連載小説「女装強要妄想ノート」(15) (Pixiv Fanbox)
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3月第3週「勝負で負けた罰ゲームで女装させられる」
(5)
通学帽子をかぶってゴムをあごの下で留め、名札を胸元につけて、ランドセルを背負う。じつに4年ぶりの小学生フルセット――しかもいずれも女子用で、胸の高鳴りはいよいよ止まらなくなってくる。
「あははっ、真弓ちゃん、本当に女子小学生になっちゃったね! せっかくだし、髪もいじらせてもらうわね」
そういって、亜弓は「妹」のいったん帽子を外すと、雑に後ろで結んでいた髪をほどく。ブラシを入れたのちに、リボン付きのヘアゴムで二つ結びにし始めた。
服装はともかく、首から上は自分ではどうなっているの判らない。やや不安になる真弓であったが、「姉」は大いに満足げで、
「うんうん、いいじゃんいいじゃん! ほら、自分でも見てごらん!」
そういって、再び帽子をかぶせた「妹」の手を引くと、クローゼットの横にある全身鏡の前に立たせる。
「これ――ぼ、ぼく……?」
ツインテールの女子小学生。不安げに目を見開いたその容姿は、とても自分とは思えない美少女ぶりであった。
「くすくすっ、ほんと可愛いんだから。こっそりママのシャンプーや化粧水を使ってただけあるわね。このまま小学校にだって、通えそうなくらいじゃん」
「しょ、小学校に……」
この姿でスカートを揺らしながら小学校に通い、女子小学生たちに交じって勉強する自分の姿を想像し、真弓は胸を疼かせる。そして同時に――いままで大人しくしていた股間すらも、激しく疼き、暴れはじめて、
「うっ……!」
「どうしたの、真弓ちゃん? おちんちんがむずむずしてきちゃった?」
「な、なんでバレ――!?」
「あははっ、そりゃ、急に前かがみになったらね。それに、あたしの制服を着せられて、お兄ちゃんが我慢していられるわけないじゃん」
「うう……」
「ほら、汚されても困るから、スカートをめくって見せなさいよ」
「もう脱がせてもらえれば一番なんだけど……」
「ええい、問答無用!」
「ひゃあっ!?」
再び妹にベッドに押し倒され、真弓は少女のような悲鳴を上げた。乱暴にスカートをめくられ、広げられた太ももの間のショーツに、隠しきれない膨らみが持ち上がっているのを見られて、真弓は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆った。
「い、いやっ、見ないで――」
「くすくすっ、なんだかほんとに、妹を押し倒してる気分になってきちゃう。さーて、それじゃあ可愛い妹の大事な場所、お姉ちゃんに見せてちょうだいね~」
真弓に劣らず昂奮しているのか、亜弓は赤い顔で舌なめずりしながら、「妹」の下着に手をかける。
もはや完全に立場が逆転し、妹に秘所を見られる羞恥の予感に震える真弓の耳に――
「ちょっと、ふたりとも何してるの。あんまりバタバタ暴れるんじゃないの」
ドアが開く音と同時に聞こえてきた母親の声に、真弓ははっと顔を上げ、亜弓も動きを止めて振り返る。
「ま、ママっ!? これはその――」
「だめでしょ、亜弓。お姉ちゃんなら、ちゃんと妹には優しくしなさい」
「うぐっ……はーい」
亜弓は渋々、「妹」の上からどく。
いっぽうの真弓も慌ててスカートの裾を押さえて下着を隠すが、
(ううっ、見られた、見られた……!)
母親にも、ショーツのふくらみを見られたのは間違いないだろう。つまりは女装で興奮していたこと、ひいてはあの「女装妄想ノート」の真の目的にも気づかれてしまう――真弓が青ざめたのも無理はない。
しかし母親はおっとり笑って、
「ふふっ、今日はお姉ちゃんの制服を着せてもらったのね。なかなか似合ってるじゃない。お姉ちゃんと入れ替わりで、女子小学校に入学する?」
「し、しないから! っていうかオレ、高校生だからね!?」
「あら、あのノートには、『学校の手違いで女子小学校に通わされる』とか『妹の代わりに通学する』とかあったような気がするけど?」
「それはその、想像の中の話で、現実には無理なんだし……」
妄想で楽しんでいたシチュエーションも、いざ現実にできるとなると二の足を踏む。この格好で小学校に通う想像に、再びショーツの中が疼いてきて――
「ふふっ、その時には協力するから、遠慮なく言いなさいね。それと、苦しかったらお部屋で『休憩』しても構わないから、今日はその格好でいなさいね」
「うっ……は、はい……」
母親の言葉に、真弓は真っ赤になってうなずくのだった。
(続く)