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「あねママ」(3) (Pixiv Fanbox)

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  (3) 「は、裸になれって――」 「おむつを当ててベビー服を着せるんだから、当たり前でしょ。ほら、早く早く」  アカリはウキウキで、弟の服――部屋着にしているシャツとジャージに手をかける。 「待ってよ、まだ心の準備が――ひゃあっ!?」  運動部などで体を鍛えてないとはいえ、ヒカリも高校2年生の男子である。その気になれば姉を振り払えないこともないのだが、うかつに力を込めて怪我をさせるわけにはいかず、逃げることもままならずで、結果、姉の手でみぐるみを剥がれ、まるで追いはぎに会ったかのように、トランクス一枚にされてしまった。 「ううっ、乱暴すぎる……」 「はっはっはっ、どうだ参ったか。さぁさぁ観念して、下着も脱いだ脱いだ。それともママに脱がせてほしい?」 「う……じ、自分で、脱ぎます……」  トランクスを脱いで、今度こそ一糸まとわぬ裸になる。  姉に裸を見られるのは、小学生以来である。せめてもの抵抗で陰部を隠そうとするが、 「だめよ、ヒカリちゃん。ママにおちんちんを見られるのを恥ずかしがる赤ちゃんなんておかしいでしょ?」 「む、無茶言うなって! いくら家族だからって、裸を見られるのは恥ずかしいに決まって――」 「あら、あたしはヒカリに見られるんだったらなんとも思わないわよ? そうだ、せっかくだからママも裸に――」 「ならなくていいから! ああもう、わかったよ……!」  ここで姉まで裸になって、勃起でもしたら目も当てられない。ヒカリは観念して、股間に宛がっている手を放し、体の横で両手のこぶしを握り締めた。  アカリは弟の股間にぶら下がる、かすかに陰毛の茂った少年の証を一瞥して、 「うんうん、素直でよろしい。それじゃあ、ママがおむつを敷いてあげるから、その上にお尻を下ろして座ってちょうだい」  オムツのパッケージを開けて、ベビーグッズ柄の紙おむつをカーペットの上に広げ、 「はい、どうぞ」 「う、うん……!」  ただでさえ、いい年をして恥ずかしい紙おむつ。それも女の子の赤ちゃんがつけるような――いや、女の子の赤ちゃんでも付けないような可愛らしい柄のおむつを付けるのだ。ヒカリはあまりの恥ずかしさに、陰嚢がすくみ上って痛みを訴えるほどであった。  それでも、いつまでも裸のまま棒立ちになっているわけにもゆかず、おむつの上に跨って、お尻を下ろす。  とたんに―― 「うっ……!?」  意外なほど硬く、ごわつく肌触り。大きく脚を広げて座ると、股間のものがいっそう露わになってまじまじと見つめる姉の視線にいっそう羞恥がこみあげる。 「そのまま後ろに寝転がって――そうそう、そしたらママが、おむつを当ててあげるから――」  アカリの手が、おむつの前当てを持ち上げて股間に宛がう。陰部が隠れてほんの少しほっとしたのもつかの間、ペニスが上向きに固定され、陰嚢の裏側や裏筋が、お尻と同様のごわつく感触に包まれて、 「ふふっ、くすぐったかったら、声を出していいのよ」 「だ、出さない、からっ……!」  喘ぎそうになるのを必死でこらえている間に、姉の手はおむつの前当てを、左右の横羽についているテープで留めてゆく。 「はい、これでおむつはオーケーね。それじゃ、次はベビー服だけど――最初はやっぱり、こっちかしら。ヒカリ、体を起こしてちょうだい」 「う、うん」  後ろに手をついて上体を起こすヒカリの前で、姉はベビー服を広げているところであった。  ピンク地に、白いハートと、「I♥MOMMY」の文字。丸首の襟ぐりとお尻にレースのついた、パフスリーブのロンパース。  どう見ても、男子高校生が着るべき服のデザインではない。それどころか、本当の女児ベビー服ですらない。大人が女児ベビーのふりをするための、アダルトベビー用ロンパースなのだ。 「じゃあヒカリ、両腕を上げてちょうだい。ばんざーいって」 「う……ば、ばんざーい……」  照れながらも両腕をあげると、姉がベビー服を広げながら立ち上がって、 「うん、いい子、いい子。じゃあ着せてあげるから、ちょっとじっとしててちょうだいねー」  両腕にすっぽりとベビー服がかぶせられて、そのまま顔まで覆い隠す。視界がふさがれた無力な状態で、誰かに世話してもらうのは―― (ちょっとだけ懐かしくて……悪い気分じゃ、ないかも……)  奇妙な回顧に、ヒカリは甘い疼きを覚えていた。   (続く)

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