SS「悪夢の入学式」(4) (Pixiv Fanbox)
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(4)
その時ちょうど、記念撮影の順番待ちが空いた。
「では、先に失礼しますね」
親子連れはそう言って、次々と記念撮影を済ませる。そしてついに、俺たちの番――
「どうぞ、こちらへ」
若い女性教諭は俺を見て、にっこりと笑う。しかしその笑顔は、かすかに嘲笑の色を帯びていた。
「はい、よろしくお願いします。アキラちゃん、行ってらっしゃい」
妹が母親のように言って頭を下げ、
「はーい!」
俺も元気よく返事をして、ますはひとりで、校門前に移動する。
入学式の看板の横に立ち、ランドセルの肩ベルトを握って、カメラに向かって笑顔を見せる。丈の足りないピチピチのアンサンブルスーツの下から、ペニスのシルエットが浮かんだショーツを丸出しにした姿に、校門前にたむろっていた親子連れが一斉に奇異と、不審と、好奇の視線を向けているのがわかった。それでも俺は、女子小学生のように笑い続け、カメラに向かってピースする。
(うっ……)
たくさんの人に見られる恥ずかしさに、ショーツの中が疼き、膨らんでくる。たちまちショーツの前に、これまで以上の存在感を示すテントを張って、周囲から悲鳴のような声が上がった。
「あの子、女児スーツの下からパンツ丸出しにして、昂奮してるのかしら」
「みたいねぇ。ふふっ、あんなにおちんちんを大きくしちゃって、みっともないわ」
母親たちのあからさまな嘲笑は、不自然なくらいはっきりと俺の耳に届いてくる。屈辱に震えながらも、俺の顔はニッコリ笑顔をカメラに向けたままだ。
続いて先生は、
「よろしければカメラをお預かりしますので、ご一緒にどうぞ」
「はい、ありがとうございます」
カメラを先生に預けた妹が、隣に来た。
まるで親子のように手をつなぎ、先生に記念撮影してもらう。ポーズを変えて何枚か撮ったところで、妹が俺の股間を見て言った。
「お兄ちゃん、オチンチン苦しくない?」
「うん、ちょっと苦しい……」
「やっぱりね。窮屈だから、下ろしちゃいましょうか」
えっ、と思う間もなかった。
丈の足りないスカートのフリルの下から丸出しになっている俺のショーツに妹の手がかかり、するりと膝まで下ろしてしまったのだ。とたんに、極限まで勃起して亀頭まで露わになった屹立が仰角に聳え立ち、すでに先走りに濡れた表面が外気にさらされてヒヤリとする。
「ほら、これなら苦しくないでしょ?」
「うん! ありがとう、ママ!」
俺は元気よく返事をする――が、内心は今にも狂乱しそうだった。
こんな親子連れがたくさんいる場所、それも女子小学生たちの目の前で、下半身を露出するなんて。女児スーツの下からパンツ丸出しの状態もじゅうぶん変態だったが、こんなことをしたら警察を呼ばれるにきまっている。
しかし先生は騒ぐこともなく、
「ふふっ、立派なオチンチンね。さ、もう何枚か撮影して差し上げますね」
フリルスカートの下から剥き出しのペニスがあらわになっている姿を、何事もないかのように撮影し続ける。
あまりにも変態的な姿を見られ、撮影される恥ずかしさに、しかし俺は逃げだすこともできない。ペニスはますます激しく疼いて、触ってもいないのにビクビクと上下に揺れ始め、そして――
「あ、ああっ……!」
ペニス自体がバイブにでもなったかのように激しく震え、その震えがいっそうの快感を生み、さらに激しい震えを生み出す。そんな循環の中で劣情はついに限界を迎え、俺は妹の手をぎゅっと握ったまま、衆人環視の中で射精してしまっていた。その瞬間もまた、カメラにしっかりと撮影されていた。
「あっ……はぁっ、はぁっ……!」
「ふふっ、気持ちよかった?」
「うん! オチンチン、とっても気持ちよかった!」
射精の余韻に崩れそうになる膝を支えながら、俺は満面の笑顔で答える。足元のアスファルトには、飛び散ったばかりの精液がぬらぬらと光沢を放っていた。
その後、すっかり萎えたペニスを露出したまま、さらに数枚を撮影。周囲の親子連れもざわめいてはいたが、騒ぎ立てたり、通報したりする様子はなく――記念撮影は、無事に済んでしまった。
(続く)