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『淫堕教』の淫らな信徒たち 一話前半(少し加筆はしましたがサンプルと大体同じなので飛ばしても大丈夫です) (Pixiv Fanbox)

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伽藍堂のファミリーレストラン、その端の席。 二人の女性に挟まれるようにして、僕は座っている。 向かいにも席があるにも関わらず、両隣に。 それは、逃がさないという意思の現れだろう。 彼女らとは全く面識はない。 ついさっき出会った女性だ。 にも関わらず、両隣の二人は僕に熱っぽい目線を向けている。 美人局か、宗教の勧誘か。あるいはマルチ商法か、はたまた詐欺か。 何にせよ、ろくでもない事だろう。 しかし、それでも僕は浮ついた気分を止められない。 「一人でいる時に話しかけてくる奴には気を付けろ」なんて、大学生活で気を付ける事の一丁目一番地だ。 留年するな、とかカップラーメンばかり食べるな、とかの生活上の事よりも時に優先されて言われる程の。 大学に入学したての頃なんかは、僕も耳にタコが出来るほど聞かされた話だ。 ならば何故、ほいほいと言われるがまま着いてきてしまったのだろうか。 何故、僕は彼女らに警戒心を抱く事もせず惚けた顔をしているのだろうか。 その理由は、一重に。 「いかがなさいましたか?」 「どしたのぉ?何か頼もうよぉ?」 ──彼女らが、人間離れした程の極上の女だったからだろう。 僕は、昼ご飯を食べるため、ファミリーレストランへ向かっていた。 同じ学部の友人は毎日自炊しているそうだが、不精者の僕にはそんな真似はできない。 明日の分まで考えて材料を買い、時間を掛けて調理して、食べたらまた食器やら調理器具やらを洗って片して。 それだけ労力を掛けておいて、一人分だけ作るのなら、コンビニのパンを買った方が安い。 ならば、多少の健康を犠牲にして楽を買う方がずっといい。 僕は生まれつきの性根から、楽な方に流される人間なのだ。 そんな訳で、今日も真っ昼間の十二時半に起きた僕は、多少の罪悪感を目覚めから感じつつも腹を満たそうとしている。 まあ、大体の一人暮らしの大学生なんてそんなものだ。長期休みなら尚更。 なんて自分に言い訳をして、僕は寝癖も整えずに、ボロのスニーカーと古着でお決まりの店へ歩く。 だからモテないんだろうなと思いつつ、大学の前を横切った。 くぁ、と欠伸をすると、整髪剤の香りがする。 見ると、門の前にはスーツや和服を着た若者が集まっていた。 そう言えば、今日は入学式の日か。二年生は休みだから忘れていた。 見る限りでは、今しがた入学式が終わったところなのだろう。帰る人もちらほらと居る。 通りがかりに眺めると、キラキラと輝くようなフレッシュさに圧倒される。 早速友人を作ろうとする人、さっさと遊びたいのか散ってゆく人。 何にせよ、活き活きとしていて僕とは大違いだ。 思えば一年前、僕もあんな風だったか。 そのキメた髪型はいつ僕のような寝癖に変わるかな、と思いつつ僕は門前を通り過ぎた。 いくらかの新入生と道を同じくしながら街を歩く。 ここいらは栄えているから買い物でもしていくのだろうか。 僕も上京したての頃は目を輝かせて歩き回ったものだ。 元々田舎に住んでいたが、その時と同じように道のど真ん中をふらふら歩いていたら迷惑そうな顔をされたっけ。 都会は人が多い割に歩道が狭いから、片側に寄って歩くものだと知った時には驚いたな。 なんて思いながら歩き慣れた道を進んでいると、何やら人々の様子が変だなと思う。 道行く人が皆、ある一点を見つめているのだ。 まるで視線を固定されたかのように、一箇所をずっと。 サラリーマンの男性も、買い物帰りの女性も、子供だって、老人すらも。 そしてそのまま歩くものだから、そこかしこで人同士がぶつかっている。 「っと、すいません」 ──ああ、いえ……。 現に僕も、後ろを名残惜しそうに見つめながら歩く青年にぶつかってしまった。 そうして、やっと青年は前を向いて歩き出す。 そんなにぼんやりする程のものかね、と少しばかり心の中で嘲る。 ──何があるのだろうか。 老若男女問わず視線を奪い、惹き付けるのは一体何なのだ? 少しばかり興味が湧いて、ルートを変えてその視線の先に向かってみる。 幸い、道端の人々の目線を辿ればそれには容易に近づく事ができた。 なんだか案内板が出ているみたいだな、と思う。 しかし、そこまで人を虜にする物とは何がある? 煌びやかな宝石?路上パフォーマー? 面白いマジックでもしているなら、少しばかり暇つぶしに見ていきたいものだが。 うーん、と首を捻りながら歩くと、人だかりとまではいかないが人の集まりが見える。 立ち止まってそれを見る人々。 僕もその集まりに混じって、それに目を向ける。 さて、誰もかもを釘付けにする物とは何か。 その答えは、すぐに氷解した。 ──ああ、確かに、これは。 二人組の、女だった。 それも、人間とは思えないほどの美女。 一目見た途端にぶわりと全身に鳥肌が立つほどの、究極的にまで美しいそれが、悠然とただ立っていた。 ただ美しいだけではない。 それらの女は、何処を見ても──生殖欲求をとことん煽る、有り体に言えば滅茶苦茶にスケベな身体つきをしていた。 なんて下劣な身体だ。 どちらの女も乳はやたらとデカくて腰は細い癖に、尻肉が服を押し上げてその巨大さを誇る。 ちらりと覗く太ももは最高に肉が付いてもちもちと柔らかそうで太い。 これでは歩く性犯罪、身体を隠す服を着ただけの痴女だ。 教育に悪い、少年の精通を、男性の勃起を煽る身体をしすぎている。 彼女らはただ立っているだけだが、それでも警察に補導されてもおかしくはない。 本気で、僕はそう思った。 気がつけば、僕もその女達から目が離せない。 ただ立っているだけのそれらから。 誰かを待っているのだろうか、左の女性は目を閉じたまま芯を入れたように真っ直ぐに立ち、右側の女性は街灯に体重を預けている。 その、何と絵になる事か。 いや、どんな画家でも、この視界を超える絵は書けないだろう。 そう思うほど、絵の具のフィクションを上回るほどに、その女達は美しかった。 ──何かの、撮影? そんな声がどよめきから聞こえるが、そんなはずはない。 僕がもし、彼女らを撮影しろと言われたら──しっぽを巻いて逃げ出すか、舌を噛み切って死ぬ。 どう考えても、人間ではその被写体の美しさやエロスを最大限に引き立てる事はできない。 せいぜい、現実の劣化。 目の前に立つ彼女らの、纏うオーラを、雰囲気を、殺してしまう。 僕はカメラマンとしての知識や技術など一欠片も持ってはいないが、そんな確信があった。 それが被写体をありのまま、いやそれ以上に引き立てて写すためのプロならば、きっと尚更の事だろう。 右側の女性が、体勢を立て直す。 もたれかかってずり落ちた身体を戻し、街灯に身体を擦る。 その時、それを見ていた全ての男が股間を思わず押さえた。 その桃のような形の巨尻を、街灯を割れ目に挟むようにしてズリ上げたのだ。 まるで尻コキのような体勢で、ずりゅうぅ~っ……と艶めかしく一コキ。 それが、もしも自分の肉棒だったら。 それが、もしも自分に向けて行われた行為だったら。 そう思わせずにはいられない、どうにもAVじみた、猥褻な動きだった。 肉尻は、依然として街灯にむっちりと押し付けられ、食い込んでいる。 だぷんっ♡という音すら聞こえそうなほどのサイズ感、肉感の尻が。 ただの無機物が、名前も知らないあの女の肉を味わっている。 僕が、決して、一生味わう事ができないであろう、最高級のむちむち尻肉を惜しげも無く押し付けられている。 そう考えると、本気であの鉄の塊に嫉妬の念を覚えてしまう。 それと同時に、あの人肌の蒸れた熱が伝搬した鉄に、また雌尻のフェロモンがたっぷりと擦り付けられたあの部分に、出来ることなら頬擦りでもしてみたいとすら思う。 いや、実際にあの女がどこかへ行ってしまえば、周囲の目も振り切ってあそこにむしゃぶりつく男は必ず現れるだろう。 それほどに、女のそのケツズリの動きは観衆のペニスを苛立たせた。 そして、それと同時に、ゆさりと胸の巨大な肉房が揺れた。 一メートルなど悠々と超えるサイズのそれが、どだぷ……んっ♡と。 うわ、と声を出したのは僕だっただろうか。あるいは他の観衆だっただろうか。 エロスを体現したかのような、むしゃぶりつきたくなる乳肉が、あんなに揺れた。 ああ、知らなかった。 極限まで柔らかな、最上級の乳肉は、あんなに柔らかそうに揺れるのか。 「巨乳おっぱい揺らし動画♡」なんて馬鹿みたいなタイトルの、乳がデカいだけの大して美人でもない女が自己顕示欲を満たす為だけに男に性欲を向けさせる動画を、見た事がある。 ゆさゆさと手で上下に揺らし、確かにそれは揺れていた。 けれど、これは──絶対に、違う。 どゆん♡と何キログラムにもなる重みを見るからに感じさせながら、プリンを揺らしたような、あるいはドップラー効果のように動きに対して一呼吸遅れて乳肉の揺れが着いてゆく。 そのまま、ばるるん♡とたっぷり揺れ、その揺れが揺れを起こし、しばらく服の中でたぷたぷと震えていた。 あれほどの極上女体になると、震え方の一つまで違うのか。 興奮を通り越して感心までしていると──左側の女性、今まで目を閉じていた彼女が、ふと目を開いた。 腰まである金の髪の彼女。 その日本人離れした髪色や長身とスタイルから、外国生まれの方なのかなと思わせるその女。 物憂げな印象を与えるように半分だけ開き、その瞳が見える。 右目はサファイアを埋め込んだような、碧眼。 非実在性すら感じる、怖気すら感じるほどに美しい青だった。 そして、左目はアメジストのような紫色、だが──妙な紋様が入っている。 何とも形容し難い、瞳の色と合わせてどこか魔的なおぞましさを感じる形のそれ。 その威容は、超越した美貌と相まって、その姿を人外のものにも思わせた。 それと同時に、異常な納得を覚える。 ああ、この女性は──この瞳なんだ。 つまるところ、彼女は、人間ではないんだろう。 その考えは周りの群衆も同じだったのだろう、ざわめきが大きくなる。 しかし、その瞳から目を逸らす者は一人として居ない。 むしろ、見蕩れている。 その、人智を超えた美に。 そうして、そのオッドアイの女性に見蕩れていた頃、右側の女性が、ふと微笑む。 その瞬間、ざわめきはしんと静まり返った。 彼女は、その群衆に向かって微笑んだのだ。 その笑みのなんと艶めかしい事か。 にんまりと細められた目は悪戯っぽく、つり上がった口の端が心を捉えて離さない。 それは、まさに老獪な狐。 男を誑かす事を生業にしている、と言われても納得できる。 実際、ハニートラップとして彼女をけしかけられたら、きっとここに居る全ての人間を手玉に取るなんてわけも無いのだろう。 こちらは両方黒目で、髪も烏の濡れ羽色。 日本人らしい色に染まった彼女だが、やはり漂うのは異様なまでの空気。 彼女もまた、人間ではないと感じてしまう。 それでいて、恐ろしいとも思う事ができない。 それどころか、彼女に全て食われ尽くされたい、全て支配されてしまいたいという破滅的な願望まで湧き上がる。 オッドアイの彼女が、瞳を上げる。 それと同時に、何処へともつかず笑みを漂わせていた黒髪の彼女が何かを見据える。 その先にあるもの、それは。 ──へ? 多分、僕だった。 自惚れで、なければ。 四つ、瞳がこちらを向く。 心臓まで射抜かれるような心地。 頭が真っ白になる。 何故、僕を見ているのだろう。 真っ直ぐに、僕の目を。 群衆の目も、僕に向けられる。 驚きとか、猜疑とか、妬みとか。 だが、その幾多もの目線は、たった四つのあの瞳に比べれば塵芥も同じ。 じ、と見つめ合う。 それだけで圧倒され、屈服し、隷属してしまうような、それ程までの視線。 目を逸らしたくなるほどそれらの瞳は強烈に美しく、心を打つ。 しかし、逸らせない。 射止められたかのように。 こつ、と二人がこちらに歩み寄る。 都会の街中には有り得ないほどの静寂の中、二人の足音だけが聞こえる。 ざ、と人波が割れる。 モーセの海割りの如く、人々は道を開ける。 そして、目の前に二人が立つ。 ああ、やはり眼前に立つと全然違うな、とどこか他人事のように考える。 圧倒的な雰囲気とプロポーション、そして美幌を持つ二人の姿は、近くで見ても全く悪い部分が見えない。 よく見ればほんの少しシミがあるだとか、ちょっとだけ肌がくすんでいるだとか、そういった些細な不備すらもない。 ある意味リアリティがないなとすら思えるその姿は、至近距離で見れば見るほど、よりその美しさが見て取れる。 例えるならば、高名な画家の描いた絵画を引きで見ればそのバランスや構図に感嘆し、寄りで見ればその緻密さや完全さに見蕩れるような。 金の髪を風に緩くたなびかせ、オッドアイの彼女が一歩前に出る。 その高い身長や風貌はどこか神性すら帯びているようにも見え、ともすれば彼女は天使の類なのかとすら思ってしまう。 そう、例えるならちょうどどこかの美術館で見た宗教画のヴァルキリーのよう。 聖なる存在として人々を導く、戦乙女のような。 だが──それは正しい評価とは言えない。 人々を傅かせるその神聖さは、ただ彼女の一側面でしかない。 そう、神秘的で触れがたい存在であると同時に彼女は──どうしようもなく淫靡で、淫らで、下劣なのだ。 母性と言うよりかは男を誑かす為だけに、柔らかく服とひしゃげて、かつツンとハリがあり上を向くような理性を掻き乱す乳肉だとか。 多産の象徴とも言うべき、でっぷりと実りつつグミのような確かな揉みごたえのありそうな淫肉を蓄えた雌尻だとか。 運動能力を誇示するかのように太く肉づいて、柔らかく性行為向けの脂肪がむちつくと共に、カモシカのようなしなやかさのある筋肉すらも兼ね備える太腿だとか。 そしてその癖に、無駄な肉を削ぎ落とした細い腰だとか。 それらどうしようもなく下卑た、雄に媚びるための肉が、彼女の持つ神聖な雰囲気と相まってひどく劣情を煽る。 そして驚くべきは、その下劣なエロスと神聖さが互いを高め合い、同居している事。 その肉体は、ある意味人間より上位の存在であると示すようで神性を損なわず、かつその神秘的な彼女の雰囲気は、犯してはいけない存在を犯すその背徳感を演出する。 ああ、何と雄好みのする雌なんだろう。 そしてその服も、下卑た妄想を加速させる。 身体の線にぴったりとフィットした白のブラウスは、普通の人が着れば清潔感を与えるだけだろう。 しかし、その服は彼女の肉体を収めるにはあまりにも淫靡だった。 カジュアルでありつつもかっちりとした服は、普通なら性の気配など微塵も感じさせない。 肌を晒す面積は極限まで少なく、長袖は手首ほどまで素肌を隠している。 だが、それを彼女が着ると──爆弾じみた胸が、弾けてしまいそうなほどにぎっちりと詰まるのだ。 女性用という事もあり、胸の布は緩めになるよう設計されているであろうその服でさえ、明らかに悲鳴を上げている。 ぱつっ♡ぱつんっ♡と音すら聞こえそうな程に、彼女の駄肉は服を虐待しているのだ。 そして、その乳丘からそのまま下に降りて、カーテンのようになるはずの布は、服の生地が足りなさ過ぎて、乳袋のようにただおっぱいのシルエットを強調するだけ。 それが彼女の雰囲気、清廉な服装を──どうにもAVじみた、変態チックなものに仕立て上げていた。 澄まし顔に真っ直ぐ立ったあの女は、あれ程にまん丸でぱっつぱつの乳肉を、恥じもせず衆目に晒している。 どう考えても道行く男のその全てに、脳内で犯され、レイプされ、運が悪ければ本当に手を出されるという事は分かりきっているはずのドスケベボディを、あろう事か強調して見せつけている。 だから、あの女は──ド変態、淫乱、ちんぽ食い。 そう思われて然るべきだと、きっとここに居る男は思っているはずだ。 などと、あまりにも失礼な事を考えていると、そのオッドアイの女は口を開く。 「お待ちしておりました、使徒様」 凛とした、水面を打つような声だった。 目の前に立った彼女の、完璧とすら言えるその相貌にも劣らない、透き通った清水にも似たそれは、僕の鼓膜を優しく上質なシルクが撫でるように震わせた。 ──使徒? 聞き慣れない言葉がまず引っかかる。 そして、待っていたとは、僕を? 疑問が多くのしかかるが、ともかく今は──目の前の女がエロくて美しい。それだけしか考えられない。 すると、いつの間にやら後ろに回り込んでいた黒髪の女が耳元で囁く。 「もぉ、いきなりそんな事言われても分からないよねぇ?アリシアったらせっかちさんなんだからさぁ。くすくす……♡」 脳が溶けるように甘ったるい声だった。 先程の──多分、この女が言った言葉から察するに名前はアリシア──の声が清水ならば、この女の声は媚薬。甘い劇薬。飽和するまで砂糖を溶かした生クリーム。 そう思えるほどの、雌のフェロモンに富んだ声が耳を犯して、思わず振り向くと──。 にまりと笑う、妖がそこにはいた。 本能的に、喰われると思った。 この女は、人を食い物にして生きる淫らな化け物だ。そう直感的に感じた。 にま、と細められた目がひどく淫猥だ。 そして、その媚びるような雰囲気を隠そうともしない。 先程のアリシアが神聖なヴァルキリーなら、この女は女郎蜘蛛。若い男の精を啜るサキュバスだ。 その姿で、声で、匂いで、持てる全てで直接的に雄の本能を呼び起こし、そしてその肉壺で何もかも食べてしまう、そんな恐ろしい妖だ。 そして、それを知りつつも雄、つまりは僕も逃れる術はなく、むしろ喜んで身を差し出してしますような危うさすら、彼女の魅力を引き立てるスパイスになる。 それは彼女の肉体にも顕著に現れている。 アリシアの若々しくハリのある肉体に比べて、この女の肉は見た目にすらいかにも柔らかく熟れている。 たぷっ……♡と重力に従う液体じみた垂れ気味の乳。 腕すら全て飲み込んでしまいそうなほどの深い深い谷間、きっとこの世で最も柔らかなちんぽケースとなるであろうそれも。 身じろぎする度にふるりっ……♡と揺れてたぷつく、ただただ柔らかな尻。 腰を叩きつける妄想を、その肉のふかふかとした柔らかさにペニスを突き入れる空想を、どうしても抱かせる雄喰いのそれも。 ともすればだらしない程の、ぶっとく腿コキにしか使えない脂肪肉を付けた愛玩用太もも。 ぴっちり閉じた足にペニスを捩じ込み、雌に快楽の一つも与えずに、自分だけが勝手に敗北射精をキメるマゾヒズム全開の雄壊しを誘う悪辣なそれも。 むにむにと少々肉の付いた、しかし細身でくびれのあるウエスト。 所謂ラブハンドルと呼ばれるくらいの摘める肉は乗りながら、しかしモデルのように美しく、交尾する為の雌肉としても現代の女として好まれる容姿としても優れたその腹も。 この女は何もかもが性行為に特化した存在とも思える、言わば生まれついての性的搾取者、雄を誘う最高の撒き餌を身に備えに備えた淫魔なのだ。 そんな女が、最高級の花魁じみた妖艶かつ蠱惑的な美貌をすぐ顔の傍に近づけ、その淫らな本性を隠そうともしない表情を僕に向けて晒している。 そんなの──どうやったって、見蕩れてしまうだろう。 目の前の妖がにまりと笑みを深めた。 ふわりと甘ったるい香りがする。 糖蜜のような、クリームのような、とにかく濃厚かつ甘い、少し乳臭い、そしてその奥に生っぽい肌や汗などの雌の匂い。 これは、まさかとは思うが、この女の体臭なのだろうか。 こんな、雄どころか雌すらも誘い込むような香りで、生きているだけで人を誑かし続けるような女が、まさか実在するとは思っていなかった。 女はゆらゆらと揺れている。 メトロノームより不規則に、ゆらゆら、ゆらゆら。 背中に線が入ったように堂々と、ぴんと立つアリシアとは対照的な、人をどこか手玉に取るような動き。 その一挙一動にすら目を離すまいと見つめ続け、右に左に揺れる彼女の姿にますます魅了されてしまう。 その仙女や化生じみた美貌が、また性的な部分には肉付きながらも基本的には線は細く、全体的なシルエットのバランスを欠かない奇跡的なまでの身体付きが僕の心を捕らえて離さない。 アリシアとは対照的に、緩くて肌を見せるようなオフショルダーのニット服から、白い肌が覗く。 華奢な肩は、見るからにすべすべと柔らかそうで、抱き心地が良さそうだ。 しかし、それ以上に──緩い胸元から覗く、直線状の深い谷間。 胸板から伸びる、その線の始点だけが見えて、その先に続く馬鹿みたいに大きな膨らみに妄想が膨らむ。 滑らかな丘陵から、だぷんっと緩くカーブを描く巨大なそれ。 挑発するかのように、男の股間を苛立たせるように。 柔肉の豊満な膨らみを見せ、堪らない色香を振りまいて、しかし触れば犯罪で。 見せつけるだけ見せつけて、これでどれだけの男を破滅させたのだろうか、と思う。 乳肉の大きく前に突き出したその頂点部分から、そのまま布が垂れて乳カーテンを作り出し、すかすかに空いたお腹の空間や、布地が足りずに覗く臍を見れば更に。 女がゆっくりと口を開く。 あえて見せつけるようにゆっくりと、口を開けてからも少し間を置いて。 僕は彼女の声を少しでも聞き漏らすまいと、耳に全ての神経を集中させる。 その様子を見てから、女は喉を震わせ声を出した。 「ねぇ……キミ、今からご飯行くんだよねぇ?なら私達と一緒に行こっかぁ♡たくさんお喋りしようよぉ♡」 ──は。 目を見開いて言葉を反芻する。 ご飯、そう言えば食べに行くところだったな。この女たちに見蕩れて忘れていた。 いや、そんな事はどうでもいい。 僕は──食事に誘われた? この、望めばイケメンのトップアイドルでも経済界を背負う一流企業の社長でも、日本を牛耳る政治家でも裏社会を支配する非合法組織の親方でも、その美貌と肉体だけで手中に収められるであろう女に? ──単純に、何故?そこいらの、凡百の大学生の僕に? 僕が混乱していると、アリシアはため息を吐きながら女に言う。 「こら……。使徒様が混乱なされているではありませんか。せっかちは貴女の方でしょう、蓮花?」 蓮花と呼ばれた女は、まるで反省していなさそうに笑う。 それどころか、アリシアが怒ったー、などとおどけながら僕の背中に隠れてくる。 その蓮花の行動に、僕はひどくどぎまぎした気分だった。 なんと言うか、この蓮花という女──距離が近い。 それでいて馴れ馴れしいとかうざったいとも思えず、まるで人の心の壁をすり抜けて、自分のパーソナルスペースにするりと居座る猫のような、そんな存在だと思えた。 そんな蓮花は僕の背中に手をついて──服越しなのに手のひらが柔らかい、暖かな指先の体温に触れて胸が高鳴る──アリシアから隠れているため、僕は必然、アリシアと対面する事になる。 その神聖さとおどろおどろしさが同居したようなオッドアイに見つめられると、何となく全てが見透かされているようで少し恐ろしい。 そんな僕の心情もやはり透かされたのだろうか、アリシアはふぅ、と一息吐く。 「……そちらの蓮花が大変な失礼を致しており、申し訳ございません。ですが彼女の言うように、我々は是非、貴方様と一度席を同じくしてお話したいと思っております。如何でしょうか、この後には何かご予定はございますか?」 じ、と目を見てそう言われる。 逃がさない、とその目は言っている気がした。 多分、嘘を吐いてもすぐに彼女は気づくだろう。 何故か、そう確信を持っていたので正直に答える。 ──予定は、今から一人で食事に行くくらいしかないですけど……。 そう言うが早いか、右隣、すぐ顔の傍で僕の手を握って蓮花は言う。 「じゃあ一緒に行こぉ♡ね、いいよねぇ♡」 更にアリシアも僕の左隣に近づき、手を取ってどこか媚びるように言う。 「使徒様に無理強いは致しませんが、私からもお願い致します。共に、来ては頂けませんか?」 絶世の美女、テレビでも見た事のないほどの二人の極上の女。 それが両隣を占拠して、手を取って僕と食事に同席する事を望んでいる。 そんな状況、考えた事もない。 だからこそ、頭など上手く回るはずもない。 どう考えても怪しいとか、明らかに言うまでもなく100%罠だとか、そんな事を考える脳の隙間もない。 空恐ろしいほどの美しさの、こんな女達に挟まれてそんな事を考えられるはずもない。 甘い香りがする。 爽やかなシトラスのような香りと、甘ったるいクリームのような香りが混じり合う。 両手に感覚を集中せざるを得ない。 陶磁器のような白皙の指が、あまりに柔らかでしなやかで、人間のものとは思えない。 右を見ても左を見ても美女。 男の思考を全くダメにするような誘惑の微笑みと、気高い風格に溢れたエレガントな無表情に感情をぐちゃぐちゃに掻き乱される。 「ねぇ♡早く行こ♡」 「使徒様、ご決断を」 ますます耳元に口を近づけ、両耳がそれぞれ屈服する。 もう、頭の中は真っ白。 胸だけがどくどく早鐘を打ち、訳が分からない。 そんな状況で、僕は。 ──ぎこちなく、頷く事しかできなかった。 「ふふ♡きーまり♡じゃあ行こうねぇ♡」 蓮花は、それはそれは嬉しそうに顔をふにゃりと綻ばせ、僕の手を引っ張った。 「蓮花、使徒様のお手を引っ張っては失礼ですよ。……聞いておりませんね。すみません、貴方様との食事が楽しみなあまり、蓮花は少々昂ってしまっているようです。何卒、ご容赦頂けませんか?」 アリシアも僕の手を離そうとしない。 それどころか──恋人繋ぎに繋ぎ直し、ますます握りを深める。 もう、僕はすっかり彼女らに心を奪われていた。恋をしていた。 頭が沸騰するとはこのような心地なのだなと思った。 引っ張られるがまま、彼女らについて行く。 観衆の阿鼻叫喚の声が耳に入ったのは、しばらく歩いてからだった。

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