのかな……」

「あ、あれは……」

案内板を見る途中、一番見たくないものが目に入ってしまった。

物陰から様子を窺う直久……魁人に見つからないようにすぐに姿を消したが、直後にローターがこれまで以上に激しく振動を始めた。

肩が痙攣し、踵が薄く持ち上がった。

笑顔が引き攣っているのが自分でもよく分かる。

魁人は穂乃香の変化に気づかない、ありがたい反面、察してもらえないことにもやもやしたものを感じていた。

だがそんな葛藤もすぐに吹き飛んだ。

ローターは止まっては動いてを繰り返し、汗と熱気で群れた桃色のぬかるみをくちゃくちゃとかき混ぜていく。

咀嚼音じみた音を身体の芯で感じてしまい、聞こえているのではないかと案内板を指でなぞっている魁人から少し距離を置いた。

今の自分がどれだけ不審な動きをしているか、わからないわけではない。

頬は遠くから火に炙られているように熱く、口は自然と開いてしまい、視界もぼやけつつあった。

肩は相変わらず小刻みに跳ね続け、身体は左右にくねってしまう。

「あった、観覧車の近くか」

「は、うっ……い、行きましょうか」

指示に従って歩き始める魁人。

すぐにでも彼の隣に行きたく、歩が自然と早まる。

しかし、ローターが染み出し始めた液溜まりを踏みしめだすと、歩調もぎこちなくなり、何度も足がよろけてしまう。

魁人がそれに気づかないのが唯一の救いだった。

「お、これだな……すごいな、目回りそう」

「これならすぐに入れ……んっ、そうですね」

百メートルほど歩き、それらしきものを見つける。

お化け屋敷と同じく何人か並んでいた。

自分から乗りたいと言い出したものの、熱を持った手すりを掴んでいないと立っていられない今となっては、コーヒーカップなどどうでも良かった。

銀色の支柱を掴む手に力が入ってしまう。

コーヒーカップは止まり、並んでいたカップルや親子が前に進むが、最初の一歩をどうしても踏み出すことができなかった。

「行こうか、どれにする?」

魁人の左手のひらが自分の右手に被さった。

ローターの動きがちょうど止まった、身体の震えも止まりためらいがちにゆっくりと手を握り返した。

恥ずかしがっていると勘違いしたのだろう、魁人は小さくごめんと呟いた。

「じゃ、じゃあ、一番近くの、ピンクの……はあ、あっ」

ローターは止まっても、燃え上がる身体の火はなかなか消えようとしない。

魁人に導かれるまま歩を進めているだけで、桃色にぬめ光り、下着にしみを作るほどに愛液を注がれた肉の狭間は、穂乃香が軽く足を前に踏み出すだけでも、地面を踏みしめた瞬間に反動で球体が奥に潜り込み、捩れて折り重なった肉を掻き広げてしまう。

「……んひうっ」

「……?」

「ちょっと、バランス崩しちゃいました、っああぁ」

直久はどこかで様子を窺っているのだろう、脚を開き、肉の狭間が無防備になったところでローターが再稼動する。

ブブブ……と機械的な振動が一つ積み上げられるたびに、魁人の手を握り締める力も強くなる。

 震えているのがばれていないだろうか、表情はおかしくないだろうか、無表情で落ち着いた素振りを見せているが、不安を拭い去るとはできなかった。

もし、直久がローターを入れていることを知ってしまったら、今までの度重なる裏切りを知ってしまったら……下腹の辺りが締め付けられる。

だが、同時に甘い疼きが背中から脳天へと這い上がってきた。

脳裏に浮かぶのは、魁人の目の前で直久に抱かれ、恍惚としながら悦びを貪る自分の姿……おぞましい光景にもかかわらず、顔は火照り、下着を汚す粘っこい迸りはとどまるところを知らない。

「穂乃香さん……」

魁人に手を引かれるまま、カップの内側に備え付けられた椅子に座る、混ぜこぜにされた思考は渦を巻いてどこかに消えていく。

最初は向かい合っていたが、彼への罪悪感と、愉悦に浸った顔を見たくないとの思いから、隣に座る。

すらりと伸びのいい肩にもたれかかると、魁人がぎこちなく震える。

温もりの内に潜む初々しさすら感じさせる反応は、自分を弄び続けた直久のそれとはまったく異なるものだった。

「終わるまで、このままでいましょうね」

「う、うん……」

しばらくは何もなかった。

だが、魁人が穂乃香の背中を抱いた瞬間、ローターが今までよりもはるかに強烈な振動を始めた。

ねじ込まれた指に襞のあわいをくつろげ広げられたような錯覚に、とっさに脚を閉じ合わせてしまう。

もっとも、そうすることで狭間を蠢く球体の存在を強く感じてしまい、振動は下着に染みを作るほどに濡れそぼった割れ口から腰や背中にまで広がり、逆効果でしかなかった。

「っ……!!」

身体がふわりと宙に浮かんだ気がして魁人にしがみつく。

その間もローターは震え続ける、魁人が近くにいるのだから気持ちよくなってはいけないと理性で快楽を押さえつけるのだが、意識すればするほどに、魁人の腕を掴む力は強くなり、押し付けた左右の乳房は二人の身体に挟まれて平べったく潰れていく。

「はあ、ぁ……っ、ん、ふう…………」

いつの間にかコーヒーカップは止まっていた。

立ち上がる魁人の後を追おうとしたところで、ローターの激震が穂乃香の全身を貫く。

彼の背中が遠ざかる、一行に止まろうとしないローターがくちゅり、ぴちゃりと粘膜の上で舐め回すような律動を繰り返す。

来る途中にトイレがあったことを思い出す、考えているだけの余裕は、今の穂乃香にはなかった。

※※※

「ごめんなさい、先輩……でもっ……」

洗面台に手をついて断続的な振動がもたらした愉悦が収まるのを待つ。

鏡に写った自分の顔を見る、恍惚と快楽に弛んだ口元が許せなかった。

あれだけ激しく入り口で蠢いていた球体は動きを止めており、絶頂寸前まで引き上げた穂乃香の解れつつあった肉体を置き去りにしていた。

「落ち着いたら、すぐに戻らないと……先輩に」

無意識の内に太ももを擦り合わせてしまう、ローターを取れば直久に何を言われるかわからない、自分で弄れば少しは楽になるのかもしれないが、どこかで覗いているかもしれないと思えばそれもできない。

「あんな奴、放っとけばいいよ」

「はあ、はあ………………な、直久君!? きゃあっ!」

「そろそろいきたいんじゃないのかなって思ってさ……入口で待ってたんだよ」

性臭の混じった汗の香りを漂わせた身体を後ろから抱きしめる、薄手のワンピース越しに、熱を持った大きなお尻がたぷんっと揺れるのを腰を擦りつけて楽しむ。

穂乃香は床に視線を落としたまま身をひねって入り口に向かおうとする。

もちろんか弱い力ではどうすることもできず、たぷったぷっと左右に揺れる肉づきのいいお尻がペニスに擦り付けられるばかりだった。

「や、だあっ……こんなところで」

「大丈夫、清掃中の札かけておいたから。誰も来ないよ」

清掃の行き届いた小奇麗な個室に穂乃香の小さな身体を押し込んだ。

蓋の閉じた洋式便器を挟んで、穂乃香を追い詰めていく。

「そんなの、わからない……ううんっ!」

ローターのスイッチを入れる、ツマミを弱から強へと動かし穂乃香の抵抗を封じる。

直久の目論見通り、穂乃香は背中を壁に張り付けて動かなくなってしまった。

「これだけ気持ちよさそうにしてくれると、買った甲斐があるってもんだね。でもやっぱり指で触ってあげないと……穂乃香ちゃんだって期待してたんでしょ?」

ワンピースの飾りレースに指を引っ掛けながら薄い布をたくし上げ、下着を挟んだ先にあるピンクの球体を指で軽く押す。

くちゃり、と小さく水音が跳ねた。

「ひゃ、ああぁ……だめ、先輩が探しに、きちゃ、あああんっ!」

「あの馬鹿はのんきに外で待ってるだけだろ、穂乃香ちゃんがどんな目にあってるかも知らないでね」

たっぷりと感じ入った身体には、些細な動きにも敏感に反応する。

下着の裾を軽く引っ張られ、ローターを引き抜かれただけで、背筋が伸びきってしまう。

個室の壁に手をついてよろけそうになった足の支えとする穂乃香、直久はしゃがんで股間に顔を近づけた。

楕円形の染みを作るクロッチに鼻をすり寄せると、むわっと熱く蒸れた甘く、生臭さの残る香りが肺を満たし、急激に高まる興奮が身体を震わせた。

「人がたくさんいるのに、しっかりと感じてたみたいだね」

ローターを手に取る、ピンクの表面には真珠色の粘液がべっとりとへばりついており、下端向かってとろりとゆっくり垂れ落ちていく。

穂乃香を悦に浸らせた小さな機械に嫉妬すら覚えながら、直久は左手の人差し指と中指で蜜を湛えながらも閉ざされている肉の土手を割り開いた。

「はあ、うっ……」

「そのまま、スカートは押さえててね。何だ、もうぐちょぐちょじゃないか」

薄暗い中、ぬるりと照り光る桃色の捩れ肉が曝け出された。

穂乃香の息遣いに合わせて重なる肉びらの奥に潜む小さな窪みが開いて閉じてを繰り返す。

膣穴が大きく開くと、粘膜を白い液体が這い進む。

指先で桃色のびらつきを撫で拭えば、ぐねり……と穴が一瞬大きく開くが、蠢く肉が四方からへばりを吐き出しながら絡み合い、穴はすぐに閉ざされてしまう。

「だって、あんなに、んんっっ! されたら……」

個室の外からは行き来する人の声が聞こえてくる、看板を表に立てたとはいえ、誰が来てもおかしくない状況だった。

穂乃香もそれをわかっているのだろう、壁と直久の間に挟まれながらも、扉を隔てた先にある入り口に何度も視線を向けていた。

しかし、びっしりと敷き詰められたぬめり襞がひしめき合う間に指を突き立て、蠢く波線に沿って指をなぞらせるだけで、腰を漣が駆け抜け、愛撫の世界に没頭し始めた。

「しばらく指で弄るだけだったからな、締りが良くなってるよ」

「ひうっ、だ、だめぇ……あ、ああっ、はひゃあっ」

ずちゅり……ぐちゃり……指の前後運動に応じて、内側が溶け崩れんばかりに熱を帯びた坩堝が粘着質な音を跳ねさせる。

奥に突き込めばぎゅっと手前に押し戻され、膣口まで引き返せばにゅるりとすがり付いてくる。

互いのつながった部分から噴きこぼれる泡立った白蜜が、ゆっくりと、蝸牛が這うように手首から肘に向かって垂れ落ちる。

指を全て膣内に埋もれさせてから抽送を止める、筒の内側でぞよめく肉蚯蚓は、全てが同じ方向に動いているわけではなく、右から左、左から右へ、手前から、奥からと全方位から指めがけてぐねぐねと蠢いていた。

指で襞を軽く押すと軽く凹む、脆さを孕んだ柔らかさとぬらつきが指先に心地よかった。

「や、ああぁっ、はあ、うっ……ああん」

水を限界まで吸い込んだシロップを思わせる潤い肉を指で擦る、握り込みを思わせる強烈な締め付けに、全て埋まっていたはずの指だったが、第二関節が顔を出し始めた。

ローションじみた愛液を潤滑油に、狭隘な肉の合間を掻き分けて進む。

指の実感が強まるにつれて、穂乃香の顔も歪み始めた。

直久の両肩につかれていた手を振りほどき、立ち上がる。

バランスを崩した穂乃香の後頭部に手を置いて小さな顔を引き寄せた。

眼鏡越しの瞳が見開かれている間にふわりとした唇をこじ開けて、口の中を舌先でかき混ぜる。

「ん、っ……ふ、うっ……っ」

最初にキスをしたときに比べると、ずいぶんと態度が従順になっている気がした。

小さな舌は逃げ回るのではなく、下顎の上に置かれたまま動こうとしない、直久が舌を巻き付けても嫌がって身を悶えさせたりはしない。

だが、ただ嵐が過ぎ去るのを待っているわけではなく、穂乃香からもためらいがちに舌を絡ませてきた。

かすかな粘りを身にまとった小さな肉片をしゃぶりながら、薄甘い唾液を啜る。

穂乃香の頭から手を離しても、互いの舌はもつれたままだった。

荒くなる鼻息が上唇に当たる、二人のキスは直久が唇を離すまで続いた。

「……どっちがよかった?」

「…………」

「あいつとはもうキスしたんだろ? 正直に言ってみてよ」

「せ、先輩とは、こんなの……」

穂乃香が下を向いたまま唇を強く噛み始める。

言葉を濁した彼女が、魁人のキスがどれだけ稚拙だったかを教えてくれた。

薄い茂みを弄びつつ、起き上がろうとしていたクリトリスを捻り転がす。

「あはああっ! や、やだあっ、痛い!」

懇願にも構わず、直久は包皮を引き下ろし、芯を内側に含んだ尖りを指で引っ張り上げる。

穂乃香の下腹部に漣が走る。

摘む力を強くするほどに腰の前後が大きくなり、薄手のワンピースの奥で豊かな乳房が持ち上げられる。

快楽混じりの苦痛に眉間に深く皺を寄せる穂乃香、だが紅潮した頬にはどこか弛みが感じられた。

「教えるまで続けるからね」

粘液を滲ませたクリトリスを、指を滑らせながら時計回りにくじり立てていく。

歩く指が小さな円を一つ描く、かぶりを振った穂乃香のショートカットが小さく揺れた。

円が二つ三つと増える、爪先が震えながら上がり、小さく細い指が直久の腕に絡みついた。

「っは、あ、んうっ……先輩の……」

「ここ触られるの、好きみたいだね」

クリトリスの根元をなぞり上げる動きから、不意に引っ張る動きへと変える。

膣口の水位が上昇し、ぬめりを伴った潤いが糸を引きながら直久の指に纏わり付く。

穂乃香の口が大きく開いた、白く並びのいい歯の奥では舌と上顎がか細い唾液の線でつながれている。

涙を塗された両目がきらりと輝く、水膜を被っているのはカールした長い睫毛も同じで、彼女が伏し目がちになるたびに濡れ羽色の毛先がきらめいた。

「ああああっ! だ、だめ……っ、そんなに激しく、やああぁ」

「じゃあ教えてよ、どっちがいいか」

開いていたはずの口が閉じる、魁人があまりに稚拙だったことを認めたくないのだろう。

歯を食いしばり、目の端から涙をこぼしてまで抵抗を続けていた。

「っ……は、うっ……は、あああん、う、ぅ」

指先で弾力ある肉の芽を押しつぶす。

穂乃香の顎がのけぞり返る、閉ざされた唇から涎が一滴こぼれる、目も同様に閉じたままだったが、眉間に寄っていたはずの皺は解れ、本来の柔和さを取り戻しつつあった。

「結構強情だよね、穂乃香ちゃんって……」

中指から三本を陰裂にねじ込んで、せめぎ合う肉の合間をくぐらせて、くの字に曲げた指で襞を軽く引っ掻いた。

「……っ!! だ、だめ……はああっ!」

溜め込んだ息をすべて吐き出すような嬌声とともに、立てた指先を中心に襞の蠢きが激しくなる。

にちゅり、ぐじゅり……筒の奥から蜜を溢れさせる一方で、ぬめる粘膜に触れた部分が狭隘部へと引き込まれていく。

押し戻し、吸い込む、両極端な蠢動に噛み付かれているような錯覚に襲われた。

粘り気と温もり、そして起伏に富んだ薄肉ゼリーが指にへばりつく。

それを剥がしながら直久は突き込みを続けた。

密室の中に湿度の高い吐息と粘着質な水音が絡み合っていく。

膣内を覆い尽くす襞蚯蚓は、入り込んだ三本の指をわしづかみにして離さない。

「な、直久君のほうが……上手、っく……も、もういいでしょ?」

「まだまだ、あいつはどんな感じでキスしてきたの?」

親指で尖りを弾きながら、指を綻びかけた花びらのあわいに押し潜らせる。

這いずる指に弱々しく添えられる穂乃香の手のひら。

メガネのレンズを挟んだ先に見える両目は、お願いだからやめてと語っているように見えた。

「先輩は、っ……ああ、ぁ、ただ、キスするだけで、抱きしめるときも、んんうっ、力が……それに、全然気持ちよくなかった……

「……よくできました」

達成感と征服感が、あやうく射精感に置き換わってしまいそうだった。

唇を噛んでそれを押さえつつ、一度は止まった手を再度稼働させ、膣奥を穿ち込み、白さと粘りを増した液体を曲げた指で掻き出していく。

「穂乃香ちゃんはもうあいつのことなんてどうでもいいみたいだから、そろそろいかせてあげようかな」

「あ、あぅっ、違う……のぉ、でも、先輩は…………何も、んうううっ!」

愛撫にさらされた穂乃香の女性器は、充血し、ぷっくりと膨らみ始めている。

赤く咲き綻んだ肉の花びらは、互いに捩れあい、ぐねぐねとうねくり返りながら愛液を吐き出し続けていた。

このまま……それはあまりに浅ましい期待だったが、身体に刻み付けられた絶頂の記憶が魁人への罪の意識を薄れさせる。

それどころか、彼への思いは快感を爆発させるだけの呼び水にしかならなかった。

「んふうっ、あぅ」

指が引き抜かれる、女体の中心へと誘う動きとは反対の動きが襞をぞよめかせ、ダメ押しで快感を与える。

無数の糸を身に巻きつけた指は白くふやけてしまっていた。

「すごいな、ひくひくしてる」

シロップにまみれた肉穴をあと何度か穿ち込まれれば、それだけでいってしまうだろう。

濡れて湯気を放つ指先と股間に目配せを送ってしまう。

きっと、ファスナーを下ろして、腰を沈ませて、互いに深く繋がってしまうのだろう……肌を重ねあう二人を想像すると、下腹の辺りがきゅっと締め付けられるように疼き、肌の表面を震えが舐める。

「ど、どうして……?」

「いや、やっぱりあの人に悪いかなって。そもそもこれ、犯罪だからね」

身震いが女体をエクスタシーの一歩手前まで押し上げるが、触れられないことで愉悦の波は引いていき、絶頂が遠ざかろうとしていた。

「え、そんな、今さら何を…………」

「前からさ、ずっと思ってたんだ。穂乃香ちゃんを苦しめてるだけなんじゃないかって」

違う、これは演技だ……妙に抑揚のない直久の声に、深く染み込んだ快楽に朦朧とした中でもすぐに気がついた。

首を縦に振って魁人のところに戻ればいいはず、にもかかわらず下腹部から全身に広がりつつある甘いうねりがそれを許さない。

「だから、もう終わりにしよう」

好都合な申し出、のはずだった。

魁人への背信にどれだけ苦しめられたか、枕を涙で濡らしたことも一度や二度ではなかった。

快楽に燃え立った肌が冷めるにつれて、刹那的な欲求で一番大切な人を失うなんて……冷静さを取り戻す。

しかし、思い出されるのは魁人と過ごした日々ではなく、直久に犯され、様々な行為を強いられた日々だった。

霧散したはずのじっとりとした熱が産毛をくすぐる、それは毛穴から入り込み身体を芯から煮溶かしていった。

「……でも、穂乃香ちゃんが、どうしてもって言うなら」

待ち望んでいた、その一方で決して聞きたくなかった直久の言葉。

爪を立てて拳を握り、壁に寄りかかることで二人の間の空間を大きくする。

直久の手が近づいてきて、汗をにじませた丸い頬の目元から口元にかけて指を滑らせる。

表情が緩み、笑みさえ浮かべそうになっているのが何となくだがわかった。

もう、だめだ……自分がおかしくなっていく、あんなに魁人のことが好きだったのに、直久の全てを受け入れようとしている。

手が首筋から鎖骨へと下がる。

肩につながった、骨ばった部分の形を確かめる動きは力なく散漫だった。

今なら手を振り払って逃げられる、多少時間はかかってしまったが、すぐ戻れば魁人に疑われることもないだろう。

「そろそろ、ちゃんと決めてほしいな。どうしてほしいのか」

「っ、ん…………そんな、はあ……っ」

濡れた床を踏みしめる音が聞こえた。

直久が唇だけで笑いながら身体を右にずらし、個室の鍵を外した。

新しく作られたスペースに向かって左足を一歩踏み出す、そして二歩目……動かない。

鉛を感じさせる重たさが右足を棒へと変えていた。

扉を押そうと前に出した左手も、ぎこちなさを残したまま垂れ下がる。

「どうしたの?」

直久を見上げる、視界が少しだけ涙でぼやけていた。

ファスナーの下りる音が聞こえる、外気に曝け出されたペニスの先は、穂乃香を睨みつけているようだった。

見ているだけで力が奪われ、立っていることさえできなくなる。

指で嬲られた快楽がスリットを中心にぼんやり広がり、呼吸に合わせて開いて閉じてを繰り返す肉の狭間から太ももにかけて愛液が伝い落ちる。

それを自覚した瞬間に膣肉がぎゅうっと蠢いた。

もう、どうなってもいい……ペニスの饐えた匂いに反応した肉欲が理性を押さえつける。

処女ではないのだから、一回も二回も同じ、魁人ならきっと許してくれる……だから、今だけ、いや、これからも……あまりに都合のいい、甘えた考えだった。

「……て、ください」

「何?」

「最後まで、し、し……てくださ、い」

「何を? それだけじゃあよくわからないな」

「直久君の…………おちんちんを、い、入れて……くださいっ!」

言い終えた瞬間、むっちりとした柔腰から大きなお尻にかけて手が伸びた。

触れ合った部分から送られる電流めいた刺激に脚が引けた。

直久が身体を押し付けてくる、濡れた太ももの間をペニスが掻い潜り、そのすぐ上にある赤い肉の口をくちゅりと上下に押し撫でる。

早く入ってきて欲しくて、自分から腰を前に出してしまった。

「最初からそう言えばいいのに」

互いの恥骨がぶつかる、棒のようにまっすぐ伸びた太く固いペニスがにゅるりと膣穴に入り込む。

不快感も嫌悪感もそこにはなかった。

「は、ああああっ!!」

肉のゼリーがペニスの周囲で流動化し、襞は全方位からくちゅりぬちゅりと噛み付いてきた。

結合部から溢れた粘液がズボンを汚すが、構わずに穂乃香を抱き寄せながら、ぬかるみを作る穴の奥まで腰を突き上げた。

早まる抽送のペースに比例して、穂乃香の巨尻がたぷんたぷんと手の中で弾む。

それが心地よくて浅く深くの動きは、深く深くに変えられてしまう。

「ひゃっ、ああっん、ううっ、いいっ、おちんちん、奥まで、入って……ああんぅ!」

穂乃香の両手が直久の背中に回る、急激な心境の変化に戸惑いすら覚えつつも、竿を根元までねじ込み、挿入の角度を微妙に左右にスライドさせながらねちゃねちゃとへばりつく襞蟲の収縮を堪能する。

粘り気をべっとりと含み、肉棒を満遍なく抱きくるめる膣壁は、さながら熱で溶け崩れそうな真綿だった。

もっとも、奥処を突き込めば膣口から膣底まで吸い寄せるような蠢動が始まり、袋の内側でくすぶる甘美なうねりが竿の真ん中辺りまで引っ張り上げられる。

火傷せんばかりの熱と、無数の糸を縺れさせる真珠色の迸りが、肌と肌との境界線を曖昧にする。

こぼれ落ちた液体は床にまで垂れ、小さな水たまりを作る。

「っ……もうさ、あいつと別れてよ……それで、俺と付き合わない?」

「あっ、はあ、あっ、んああぁっ、でも、それは……んうう、ひいうっ」

くちゅっ、ぴちゃっ……粘り蜜を弾かせながらの前後運動を加速させながら、手を伸ばし短く整えられた通りのいい髪を指に絡ませる。

穂乃香は目を瞑り、顎を小さく突き出してきた。

ピストンを和らげた直久は、赤みを増した穂乃香の花唇に自分の唇を重ねた。

「ん、っ……ふう…………」

唇を、歯を押し開く必要はなかった。

生暖かく、かすかに甘味の感じられる唾液が乗った舌は直久の口に入り込み、侵入させようとしていた舌に積極的に巻き付いてきた。

心地よい口付けに、精液が痺れを伴って亀頭へとせり上がる。

すぐに射精はしたくないと、下半身を引き締めながら、狭隘かつとろみに富んだ生きた洞窟に亀頭を潜り進ませた。

「っは、ぁあっ、ん、ふう……は、うううぅ、だめ、ああんっ! 気持ちいい、先輩のじゃないのに、あああぁ!」

奥へ行くほどに間隔が狭まっている柔襞は、意思を持っているのではと勘違いするほどに潤滑油を吐き出しながら裏筋を的確に舐め回し、カリ首にまでしっかりと入り込み、エラ裏に拭うように張り付きながらうねうねぐねぐねとぞよめき始める。

「くっ、あいつとはするなよ、穂乃香ちゃんのマンコは俺専用だからね」

「んっ、はあう、っ……しない、先輩とは、しないから、ぁ!」

穂乃香の背中が大きくのけぞる、ぶつかりそうになる後頭部を支えてやると、腰のくねりと、縄を感じさせる襞の巻きつきが一層大きくなった。

だがそれは、押し返す動きではなく、舐め回し、奥まで吸い寄せる歓迎の蠢きだった。

宙に浮かぶ穂乃香の左腕、左の尻たぶから手を離した直久は、間隔の空いた細指の隙間に指を絡ませる。

熱に浮いた穂乃香の頬に柔和だが艶やかな笑みが浮かんだ。

「……はあ、はあっ、なんで、もう、ああ、いっちゃう……直久君……」

相手に悦びを覚えさせたという実感が前後運動をさらに激しくさせる、ぐじゅりぐちゃりと膣液を吐き出しながら蠢き子宮めがけてペニスを引き込む肉の筒、隙間なく貼り付いた粘膜がカリ裏の上でぞよめき、エラの奥にまで入り込んで優しく撫でくり回してくる。

内向きの渦を描くような襞の収縮、ぎゅ、ぎちいっと密着が強まる互いの粘膜、膣壁の上下に搾る動きが射精感をこれでもかと煽り立てる。

お返しに直久が一度引き付けた腰を、恥骨をぶつけ合わせる要領でペニスを深く突き潜らせた、尖端に柔らかく弾力のあるボールのようなものがぶつかった。

その瞬間に穂乃香の全身に漣が走り、回された手が背中を掻き毟る。

「俺もいきそうだよ、締め付けが強すぎて……うっ」

「っはああああ! だめ、そこ、はあうっ、んああ、ああうううっ」

収縮が激化する、締め上げのタイミングが不規則になり、直径を狭めた肉環が深みに嵌った亀頭を鈴口からカリ首まで揉み撫で、もっとも裾野が広がったエラを全方位から圧迫する。

「あ、ああっ……穂乃香ちゃん、くううっ!」

引っ掻かれる痛みに顔を歪めながら、最後の一突きを繰り出す。

同タイミングで訪れる脱力感、射精の脈動が一つ増えるたびにそれは指数関数的に大きくなり、直久の下半身を蕩けさせる。

頭の中が真っ白になり、立っていられないほどの眩暈すら覚えてしまった。

「………………」

大きく息をついて、萎び始めたペニスを引き抜く膣内に撒き散らされた白濁の礫は、愛液と混ざり合い、ゲル状のまま膣口から太ももを這いずり落ちる。

穂乃香はどこか恍惚とし、垂れていく精液を虚ろに見つめていた。

穂乃香の指が精液に伸びるが、視線がぶつかると、ぼんやりと靄のかかった瞳がきらめきを取り戻し、きめの細かい頬を赤く火照らせたまま、ティッシュを取り出し、こびりついた白を拭い去る。

直久が何か言う前に、穂乃香は下着を上げ、ワンピースの皺を整えだした。

「先輩、心配してると思う、から」

まだ、穂乃香の心の中には魁人がいるのだろうか。

ただ、去り際の赤く染まった顔を濡らすのは悦びの涙に違いない……口の端からこぼれた涎を拭う彼女の仕草がそう確信させた。

※※※

「…………」

ふらつきながらトイレから出る、薄暗いところにいたので照りつける太陽がひどく眩しかった。

魁人はどこにいるのだろうか……あてもないまま歩き始める。

「あ…………」

ほんの数メートル歩いたところで、右腕を掴まれた。

魁人が真顔のまま心配そうに穂乃香を見下ろしていた。

「…………何かあった?」

勝手にいなくなったにもかかわらず、表情にあったのは怒りではなく心配だった。

あからさまにひどいことをしながらも、それを責めるわけでもない彼の優しさを申し訳なく思う一方で、直久の言葉を思い出していた。

本当に自分のことを好きでいてくれているのだろうか、自分に多少でも気持ちがあるなら、もっと感情をむき出しにするのではないだろうか。

一つ目の思考が、別の思考の呼び水となり、魁人に対する拒絶や不信が少しずつ大きくなっていく。

一方で、エクスタシーの残像が身体の中心から、手足の先まで駆け抜けた。

「……ごめんなさい、帰ります」

「あっ、穂乃香さん!」

わかっていた、どれだけ自分が最低なことをしているか……しかし、内心でもはっきりと自覚していた。

今求めているのが、魁人ではなく、直久であるということを。

深く愛されるよりも快感を刻み付けられることを。

「………………」

本当にそれでいいのか、理性が最後の警告を下す。

いいはずはない、一番大切な人は魁人のはずだ……だが、魁人は自分が望むものを与えてはくれない。

楽な方に流れるべきではない……踏み出したはずの足が一旦止まる。

ただ、彼に抱かれたとして、あそこまで気持ちよくなれるのだろうか、全てを捨ててまで一緒にいようと思えるのだろうか。

足が再び動き出す、答えはもう決まっていた。

もう一度トイレに向かうと、そこには見慣れた人影が。

「直久君……」

「戻ってきてくれるんじゃないかなって思ってた」

「………………」

目をそらす、自分の醜い選択から、魁人を苦しめている現実から…………ふと、頭に温かい何かを感じた、手のひらだった。

短くした黒髪に絡む指の動きが前戯を連想させ、精液を注ぎ込まれたばかりの陰部に再び火を灯す。

「あっ……」

ふっと、身体の重さがなくなった、抱き寄せられた身体を直久の両手が包み込む。

魁人と違って、ただ抱きしめるのではなく、その指は背骨を通りつつ、腰をくぐり抜けてお尻まで届いた。

見上げると、直久の顔が近づいてきた。

閉ざしていた歯を、唇を弛める。

「……ごめんなさい、先輩……」

それは、形だけの謝罪だった。

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