「思い出のワンピース」(27) (Pixiv Fanbox)
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「思い出のワンピース」
7.町内で一番お姫様(2)
まずはワンピースを脱ぎ、次いで下着までも脱がされて一糸まとわぬ裸にされる。
「ドレスなんだから、下着もちゃんと専用のにしないとね」
とのことで、用意されたのは純白のスリップとショーツだった。どちらもつるつるとしたサテン生地で、スリップの裾には小さなフリルがついている。さらにこちらも純白の、総レースのソックスとグローブ。
それらを身に着けただけで――博希のペニスは、早くも勃起してしまっていた。
「クスクスッ、今日はずいぶん元気ね」
「ううっ、だって、愛那とふたりきりなんだから、仕方ないじゃないか……」
「なんか勘違いしそうなセリフね、それ」
愛那はあきれたように言いつつ、
「ま、撮影前に抜いてあげるにしても、とりあえず着ちゃいましょ。せっかくなら我慢して、ちゃんと着た状態で出したいでしょ?」
「う……うん」
勃起したままドレスを着せられ、射精する快感を想像して、博希はゴクリと喉を鳴らした。
下着を着たところで、いよいよドレス。ショーツの前にはテントが出来上がり、早くもその先端を濡らしている。
そして目の前に広げられる、ドレスの背面――
「ありがとう、お姉ちゃん……」
博希はその中に、足を踏み入れる。右足、左足――太ももをくすぐるオーガンジーの、意外としっかりとした肌触りに緊張しつつ、袖に腕を通して、肩までしっかり包まれる。ストライプオーガンジーの下からは肌が透けていたが、下にキャミソールを着ているため、大事な部分は隠れている。さらに、
「スカートの下に、これを穿いてちょうだい」
そう言って渡されたのは、スカートのボリュームを出すためのインナースカート――パニエだ。穿くとふんわりとしたスカートがいっそう大きく広がって、代わりに脚が露出する。
最後に、ヒールのついたピンクのストラップシューズを穿き、髪を綺麗に整えれば――
「か、可愛い……! これが、ぼく……?」
壁に設置された鏡の前に立った博希は、そこに映る自分の姿に目を丸くする。
ストライプオーガンジーとたっぷりのフリルが可愛らしい、タンポポ色のガールズドレス。花束を持たせたら、フラワーガールすら務まりそうだ。
「うん、そうよ。本当は男子高校生の、雪田博希ちゃんの変身した姿」
「信じられない……大きいけど、本当に女の子みたいで……」
「クスッ――信じられないなら、ここを見てみなさい」
愛那は意地悪く笑うと、背後から博希のスカートをパニエごとめくりあげた。
「きゃっ!? お、お姉ちゃん、なにを……!」
「あらあら、可愛いヒロちゃんのパンツが、なんだか盛り上がってるわよ? これはいったい何かしら? 女の子だったら、こんなふくらみはないわよね?」
「そ、それは――お、おちんちん、が、おっきくなっちゃって……!」
「クスクスッ、ヒロちゃん、本当は男の子だったんだ。男の子がこんなに可愛いドレスを着てるなんて、ヒロちゃんは変態ね」
「う……は、はい、ぼく、男なのに可愛いドレスを着るのが好きで、おちんちんをおっきくしちゃう、変態、です……」
「じゃあ、そんな変態ヒロちゃんには、お仕置きが必要だよね?」
愛那はそう言って、スカートをめくりあげているのとは逆の手で、ショーツの上から彼のペニスを握るように押さえる。
「ひっ!?」
「女の子用のドレスを着ておっきくなるような変態おちんちんは、たっぷりいじめて、ちっちゃくしてあげないとね。さ、お姉ちゃんがこすってあげるから、鏡の前でおちんちんを出して――」
こちらもすでに昂奮しきっている愛那が、彼の下着に指をひっかけ、ずり下そうとした――
その瞬間だった。
ノックもなしに勢いよくドアが開いて、
「あれ、誰かいる――って、博希お兄ちゃん!? わぁっ、そのドレス、可愛いーっ!」
「っ!?」
博希は真っ青になると、音がした瞬間すぐにスカートを下ろした藍那とともに振り返った。
そこにいたのは、斎藤ランとその母親――そしてランよし少し年上くらいの少女ふたりと、それぞれの母親と思われる奥様たちだった。
「な、なんでランちゃんがここに……!?」
「ふふっ、これも博希くんのおかげなのよ」
斎藤夫人は着替え室に入りながら、おっとり笑って説明する。
「あの後、ランがバレエ教室に通うことになってね。そこでさっそくお友達ができたの。で、今日は教室のお友達と一緒に、ドレス撮影しようって話になって」
「そ、そうだったんですか……」
思わぬ繋がりに納得しつつ、勃起には気づかれなかったらしいことを安堵する博希。
しかし状況が好転したわけではない。3人の少女たちはキラキラとした目で、
「可愛いー! お姉ちゃん、お姫様みたい!」
「ミキちゃん、お姉ちゃんじゃなくて、お兄ちゃんだよ!」
「いいなぁー。スーもこんなドレス、着てみたーい」
ふりふりドレス姿を少女たちに見られ、口々に褒められたり、羨まれたりして、恥ずかしさが一気に臨海突破しそうになる。
そこへスタジオオーナーの橋本が入ってきて、
「ごめんね、博希くん。急に3人のお客さんが入ってきちゃって――顔見知りだからいいかと思って通しちゃったんだけど、大丈夫だった?」
「は、はい、大丈夫です……」
「よかった。じゃあ、着替えあ終わったら博希くんから撮影を始めるわね。……そうだ」
橋本オーナーは何か思いついたように手を叩いて、
「せっかくだし、よかったら皆さん、一緒に撮影してみませんか?」
「わぁっ、賛成!」
「お兄ちゃんと一緒に撮るの? やったぁ!」
「う……うん、嬉しい、な……」
少女たちの賛成多数に、恥ずかしいから嫌だとは言えず――けっきょく個別撮影の後、集合写真も撮ることになった。
ただひとつの救いは、この騒動ですっかり彼のショーツの中のものが目立たなくなったことくらいだった。
(続く)