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魔歴書房 奉仕族の歴史~奉仕族が奉仕族に至るまでの道程とは~ (Pixiv Fanbox)

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今や魔界にも人間界にも馴染み深く、街を歩けば見ない日は無いほどにありふれた種族となった奉仕族。 彼女たちは、常に正装たるメイド服に身を包み、的確な判断と読心力、性に関する事も関しない事も引っ括めたご主人様への奉仕によって男性を虜にする事で知られている。 その奉仕力は凄まじく、手練の奉仕族はご主人様が何かを言う前に、あるいは考えすらする前に心を読み尽くし、望む事を先回りして行ってしまうとすら言われている。 そして事実、奉仕族の奉仕を受けた人間は、全く脳や体を動かさず、雛鳥のように待っていれば極上の奉仕を受けられる事へのあまりの安楽と快楽に、どんなに精神が頑強な人間であろうとも例外なく幼児退行を起こしてしまう。 人間が一度味わえば麻薬のように離れられなくなる事は請け合いであり、いつの間にか主人である男性が赤ん坊のようになっている姿は、他の魔族から見ても舌を巻くほどだ。 更に、彼女らの容姿や体型は、これまた人を堕落させる事に特化している事で知られている。 いつ如何なる時でも──例えば主人である人間が胸に飛びついて甘えてきた時ですらも──表情を崩さず、クールな無表情に固定された顔は、その無表情が映えるように怜悧で鋭く、冷たくも美しい人形じみた美貌となっている。 そして、その冷たげな無表情に反して、ふくよかで女性らしい起伏に富んだ、雌の淫熱に溢れた体付きもまた特徴と言えるだろう。 特に胸や尻は魔族の中でも格段に肥沃に肉付きがよく、弾力がありながらも柔らかさに比重を置いた、とろとろと液体じみて蕩けるような肉質を持っている。 これらは、奉仕族のニーズに合わせた戦略的な進化の痕跡と見る事ができるだろう。 まず、奉仕族が長身かつ格別に豊満な肉体を持っている事に関して言うと、これは主人を蕩かして甘やかす為と、着痩せして見えるメイド服を着ても尚淫猥なボディラインを出すためであると言える。 奉仕族がメイド服を好むのは周知の事実であるが、彼女らはこれを自らのアイデンティティであると位置づけており、滅多な事では脱ごうとしない。 奉仕族は結婚式にまでメイド服を着てくるというのは有名な話である。 また、奉仕族は人間を甘やかしたがる事だが、特に人間をそのふくよかな雌肉と長身で包みたがる嗜好性が存在する。 彼女らの好む愛撫として代表的なのが、人間の全身を包み込みながら胸で頭を挟み込み、乳肉をアイマスク兼枕にして寝かしつける体勢の添い寝である。 これは奉仕族について記された数千年前の文献にも載っている伝統的な体位なのだ。 しかし、諸々のデータを照らし合わせると、この文献が書かれた頃の奉仕族はまだ体躯や胸が今ほど大きくなく、現在で言う下位淫魔程度のものであったという研究結果が現在では一般的である。 更に、おおよその文献を見ても、2500年程前には多くの奉仕族が自らに対してもっと大きな体躯を求めていた事が知られている。 その時代の奉仕族の手稿にも「ご主人様をもっとすっぽり覆ってしまいたい」と書かれている事から、奉仕族特有の嗜好そのものは昔から変わっていないと思われるが、それを行うだけの体躯は備わっていなかったのだ。 とは言え、現在の奉仕族が特別に大きいだけで、当時の奉仕族も身長は平均して二メートル程度はあり、一般的な男性よりは当然大きかった事は間違いない。 しかし、世代を重ねる毎にその欠点はみるみる克服され、年代が進むにつれ奉仕族の長身化は進む傾向にあった事が、奉仕族の身体測定を行った時の文献や、長命な魔界貴族からの証言からも得られている。 そして、1000年前には既に現在と同じ水準の肉体を持っていた事が確実であると判明している。 男性を肉体的に甘やかすには長身である方が都合がいい事は読者の諸君らも知っての通りである。 他の大きな体を持つ魔族も、その肉体の最も効果的な使い方として、覆い被さるようにして柔肉で甘やかす事を好む者は多い。 魔族は生まれ持った肉体から判断して、最も効率のよい搾精の方法を選ぶからだ。 しかし、奉仕族は元々が比較的小さな体付きであったにも関わらず、全身で包んで甘やかす事を好んでいた。 自らの体にそぐわない搾精方法を好み、そしてそれを行うために世代を重ね、意図的に進化したのだ。 これは極めて珍しい例であり、奉仕族の他には少数しか見られない。 また、奉仕族は当初は表情も豊かであった事や、奉仕も今ほど得意でなかった事が研究により明らかになっている。 古代の吸血鬼の日記には「あのメイド達は愛想は良いが家事は私よりも下手だ」という記述が多く見られ、これも年を経る毎に改善されていったようだ。 世代を重ねる毎に技術やメイドとしての心得を継承したことにより、奉仕族は現在のような奉仕のスペシャリストになっていったと考えられている。 特に現存する家事魔法の大半は奉仕族によって開発されたものである事が知られており、奉仕への研鑽を絶やさなかった事がここからも見て取れる。 それに合わせて表情も冷徹なものに変わっていったが、それが奉仕にどう関係するのかという疑問は現在でも議論されている。 当時の魔界貴族の記録にも、城働きのメイドの明るい態度に苦言を呈しているような記述は見られない。 ならば何故そのような進化がなされたのかと言えば、これは奉仕族の種族としての成り立ちが関係していると思われる。 そもそも奉仕族というものは、天使族や龍族のように最初からその魔族として存在していた訳ではない。 元々は淫魔族のメイドとして働いていた個体が、そこから独自の進化を遂げて派生した種族である。 3000年程前の魔界貴族には、巨大な城を作る事で自分の力を誇示し、人間や同族に対してアピールをするという文化があった。 現在も居住地となる城は大きい方がよいという風潮が貴族内には存在するが、それはこの時代の名残だと考えられている。 そもそも、元々魔界貴族の居城は小さくこじんまりとした物が大半であった。 たった一人で住むのであれば、そう多くの部屋を持つ必要がないからだ。 しかし、とある吸血鬼が気まぐれで巨大な城を崖の上に建ててみたところ、それを討伐するために愚かな人間──現在ではヴァンパイアハンターと呼ばれる者である──がわざわざ出向いてきてくれたのだ。 これは貴族界隈に大きな衝撃を与えた出来事であり、それを受けて貴族達はこぞって城を大きくした。 城が大きければ大きいほど、愚かで短絡的で可愛い人間は脅威度が高いと判断し、優先して婿入りしに来てくれる。 その証拠となるデータが貴族の間で共有されていたという背景もあり、そのインフレーションは留まる事がなかったと当時を知る吸血鬼も証言している。 しかし、基本的に孤独を好む魔界貴族にとっては、城を大きくする事は必ずしも好ましい事ではなかった。 独りでは管理が行き届かないのである。 当時は清掃魔術も存在せず、使っていない部屋の埃を払うという行為を魔術で済ませるには並外れた技術を要していた。 また、当然だが自らの手で掃除を行おうとすると莫大な時間がかかる上に、貴族はそのような行為は下民が行うものと考えているためやりたがらない。 しかし、実際に人間が来た時に部屋に埃が積もっていたら幻滅されてしまう。 かと言って城を小さくすれば、人間は来てもくれない。 であればどうすればよいか。 それを考えた結果、貴族達は一つの結論に辿り着いた。 それが、下位淫魔をメイドとして雇うことである。 幸いにも貴族達は裕福であり、淫魔を雇う程度の金銭あるいは貴金属などの物的財産には困らない。 更に言えば、下位淫魔は上位淫魔に魅力や人間探知の面で勝つ事ができず、ただでさえ人間界とのゲートが不安定で男日照りな時代では伴侶を中々持てずに暇を持て余していた。 それに加えて、お小遣いが欲しいとかメイド服に興味があるとかの需要も重なり、下位淫魔はこぞって貴族に雇われるようになったのである。 下位淫魔は、淫魔とはいえ魔族であるため、体力も魔力も家事を行うには十分であり、貴族からも重宝された。 淫魔を気に入った貴族からは報奨も多く与えられ、それにより淫魔はますます士気を高め、貴族に対して信頼を寄せて従順に従うようになる。 その循環が多くの城で起こり、また余談ではあるが貴族の城に固まっていた資金も回って、停滞気味の経済も好調の兆しを見せるようになった。 それにより、下位淫魔はより良い生活を送るようになり、魔族にしては控えめな体格も育つようになる。 それに合わせて魔力も高まり、奉仕のための魔術も、ごく簡単なものではあるが徐々に開発され始めていた。 つまり、メイドとして城で働いていた下位淫魔達は、その数十年という僅かな期間で現在の強力な奉仕族に一歩づつ近づいていたのだ。 が、この時点ではまだ奉仕族と呼ぶには程遠く、どちらかと言えばメイド淫魔というような、家事が得意で敬語が様になっているだけの淫魔であった。 表情も固くなく、身長もそれほど高くはない、体つきもスリムな雇われの淫魔。 それが、メイド淫魔にとっても貴族にとっても共通の認識だったはずだ。 だが、ここで転機が訪れ始める。 特に有力な貴族の下へ人間が現れるようになり始めたのだ。 当然貴族は喜び、勇む人間の武器を捻り上げて使い物にならなくした上で自室に招き、婿入りを迫った。 しかし、読者の方々もご存知の通り、貴族の態度は高圧的かつ威圧的であり、人間を怯えさせるばかりであった。 あれほど待ち望んだ人間を傍に置いておきながら、全く誘惑が成功しない貴族達。 ──そこに現れたのが、メイド淫魔達であった。 貴族にはない愛想の良さで人間の懐に潜り込み、淫魔らしい媚びた振る舞いでかすめ取る。 そんな事例が貴族達の間で無数に発生したのだった。 この情報は淫魔達の間を駆け巡り、貴族の下へ雇用してほしいという依頼が殺到する事態となる。 時には給料は要らないから働かせてほしいという明らかなヤリモクの淫魔すら現れる始末で、当然貴族はこれらの淫魔の言葉を突っぱねた。 それだけでなく、貴族の疑念の矛先は既に雇われていた淫魔へも向けられる事となる。 当然ではあるが、独り占めするはずだったお婿さんを奪われた貴族は怒り狂い、メイド達を解雇──しようとしたが、全てのメイド淫魔に対してはできなかった。 一度人間と関係を持った淫魔を旦那様と引き剥がすなど、非常に不本意ではあるが、両者にとって可哀想だ。 それに、城の管理や自分の身の回りの世話をするメイドが居る生活に慣れてしまったせいで、もはやそれが無い生活には戻れなかった。 貴族は、本音では旦那様を独り占めしたかったが、メイドをハーレムに加えるしか選択肢が無かったのだ。 とは言え、淫魔は元からハーレム推進派であるから夫を共有する事に抵抗はなく、旦那様の周りには何人ものメイド淫魔が暇なくまとわりつく事になる。 それを良しとしない貴族は、特に優秀で信頼の厚い者や、既に旦那様のハーレムに加わっている者を除き、余剰なメイドを解雇する事にした。 幸いにも淫魔達のメイドとしての熟練度は雇い始めた時とは比べようにもならないほどに高まっていたため、メイドの数を10分の1に減らしても問題なく運用できるほどになっていた。 余談であるが、明らかに余剰な労働力となったメイド達を今まで雇い続けていたのは、よく働いてくれるメイド達への恩義があったからである。 しかし、メイド達はこぞって主人の旦那様をこっそり誘惑するような背信行為を行ったため、容赦なく解雇される事となった。 その威光に従っている間は貴族は慈悲深いが、一度それを裏切れば情けは与えられない。 これは、貴族の価値観を象徴付けるような出来事と言えるだろう。 閑話休題。 さて、メイド淫魔達はこの出来事によって、城内に残り続けるエリートメイドと、城を追い出された元メイドに分かれる事となった。 城内に残ったメイドは言わずもがなメイドとしての業務を続ける事になるが、追い出された淫魔はもうメイドを続ける理由はない。 これからはただの淫魔として、人間を娶るための努力をしなければならない。 しかし、自分達は今まで、その為の誘惑の技術や性技は磨いて来なかった。 つまり、同世代の淫魔に比べると、雌としての魅力は劣る事になる。 元メイド達は考えた。 えっちがあまり上手くない淫魔の存在価値とは何だろうか、何を武器にするべきか。 当然、結論は一つである。 自分達が、メイドだったという事だ。 当時から、人間達のメイドへの憧れというものは大きかった。 メイドとは、自分に従順に従う女性であり、家事や清掃を全て肩代わりしてくれる人。 おまけに美人で、メイド服というフェティッシュな服を纏っていて、しかし金持ちしか雇えない。 更に言うと、金持ちの財産のおこぼれに肖るため、主人を誘惑して身ごもるメイドも多かったと聞く。 その噂は一般市民にも広がっており、メイドさんを雇えば一夜の過ちが起こる事もあると話題になっていたのだ。 その世論を嗅ぎつけた元メイドの淫魔達は、これ幸いと更にメイドとしての技術を磨き始めた。 今更えっちの勉強をしたところで、それは付け焼き刃だ。 それに、清楚なメイドと行為をするなら多少性に関しては不慣れな方が雰囲気が出るだろう。 メイドは清廉潔白なイメージを持たれているものであって、それを汚す背徳が男性の心を擽るのだ。 男性の心理を読み取る事に関しては右に出る者は居ないと評判の淫魔であるが、ここでもその能力を遺憾無く発揮し、自らの武器を磨くようになっていった。 ここで多くの淫魔がメイドとして生きる事を選ぶに至ったのは、淫魔がそもそもメイド業務を気に入っていた事も原因であると言われている。 男性を喜ばせる事を何よりも好むという性格上、他者、特に男性に奉仕する事に喜びを覚えるのは自然な事であり、だからこそ好き好んでメイドとしての技術を磨く事に没頭できたのではないだろうか。 さて、このようにメイドとして男性の下へ向かっ淫魔であったが、結論から言うとその目論見は大成功だった。 その頃は、昔よりは多少はマシになったがまだゲートが不安定であり、魔界から人間界に、またその逆の行き来も少なかった時代であった。 故に競争率は今よりも更に高かったが、メイド淫魔は高位魔族でないにも関わらず、高い嫁入り率をキープしていたと言う。 魔界から人間界に向かった淫魔は、持ち前の家事技術と清楚さや、人間とは比べ物にならないほど美しい顔立ちや豊満な肉付きを売りにして男性から引っ張りだこになるほど人気であった。 また、人間界から魔界に迷い込んだ男性に対しても、城働きで培った温和で柔らかな笑顔を武器に警戒心を解き、自宅へ連れ込んで奉仕する事で、何よりお嫁さんとしての魅力をアピールする事に成功した。 ここまでは順調であった。 しかし、その先へ進むための一手が足りなかったのだ。 メイド淫魔は、良くも悪くもメイドとしての修行ばかり積んできたため、旦那様を誘惑してベッドに連れ込むための手段が分からなかったのだ。 これは、致命的な問題であった。 家事は滞りなく行えるし、そこに関しては人間の女性には負けない。 しかし、このままでは独身の旦那様も痺れを切らして外に女を作ってしまう。 どうすればよいのか、メイド達は考えた。 この問題を解決するために、何をすればよいのか。 勇気を出して襲うか。 いや、わざわざ従順なメイドを雇うようなご主人様ならば、襲われるより襲いたいはず、つまり求められているニーズが違う。 だからと言ってぐだぐだしていれば本妻の座は勝ち取れない。 と、考えているうちに、メイド達は発想を転換させていった。 愛人でも別にいいか、と。 そもそも城の中に居た時は、貴族の旦那様の愛人になる事には抵抗は無かった。 ならば、旦那様を取り巻くハーレムの一員になれればそれでいい。 愛人というポジションも、それはそれで背徳感があって美味しいし。 そう考え始めた彼女らは、戦略を変えた。 向こうから、時間がかかってもいいから襲わせる。 そして性欲が我慢できなくなったその時に、ずぶずぶに甘やかして、その劣情を肯定してしまえばよい。 そうなると、こちらからの誘惑はそこそこにしておいた方が都合がよいとメイドは気付く。 何故ならば、あからさまに誘惑するタイプの魔族とそちらの方面で直接勝負しても勝てないからだ。 誘惑の技術が格別に高くないメイドは、他の誘惑の術に長けた魔族と競合はしたくない。 つまり、どうするか。 セクハラしたい、愛人にしてやりたいと思わせるような、あえて冷静な態度を取るのである。 つんと冷たい無表情で、床を拭くふりをしながら長身を屈ませ、大きく実った尻肉を見せつける。 ご主人様の隣をあえて胸が揺れるように歩き、 ばるるんと震える乳肉の柔らかさを視覚に訴えかける。 そのようなアプローチを行い、向こうから手を出させるという食虫植物のような誘惑を行うのだ。 そして、それを行うならば、なるだけ表情は変えない方がよい。 犯しがたい雰囲気を持つ女こそ手篭めにしたくなるし、靡かなさそうな雌こそ自分のモノにしたくなるからだ。 それを理解したメイド達は、意識して鉄面皮の表情筋を作るようになった。 これが現在にも伝わって、奉仕族特有の無表情となっていったのだ。 さて、話は変わって城に残ったメイドに視点を移す。 貴族の下で働く少数のエリートメイド達は、互いに研鑽を積みながら高いスキルを身につけていった。 現在も残る家事魔術を次々と開発し、より効率的で、より質の高い家事を行うようになり、更には瀟洒で可憐な立ち居振る舞いも身につける。 城のメイド達は、よりメイドとして完璧な淫魔へと成長していたのだ。 そして、それは図らずして女性的魅力と紐づき、貴族の旦那様を誘惑してしまう。 雇うメイドが減った事により、残ったメイドは受け取る賞与が多くなる事はもちろん、食事や睡眠などの生活環境も良くなり、体格もみるみる育っていった。 そのため、メイドとしての態度を抜きにしても、旦那様を誑かすには十分すぎるほど十分な淫魔となっていたのだ。 しかし、やはり貴族は上位魔族であるため、彼女が行う性的愛撫は男性にとっては気が狂うほど気持ちよく、また彼女自身の肉体や顔立ちそのものも男性にとっては理想の姿なのであった。 そのため、毎日貴族に愛されている旦那様から子種を与えてもらうのは容易なことでは無い。 淫魔が好む集団逆レでは、貴族一人から与えられる快楽にも届かない。 そこで彼女らが行ったのが、甘やかし幼児退行逆レであった。 貴族はその性格上、激しく貪るような、あるいは甘くいじめるようなサディスティックな行為を好む。 故に、その逆である、赤ちゃんをあやすような母性に満ち溢れた、甘やかしえっちを男性に施したのだ。 その目論見は成功し、貴族との行為とニーズが被ることも無く、旦那様から種を貰う事ができた。 ここで、メイド達にとっては予想外に嬉しい誤算が発生する。 貴族と交わり、上位魔族の魔力を少なからず含んだ旦那様の精は、メイド達の魔力を底上げして上位魔族に徐々に近づいていったのだ。 現在の奉仕族が魔族の中でも強力である理由は、貴族の魔力をここで取り込んだからなのである。 しかし、それを続けるうちに、メイド達にとって悪いかどうかは分からないが、違う誤算も発生した。 甘やかしえっちを続けるうちにその性癖が捻じれてしまい、いつしか母性が暴走するようになってしまったのだ。 その性癖は今日に至るまで治ってはおらず、奉仕族の偏執的なまでの母性は受け継がれ続けている。 さて、こうして城に残ったメイドと城の外に出たメイドは、それぞれ現在の奉仕族のルーツとなるような独自の進化を遂げていた。 しかし、その二つの特性はこの時点では交わっておらず、別々の嗜好性を持つメイド淫魔が、それぞれ二組あっただけである。 城外のメイドも城内のメイドも、それぞれ旦那様の愛人となり、どちらもその環境から出る必要もなかったからだ。 しかし、時が経つにつれ、そうでない者が現れた。 旦那様とメイドの間に生まれた淫魔の子供である。 彼女はもちろん成長すれば淫魔として旦那様を求める事になるが、その時に参考にするのが母親のエピソードだ。 淫魔は主に母親から誘惑や性交の技術を学び、それを受け継ぐのだ。 当然子を産んだメイド淫魔もそれは承知しており、いつかはその事を聞かれるだろうから、初めから花嫁修業として子供にメイドとしての心得や技術、誘惑の方法を教え込んだ。 そうして、第二世代のメイドが誕生した。 それらのメイドは、当然ではあるが親であるメイドから受け継いだ技術しか知る事ができない。 城内のメイドから生まれた子であれば、母性本能に溢れた甘やかしえっちを。 城外のメイドから生まれた子であれば、セクハラ誘発無表情雌肉振りの方法を。 親はそれぞれ一から編み出した誘惑の方法を教えるが、子供はそれを柔軟に吸収し、もっと多くの誘惑を覚えようとする。 そうして、城内生まれのメイド淫魔は城の外へ出向き、城外生まれのメイド淫魔は修行のために貴族の城の門を叩く。 互いが互いの環境へと身を投じていったのだ。 そうすれば、城内生まれのメイドも鉄面皮を持つ事になるし、城外生まれのメイドも母性本能を持つ事になる。 それぞれの文化が世代を超えて一つになり、貴族から受け継いだ強い魔力も全てのメイド淫魔に受け継がれてゆく。 そうして生まれた第三世代のメイドは、最早淫魔と呼ぶには程遠い生態を持っていた。 淫魔を軽く越す体躯に、淫魔よりも更に豊かな雌肉の数々。 身につけた家事魔術の数々に、強い母性本能と鉄面皮。 オリジナルから逸脱した彼女らは、既に新たな魔族となっていたのだ。 こうして、徐々に奉仕族は奉仕族としての特徴を得て、今日まで繁栄しているのである。 淫魔という、言わば魔族の中でもニュートラルなこの種は、その汎用的とすら言える生態も手伝って、そこから派生した魔族を多く生み出した。 その派生の歴史には、必ず合理的な理由が存在する。 今回のような奉仕族の派生ケースも、歴史を辿れば理屈が確かに存在しており、どこかのタイミングで急激に自然発生したものではない事が分かるだろう。 種の派生は、多くの場合、いくつかの世代を重ねて行われる。 そして、その元となった出来事は必ずどこかに存在する。 種の派生には、新たなニーズを切り開くための努力が根底にあるのだ。 これは、ゲートが安定して人間界と魔界が容易に行き来できるようになった現代でも起こりうる事である。 むしろ、大きな歴史の転換点となったゲートの安定という出来事は、必ず種の派生を引き起こすと断言できる。 いや、もしかしたら現在も、その進化の種はどこかで既に芽吹いているのかもしれない。 私達は、歴史が動く瞬間に立ち会っているのだ。 そこから何を学ぶか、何を感じ取るかは貴女方次第である。 だが、是非これを読んだ読者の方々には、旦那様を娶るための方法を今一度振り返って考えて頂きたいと思う。 それが、筆者である私からのささやかな願いである。

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