極上むっちむち高身長人造ボディ宇宙人さんの楽園実験録・中 (Pixiv Fanbox)
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──目の前に、女がいる。
それも、ただの女ではない。
人間にはあり得ない高身長と、全身にこれでもかとむっちりたわやかな媚肉をつけ、そして美の女神にすら勝るとも劣らない美しい顔立ちを持った、極上の雌。
それでいて──その正体は、宇宙人。
地球を侵略し、支配することをもくろむ、人類の敵。
そんな存在が──腕を、広げていた。
僕を、誘惑するように。
心臓を弾ませ、脳が痺れるような興奮を味わいつつ、困惑に窮する。
思えば、ここに連れてこられてから、意味の分からないことばかりが起きていた。
目が覚めたら、知らないベッドの上に居て。
見たこともないほど美しい女に、実験動物呼ばわりされて。
そして、その女は、自分を宇宙人だと名乗り。
あまつさえ、僕の住む地球を侵略し、滅ぼし、人間を全て奴隷にすると言い放ち。
そのくせ──僕をとことん魅了し、甘く抱いて、中毒にするかのように、どこまでも甘く優しく、快楽を与えた。
全くもって行動がちぐはぐな、謎の女。
目的が見えるようで見えず、僕に対して何を思って、何を望んでいるのかも理解できない。
果たしてここが、一歩間違えれば命を落とす、危険かつ劣悪な環境の牢獄なのか、地上のどこよりも安全で快適で、甘い快楽に満ちた楽園なのか、それすらも判断できない。
──じっと、目の前に座る女を、見上げる。
腕を大きく広げて、胸の中に僕を招き入れようとする、彼女。
むっちむちに肉付いて、立てば自動販売機よりも大きいほどの体躯を持つ、抜群の抱き心地を誇った、極上にして至高の雌。
徹底的に冷たく無感情な、切れ長につり上がった瞳と、ひたすら柔らかくて暖かな、心地よさと性的さの入り交じった肉体に、戸惑う。
──少なくとも、僕は彼女に拉致され、監禁され、人体に対して無害なのか有害なのかも分からない薬まで打たれて、今に至っている。
僕という一人の人間に対して、野生動物未満の扱い。
人間を下等生物と認識してはばからない、その姿勢はまさに、不遜そのものだ。
自らを、人間よりも優れた上位種族と位置づけ、僕に対しては、人権すら認めないと言い放つ。
普通に考えればそんなもの、擁護する余地もなく、悪だ。人類の敵だ。
どう贔屓目に見たって、まさか彼女が、僕をお世話してくれる優しいお姉さんだとは、口が裂けても言えないだろう。
だが、それでも。
彼女が、地球を滅ぼす侵略者だったとしても。
僕をどこまでも虐げ、命すらも搾取するようなものだったとしても。
僕は──まっすぐ、ためらいなく、彼女の腕の中に飛び込んだ。
──ねちっこく絡む、コクに溢れた、雌肉。
クッションのように僕をふわりと受け止め、そのまま肌を吸い付かせて離れようとしない、トリモチじみた乳肉に、脳が一瞬でじゅわりと溶ける。
彼女は、ぴっちりとしたラバー質のスーツを着込んでいるが、どういう技術なのか、まるで素肌と触れあっているかのような、しっとりとした生肌の感触を感じた。
そして、街路樹の側の葉っぱ溜まりに突風が吹いたように、僕がぶつかった衝撃で、一瞬でぶわりと広がる、キャラメルじみて甘ったるいフェロモン。
腰を抜かして、下半身がだらりと弛緩し、脳内から緊張やら疑念やら恐怖やらが一瞬で消え去って──代わりに、膨大な安心感と、脳細胞がぷちぷち潰れるような快感と興奮が、ない交ぜにして襲いかかる。
──彼女は、黙っている。
ただ静かに、広げていた腕を閉じ、聖母のように僕を抱きしめたまま。
やはり、同じだ。
とろんと蕩けた頭で、ふかふかもちもちの、たわわな肉感に酔いしれたまま、そう思った。
──こうして僕が甘えている彼女は、正確には、僕をここに連れてきた、あの白衣の宇宙人とは、また別人らしい。
顔も身体も、抱きついた感触も、その声も、何もかもが、全く同じなのに。
──白衣を着た、オリジナルの彼女は、つい先程、どこかへ消えてしまった。
この部屋から出て行く前に、この身体だけをぽんと置いて、それと遊んでもらえ──と、言い放ったまま。
恐らくだが、今僕が抱きついているこの身体は──理屈や理論は全く意味不明だし、地球の技術ではどう考えたって不可能なことではあるが──彼女の身体を複製した人形のような、コピーの身体なのだろう。
だが、どうも、人格までもが同じ訳ではないらしい。
今こうして抱きついている、人形の女は、それこそロボットのような、感情の希薄さがうかがえる。
元々、白衣のあの女も、感情は薄めであったし、その表情が緩む場面もついぞ見られなかったが──この女は、それともまた、違う。
例えば、あの白衣の女はきっと、楽しいことがあれば、普通に笑うのだろう。
僕の前ではそれを見せなかったし、滅多に見られるものではないのだろうが、しかし、その機能はある。
だが──今こうして抱きついている女には、そもそも笑うという機能が、ない。
その表情筋が緩むことは、生まれてから死ぬまでの一生、一度たりともなく、感情というものが揺れることもないのだろう。
つまるところ、正しく、ロボット。
最早、生物であるかどうかすら、疑わしい。
──だが、そんなこと、どうでもよかった。
この女の正体だとか目的だとか、そんなことには、興味が無い。
ただ、この雄の理想を詰め込んだ、ふかふかもちもちの肢体に抱きつくことしか、考えられない。
それほどに、僕の脳みそは蕩けきり、全身に満ちる雌肉のむちつきや、みっとりと吸い付くもち肌の満足感に、ひたすら酔っていた。
「…………」
女は、黙っている。
ぴくりとも、動かない。
まさに、人形そのものだ。
僕は今、状況で言えば、マネキンに抱きついているのと、そう大差はないのだろう。
しかし、それでも、負ける。
彼女のように、ダウナーに面倒くさがりながら、僕をいじめてマゾ快楽に浸らせるでもなく、ましてや僕を積極的に堕とそうとするでもなく、ただ鎮座しているだけの、それに。
まんじりともせず座り、呼吸すら行わなず、もぞりと身じろぎするでもない、ただ女の形をしただけの、その存在に。
人間として、尊厳を捨てきった態度。
僕をアブダクションしたあの女からすれば、発情期の家畜を、偽牝台にまたがらせ、それを雌と勘違いさせて、種を搾っているようなものなのだろう。
あんな馬鹿なオスには、メスのカタチをしたものを与えておけば、十分だ。
そういった発想の元、徹底的に、僕の知能や品性を見下して、そうなるよう算段をつけた、ただの作業。
あまりにも、情けない。
馬鹿にするなと、激怒して然るべきの『実験』の内容。
もちろん、僕は、それに対して、怒りを、嘆きを、悲しみを──抱くはずも、ない。
もう、そんなこと、考えてもいない。
ただただ、死ぬほどの多幸感に浸れるから、もう本当に、どうでもよかった。
ただ、目の前の女体が、気持ちよすぎるから。
手慰みに、もっちもっちと乳肉を揉みしだき、下から手をつっこんで、たぷたぷと持ち上げては下ろし。
その感触に、心から深いため息を吐いて、また脳が溶けて。
──それだけで、十分。
いや、十二分に、天国だと思った。
ここは、唯一無二の、最っ高に気持ちいい、楽園だと。
心の底から、そう思った。
「………………」
女はただ、黙っている。
ただひたすらに、黙って、動かない。
──その態度に、余計、むらむらとした興奮をもよおす。
その、澄ました顔、そして態度。
それが、どうやれば動くのか、どこまで動かないのか。
むらむら、むらむらと、勃起が硬くなるにつれ、気になってしまう。妄想してしまう。
その鉄面皮が──どんなに濃密で、ねっとり肢体を絡ませる、えげつなく下品で下劣な交尾にも、歪まない場面を。
──あ、の……♡♡♡
気になって、気になって、とうとう声をかける。
それが、どういう結果を及ぼすのかは、分からない。
生物的な情を持ち合わせて居ないからこそ──不遜に甘えるようなことを口走れば、プログラム通りに、僕を粛正するのかもしれない。
無感情に、無表情に、ただ僕を処分するのかも、しれない。
そうでなくとも、罰を与えるくらいのことがあっても、何らおかしな事は無いだろう。
──それは、この女の、役割によるのだろう。
もしもこの女が、僕の目付役ならば、調教するよう動いても、おかしくない。
あるいは、囚人の監視役の、看守のようなものならば、徹底的な調教がなされるだろうし。
逆に──ごく簡単な、僕のような実験動物に、食事などの必要な品を配膳するだけの、地球にもあるようなごく単純なロボットなら、それすらもないだろう。
この女が、何のために、ここに居るのか分からない。
あの白衣の女は確か、僕の世話役だとか言っていただろうか。
けれど、どんな機能を有しているのか、どれだけの知能を有しているのか、分からない。
もしかすると、単純に、僕を監視するための、監視カメラのような、それだけのものなのかもしれない。
「……はい」
けれど、女は、返事をした。
少なくとも、会話は可能。
──ならば、今の状況を、この女に、ダメ元でも聞いてみるのが、正しい判断だ。
普通は、そうするだろう。そうして然るべきだろう。
──あの、キス、して……♡♡♡
けれど、今は、そうではない。
脳が快楽に茹だって、ぶつけきれない性欲だけが渋滞した、脳みそがすかすかの状態なのだ。もう、脱出するための出入り口が開けっぱなしになっていたって、そこから出ようとも思えない、ただただ交尾を優先した思考。
密着ベロキスがしたい、と、あまりにも明け透けな欲望を、ロボットに向かって言い放っている程度には、ひどく知性を失った状態であることは、誰の目から見たって明らかだろう。
──だが、ここには、誰の目も、ない。
あるのは、感情のないヒトガタと、性欲しかない下等生物だけ。
だからこそ僕は、ただただ、口での愛撫を求めた。
「キス……地球言語データベースを参照。最も適合率が高い行為を発見しました。
接吻、ちゅー、とも言い換えられる、こちらの行為でしょうか?」
──女は、何も疑わない。
ただ素直に、僕の言うことを聞いてくれる。
そこには、処罰だの粛正だの、暴力の気配は微塵も見えてこない。
この女は、確かに、あの白衣の宇宙人の、所有物だったのだろう。
しかし、きっと今だけは、この女にとって、主人は僕なんだ。
そう気づいて、僕は──深く深く興奮を強めつつ、彼女の言葉に、首がもげそうなほど首肯した。
望めば、何でもしてくれる。
ただ、それだけの、女。
何て、何て都合の良い、悪魔的なものを、彼女は置いていってくれたのだろう。
これでは確かに、彼女に反抗なんて、するはずがない。
ここから逃げだそうだなんて、そんな意味不明な行為など、どれだけトチ狂ったとて、思考の片隅にも浮かぶはずがない。
「キスという行為には、幾つかの種類があるそうですが、どれをお望みでしょうか。親愛を表現するために、口先を頬に付けるだけの行為がよろしいでしょうか。あるいは、恋人同士の愛撫のための、口同士を交わらせるものがよろしいでしょうか」
──ぷるりと潤んだ、肉厚なリップ。
ラメが入っているのかと思うほどの、ねっとりと輝く艶めきに、目線が奪われて仕方が無い。
目線が奪われて、思考まで奪われて──言葉なんて、聞けるはずもない。
なんでもいいから、ちゅーしたい。
舌をべっとりと絡ませて、めちゃくちゃに舐め回して、口同士でセックスしたい。
ただ、それだけしか考えられない。
そこまで知能を劣らせるほどに、彼女の唇は、魔性のきらめきを持っていた。
「……失礼致しました。当機の使用言語がマスターの理解を超過しているものと判断。幼児語、俗語のインストールを開始します」
──性欲にかまけて劣った知性では、難しい言葉は理解できない。
侮蔑する意図無く発せられた、機械的思考を持つ彼女が下した、機械的な判断。
それは、事実として、僕の脳みそがぐずぐずに腐り落ちてしまっていることの証明だった。
──だが、しかし、仕方が無い。
言葉を忘れてしまうほど美しさを極め、それでいて性的な肉感もそれに比肩する、雌としてこれ以上無い身体を。
蠱惑的な無表情に、どこまでも機械らしく従順な態度と、蜂蜜のように甘ったるいフェロモンを纏わせた、理想を超えた至高の女性を。
こんなに肥沃な、むっちり肥えた極上の肉体を、何の懸念もなく好きにできるなんて。
そんなの──人間なら誰だって、馬鹿にならざるを得ない。
途方もない質量の乳、尻、太ももに、どうやって身体を擦りつけて甘えるか以外に、脳のリソースなんて裂けていられない。
そして、特に目の前の女なんて、僕の命令に従ってくれる、そういう存在なのだ。
どの部位で、どのような体勢で、どうやって責めてもらうか、考えてしまうに決まっている。
それも、たった一回の交尾ではなく、五、六射精先までも、妄想を張り巡らせることをやめられないほど。
それは、例えるならば、餓死寸前の状態で訪れた、最高級ホテルのディナーバイキングで、一回目にお皿山盛りに料理を盛りながらも、席に帰るまでの道のりで、次にどれを盛ろうか考えるような、浅ましくも贅沢極まりない心情。
「……言語インストールが完了しました」
──そんな、今にもむしゃぶりつくほど飢えた、興奮が最高潮の状況で。
頬が落ちるほどの極上の料理が、自ら皿に飛び込んできたとしたら。
「……浅ぁく、唇をちゅっちゅさせる、らぶらぶ恋人キスがいいですか?それとも、深く深ぁく、舌をべろっべろ絡めた、どすけべ濃厚べろちゅーがいいですか?」
──ぁ……♡♡♡
もう、心臓が張り裂けてしまう。
そう錯覚するほど、脳みそが興奮に茹だるのは、至極当然のことだった。
ぴゅっと、射精するかのように、先走りをペニスの先から吹き出す。
腰がかくかく震え、力が抜けて、座ってもいられなくなり、思わず彼女の身体に向かって倒れ込んだ。
おっぱいの上に、身体ごと抱きついて、乳肉の上に身体を置く。
どっぷり、どぷん。
乳肉がたぷつく感触を、全身で味わって、身体の芯から深く蕩ける。
「……どちらに、致しますか。深いちゅーと、浅いちゅー……。お答え下さいませ……」
ぞくぞく、ぞくぞく、心臓がきゅっと、甘く締め付けられる。
深い深い、興奮。
こんな、人間を超越した女神のような女性に、キスを甘くねだられている。
それだけで、耐えられないほど胸が高鳴るのに、そうしていながらも──彼女の分厚い雌の肉に、胸板からむんにゅりふかふか沈み込み、駄肉の布団に沈み込む。
顔を上げれば、心酔するほど美しい、端正を極めた貌。
いやに無機質な無表情が、これまた無機質な白いライトを反射して、真珠のように白く、一級品の白磁器のように輝いていた。
──その中で、これ以上無いほど生っぽく、しっとりとした艶を帯びて、ぽってり厚めの唇が、むっちゅりと。
時折、舌でなめずり濡らして、てらてらと淫猥に、ぬらめいている。
目の前の彼女は、呼吸すら必要としない、無機物そのものなのに、いやに雌っぽく、艶めかしい。
いや、むしろ、だからこそ。
ただの雌よりも、ずっとずっと深く、そそられるのかもしれない。
目の前の、幾億円と積んだって、手すら触れられないような極上の雌は、決して僕を拒まない、ただのラブドールだ。
それも、雄を悦ばせるためのありとあらゆるデータを詰め込んだ、全知全能の人工知能を搭載済みの、至高のもの。
的確すぎるほど的確な淫語を駆使して、性技の全てを知り尽くした、文明を超越する、最高級ラブドール。
それが──僕を唯一無二のマスターと慕い、命令を待ちわびるように、唇を突き出して待っている。
「さ……ご命令を……。あるいは、行為そのものを……」
静謐な、呟き。
ほんのすぐ近くに居る、僕にだけしか聞こえない、無声音の囁き声に──本能をむき出しにさせられる。
──深呼吸を、一つ。
その唇にむしゃぶりつく前に、興奮に胸がつっかえながらも、ゆっくりと行ってから。
吸い込まれるように、首を前にせりだした。
む、ちゅ……♡♡♡
彼女の肉厚なリップに、僕の貧相な唇が、むにゅりとめり込む。
まるで、今までもこうして、彼女の肉体に埋もれてきたことを、繰り返すかのように。
むっちり質量のある柔肉に、沈む。
うっ……とりと。
唇同士をくっつけたまま、しばし固まる。動きたくなくなる。
それほどに、ぷるっぷるの潤いに満ちた、できたてのグミのようにむっちりめの、濃密なキス。
故に、彼女の身体を抱きしめる腕にも、自然と力がこもる。
唇も、身体も、みっ……ちりと。
合わせた肌とスーツ越しの肌が、溶け合って混ざってしまいそうなほど、濃く。
恋人同士でもかくやと言うくらい、ひどく密着して、彼女の柔肉のむちつきと、ぴっちりとしたコンドームのようなスーツのせいで蒸れて高めの体温を貪る。
──天国。これ以上ない極楽。めくるめく桃源郷。
そんな言葉が脳裏に浮かぶほど、体中の力を抜いて、幸福感に浸り尽くした。
唇も身体も片時も離さずに、もう一生このまま、彼女とぴったりくっついたまま過ごしたいと考えるほど、蕩けきった思考ごと、彼女に甘え倒す。
こうしたまま、二人の身体をガムテープでぐるぐる巻きにしてしまって、べっとり抱き合ったまま、身動きが取れなくなってもいいと、本気で思ってしまうほど。
彼女の人外の艶を持った、究極の雌の肉体に、心底から惚れて、溺れるほどの脳内麻薬を排出する。
そんな僕に対して、目の前の彼女といえば、まるで何の反応も返さない。
こちらを観察するように、じっと冷たげな瞳を向けたまま、微動だにせず、ただ腑抜けた僕の背筋を支えて、キスの体勢を維持してくれる。
そう、彼女は決して、この行為に悦んではいないものの──しかし、嫌悪することも、突き放すこともない。
ただ、僕を悦ばせるための人形として、あくまで役目を果たすだけ。
その、どこまでも事務的な都合良さに、ひたすら精巣が煮えたぎって。
──にゅるりと、彼女の唇を舌で開いて、より深く口を交わらせる。
ただ触れあって、ぷにゅりとハリのあるリップを味わう、優しいベーゼだけで、あれほど多幸感に浸っていたというのに。
更に深い交尾を求めて、浅ましく、厭らしく、ぴゅくりと先走りをひっかけながら、了承も得ずに、ひどく淫猥で無遠慮なベロキスを敢行したのだ。
──言うまでも無く、彼女の身体に、抵抗の兆しは見えなかった。
それどころか、僕が舌で彼女の上唇をつつけば、聡明な彼女の知能は、言葉ではない主人の命令を、忠実に聞く。
すっと、閉じた唇から力を抜いて、いつでも僕を受け入れると意思表示するかのように、無防備な口内をさらけ出した。
更なる興奮に、身を乗り出す。
つまるところ、彼女の肩に手をかけて、その巨躯をよじ登ったのだ。
知性のひどく劣った、発情期の猿にも劣る、欲深く慎みのない行為。
当然、それに対して彼女は──僕の腰を下からすくい上げて、僕が身勝手なべろちゅーをしやすいように、持ち上げてくれた。
──これだから、天国。
べろべろべちょべちょと、彼女の口の粘膜を擦り、吸い付くようにしながら、涙を流すほど喜ぶ。
なんて、理想の、オナサポ女。
あまりに品がなく、軽蔑されて然るほど失礼なことを、誰に言うでもなく、確かに胸の奥で噛みしめる。
だって、真実なのだから、仕方が無い。
こんなにも、だっぱだっぱと乳を揺らしながら、下劣で品性に欠けた、性欲を満たすためだけの乱雑なベロキスを、受け入れてくれる。
泣き言の一つも言わず、何の抵抗もせず、ただ黙って、舌をべちょべちょと絡め返してくれる。
その耽美な顔立ちを少しだけ崩して、口の端から涎を溢れさせるくらいに。
──腰が、ぶるりと震えた。
快感ではなく、性的な多幸感から、精液が昇る。
人体において、最も幸福な、脳が溶ける感覚。
目尻をとろんと蕩かして、至福の瞬間に備える。
かくかくと腰をゆすり、にゅらにゅらとしつこく口を嬲り、馬鹿みたいな顔を晒す僕。
それを見て、全てを察せない彼女ではない。
初めての、彼女からの動きだった。
にゅぱ、と。
唇を、離される。
──キスの、中断。
あっ、と、声が出た。
その時の僕は、どれほど間抜けな、悲しい顔をしていただろう。
天国への門が目の前で閉じて、地獄へ蹴り落とされたかのような、そんな表情を、きっと。
──彼女は、すぅっと、深く息を吸った。
無論、彼女には、呼吸の必要は無い。
だが、それでも、そんな姿を僕に見せたのは、きっと今から何をするかを、愚かな僕に教えるためなのだろう。
こんな童貞臭いべろちゅーは、これ以上もどかしくて耐えられない。
代わりに、私が──これから、本気のべろちゅーを、ぶちかます。
そんな、意思表示であるとしか、考えられなかった。
──がばり。
彼女の動きを、擬音で表すならば、これほど適当な言葉はない。
勢いをつけて、一息に。
彼女は──僕の口へと、むしゃぶりついた。
べぇろれぇろれられられられら。
にゅるにゅる……ずじゅっ……じゅうぅるれるれるれる。
べっちょべっちょぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ。
にゅるら、にゅるら、ぺっとぺっと、ぺたぴたぴちゃ。
──無表情に、事務的に、機械的に。
啜り上げ、舐め倒し、吸いまくる。
ド下品に、ドスケベに、僕の精液を根こそぎ引っこ抜くように。
にゅるぅ……ら。
ず、じゅ、じゅぅぅぅ……。
べろべろべろ、にゅるにゅるにゅる。
にっちゃにっちゃ、くちゃくちゃ、べぇろべぇろ。
にゅううぅぅぅっ…………。
っぱ。
──貪り尽くす。
そう表現するのが何よりぴったりな、ベロを絡ませまくった、交尾。
口同士で孕ませ合うような、ケダモノのセックス。まぐわい。
脳が焼けるほど気持ちいい、本気のベロキスセックスに、狂ったように射精する。
これほど下劣な、ぐっちゃぐちゃのベロキスそのものにも、彼女のあくまで崩さない無表情にも、がっちり抱き合った肉の豊満さにも。
何もかもが、エロすぎて、射精しかできない。
に゛っちゃ、に゛っちゃ、ぬるぬる、ねりねり、にゅうるん。
にゅぢ……ぶっぢゅう、ぶぢゅ、ぶちゅうぅぅぅ……。
ねと……にゅと……。にゅるにゅる、ぬとぬと、にゅぅぅぅぅ……。
ぬるん。べぇろれろれろれろれろれろ、れぇろれぇるれるれるにゅるる……。
れろ、れろ、れろ、れぇろ、にゅる、にゅる、にゅる、にゅるら。
ねち、ねち、ねぇち、ねぇち、ねぇっ……ち、ねっちょお……。
にゅる……にゅる……んにゅうぅぅぅ……っぱ。
──っあ゛♡♡♡♡♡
──お゛う゛ぉ゛ぉぉぉぉ……っっっ♡♡♡♡♡
それは、獣じみた喘ぎだった。
彼女のすっぽんのように吸い付いた口が、にゅぽんと間抜けな音を立てながら離れた途端。
腹の底から、唸りを上げるようにして、気が触れるほどの快感を、声で表現せざるを得なかった。
ペニスからは、絶え間なくどぼどぼと、精液が流れる。
前立腺を甘くひっかき、尿道を押し上げて、鈴口がぽっかりと開いたまま戻らなくなるほど、濃くて大量の精液を、吐いた。
しかし、それでも精巣は滾り続け、精液をもっともっとと増産する。
目の前の雌を、死んでも孕ませる。
ねっちょりと下劣なベロキスにより、雄欲を引きずり出された挙げ句、本能が導き出した答えが、それ。
僕の身体の中にある栄養を、水分を、死ぬまで使い果たしても、絶対に孕ませると、僕の脳ではなく下半身が、そう判断してしまったのだ。
──腰が、がっくがっくと、ロデオのように跳ねる。
人間であれば、思わず痛みに叫んでしまうだろうというほど、彼女の肩を思いっきり掴んで、快感に耐えて。
どぼ、どっぽん、と。
投与された薬液により、無制限に作られる精液を、作っては吐き、作っては吐き。
──う゛♡♡♡♡♡あ゛♡♡♡♡♡い゛っ……♡♡♡♡♡
喉を締めて、必死に、喘ぐ。
そうして、脳がちかちか点滅し、腰がマグマに浸されたかのように熱く、身体が溶けて精液になる感覚を、みっちりと味わい尽くして。
む、ちゅう……。みっちゅ、にゅる、にゅる……。
無慈悲に、またも口をくっつけられ、すっぽんベロキスが始まる。
んべぇろ、べろべろ、べぇらべぇらべろれろえろ……。
ちゅうっちゅっちゅう……。じゅる、ちゅちゅちゅ……。
じゅる、にちゃにちゃにっちゃ、にゅらにゅらにゅら。
──それはそれは、下品を極めたような、えっげつなさ。
僕のセクハラベロキスなど、子供だましと思えるほどの、煮えたぎった性欲そのものが、舌交尾となって、僕に襲いかかった。
──射精した。
めちゃくちゃに、射精した。
尿道がひっくり返るほど、射精した。
射精して、射精して、黄ばんだ煮こごり精液で水たまりが出来るまで、射精した。
口が触れた途端、完全に勃起。
舌がにゅるりと入った瞬間、どびゅっと吐精。
それから、キスされている間、ずっとずっと、どぼっ♡どぼっ♡と重たい脈動音を立てて、ポンプのように、ひたすら吐精。
それは、オナサポと言うには、あまりにも強烈な、愛撫だった。
雄のちんぽを直に射精に導く、搾精行為そのもの。
見た目は愛情たっぷりに、卑しく僕を求めているくせに──その性質といったら、まさしく無機質。
ただただ、牛の乳を効率的に搾る機械のように、それが最も気持ちよく、最も多く早く精液を奪えるから、そう動いているだけ。
しかし、けれど──彼女は、僕がどこを感じるか、僕がどうすれば興奮するか、そのツボをピンポイントに抑えているという事実に、なおさら興奮。
何故ならそれは、言い換えれば、最も深い愛情そのものであり、理想の妻に求める条件ですらある。
普段は瀟洒に従順に、ベッドに入れば娼婦もかくやというほど、唸るほど下品な淫らさをもって。
それを、彼女は──どう考えたって、体現している。
ず、ずずっ……。
れ、ろぉんっ……。
あんなに長いディープキスの最後に、一舐め。
僕の口の周りを、べっとりねっとり舌で拭いて──ドスケベ口交尾を終えた直後というのに、平然としているのだから、堪らない。
まるで、高貴なご婦人が、アフタヌーンティーを終えた後のような、極めて自然で、気品に溢れた上品な態度。
僕の涎はベロ肉で拭いたくせに、自分は軽く手のひらで口を拭う姿に──妙な奉仕性を感じ取って、また一段濃いものを、ベッドにまき散らした。
──お゛っ……♡♡♡♡♡お゛ぅっ……♡♡♡♡♡
深い深い、イキ姿。
今までオナニーで味わっていたオーガズムなど、これに比べれば、真水ほども薄い。
そう、彼女との行為で味わう快感は──まるで、角が立つまで泡立てた、固めのクリーム。
濃く、脳裏と尿道にべっとり張り付き、未だにペニスがひくひくと脈打つ。
ぴゅっと、睾丸に残った精液を、吐く。
薄くて少ない、残り汁。
しかしそれでも、普通の男性の射精の数回分くらいには、量と濃度があるだろう。
それほどに、重い余韻に、浸る。
息は上がりっぱなしで、心臓は比喩でも何でもなく、普段の倍以上の速さで鳴っている。
──こんな交尾を続けていたら、死ぬ。
気持ちよすぎて、頭がおかしくなり、多幸感で狂い死ぬ。
そう、心の中で危機感を覚えていると、彼女がぽそりと呟いた。
「……記憶しました」
短く、端的な、独り言。
ぜえぜえと息を荒らげつつ、汗でびっしょりになった頭を上げて、その意味を目線で尋ねる。
「マスターの嗜好、ならびに性感帯を、データベースに登録しました」
──性癖、性感帯を、覚えられる。
あのベロキスの、どれが良かったのかを、彼女の機械的頭脳に、消えることなく、刻まれる。
──それって、かなり、まずいのでは。
ぞくりと、背筋が冷える。
「当機は、貴方様の行動や反応を、逐一記録しております。……故に、当機は、マスターへの奉仕の回数を重ねれば重ねるほど、より改良した奉仕を行うことができます」
──ずく、ずく。
ペニスの奥で、酷使した精嚢が、疼きを覚える。
つまり、要するに。
彼女の言葉を、かみ砕いて解釈するのなら。
「……マスターと、どすけべえっちをすればする程、次の交尾は、最高に気持ちよくなります。その次は、更に気持ちよく。そしてその次も、また然り。
……マスターは、これから先、ずっと、永遠に。人生最高の快楽を、更新し続けるのです」
──例えばこうして、私がマスター好みの言葉遣いを、少しだけですが、覚えたように。
事務的な鉄面皮を崩さず、自動音声のような抑揚のないテンポで、彼女は平然と言い放つ。
腰を預けたベッドが、やけにふかふかと沈む。
見上げた彼女の女体が、ずっしりとした重量感と媚肉の厚みを伴って、こちらをじっと見下ろしている。
僕の身体が、彼女の影にすっぽりと覆われるほど、大きな大きな、どこを触っても射精確実の、極上雌肉のかたまり。
それが──宇宙的技術の粋を集めた作られた、最高の知能をフル活用して、僕を快楽依存にさせる術を、覚え続ける。
あれほど腰が抜けて、意識を飛び飛びにされた、ベロキス搾精の──更に、その上が、ある。
それだけではなく、その手による手コキも、その規格外デカパイによるパイズリも、その豊かに実りすぎたバカデカお尻によるセックスも。
彼女は、どんなことでも貪欲に覚え──僕専用の、最高の娼婦に、なってくれる。
「……失礼、致します」
腰を抜かして、未だにかくかくと腰を痙攣させて動けない僕に、彼女の巨体が迫る。
むわりと濃い、女香を漂わせて──この香りすらも、僕の好みに最適化されたものなのだとしたら。そう考えて、ペニスが反りくり返る──四つん這いになり、顔をそっと、首筋に近づけた。
「では……射精も落ち着いたようですので、マスターの身体調査を、再開致します。性感帯、勃起スイッチ、チンピクスポット、ちんぽの弱点を。じっくりと、調べさせていただきます」
──ちゅ。
それは、恭しいキスだった。
これこそが、真に触れるだけの、愛情表現のバードキス。
僕が先程行ったような、貪り尽くしてべろべろと舐め回したいという欲望を持ちつつも、興奮ばかりが先走って、ぺっとりと唇を押しつけたまま動けないような、そんな情けないものではない。
主導権は、あくまで彼女が握っている。
激しいベロキスとは対極にありつつも、そう思わざるを得ない、翻弄するような口遣いだった。
ちゅ、ちゅ。
左右から、軽めに痕を付けるくらいに、キス。
首元から、ぞくぞくとした感覚が、溢れる。
──あっあっ、また、きもちいいの始まる……♡♡♡
そう思ったところで、後の祭り。
そもそもこの部屋において、真に上位の存在は、彼女の方なのだ。
彼女がそれをすると言えば、拒むことができないのは──僕の方。
ちゅ、ちゅうっ、ちゅうぅぅ……。
じいっと、目を見ながら、品定め。
頭を下げて、首から胸にかけて、降りてゆく。
万遍なく、肩から二の腕、鎖骨に胸板と、キスの雨を降らして。
そうしながら──僕の表情が快感に歪むのと、ペニスがひくつくのを、じっと見定めている。
ほんの少しの、快感と興奮の予兆も、逃さない。
その、淫乱極まる姿を見て、海綿体に血が送られていくのを感じた。
「……お体、敏感なのですね」
……ちゅ。
唇を動かす最中、零れるように、彼女が呟く。
「マスターは……んちゅ。こうして、ん……ちゅっちゅ。身体を調べられている間にも……ちゅう……」
無味乾燥の調声と、熱烈でねちっこいリップ音が、交互に混じって、溶けてゆく。
それらが同じ女性の口から発せられているとはにわかに信じられない、素っ気ない音と淫らな音のギャップ。
その二つが、一度の会話で、幾度も同時に発せられて──嫌が応にも、目の前のビジネスライクな真顔を浮かべた女性が、あんなに顔面をべっちょり押しつけて、キスしているのだと、理解せざるを得ない。
「どこを、ちゅ……。ねぶられても、にゅる、ちゅ……。腰が微弱に跳ね、ん、じゅうる、にゅぢ……。おちんぽが、ひくりと動きます……」
──ぴく。
途中、あまりにも分かりやすく、腰が跳ねる。
乳首を、唇で挟まれた。
そこは、自分で触ったことはないものの──世間一般的に、性感帯と、呼ばれている部位で。しっかりと開発すれば、そこだけでオーガズムを味わうこともできる、神経の集まった場所なのだ。
もちろん、この目の前の、地球上の誰よりも、雄を悦ばせることが上手い女にかかれば、きっと。
「にゅる、ちゅ、ちゅ……。マスターへの奉仕を仰せつかった私としては、とても……じゅるる、にゅ、にゅる……。喜ばしいことですね……れる、はむ、にゅるれろ……」
──びく、びく、びく。
分かりやすく、跳ねる。
まるで、その小さな突起が、押せば僕の身体に電流が流れるボタンであるかのように。
こり、こり。
舌で舐められ、転がされ、身をよじる。
甘い喘ぎ声を止められない。
生娘のような、あん♡あん♡という声が、喉から自然と漏れ出る。
そうしていながらも──彼女は、時折粘ついた音を立てながら、言葉を投げかける。
「にゅ、じゅぞ、れぷ、れぷ……。これならば、チーフからの命令にも、予測以上の成果をお見せできそうですね……」
腰を左右に、もじもじと揺すり、時折浮かせて、喘ぐ。
射精の時とは違う、全く未知の快感。
それをどう耐えればいいのか、どう逃がせばいいのか、ちっとも分からない。
せめてもの抵抗に、ぐっとシーツを握りしめ、呼吸をじっと深める。
それは、ともすれば──快感に集中して、彼女の舌で、イこうとしているようにも思えるが、しかし、仕方がない。
初めて味わう、射精ではない、快感。
それはそれは、甘く、幸せで、天井のない、純粋な幸福でしかない。
声を出すことすら、身体を動かすことすら億劫になり、勝手にしゃくり上げる喘ぎ以外はひたすら黙りこくって、じいっと、多幸感に耐える。
「ねぷ、ねっぷ、ねろねろねろ……。とても、おすけべな乳首にあらせられますね……。ちゅ、んれぇろ、はぷ……どう扱っても、にゅ、る……。大喜びで、ぴくぴくと、反応を返して下さいます……」
かく、かく、空腰を使って、一生懸命に、快感を表現する。
目をぎゅっとつぶり、舌が這う度に呼吸を一拍飛ばし。
どう見たって、もう、イく。
そんなことは、彼女のスーパーコンピュータ並の知能を使わなくたって、誰しもが理解できるだろう。
じくじく、ぢくぢく、呼吸の度に、腰が溶ける。
彼女の肉厚な唇に、強めに乳首をはさみ潰されると、精液混じりの重いカウパーが、どろりと流れる。
──イく、イっく……♡♡♡う、ふぅ、イく……♡♡♡
「ねぇろねぇろ……にゅぅるん、にゅぅる……。はい、存じております……ねぷ、ちゅ……。お乳首いくいく、近いですね……はむ、もむ……」
なんて、情けない喘ぎだろう。
他人事のように、そう思いながら、乳首を凝らせる。
ずっと、ずっと、彼女の手のひらの上で、延々と踊らされているようだ。
ペニスを直接に触られてもいないのに、こうして性感を高められて、あまつさえ──深いオーガズムに、導かれるなんて。
かくかくとした、腰の痙攣が、早くなる。
まるで、空気に種付けをするように、へこへことへっぴり腰を使い、カウパーを飛ばしている。
それでいて、上半身は、よがるようにもぞもぞと捻ったり、あるいはピクンと背をのけぞらせたりと忙しない。
熱くてどろどろした快感が、体中に広がる。
あくまでペニスと腰の周辺で完結する、射精のオーガズムとは違い、全身が、蕩けるように熱くて仕方がない。
どろっどろの、ヘドロじみた快感。
ぴん、ぴん、と、睨むような真顔で、舌を使い乳首をはじく彼女とは対照的に、快感に歪んだ表情のまま、喘ぐ、喘ぐ、喘ぐ。
──も、ほんと、イくからっ……♡♡♡ぜったいイく……♡♡♡もうイく……♡♡♡
「にゅる、にゅる、にゅる。れろれろ、ちゅっちゅっちゅ、ちゅるちゅる……。ん、む……はい、イきますね。このまま奉仕を続けたならば、マスターの乳首、ぜったいイきます。にゅこにゅこ、はむ、もむもむもむ……」
初めての、射精以外の絶頂は、いつその最高地点が来るか、分からない。
頭が真っ白になる、あの瞬間が、いつ来るのか。
それを知らない僕は、ひたすら脳を溶かして、ひたすらイく♡イく♡とわめき散らし、天井知らずの快感に、ぐしゃぐしゃの声を上げるしかないのだ。
ぞくぞくが、込み上げる。
今度こそ、波が来たら、イく。
次のキモチイイで、全身が天国になって、トぶ。
大きいやつで、ぐちゃぐちゃになって、溶ける。
次こそ、絶対、次こそは。
──考えが、まとまらない。
自分が支離滅裂な思考を行っていることすら、分からない。
それくらい、気持ちいい。
それくらい、脳みそが溶けている。
それは、絶頂がすぐ側にあることの、何よりも確かな証拠だった。
ひときわ大きな、仰け反り。
ひときわ大きな、喘ぎ。
声にならない掠れた叫びを、上げて。
「……ぷは」
──……ぁ、ぇ?
しかし──彼女は、口を、離す。
身体には、耐えられない快感のうずきが、残ったまま。
じんじんと、絶頂直前の、息が上がるような熱さを、解放してくれない。
──イかせて、くれない。
──な、なん、で……♡♡♡
半泣きになりながら、独り言のように、彼女に問いかける。
じいっと、獲物を狙う蛇のように、こちらを見上げたまま、動かない彼女に向かって。
「失礼致しました。このような状態では、少々……効率が悪いということに、今更ながら、思い至ってしまいましたので」
表情は、相変わらず、不変。
しかし、何故だろうか、そう語る彼女は、どこか──わざとらしく、嘘くさく思えてしまう。
「このように性行為をしていても、当機は、一度に一つの箇所しか、性感の学習をすることができません。それでは、当機の本来の学習効率を、大きく損なってしまっています」
機械らしい、事務的でまどろっこしい話し方。
そんな口調では──脳みそを乳首に溶かされた状態の人間には、聞こえない。耳に入らない。
──いいから、乳首、して。
そう、咄嗟に口をつかなかったのは、ほんのちっぽけな、砂粒ほどに残った、人間としてのプライドからだろうか。
「……ですから、あくまでも、マスターの自己判断により、許可をいただきたく」
ぴん、ぴん。
話しながら、彼女は、両手の人差し指で、軽く。
性感を冷まさないように、乳首を、弾く。
「失礼。乳首、して欲しそうでしたので」
向き合って、座りながら、真面目な顔をして──しかし、両指は、向き合う男性の、乳首に。
なんて間抜けな姿だと思うが、しかし、その両指をじっと見つめて、興奮を強める僕のようが、よっぽど間抜けで惨めだ。
「では……こちらの仮想コンソールを、ご覧ください」
そうしながらも、彼女はあくまで事務的に、ビジネスライクに、話を一方的に進める。
僕が、快感と興奮によって、何も考えられないのを、きっと知っていながら。
そうして、ピピッという機械音が鳴ってから。
じっと俯いたままの、僕の目の前に、ゲームのメニュー画面のようなものが現れる。
「そちらは、この母船の各室に備え付けられている、こちらの機械の管理画面です」
様々な項目が、ところ狭しと並んでいる、デジタルな画面。
そこには、僕でも分かりやすいように、日本語と算用数字が並んでいるが──しかし、目に入らない。頭に入ってこない。
とにかく、気持ちよくしてほしい。
全身が、むらむらして仕方がない。
目の前の極上の雌と、一刻も早く、めくるめく交尾だけしていたい。
「……中身は、読まなくても構いません。とりあえず、その……『複製』というボタンを押してください」
『複製』のボタン。
右上の端に、ひときわ大きく書かれている、これ。
これを押せと、彼女は言っている。
──しかし、けれど。
明らかに、ほぼ無理矢理押させようとしている彼女の態度に、どうしても尻込みをしてしまう。
これを押したら、今でも既に、彼女の手から抜け出せなくはなっているけれど──それ以上に、とうとう取り返しがつかなくなるような。
「はい、それを、押してくださいませ。どうぞ、一息に、ぽちっと」
じっと、彼女はこちらを見たまま、やけに急かして、言う。
それは、人類を超越した知能を持った彼女からすれば、考えられないような悪手だ。
そんなことをしたら、僕が警戒心を抱くことなど、分かっているはずなのに。
けれど、彼女は、あえてそれを行った。
何故ならば──彼女の、指。
たった二本の、細いそれが──僕の乳首の周りを、すりすりすりすり、回っている。
決して、勃ったそれは触らずに、焦らすように、乳輪だけを、こちょこちょと。
目を見て、じっと、生かさず殺さず。
僕が、意味も無く腰を引いて、泣きそうな喘ぎを上げているのを、ただ観察していた。
「いかがなさいましたか?……押さないと、きもちいの、あげませんよ?」
そう、僕は、彼女に──乳首での絶頂を、人質に取られている。
彼女の言葉に従わなければ、一生、おあずけ。
最早僕は、その疼きに、耐えられない。
それを知っているから、嘲るように──強引な手段に出たのだろう。
「さ、どうぞ……。一指でできる、簡単なことですから。早く押して、いくいくきもちい、しましょう?」
──うっ、うっ、う……♡♡♡
まるで、幼児をあやすような、幼稚な言葉遣い。
馬鹿にするかのような、甘ったるい口調だが──しかし、その指使いと、屈んだことによりボディスーツに浮き上がった、深すぎる谷間に、逆らえない。
正座で座っていることにより、左右にむっちむっちと広がる雌腿に、発情しているかの如く甘酸っぱくて、スーツのラバーっぽい匂いも混じり合った、やけに現実味のある雌臭さに、逆らえるはずがない。
──これを押したら、何がどうなるのだろうか。
複製──なにが、一体、どうやって?
僕を管理する人形が、妙に勢いよく勧め、実質強制しているということ以外に、何の情報も無い、このボタン。
しかし、何故だろうか、嫌な予感がすると共に──妙に、むらむらと、お腹の底が沸く。
思い出すのは、僕をここに閉じ込めた、あの白衣の宇宙人が、自らと全く同じ姿形の、人形の彼女を置いていった時のこと。
つまるところ──僕に危険が及びそうで怖いというよりは、その真逆。
幸せすぎて、気持ちよすぎて、都合が良すぎて、怖くなってしまうような。
「……震えて、押せませんか?でしたら、私が手伝ってあげましょう」
胸をまさぐるのをやめ、そっと、僕の手を取る、彼女。
すべすべで、柔らかい、手のひら。
どくどくと、心臓が高鳴る。
──怖い。恐ろしい。
全く未知のテクノロジーも、何を考えているか分からない、彼女の行動も。
どうしても、そんな感情が先走って、手が大きく震え、目をぎゅっとつぶり、顔を画面から背けてしまう。
「……何も、恐れることはありません。危害など、加えようはずもございません」
──そっと、手を包まれた。
優しく暖かな、人肌。
「ただ、私は……マスターを悦ばせるために、ここに居るのですから」
そのまま、腕を前に、あくまでもそっと伸ばされて。
──かちり、と。
パネルを押し込むような感触が、指に広がった。
びく、と、身体が反射的に震える。
傷つけることも、危害を加えることもない。
──そもそも、それが真実である保証など、どこにもない。
そっと、閉じた目を、開ける。
何がどうなっているか、確認するのが怖い。
「……頑張りましたね。いいこ、いいこ、です」
そうして、視界に、光が流れ込んで。
その瞬間、僕は──言葉を失い。
そうして、深く、深く──勃起した。
「ええ、とても、よい子です。飼育マニュアルに乗っ取って、ご褒美を上げるべきでしょう。
……ですね、『初号機』?」
そこには、女がいた。
今までと変わりなく、人間国宝級の絵描きが、最高傑作としてキャンパスに描いたような美貌に、出るところは過剰なまでに肉付いて、引っ込むところは無駄な肉をそぎ落とした、雌として完成した、究極の肉感と美を両立した、雌のカタチをした人形。
──それが、二人。
全く同じ姿をした、至高にして究極の、最高峰のラブドールが、二人も。
僕を、ふんわり抱きしめて、慈しむように、撫でていた。
「……ですから、申し上げたはずですよ。私は、貴方を悦ばせるために居る、と」
ふー、ふー、と、見るからに興奮した、肺から行う呼吸で、二人のフェロモンを嗅ぎ倒す。
両側から挟まれているからこそ感じる、逃げ場のない蒸れ感。
全く同じ甘ったるさと、全く同じ柔っこさと、全く同じ肉のコク。
どれもこれも、特濃極まる甘っこさと、特濃極まるむっちり感で、頭が沸騰するほど、勃起する。
「チーフ……貴方を攫った、貴方から見れば宇宙人、侵略者と呼ぶであろう、白衣の彼女は、その肉体を複製し、私という疑似人格を入れ、ここに置いていきました。
……とすれば、その肉体、そして知能は、いくらでも複製できる。そう考えるのが、自然だとは思いませんか?」
二人は、向き合った状態で、ほんの軽く、生卵が潰れない程度の力で、僕を抱いている。
脚は、絡めていない。
腹は、くっつけていない。
まだまだ隙間の残る──つまるところ、本気ではない、ハグ。
かたかたと、全身を、震わせる。
今度こそ、本当に、心からの恐怖に。
──これ、脳みそまで砂糖漬けにされる。甘ったるさに、ダメになる。
どう考えたって、いや、考えるまでもなく、当然の帰結。
たった一人、彼女が居るだけで、ここは天国を超えた楽園だというのに──それが、二人。
媚肉を肥やし、僕のちんぽをとことん狂わせる、性の贅沢を詰め込んだ、人類を滅ぼすほどのセックス人形が、ハーレム状態で、僕を溺れさせる、なんて。
「ええ、そう、ハーレムです。元々、私たちは、そうして複数人で貴方様に奉仕するよう、想定されていたのですが……想定を超えて、貴方様に私の身体を気に入って頂いたので、申し上げるのが遅れてしまいました。申し訳ございません」
「一人では、マスターに味わっていただける奉仕行為も限られますので、本来ならばすぐに義体を増やす予定だったのですが……そうすると、マスターの性器、および精神に過大な負荷をかけることになりそうでしたので……」
むっち、むっち。
比喩でも何でもなく、肉がむちつく音が聞こえる。
スーツに押し込められた肉が、ぎちりと張り詰めながら、二人の身体にぶつかって擦れ合う音だ。
聴覚でむちつきを感じたら、今度は視界。
それはそれは、見渡せば、いっぱいに。
上を向けば乳肉の入道雲、下を向けば太ももの海。
冗談みたいな質量が、どっしりと、つきたての餅のような、魅惑の触感をたたえて、鎮座している。
「……もう少し、分かりやすく、言い換えましょうか」
「ええ、そう。もっと、直接的に申し上げますと……」
──僕の感覚の何もかもが、マシュマロ雌肉で、埋め尽くされる。
呼吸もままならないほどの、興奮。
最早、ここは、天国を通り越して──
「「たった一人でも、あれほどイってしまうようでは、二人以上での奉仕には、到底おちんぽが耐えられませんから……」」
──地獄。
雌肉に閉じ込められて、気が狂うまでよがり、多幸感に殺される、地の獄でしかない。
と、ぴゅ……♡♡♡
極度の興奮から、精液を、甘出し。
腰を曲げ、乳の影に身を屈め、視界いっぱいの太ももとおっぱいと、重く漂う濃厚乳フェロモンをオカズに、触ってもいないペニスから、ゆったりと精液を吐く。
「ああ、そう……当然、こういった言葉遣いによる反応も、記憶しております。なお、興奮や快楽は、両機共に装備しているスキャナーやセンサーにより、寸分違わず記録しておりますので……隠しても、無駄ですよ。好きな口調、バレバレですからね」
「それから……両機においては、記録したデータを、全て共有しております。つまるところ……貴方様の弱点は、一人にバレたら全員にバレますので、お気を付け下さいませ。……ちんぽの弱いところも、乳首の弱いところも、ぜーんぶ、覚えていますから」
にじり、二人の距離が、近づく。
むっちり潰れて、広がる乳肉。
僕を絡め取ろうと、迫る太もも。
どこに行ったって、囲まれていて、逃げられない。
このまま、二人のまろやかな巨躯に、めちゃくちゃに抱かれるしか、ない。
──心が折れて、すり潰されて、くちゃくちゃに丸められるような心地だった。
どうしようもなく、逃げ場のない、閉じた部屋。
狭くもないが広くもない、家具のないリビングルームのような一室が、身も心も蕩け落ちる極楽だと知る。
「そう……それはもちろん」
「"二人以上"でも……同じ事が、言えますね」
乳下にできた、太ももと太ももの隙間。
必死に縮こまり、極度の興奮と期待により、頭をぐちゃぐちゃにかき回された、僕の目の前。
そこには、当然二人の女体があるが──その、前に。
未だに、それは、浮いていた。
──『複製』。
その文字は、彼女らの表情と同じく、あくまでも不変。
ポップさの欠片もない、角張ったフォントで、ぷかぷかと浮いていた。
二人以上。
つまるところ、これを押せば──もっと、もっともっと。
「……この母船には、宇宙の暗黒部分であるダークマターを元として、あらゆる物質をほぼ無制限に精製するジェネレータが搭載されています」
「簡単に言えば……この宇宙船内で、"足りない"ということは、現実的にはあり得ません」
ばっくん、ばっくん、心臓が口から飛び出そうなほど、暴れている。
胸の上から押さえつけなければ、あまりの膨張に、ここを突き破ってしまいそう。
──目の前の、小さなボタン。
何か、重大なガラスケースに覆われている訳でもなく、押すことを禁止されている訳でもない、何の変哲もない、これを。
これを、押せば、押したなら、
「ええ、ですから……」
「つまり、ですね……」
「「私たちが止めるまで、物資が尽きるまで。押して頂いて、結構ですよ」」
──『複製』。
ふっと、視界が開ける。
二人が、そっと身体を離して、ベッドの外側を見せてくれた。
雌肉でできた、花道。
両側を途方もない爆乳おっぱいに彩られ、その誘導された視界には──また、ちんぽを狂わせる、長乳爆乳。
簡素なパイプ椅子に、ラバースーツの女が、座っていた。
じっと、黙って、こちらを見ている。
極上のもちたぷ柔肉を、全身にしつこく盛り付けた、オナホールのような体型を、じっくり晒して。
つまるところ──僕の隣に座る女と、全く同じ姿の、女が。
一人居れば永遠に飽きることなくセックスしていられる、ちんぽの遊園地みたいな雌が、また一人、増えた。
ならば、このボタンは。
押せば押すほど──極楽のハーレムセックスが確定する、そんな代物だ。
びゅるり、濃い精液が、誰を孕ませるでもなく、ベッドに染みた。
──『複製』『複製』。
光の粒子が集まって、全く同じ女が、二人。
並んで、こちらを見ながら──その馬鹿でかい乳を、たぷんと揺らした。
僕の側の女は、その様子を、黙って見ている。
止めるような気配は、ない。
いよいよ、死んでしまうのではないかというほど、心臓が鳴る。
もう、ヤケになったかのように。
目の前にある金貨の山を、ごっそり両腕で持ち上げて、ばらまくかのように。
──『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』。
何も考えず、脳内麻薬の赴くまま、連打。
部屋中に、甘ったるい女香が満ちて、雌肉がひしめく。
『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』『複製』。
凄まじい、光景。
ワンルームいっぱいに、ところ狭しと、女体。
ただでさえ幅広で、厚みのある肉感的な身体が、次々と、現れてはこちらを見下ろす。
女体、女体、女体、女体、女体。
いくらでも抱いて良い、僕だけの、極上オナホ。
命令し放題の、上げ膳据え膳が、部屋を媚肉でいっぱいにするほど、増える。
ちらりと、震えながら、隣を見る。
女は、何も言わなかった。
『複製』、『複製』。
タップする指が、力尽きたかのように、遅くなる。
ただでさえ甘すぎる雌のフェロモンが、肉の蒸れと共に、部屋中に立ちこめて、腰が抜ける。
ぎっちりと、部屋中に、極上の女体が、詰まる。
ただでさえ、壮観な光景。
みっぢみぢに、旨そうな雌の肉体が、整列している。
それらは全て、僕の言いなりな、性奴隷。
性奴隷にして──僕を如何様にも扱える、超のつく上位者。
それが、この狭苦しい密室に、あんなに集まって──僕のちんぽを、今に奉仕しようとしている。
──もしも、あの中に、放り込まれたら。
いや、きっと、そうなってしまうんだけど──そうなったら、僕はどうなるのか。
絶望して、うずくまるように、ベッドに両手をついて座り込んで──ペニスから、歓喜の精液を、とめどなく流した。
女は、一切、止めようともしない。
当たり前のような顔をして、僕をベッドの端まで動かしてくれる。
『複製』。
最後に一つ、ボタンを、押す。
部屋を端から端まで埋めて、とうとう部屋が狭くなった頃。
ベッドからすぐ、目の前。
唯一空いた、その位置に。
──女が、現れた。
手を伸ばせばすぐに、触れてしまう位置。
「……どうぞ」
目の前の彼女が、小さく、そう呟いた。
それと同時に、体格差を埋めるため、側に侍る二人が、それぞれ片太ももずつ、差し出して。
その上に、そっと乗せてくれた。
──セクハラを、誘っている。
淫らな肉体を突き出して、思考を共有した雌が、その肉をまさぐりやすいように、位置を調節してくれている。
ふらふらと、誘蛾灯に誘われる羽虫みたいに、ゆっくりと、手をわきわき閉じたり開いたりしつつ。
その、大きく肥えた乳肉に──そっと、手を置いた。
ぺっとりと、乳を揉み込んだ手に張り付く、乳肌。
粘つくような脂肪感と、もっちり反発する肉感。
ああぁ……♡♡♡と、愛撫しているのはこちらの方なのに、息を吐く。
もっち、もっち、もっちもっちもっち……。
やはり、分かりきっていたことだが、本当に、抜群の揉み心地。
手のひらいっぱいに溢れかえり、指の隙間からもっちゅりと零れる乳肉にが、うっとりと恍惚に蕩けるほど、無限に後を引いて、指のもちつきが残り続ける。
これだけで、乳狂いの馬鹿になり、人類ごと地球を差し出してしまうには、十二分に事足りるほどに。
「……これだけで、宜しいですか?」
「まだまだ、義体複製のための資源には、余裕がございますが……」
耳元から流し込まれる、アダルトな声。
条件反射的にペニスがひくつく、その抑揚のない声に、また一層、脳が溶けた。
「部屋が少々手狭になりましたので、少しばかり広げましょうか……」
ただ、そう口に出して、言っただけ。
それだけで、部屋の面積が、数倍に伸びる。
──そう、女肉を置くためのスペースが、数倍に、増える。
「この母船には、空間圧縮の技術を応用し、広大な面積の確保を実現しています。おおよそ、そうですね……地球上の、居住可能な表面積の、十五倍程度は、未だ手つかずのまま残っています」
「もちろん、これ以上に部屋を広げることもできますし……その分、私達の義体も、増やすことができます。そうですね……六万体程度までなら、マスターにも使用許可が降りると重いますが」
──いかが、なさいますか。
決まり文句のようにして、側仕えの二人が、尋ねる。
何もかも、この部屋では、叶う。
まるで、楽園みたいに。
──ぅ、ぁ……♡♡♡♡♡
僕が尻を置いて座っている、むんにゅり潰れて広がったおみ足は、軽く沈んで僕の体重を受け止めつつも、もっちりとしたハリをもって、抜群の触感をもたらす。
甘え甲斐のある、がっつり太くて、筋肉質で、脂肪のたっぷり乗った、雌の脚。
それが──この部屋に、何本あるのだろう。
数え切れないほど、雌臭いぶっとももが、並んでいる。
恐ろしくなって、後ろにずり下がれば、頭にスライムのようなもっちりたぷたぷの肉が当たる。
雌の象徴とも言える、彼女の爆乳。
見るからに、濃くて甘いミルクの出そうな、恥知らずなほど大きな、乳。
今の腑抜けた僕では、片乳だけでも持ち上げることが困難なほど重く、当然のように僕の頭よりも二回りは大きい。
もし、あんなものに僕のペニスを包まれて、はさみ潰されたなら──もう、その極悪な乳圧でしか、今後一生射精はできないだろう。
それほどに、最高級のキメ細かさと、弾力のある張り加減と、溶けたような柔らかさを、完璧に混ぜ合わせた、極乳。
それが、見渡す限りに並んでいて──前立腺が、きゅっと縮こまり、精液をポンプのように尿道に送った。
「失礼、致します」
すりっ……♡
胸を、二つの手が優しく撫でる。
いやに官能的で猥雑な、ねっとりとした手つき。
その動きは、焦らすというよりかは、じっくり愉しませるためのもので。
「お乳首いくいく、途中でしたね……。もう、イく直前で止めたり、致しませんから……」
──思う存分、いくいくなさって下さいませ。
そう言い切るが早いか、整列していた複製女体が、その隊列を崩す。
より近く、僕の方に寄って、取り囲むように。
ぎしりと、ベッドのスプリングが軽く悲鳴を上げる。
見るからに重そうな女体が、更に二人分、ここに乗り上げたからだ。
左右から、女豹のような体勢で、側に侍って。
ふー……♡ふー……♡と、わざとらしく熱い吐息を、ぷるぷるぽってり厚めの唇から、吐いている。
それは──発情、子宮のむらつきを、再現しているのだろうと、容易に読み取れる。
つまりは、交尾。
死ぬほど濃くて粘ついた、粘液まみれのナメクジセックスを、所望している。
「……やりたいプレイ、させたい行為などは、ございますか」
僕の後ろに座り、僕を腿の上に乗せている二人は、乳首をすり撫でる以外は、大きな動きを見せない。
時折、僕を興奮させるよう軽く口を挟み、射精をサポートするのが、二人の役割なのだろうか。
むちむちと実りきり、食べ頃に熟れまくった、最も美味極まる女体を椅子にして、僕を優越感に浸らせつつ、オナサポ。
──そんな女体にむらつきを募らせつつ、正面を見れば。
そこには、大きくそびえる、雌肉の壁。
でかでかと突き出した、メリハリの効いた乳が、尻が、捕食口を見せつけるかのように攻撃的に、こちらに向けられている。
ふりふり、むちむち、たっぽたっぽ。
体を小刻みに揺らし、その肉がプリンのように震え、かつ強靱な靱帯によって、寸分の型崩れも無いことを、じっくりと見せつける。
片や、後ろ髪をかき上げながら、背中を向けて、どっしりと重量感のある、種付け頃の尻を。ハメ乞いをするように、艶めかしくゆっくりと、バックでの行為をねだるかのように、はしたなく突き出したり。
あるいは、正面から股を見せつけ、軽くへこへこと振りながら、視線を独り占めしようと、投げキッスまで振りまいたり。
屈んで谷間を見せつけながら、背筋を使って身体を前後に揺すり、乳肉でいたずらに『どゆんっ……♡どばるんっ……♡』と音を鳴らしながら、乳臭いフェロモンを僕に向かって漂わせたり。
身体をくねくねと左右に捻り、ケツも乳も、遠心力で振りたくるようにして、だっぽだっぽと乳音だけをひたすら鳴らす、品性のないエロダンスを踊ってみたり。
逆に──じっと佇んで、股ぐらと乳首から、濃い愛液を垂れ流して、見るからに言葉も使わない、互いに快楽を貪って孕み孕ませる、らぶらぶガチハメ生交尾を態度で求めてみたり。
それぞれがそれぞれ、各々の思うように、最大限におねだりをして──それを、記録している。
どこに、どう目移りして、最後はどれを選ぶのか。
そして──少なくとも、僕が彼女達の媚び方に、ペニスが張り裂けるほど興奮していることも、記録されているはずだ。
いや、それどころか、学習すらされている。
僕が、どういう誘惑に弱いのか、もう──ほとんど完璧に、バレている。
何故なら、ひどく下品な、最底辺の売れ残り娼婦が、買い叩かれてでも日銭を求めるような、そんな品性をかなぐり捨てた動き。
それは──きっと、あえて、やっているのだろう。
だって、その行為は、良い意味で、彼女達にはそぐわない。
あんなにも弾けるような肌を、そして女神のような美貌を持っている女性には、全くと言って良いほどそぐわない、地下の半違法な安クラブのような、交尾おねだり。
それを、一晩で一大企業が吹き飛ぶような身体、顔、そして技巧を持った彼女達が、する必要はないはずだ。不自然だ。
何故なら──そんなにも直接的に、プライドを投げ捨てて、ちんぽに媚びるような真似なんてしなくても、男なんて入れ食いだから。
自ら客を選別するくらいの、最高級の花魁じみた美貌の彼女達が、そんな真似をして男を誘ったって、いたずらに雄を狂わせるだけ。
ティッシュすら孕ませられず、床で干からびていくだけの、暴発お漏らし精液が、増えるだけだ。
──でも、それでも、僕を求めてくれている。
僕をむらつかせ、抱かれるためだけに、全身全霊で、媚びている。
そんなの、興奮しない訳がない。
「お選び下さい。"どれ"と"どれ"が……お好みですか?」
「お好きなだけ、摘まみ取って、お食べになって下さい。好きな分だけ、好きな者だけ、ちんぽの赴くまま、えこひいきして……」
ちら、と俯けば、膝の間を陣取って、口を開ける、雌。
べろべろと舌を動かして、舌の絡ませをアピールする者と、すこすこと手筒を口の前で動かして、フェラ素振りをする者。
どこを見ても、下品で、すけべで──どこまでも、ちんぽに優しい。
「ええ、お気になさらず、お選び下さいませ……。選ばれなかった者は、指をくわえて、マスターとの情事を、羨ましそうに眺めているだけですから……」
「そう……選ばれなかった者が、悪いのです……。貴方様のおちんぽのご機嫌すら取れず、そっぽを向かれてしまった、クズ鉄なのですから……。お気になさらず、しっしっと追いやって、隅っこの掃除でもさせていればよいのです……」
後ろから囁かれる声に、より一層、媚びた動きが激しくなる。
まるで、本当に、僕に捨てられたくないと願うかのように。
ただの実験動物である僕に、本気で、抱いて欲しいと乞うかのように。
──すりすりと、優しく甘く、乳首を嬲られて。
呼吸は全て、やたらと濃い、雌の体臭に染められて。
視界は全部、がっつりと媚びた、ひどく熟れた雌肉で埋められ。
それを、極上の情婦を椅子にしながら、じっくりと見せつけられ、嗅がされ、感じさせられる。
「さ……ご遠慮なく、お選び下さいませ」
「お気に召さない、まだ足りないと申されるなら……そこに、"ボタン"もあることですし……」
頭の中が、真っピンクに染められて、思考が全て、性欲に乗っ取られる。
選ぶ──ここから、何を、どうやって?
何も、何も分からない。
ただ、異常な性欲の滾りと、耐え難い精嚢の重みしか、理解できない。
「……決められませんか?」
「どれかを選ぶ、ということすら……億劫だ、と?」
選ぶ。
強いて選ぶとするなら──当然、全員、抱きたい。
その理想的なエロ肉と、雄欲をとことん引き立たせる誘惑を、全部全部、食い散らかしてやりたい。
でも、それは、それだけは、無理だ。
あれが、全員襲ってくるだなんて──考えただけでも、精子が漏れる。干からびてしまう。
「ええ、ええ、承知致しました……」
「それならば、我々に……」
「「"おまかせ"……ということで、宜しいでしょうか……?」」
がちがちに、勃起したペニス。
それを、ほんの一撫で、柔らかな手のひらが触れた。
──ぁ……♡♡♡♡♡
どびゅ、びゅく、びゅく……♡♡♡
安全日であっても、卵巣まで這いずって受精させるほど、濃くてぷるぷるの精液。
それが、呼び水代わりに、鈴口から流れる。
にゅりにゅり、にゅりにゅり。
胸を撫でる手も、スパートをかけるように激しくなり、喘ぎを上げることで、頭の中はいっぱいいっぱいになる。
快感で、正しく頭の中が真っ白。
一ミリたりとも、快楽のこと以外、何一つ、考えられない。
それこそ──今、僕の名前を聞かれても、答えられないくらいに。
──これ、何も、考えさせないようにしてる。何も、返事できなくさせてる。
もし僕に、もう少しだけ知性があったなら、そう思い至ることができたのだろう。
しかし、今の僕の脳内は──射精♡絶頂♡交尾♡セックス♡イく♡──と、それだけがぐるぐる回っているだけ。
「イく♡イく♡きもちい♡……それ以外に、お返事が、ありませんね……?」
「沈黙は、肯定と見なしますが……快感に浸る喘ぎ声は、もっと強い肯定と、見なしますよ……?」
──いつの間にか、僕の胸を撫でる手は、妖しい粘液にぬらめいていた。
よく見れば、目の前の女達の手には、大きなボトルが握られている。
とぽ、とぽ、と。
重たげに粘つく音を立て、時折ぶびゅりと、空気を混じらせながら絞り出してしるそれは──ぬらぬらの、濃いめに粘る、ローションだった。
とぽ、とぽ、とぽ……。
手のひらいっぱいに注ぎ、身体に塗りたくり、ぬらぬらと、ラバー質のスーツごと、ぬめりを帯びる。
見るからに気持ちいい、ローションをまぶした、女体。
オナホールを使う時にもそうするように、乳肉の谷間にも、尻肉の間にも、手指の一本一本にも、塗り込む。
──極上のラブドール達が、その役目を、果たそうとしている。
人類のちんぽを掌握して、支配しようと企む侵略者達が、その目的を──精液ごと知性をぶっこ抜いて、人間を射精狂いの男根そのものに改造し、家畜にするための準備を、万端に行っている。
「よいのですね……?我々の学習データを……地球上にある、全ての性行為に関するデータを取り込み、雄を転がす術を知り尽くした、性行為に最適化された肉体を、最高効率で使う、"おまかせ"を……」
「数限りない可能性を、精密に予測しながら、考えられる限りマスターが最も気持ちよくなれる方法を模索し……究極の快楽に浸らせ続ける、"おまかせ"コースで……」
「「よろしいのですね……?」」
ぽそぽそと、囁かれる言葉。
その内容はもはや理解できず、ただただ耳障りのよい、蕩けるように甘い声を、オカズにしているだけ。
頭がくらくらする興奮と陶酔に、恍惚と身を委ねることしか、できない。
気がつけば、目の前の地面には、大量の布団が敷かれている。
ひときわ大きな、ふっかふかの布団を中心に、ずらりと正方形に、数十枚。
もう、間違いなく──僕を、あそこに寝かせて、しっぽりと抱くための、布陣でしかない。
中心に居る僕に、ハイエナみたいに集って、めくるめく犯すための、分かりやすくお膳立てされた、セックス布団でしか、ない。
「……はい、ひときわ大きく、肉棒が跳ねられましたね」
「お気に召して頂き、何よりです……」
しかし、僕の脳みそと言えば、心臓を鳴らすことに、必死。
少しでも多くの血液を、ペニスの海綿体に送り、思考をやめてでも精液を増産することに、全力をかけていた。
ひょいと、左右から、軽々しく身体を持ち上げられる。
それでも、制止の言葉一つ、出てこない。
なされるがまま、極上の女体に彩られた、処刑台への道を、黙って運ばれる。
どこを見ても、抱きたくて抱きたくて仕方の無い、垂涎ものの艶肉。
交尾直前の、特有の発情雌香を発しながら、むわむわとフェロモンを垂れ流し、こちらをじっと見下ろす、女体、女体、女体。
脱出するための隙間を一切残さない、容赦のない包囲の中で──そっと、布団に寝かされる。
──絶景と言うほかない、絶望的な眺め。
大きく、肥えた、雌の肉。
交尾のためにあつらえられた、最高級の霜降りしか、見えない。
「……では、マスター。めいっぱい、お愉しみ下さいませ」
「頭がおかしくなられても、結構ですよ。いくらでも、正気には戻せますから」
あれら、全部に、犯される。
そう、理解した時には、もう取り返しは付かず。
──どぷ、どぷ、どぷ……。
触れられてもいないのに、壊れてしまった僕のペニスに。
幾多もの、幾多もの、手、脚、乳、尻、腿。
それらが、全身を覆い尽くすように、殺到して。
「「……どうぞ、心ゆくまで、ごゆっくり」」
どびゅぅうるびゅるびゅるびゅるびゅるぅぅぅっっっ……♡♡♡♡♡
びゅっ♡♡♡♡♡びゅるくっ♡♡♡♡♡どっびゅ~~~っ♡♡♡♡♡
どぶっどぼっどっびゅ♡♡♡♡♡びゅぢっ♡♡♡♡♡びゅるるるるぅぅぅぅ~~~……♡♡♡♡♡
──~~~~~~~~っっっっっ…………!!!!!♡♡♡♡♡
──終わりなき楽園へ、沈んだ。