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まんこペンペンオナニーしか知らない奏ちゃんが処女卒業サポートを利用する話 (Pixiv Fanbox)

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※これはprskの2次創作小説です。 ※オホ声、まんこペンペン、処女卒業サポートを利用しての初体験、淫語要素を含みます。 奏は悩んでいた。曲作りに影響が出るような事態は避けなければいけないと思いつつも、人間として生きている以上どうしても避けられない問題。 それは、人間の三大欲求の一つ、性欲……いわばムラムラがおさまらないのだ。真っ暗な部屋で煌々と光を放つモニターの前に座りながら、キーボードで指を躍らせる。ヘッドホンをつけては外し、落ち着かない素足を擦り合わせた。 「どうしようかな……」 しかし彼女の中で性欲は最優先事項ではない。むしろ、曲を作りたいという思いを妨げるものでしかなかった。体調にもよるが、性欲に振り回されるこの時間がなくなればもっと必要なことができるかもしれないのに。性欲は仕方なく解消するものであり、この行為が世間一般でセルフプレジャーだとかオンナ磨きだとか呼ばれるものであることも知らない。 何はともあれこの沸き上がる欲望を解消すべく、奏は渋々立ち上がった。 着慣れたジャージのファスナーを下げ、さらにラフな格好でベッドへ横たわる。小さく深呼吸を繰り返し、薄い胸を上下させた。モニターの光がわずかに届くそこから天井を見上げる。青白い天井を眺めていても疼きは収まらない。ゆっくりと膝を立てれば、わずかに衣擦れの音がした。そのままジャージのズボンと淡白な下着をベッドの端へ脱ぎ捨てる。枕を手繰り寄せ腰の下へ差しこめば、丸出しの股間を浮かせて突き出す『いつもの』恰好になる。 薄暗い部屋、到底人には見せられないような格好でベッドに一人横たわる自分。広げた手を胸の上へ置けば、そこはいつもよりはやく大きく鼓動を訴えているようだった。性欲の疼きさえなければ、こんなことをしなくてもいいのに。そう思いながら今度は手を股間へ導いていく。 「ふ~……」 丸出しのそこは柔らかい。初めて触れた時はいちいち顔を起こし覗いていたが、手慣れた今とならばもう目を閉じていても問題なかった。親指と中指でまん肉をゆっくり開き、まだ興奮に染まっていないクリトリスをそっと撫でる。何度かそこを摘まんだのち、ほんのり熱を帯び始めた突起を押したり潰したりして刺激を与えた。トク、トク、と喉の太い血管が脈打ち、耳よりずっと深い場所で鼓動が響く。小さな口で懸命に酸素を取り込みながら心地よい刺激を続けるも、残念ながら絶頂へ至れそうな前兆はなかった。 今日も、か。そうぼやきながら奏はクリトリスから手を離す。腰を何度か揺すりながら位置を調整し、軽く浮かせた。 そして右手を振りかぶる。 ――ばちんッ! 「う゛ッんッ!!❤❤❤」 頼りなく細いながらも、確実な意思を持って指先がまんこに叩きつけられる。ジンジンと痺れるそこを数回撫で、また腕を振り下ろした。その度肌を叩く音が暗い部屋に響く。 まんこペンペン。性欲を邪魔なものだと感じる奏がたどり着いた、唯一想像できる強い刺激だった。彼女がもしもオナニーを欲望の一部として受け入れるような、いやらしいことに純粋に興味を抱くような女性であれば違ったかもしれない。頬を赤らめながらネット通販でアダルトグッズを取り寄せ、ベッドの上で身をよじりながら艶めかしい嬌声をあげていた可能性だってある。しかし奏がクリトリスに刺激を与える為のローターや、膣をほじり返しGスポを抉るディルドにめぐり合うことはなかった。成長とともに襲い掛かる疼きをおさえるための道具を知らないまま、奏は今日も自分のまんこを強く叩く。 「ん゛ッ!!❤ ん゛ッ!!❤」 彼女の細腕が痺れてきた頃、膣穴からぬらつく愛液が一筋垂れた。それを追うようにまた搾りたて愛液が零れ落ちる。性的な興奮をかきたてるために刺激したクリトリスではなく、力任せのまんこペンペンが奏のまんこを絶頂へ押し上げていく。 「はぁッ!!❤ イク……ッ!❤ もうイク……ッ!!❤❤」 枕に乗せていたはずの腰が少しずつ浮き上がっていき、ついに奏は硬い身体を必死に仰け反らせた。いわばブリッジの姿勢でまんこペンペンを続けながら、頭の片隅できっと明日は筋肉痛だろうと少し後悔する。アクメするにも体力や筋力は必要だが、残念ながら性欲そのものは同世代から見ても華奢な奏にもやってくる。自分以外に誰も存在しない部屋でまんこペンペンアクメを自己申告し、強くまぶたを閉じた。 ――バッチンッッ!! 「ッお゛……ォンッ!!❤❤❤」 とどめの一撃がまんこを直撃する。すっかり汗ばんだ奏の太ももが引きつり、今日一番の勢いで空中にまんこを突きだした。その絶頂を意地汚く味わうように腰をヘコッ❤ヘコッ❤と振る。それを追うように、小さなへそに溜まっていた汗がシーツへ垂れていった。しばらく脳髄を駆け回る快感に惚けながら呼吸を繰り返す。ありったけの筋力を使い果たしたあとの利き腕は激しく震え、シーツの上を弱々しく泳ぐので精一杯だった。 「イ゛ッ……たっ……❤❤❤ はぁ……ッ❤」 ようやくたどり着けたまんこペンペンアクメ。アクメ直後の倦怠感に身を委ねながらも、奏の思考は少しの居心地の悪さに染められていく。 ふと、奏はそもそも自分の性欲に問題があるのではないか?と思い至る。 急いた手つきでスマートフォンのブラウザを開き、ついに己の性欲に向き合うべくこととした。いつも使う検索フォームから『女性 性欲』とワードをうちこむ。(本人は至って大真面目だ。) 数多のページが揺蕩うインターネットを覗き込めば、彼女の求めた情報があふれていた。 「うーん……」 無限にあるのではないかと思う程膨大な情報を潜り抜け、なんとか女性の性欲について掘り起こしていく。中でも、奏の目に何度も飛び込んでくる『セックス』という文字。様々な楽曲に触れるなかで、そういった行為を題材にするものが数多くあったのは事実だ。そういった行為が現実に存在することも知っている。そしてそれが一人ではできないことも。 「あ、わたしみたいにセックスしたことない女の人が処女っていうんだ……」 もしも『性欲』ではなく『女性としてのオナニー』を調べていればローターやディルドといったアダルトグッズの商品ページへたどり着いていたかもしれない。しかし極力曲作りに没頭したい彼女は自分が時折行うとある行為をオナニーという名称で呼んでいなかった。性的なものにあまり触れずに育った彼女にとって、陰部は排泄に使用する器官であり、入浴時等必要がなければあまり指で触れるべきではないと考えている。身体に時折沸き上がる性欲は健全なものであること、きちんと清潔にさえすれば陰部に直接触れてもいいことを知らないのだ。 それさえ知っていて、なおかつ今この瞬間検索できていれば、彼女の考えを改めることができたかもしれない。しかし一般的なオナニーを飛び越えてセックスの文字にたどり着いてしまった彼女は、とあることを考えた。 ――性的な経験が少ない処女であるから、この性欲をおさえきれないのではないか? 荒唐無稽な考えだ。しかし今ここで奏に「性欲は人それぞれだから、処女とか非処女とか関係ないよ」と教えてくれる人間などいない。 少しでも性欲に溺れる時間を減らしたいと考えた奏は、次に処女ではなくなる為のセックスを調べる。恋人との初体験、マッチングアプリ……馴染みのない手段が画面を埋め尽くし、その度勢いのままスクロールした。今から恋人を作るなど、曲作りの時間を確保したくてここまでたどり着いた奏にとっては本末転倒だろう。勿論恋人との親交の必要性もだが、そういった経験のない彼女でも「性欲を解消したいから付き合ってほしい。でも普段は完全に放置してほしい」という要望が無謀なものであると予想はつく。 そんな中、ああでもない、そうでもない、と滑らせていた目線が止まった。 「……!」 『処女卒業サポート』――性経験豊富な男性に身を委ね、スムーズな初体験を提供すると述べるそのリンクをタップし、表示されたHPへまた目を通す。 悩める女性に寄り添います。当日まで何回も打ち合わせOK、当日にご本人様の判断でキャンセルもOK、実際に依頼しない場合でもお気軽に相談ください――……。綻ぶ花々の写真を背景にそんな文字が並んでいる。脇には体験者の声や体験の流れを模した簡単な図形があり、いかにこのサイトが処女の女性を救ってきたかを事細かに語っていた。 日常生活で出会いがあり、なおかつ他者と恋人関係になれる人間であればこの手のHPに不信感をもつだろう。しかし今このHPを見ているのは日々自宅にこもり、セックスの経験がなく、かつ非処女になろうとしている奏だった。多少残っていた注意深さで他のHPと比較し、結局連絡先やキャンセルについて明確に表記されていた一番最初のHPへ戻る。 メールフォームから必要事項を入力すべく、キーボードに手を置いた奏の動きが止まった。 「名前、か……」 入力された情報は処女卒業サポート当日を含む今後のやり取りにしか使用しないという文言はあるものの、実名を名乗るのは憚られる。かといって、性欲を解消させるため探しだしたサービスに既に使っているハンドルネームを申し出るのもなんだか居心地が悪い。考えた末、実名をもじって名前欄には"カナ"と入力した。対面希望であり、一番早いスケジュールを希望する旨を備考欄に記し送信ボタンを押す。一瞬だけ表示された無機質な更新画面は瞬きをする間に消え、すぐに花々にあふれたHPが現れる。 「ご入力いただいたメールアドレスの受信ボックスにて返信をお待ちください」という文言を読んだ奏は一度伸びをした。長時間の作業で凝り固まっていただけではなく、これまで体験したことのないタイプの緊張のせいで、ありとあらゆる関節から数回乾いた音が鳴る。あれだけ叩きつけたまんこが再び火照ってくるような感覚に眉をひそめるも、性欲を意識してしまえばおさえることはできない。 ……結局奏はその後追加のまんこぺんぺんで2回のアクメを遂げ、まん汁にまみれた下半身を丸出しにして寝落ちした。寒気によるくしゃみで意識を取り戻すも、とうに太陽は昇り、多くの学生や社会人が電車に揺られる時刻になっている。 慌てて起き上がって作業を一区切りつけた彼女は再び力なくベッドに倒れ込んだ。それに合わせて積んだ荷物がどこかで崩れるような音がしたが、今の彼女にとって優先すべきはまぶたの裏で揺らめく暗闇であった。 次に奏が目を覚ましたのは、寝返りをうとうとした腕に走る鋭い痛みが原因だった。昨晩のまんこペンペンによる筋肉痛だ。顔をしかめながらゆっくり起き上がり、パソコン前へ移動する。 「あ、返信来てる……」 未読の通知を光らせるのは、メールボックス。そして通販サイトの広告やセールの告知に紛れていたそれを開く。 メールには今回担当予定の者のプロフィール、キャンセルの手順、そしてなるべく早いスケジュールを確保する旨が書かれていた。おそらく使いまわしであろうテンプレート感はあるが、目的がはっきりしている奏にとってはその方が都合がいい。 半ば機械的な返信の向こう側に誰かがいるのだろうか、と疑問にも興味にも似た感覚を抱きながら、提案された内容で問題ないという返信を入力していく。また作業を進めていけば、メールが届いた。最終的なスケジュールは三日後の正午、シブヤ駅近くにある薬局前で待ち合わせ。マップアプリで場所も確認し終えた奏にまた新たな問題が湧いた。 当日の服装はどうすればいいのだろうか。思い当たる着替えはジャージと短パン、もしくはブラウスとニットが1組。まふゆの母と対面する際に用意した、いわば一張羅だ。なお、そのブラウスは家事代行の穂波にアイロンを当ててもらってからしばらく経っており、首のあたりに変な折り跡がついているではないか。ずらりと並んだジャージと見比べると、その跡がひどく目立つ。悩んだものの、結局一番新品のジャージを選ぶことにした。ここで穂波に急遽アイロンを頼めなかったのは、後ろめたさ故だろうか。 ##### ――待ち合わせ当日、奏はしっかり充電したスマートフォンを片手にシブヤ駅へ向かう。短パンから覗く足はか細く、普段日に当たらない生活故に周りの女性より群を抜いて白い。うっすら骨のシルエットが浮かぶ膝は時折向きを変え、目的の人物を探す。メールの文面からして相手はかなり体格がいいらしい。様々な人間が待ち合わせの為に行き交う通りで、ふと奏の目が留まる。文字通り頭ひとつ抜き出た身長を誇る彼の背後から声をかける。 「あの……カナです」 「! ……あぁ、どうも。ケンヤです」 少し驚いたような様子で男が振り返った。髪の長い奏とは対照的に額をさらけ出した長身の男性である。少し傷んだ金髪をオールバックにしており、整えられた眉尻は少しキツい角度で吊り上がっている。すこしまくった袖からは日に焼けた健康的な肌がのぞいていた。筋肉質な彼ならば、か細い奏など片腕のみで抱え上げられるだろう。そんな派手な風貌に反し、声音自体は穏やかだった。わずかな緊張を感じつつも、ひとまず待ち合わせは完了と悟った奏の肩の力が抜ける。 「その……お待たせしてすみません」 「いえ、大丈夫です。カナさんが迷わずに来れたなら何よりです」 人通りが多い駅ビルの下で、そんな二人はペコペコと頭を下げあう。筋肉質な屈強金髪男と、ジャージ姿の華奢すぎる銀髪の少女が無言で会釈しあう情景はすぐに視線を集めた。しかしやはり大都会シブヤ、通行人の興味が尽きるのも早い。 「じゃあ、ひとまず近くの喫茶店にでも行ってそこで一度打ち合わせしましょう」 「あ、いや……」 無難な提案を断られ、ケンヤは奏の顔色を窺った。処女卒業サポートをしていると、実際対面してからやはりキャンセルさせてほしいと申告する者も多い。その流れだろうかと考えた彼に奏は伝える。 「時間がないので、直接ホテルに行こうかと……」 「……わかりました。それなら薬局だけ寄らせてください」 そっちだったか、と思いつつも口にはしない。二人は黙ったまま背後の薬局へ足を踏み入れる。先導するケンヤの背中は大きく、彼とすれ違った数名が彼の影から現れる奏の姿に驚くような反応をした。 立ち止まったケンヤに従い棚を見ると、奏の目の前には数多くの箱が並んでいた。鮮やかな赤と数字だけが印刷されたシンプルなものから、まるでコスメのような華やかなデザインものまである。サイズもまちまちなそれに困惑する奏を見て、ケンヤは囁く。 「コンドーム、もし希望のものがあれば。アレルギーとかあるかもしれないので」 「あぁ……特に、そういうのは」 「わかりました。それじゃあ一番メジャーなのと、念のため潤滑剤多めのやつ買っておきます。カナさんはお店の外で待っててください」 彼がそう告げると同時に、別の客が二人の横へ並ぶ。会計を任せっきりにしていいのかと奏は数秒間悩んだあと、横の客はこの棚を見たいのだとようやく察し後ずさった。そんな奏など最初から眼中にないかのように客らは棚を覗き込みああだこうだと言葉を交わす。きっとこの客たちにとってのセックスはコミュニケーションであり、今ここにいる自分が「非処女になった方が手間が減りそうだから」という理由でこれから男に抱かれようとしているなど夢にも思わないだろう。言葉にしがたい寂しさを覚えながら奏は退店することにした。 ちょうど会計を終えたケンヤとすぐに合流し、ラブホテル街へ向かう。会話は少なかったが、自然と気まずくはなかった。奏がちらりとケンヤを盗み見れば、その視線に気が付いた彼も視線を返す。侮蔑も威圧もない、しかし変に媚びへつらうでもない、ただ見られたから見つめ返すその仕草。彼の態度が慣れ故のものなのか、彼が生まれ持ったものなのか想像するも、下世話だろうと奏は自嘲し、考えることをやめた。 ついにたどり着いたラブホテル街。日が暮れてきた通りは薄暗く、すれ違う者はみなどことなく気まずそうに顔を伏せている。そんな中で物静かながらも正面を向いて歩く二人は異質にも見えた。 「ここです」 ゴテゴテとした装飾が多い中で、シンプルな看板の前にケンヤが立ち止まる。地味ながらも質素ではなく、看板を囲う埋め込みを見る限りかなり手入れが行き届いているホテルだ。重いガラスの扉を開ければ、落ち着いたクラシックの流れるフロントが現れる。無人のフロントを見て奏が左右を見回すと、大型のモニターが点灯する。どうやらこのラブホテルは、使用したい部屋やプランをゲスト側がモニター上で選択するもののようだ。 一見同じような部屋が並んでいるようだが、各部屋の写真サムネイル下に表示される金額を見て奏は唾を飲んだ。平日の真昼間、普段自宅に引きこもっている奏でもこの時間帯が宿泊施設のピークではないことはわかる。しかしそこに並ぶ金額はすべて5桁であり、さらに時間帯によってはこれより高くなる部屋らしい。思わず口元に手を当て奏は考え込む。 「カナさん、どうします?」 「……い、一番安い部屋なら……」 「いや、キャンセルするなら今ですってことです。勿論部屋についてからやっぱりやめますってのもできますけど、女性としては怖いでしょうから」 「あ、そういう……それは大丈夫、です」 一方、ケンヤは奏が本当は処女卒業サポートを恐怖しているのではないかと心配していたらしい。慌てて手を振ると、彼の指がひとつの部屋を選ぶ。そしてやはり慣れた手つきでプリントされた紙をつかみ、エレベーターに足を向けた。 慌てて後を追う奏の視界に、エレベーター内でドアを開けたまま立つ彼がうつる。自分が見上げるほど大きな彼が、長い手を伸ばし手招きをしていた。駆け足で踏み入れば、彼女の長い髪の先まで無事であることを見届けてから扉が閉まる。触れないながらもささやかな気遣いに気付き、奏は上昇するエレベーターの中でもじもじと肩をすくめた。鏡を模したような扉越しにケンヤと目が合い、迷った挙句会釈すれば彼も同じぐらい浅い会釈を返す。物言わぬ彼との沈黙はなんとなく心地よさすら感じた。 やがてたどり着いた部屋に入室すると、彼女が想定していたよりも広い空間が広がっていた。勿論、メインはさっさと事に至れと言わんばかりのサイズ感を示すベッドだ。 「あの……部屋のお金、いくらですか。今日全額は難しいかもしれないですけど、少しづつなら払います」 「経費で落とすので大丈夫です。気にしないで」 現金を取り出そうとする奏を制し、ケンヤはベッドに腰かける。彼の身長や体格にたがわず、シーツとマットレスが音を立てて沈んだ。それを真似して奏が腰かけるも、案の定ベッドは軋む音すら立てない。奏は支払いの罪悪感こそあれど、体格差のある彼に恐怖を感じることは最早なかった。静かだと思っていた部屋にはわずかな音量でクラシックが流れており、まるでその音色に絆されるようにぽつりぽつりと語り出す。 「どうしてもしたいことがあって……でもそういう時に自分の身体に湧く、疼き?が邪魔なんです。自分で発散するようにはしていたんですけど、いろいろ調べるうちにもしかしたら未経験なのが関係するのかなと思い……」 「それでうちのHPを見つけた、ってことですね。ちなみに発散の方法っていうのはひとりで?」 「はい」 「道具を使ったり?」 「……道具?」 性感を高める為の存在があることすら知らない彼女にとって、ケンヤからの問いかけはまるで宇宙を構成する霞のようだった。彼の発言としては道具を使用した経験の有無を聞いているのだが、奏にはその質問の意味がそもそも伝わっていない。しかし、手で、と示せば処女卒業サポートなどに属すだけあってそういった知識のある彼は浅く頷く。……この時奏が思い描いている自慰と、彼の想像した自慰はずいぶん差があるのだが、それを二人が理解するにはまだ時間がかかるのだった。 改めて様々な項目の了承をとると、二人は浴室へ向かう。やけに大きな鏡の前でケンヤが衣服を脱げば、鍛え上げられた男の身体が現れた。筋肉の盛り上がりは運動に詳しくない奏でも注視してしまうほど。男と女の性差だけではないそれに圧倒されながらも彼女はジャージのファスナーを下げた。インナーを身にまとった薄い上半身は、ケンヤに比べればまるでただの布のようだ。彼が一枚脱ぐのに合わせ、奏も脱衣を進める。か細い腕が無地のショーツを完全におろしきれば、脱衣所では全裸の男女が向かい合うこととなった。 初対面の印象から変わらず、ケンヤはその身長に見合った立派な筋肉、骨格、そしてちんぽをぶらさげている。ちんぽまわりに茂る陰毛を見る限り、彼の地毛はやはり黒だろう。 そして、その前に立つのは細く、白く、まるで浮世離れしたかのような風貌の奏。長い銀髪がゆらめき、時折ボディラインを覆い隠す。 「細いですね」 「そ、そうですか……? 普段運動しないからだと思います」 「綺麗ですよ」 綺麗。淡々とした口調で唐突に告げられた言葉は、流石に奏の動きを止めた。浴室の扉を開けるべく取っ手を掴んだままの細い指に、ケンヤがもっと大きなそれを重ねる。動揺する彼女が促されるまま浴室のタイルへ進めば、ひんやりとした感覚に肌が粟立つ。居心地が悪そうにあたりを見回す奏とは対照的に、ケンヤはすぐにシャワーを手に取り温度を確かめている。空いた片手で浴槽に湯を貯める動きはとてもスムーズで、こういった場所に手慣れているのだろうと奏は考えた。その視線に気づきつつもケンヤはシャワーが温まったとだけ告げ、力強い腕で優しく彼女を引き寄せる。 「わ……あたたかい」 頬を緩めた彼女の反応に満足したのか、彼はボディーソープを手に取った。芳しい液体は奏の肌を滑っていく。骨ばった関節もうっすら浮いた肋骨も、瞬く間に照明を反射する。自宅で使うボディーソープとは違う感触に奏は小さく声をあげた。 「すみません、痛いですか?」 「だ、大丈夫。ちょっとくすぐったかっただけです」 「そう、ならよかった」 ぎこちなく気を付けの姿勢をキープする彼女の身体を、ケンヤが優しく撫でていく。これまで処女卒業サポートを依頼してきた女性とはまったく違う身体。薄く骨ばった肩にかかった髪は瞬く間に濡れていく。ラブホテルのご休憩というシステムなど把握していない奏は髪を下ろしたままだった。たかが2時間の間に先端まで濡れた彼女の髪を乾かし、そこから初体験をつつがなく完遂させることは難しいだろう。しかしケンヤは何も言わずにシャワーで目の前の泡を流していく。 まるで子を看病する親のように優しい手が離れ、すぐ近くの椅子に座るよう促した。奏の見たことがない形状のそれは、俗にスケベ椅子と呼ばれるものだ。戸惑いながらも彼女は奇妙な椅子に腰かける。長い髪が床につかないよう手で前面へ垂らした。蒸気で湿った前髪が張り付き、その隙間からケンヤを眺める。 彼は奏に見られることなど気にならないとでもいうように堂々と裸体を晒し、身体を洗っていた。胸板は厚く、ぶつかった大抵の人間をいとも簡単に弾き飛ばすだろう。腰回りだけが日焼けしていないのを見て「海で水着を着て焼いたのかな」と考える。……奏に日焼けサロンという施設の発想はない。 「カナさん、お湯がたまったから入りましょう」 「あ、はい……」 彼の筋肉質な手に誘導され、奏は浴槽にゆっくりと足を踏み入れる。自宅のものとは違って、まるでその空間を楽しむために作られたかのようなハート型の浴槽。大理石を模した素材をくりぬいて作られたようだ。当然のようにハートの膨らみの片割れにおさまるよう座り込む奏を見て、ケンヤは一瞬硬直した。しかしすぐに彼ももう片方のくぼみに腰を落とす。奏の視界の端で黒ずんだ長いちんぽが湯の中へ隠れた。彼の屈強な肉体はくぼみからはみ出ており、奏の領域へ侵入している奇妙な相席状態だ。そんな二人は温かな湯に吐息をこぼした。 「こういう浴槽だと、俺に背中を預ける姿勢で女性が座ることが多いんですが……やらなくていいですか?」 「えっと……じゃあ、せっかくなので……」 「はい、どうぞ」 ケンヤが開いた足の間に奏がいそいそと入り込む。長い髪は水面に揺れ、彼女の肩にまとわりつきながらやがてケンヤの胸板にたどり着いた。それを払うような素振りは見せず、むしろ彼は後ろから彼女を抱きしめるように腕を回した。思い出の中の父よりもたくましいそれは水滴をまとい、滑らかな肌をより輝かせているように見える。 「筋肉、すごいですね」 「まぁもともと趣味で鍛えてて……結構お客さんにウケいいので、一石二鳥みたいな。よかったら触ります?」 「じゃあ……お言葉に甘えて」 湯から現れた奏の指が、おそるおそる目の前の腕に這った。身の回りにいない体格に緊張していたのか、最初は触れるだけ。しかし感触自体は人肌であることをその手で実感すると、奏の関心は高まっていった。この力強さをもしも楽曲で表現するならば、やはり低音だろうか。大きく包み込むような安心感があり、しかし触れれば触れるほど自分と違う存在なのだと思い知る。 「……カナさん?」 名を呼ばれ我に返ると、奏の手は既に彼の肩までのぼっていた。戸惑うケンヤの表情を見て、無意識に自分が距離を詰めていたのだと察する。すぐ近くに寄ったことで、金髪の生え際に地毛であろう黒が艶めいているのが見えた。あぁやっぱり染めてるんだ、と考えながら姿勢を前に戻す。水面から覗く自分の膝に顔を埋めながら奏は謝罪を告げた。 「ご、ごめんなさい。あまりケンヤさんみたいにガッチリした体格の人がまわりにいないので、珍しくて」 「……じゃあ、もっと見ます?」 え、と振り返るより早く背後の彼が立ち上がる。あまり勢いはないものの、水滴が数粒奏の顔にかかった。しかしそんなものは気にならない。 なぜならば、奏の目の前には――成人男性のちんぽがぶら下がっていたからだ。勃起していない状態にも関わらず亀頭が露出している、いわゆる剥けチンだ。硬くこそなっていないが重量感あふれるその存在に、奏は数秒間目を見開いていた。ようやく思い出したかのようにまばたきを二、三度繰り返すと、ちんぽからケンヤの顔へ視線を上げる。 「さ、触っても……大丈夫ですか?」 「はい」 彼の了承を得て、ようやく白い指がちんぽに触れた。先端の亀頭をおそるおそる突く。弾力のあるそこはまるでおもちゃのように揺れ、伝っていた水滴を飛ばした。鈴口を覗き込んだり、カリの段差を指でなぞったあとは竿部分へ。奏の腕よりも太ましい竿だが、肌部分は意外とすべすべしており、青い血管が這っていた。だらんとぶら下がっているそれを奏の指で持ち上げれば金玉が現れる。膨らみに生える毛からまた水滴が垂れ、食い入るように覗き込んでいた奏の鼻先へかかった。 「こうやって間近で見たことは?」 「ないです……でも、想像していたより……抵抗感ないかも」 「さっき洗ったばかりなんで」 「あ、そうですよね……」 金玉を片方の手のひらで包みながら、奏がさらに顔を寄せる。彼女の細く小さなてのひらひとつではおさまらず、金玉はすぐに重力のままぶらさがった。 「……舐めてみます?」 ケンヤの提案に奏は無言でうなずく。両手で萎えたままの竿を支え、そして開けた口を近づけた。 ちらりと覗いた舌を尖らせ、亀頭の鈴口へ伸ばす。特に味のしない亀頭の丸みを舌で撫でた。まるで鈴口をほじるような動きを繰り返したあと、奏は顔を離す。わずかに芯を持った竿を持ち直し、亀頭を真正面に捉えた。何度か唾を飲み込んだあと、まるで小さな子がキスをねだるようにピンク色の唇を突き出す。 ――ちゅっ……❤ 奏の唇が、亀頭へキスをした。鈴口からわずかに塩気を感じるも、目の前のちんぽがムクムクと勃起してきたことときっと何か関係があるのだろうと奏はひとまず考える。そして小さな口を可能な限り開き、ちんぽを迎え入れた。唾液でぬめる口内は、意外にも長く太い竿をスムーズに受け入れる。しかしすぐに限界は訪れた。喉奥へ突き当たる感覚を覚える前に反射的に竿から口を離せば、温かな口内からちんぽは突然放り出され、ケンヤの腰がびくつく。 次に、空中に垂れる唾液の糸をすくいあげるように下から舐めあげる。手で支えていたちんぽはすっかり勃起していたが、奏は竿から手を離さない。陰毛をかき分けて力強く存在を主張するちんぽに指を添えたまま顔を傾け、竿の側面を舌で往復する。舌にはちんぽの血管の凹凸が、ちんぽには舌の熱さとぬめりが伝わった。 ――ぢゅるる……❤ ぢゅるっ……❤ 控えめながら、浴室にはフェラ音が響く。浴槽内に立った彼は、時折息を詰まらせながらこぶしを何度か握りなおした。ぶら下がっていた金玉もいつの間にか位置を上げ、性的興奮の意思表示をしていた。 今まさに奏にちんぽを舐めまわされケンヤは勃起しているが、決して彼女の技巧が優れているわけではない。奏のフェラはわざとかと思う程ひたすらに丁寧であった。湯の温かさだけではない、粘膜としての体温でちんぽが包まれる。手コキの概念などない故に、位置を調整する為蠢くだけの指つきがもどかしい。思い出したかのように鈴口を舌でほじり、あっけなく離れたあとはカリの段差をなぞる。ひとつひとつの動きはシンプルだったが、刺激が完全に途切れることはない。これは辞め時を知らない純粋さ故か、はたまた奏自身の献身さ故か。 処女卒業サポートとして派遣された身でありながら、ここであっけなく射精するわけにはいかない。なんとか自我を取り戻したケンヤが浅黒い腕を伸ばし、奏の頭を遠慮がちにつかむ。 しかし奏はその接触を「顔を上げろ」という意味だと解釈したのか、ちんぽを咥えたまま彼を見上げた。可愛らしく見せるのに上目遣いをするという古典的な手法はあるが、これまでの奏の言動からそういった意図はないことがケンヤにはわかる。顔の向きはさほど変わらずとも、上げた顎の影響で鼻の下がわずかに伸び、ちんぽをくわえこんでいる唇が見えた。カリの段差が当たっているのか鼻と唇の間が膨らんでおり、少し間抜けだ。 銀色の髪、色白の肌、大理石調の浴槽。眩しい程の照明の中で彼女の唇がより色濃く見える。ラブホテルであることを考慮しても、まるで現実味のない光景だった。 奏のフェラを止めようとしていたはずのケンヤは一度大きく深呼吸し、そしてまったく真逆の内容を願い出た。 「カナさん、思いっきり先っぽ吸える?」 ――……こくん❤ ちんぽを離さないままの頷きはわずか数mm程度の動きだったが、すぐ希望通りの刺激がちんぽに伝わったことでケンヤは再び腰に力を込めた。 ――ぢゅるるるるッ……!!❤ んっぢゅ❤ んっぢゅッ!❤❤ ぢゅ~~~……ッ!!❤ ケンヤがそう指示したからという理由だけで、奏は思いっきり頬を凹ませてちんぽの先端に吸い付く。元の肉付きの薄さもあり、これまで淡々と会話していた彼女の輪郭が間抜けに歪んだ。 時折耳を澄ます必要があるほど細かった声と、同じ唇から放たれる凄まじいバキューム音。ギャップという言葉で言い表すことすら難しいそれを目の当たりにし、ケンヤの我慢はついに崩壊した。 「あ、あ……出そうッ……❤ カナさん、出そう……ッ❤」 上ずる彼の言葉を聞き、奏が少し焦ったように目線をちんぽに戻した。(ちんぽそのものを咥えているため、厳密には陰毛の茂みしか見えなかったが。)今彼女が咥えているのは、ちんぽ。性欲に関して正しい処理を知らない奏からすれば排泄に使われる部位だ。綺麗に洗浄されていたことと彼の提案に乗って舐めまわしていたが、そこから何かが出ると宣告されれば頭に浮かぶのは尿だろう。尿を飲む健康法だとか、非常時には水分として用いられることもなくはないだとか、これまで思い出しもしなかった情報が彼女の脳内をめぐる。 ――……ぎゅっ❤ 結局、奏が選んだ答えは「ケンヤさんが気持ちよさそうだから、ひとまずこのまま出させてあげよう」……彼の腰に手を回し抱き寄せた。 必死に絡みついてくる腕の感触に気付いた彼は驚いて腰を跳ねさせる。その衝撃で亀頭は奏の口内上部、ざらついた部分を擦り上げてしまう。その刺激は、限界を訴えていたちんぽにはあまりにも魅力的だった。 「お……ッ❤ 出る…ッ!!❤❤❤」 ――びゅッ……❤ びゅ~~ッ❤❤ びゅるるる……ッ❤❤❤ ……ぴゅるっ❤ 彼が宣言するのとほぼ同時に、奏の口内へ精液が放たれる。青臭いそれに奏はまたもや焦るが、頭をおさえている彼の手に力がこめられており離すことができない。ひとまずされるがままちんぽを咥えているうちに、口内に溜まっていくそれが尿でないことに気付く。そしてケンヤが名残惜しそうに何度か腰を揺することから、自分自身を時折悩ませる性欲に近しい何かなのではないかとぼんやり考えた。鈴口からとぷとぷ❤とあふれるそれを啜り、一度口の中に溜める。浴槽から身を乗り出して口の中の精液を手のひらに吐き出してみるが、白く濁ったそれは奏の中に思い当たるものがない。そして当たり前のようにさらなる発見がないかと亀頭を咥えなおす。 「カナさん、そろそろ……」 「! ごめんなさい。勝手にいろいろ……」 しかし、射精直後の刺激がつらいケンヤによって中断されることとなった。彼に促され、浴槽からあがる。湯につかってしまった奏の髪は再度丁寧にシャワーで流された。その手つきが浴槽につかる前よりもさらに丁寧な気がしたが、奏は特に触れない。彼女自身が持つ興味を元にちんぽを触らせてもらっただけであり、男を魅了するような超丁寧❤ぢゅっぽり吸い付きフェラ❤をしたつもりは一切ないからだ。 しっかり身体の水滴をふき取り、ケンヤは奏を脱衣所の鏡の前に立たせた。彼がドライヤーを持った数秒後、温かい風がゴウという音を立てて奏の長い髪へ降りかかる。しとどに濡れていた髪はやがて束から糸のようにほどけ、はためくように踊った。 全裸のまま髪を乾かし終えた二人は視線を交わし、どちらともなくベッドへ向かう。この時点でご休憩としての滞在時間は既にオーバーしていたが、ケンヤは何も言わなかった。 筋肉で重たい男体と、不健全な生活でやせ細った青白い女体がベッドの上で向かい合う。処女卒業にあたって必須の前戯を行うべくケンヤが奏のまんこへ手を伸ばすと、彼女はひどく困惑した。最初、初めての性行為に緊張しているだけだと彼は考えたが、あまりにも奏の態度が頑なな為手マンを諦めた。そのうえで性行為にあたって膣が潤っていないと痛みを伴うことを説明し、持参したカバンからローションボトルを取り出そうとする。しかし彼の手を奏が止めた。 「あの……つまり、ぬるぬるになればいいんですよね。いつも自分でやっているみたいにシてみます……」 そういって奏が披露したのが、冒頭にもあったまんこペンペンである。目の前で見せつけるように行われるそれを、ケンヤは口を呆然と開けていた。問診の際に彼女が答えた「いつも手でシてます」という言葉の意味をつきつけられるも、理解はすぐには伴わない。 処女卒業を依頼する者の中には、性的なことに苦手意識があり、男性との関わりを断っていた者も多い。一見奏もその類の女性に見えるし、実際ケンヤはそのつもりで彼女に接していた。しかし風呂場での丁寧献身フェラ❤や全身の力を振り絞りながらのまんこペンペンを披露する姿は性的な刺激に慣れすぎた痴女のようでもある。浮世離れした儚い外見と相まって、いまいち彼女の本性が読み取れなかった。 ――バチンッ!! バチンッ!! 「お゛ぉうッ❤ ッほ❤❤ ッおン゛ッ!!❤❤❤」 激しく皮膚をうつ音、振りかぶる細腕。次第に彼女の腰はクイッ❤クイッ❤と浮き上がっていく。ほぼつま先立ちのブリッジ状態で、かすれるような呼吸を繰り返した。喉をさらけ出しながら長い髪をベッドシーツに散らして全身への負荷に耐える姿は、彼女自身の色素の薄さも相まってまるで彫刻品のよう。 「カ、カナさん……それ以上は」 「あッ……!! もう来ますッ……!!❤❤ ッふ!❤ ッふッ!!❤❤ ん゛ん゛ん゛ッ!!❤❤❤」 ――バッッチィンッ!! 「……ぉおお゛う……ッ!!❤❤❤ イッグぅん……ッ❤❤」 ケンヤが親切心、いや倫理観からかけた静止をかき消し、奏がひと際高く腰を突き上げる。彼の眼前で生白い腰がカクカクッ❤と痙攣した。数秒間腰を震わせたのち、膣穴からはとろ~……❤と愛液が垂れる。まるで蜜のようなそれがシーツに落ちるのを見届け、ようやくケンヤの指が動く。手から落ちたローションボトルはそのままカバンの中に転がっていった。 一方、奏は酷使した手足をシーツに伸ばし、完全にベッドへ身を預けている。戸惑ったように己を見つめるケンヤに気が付けば、あ、と小さく声をあげた。そして震える腕を必死に持ち上げ、まん肉へ添える。 ――ぐぱぁ……❤ 「えっと……濡れたので、セックスをお願いします……❤」 吐息交じりの声で誘われ、ようやくケンヤは本来の目的を思い出す。処女卒業サポートとして派遣された者らしからぬ動揺はあるが、視界の端にうつったコンドームを慌てて手に取った。挿入できるよう勃起させねばと股間に視線を落とすも、ちんぽはこれ以上ないというぐらい勃起している。反り返った先端がへそを目指すように時折ピクピク揺れるほどだ。鈴口からは先走りがとめどなくあふれ、金玉が射精を急いて持ち上がっていた。 「……じゃあ挿れますね」 「はい……❤」 ケンヤが奏の細い脚を折りたたむように抱える間も、彼女はまん肉開きをやめない。この方が見やすいかな?という彼女なりの気遣いだったが、これから結合することになる媚び肉を見せつけられる側である彼の動悸は高まるばかりだった。特に消極的な女性ばかり担当することが多かったケンヤが一度唾をのみ、ゆっくりと腰を進める。いきり立ったちんぽは「早くまんこほじらせろっ❤ カリでまんヒダ削ってやるぞっ❤」と威嚇するように先走りを分泌し続けているものの、あくまで自分は処女卒業サポートで来たという使命を忘れるほど愚かではなかった。 ――にゅるるる……❤ 「あ゛……っ❤ はいって、くるぅ……ッ❤」 「痛くないですか……ッ?❤」 「い、痛くはないけど、圧迫感で苦しい……❤❤❤」 言葉の通り、奏は眉を寄せ薄い胸を何度も上下させる。痛みがないことにひとまず安心したケンヤは、暖かく大きな手のひらで安心させるように何度も奏の頭を撫でた。その温もりに彼女も心地よさそうに目を細める。 ちんぽを中途半端に挿入した状態で、数分間ふたりは互いの身体に触れることを繰り返した。細く白い指先で筋肉質な二の腕を、汗ばんだ大きな手が薄い腹を、何度も優しく触れ合う。セックスという行為が苦しいものではなく、誰かを求めそして求められる、充足感のある行為だとゆっくり教え込む。彼女の身体から少しずつ力が抜け、あがっていた呼吸も落ち着いていく。 「苦しいの、なくなってきました……❤」 奏の言葉をうけ、ケンヤは覆いかぶさっていた身体を起こす。部屋の淡い照明を背に浴び、彼のシルエットが浮かび上がった。奏の視界にうつるそれは、これまで出会った誰よりも力強く見えた。 そんな彼が今自分とセックスをしている……思わず奏が意識した結合部はすっかり馴染み、痛みではなくわずかな疼きを抱えていた。挿入されたちんぽを締め付けながら、やり場のない欲望を熱い吐息に変えて吐き出す。 「……んっ❤ はぁっ、ふ~……❤❤❤ ふぅ……❤❤❤」 「奏さん、ゆっくり動きますね」 ――にゅる~……❤ とんっ❤ にゅる~……❤ とんっ❤ 「お゛ぉ~……ッ❤ お、おぅ……ッ❤ すご……い……なんだか、引っかかるところ、ぞわぞわするぅ……❤」 「腰、浮いてますよ……❤ 気持ちいいですか?カナさん」 「わ、わからな、い、けど……ッ❤❤❤」 ケンヤの腕が奏の背中にまわされ、汗で張り付く髪を丁寧に剥がしていった。ちんぽがまんこに侵入する度詰まる彼女の言葉を待ちながら、時折反応のいい部分――膨らんだGスポットを持ち上げるように腰骨で支える。がむしゃらに突くのではなく、ゆっくりと押し上げる。受け入れることしかできない膣ヒダは、許しを乞うようにちんぽへ絡みついていた。 そして数十回目のGスポなでなで❤を終え、これまでまんこペンペンでのアクメしか知らなかった奏は…… 「もっと、もっと……いっぱい、ナカ、ほじってください……ッ❤」 ケンヤの目を見つめながら、再度まん肉を思いっきり開いた。自慰はまんこペンペン、促されるまま亀頭への吸い付き爆音フェラをし、男の欲望を無意識にかきたてた彼女が、ついに己のまんこを『穴』として認識したのだ。メスとして最上級の媚びを無意識に行う彼女へ、勿論ケンヤはちんぽのさらなる挿入で応える。 ……そこからは欲望のまま、しかし甘い交わりが行われた。 部屋中に響く水音と、肌が空気を含みながらぶつかりあう音。時折絞り出される奏のうめき声は、ケンヤに教えられるまま淫語にまみれていく。 「ほぉっ……❤ ちんぽ、ちんぽ……ッ❤ まんこほじって、カリでほじって……❤ あッあッそこキクぅ……ッ!!❤❤❤」 「カナさんのまんこ、すごいぬるぬるですよ……❤ 俺のちんぽで何度掻き出してもすぐにまん汁まみれだ❤ こんなエロいまんこ、いくらほじっても飽きない❤❤❤ 最高のまんこです❤ ヒダのひとつひとつが絡みついて、先っぽが抜けそうになると行かないで~❤ってしがみついてくる……❤」 「はぁッ❤ は……ッ❤ ずっとほじってほしい……ッ❤❤❤ これまでまんこ叩いてイクイクってしてたけど、こんなの知ったら、マンほじがないともう……ッ❤ ケンヤさん、ケンヤさんのちんぽで、パコパコセックス、気持ちい……ッ❤ ケンヤさん、ずっとセックスしてほしい……ッ❤❤❤」 「……!」 ケンヤは奏の顔を再度見つめる。眩しく輝く髪も、薄い胸も、細い肩も、見た目だけならばまるで人形のよう。そんな彼女はセックスに励む人間らしく汗まみれだった。 彼の胸中に熱い何かが沸き上がる。その衝動のまま、揺さぶられながら快楽を貪る奏を強く抱きしめた。 「カナさんッ、カナさんッ……❤ 絶対、またセックスしましょう……❤❤❤ カナさんが満足するまで、いや、満足しても、ずっと……❤」 「で、でも、ケンヤさんは処女卒業の……むぐっ!」 これ以上口にしなくていい、と意思を込めてケンヤは奏にキスをする。大きく筋肉質な身体でおおいかぶさりながらのキスは、彼女の息を詰まらせるのに十分だった。他の人間よりも人一倍華奢な身体が酸欠を訴える寸前で唇を離す。見つめあい、互いが動きやすいように結合部を擦り付けあう。相手の輪郭をなぞって求めあう、どこから見ても仲睦まじい恋人同士のセックスだった。 「カナさん、出る……ッ❤❤❤」 「え……あっ……」 息を荒げながら告げられた彼の言葉に、奏は浴室での出来事を思い出す。おそるおそる自分に覆いかぶさる彼の背中へ腕をまわし、厚い筋肉をなぞった。 ――する……❤ する……❤ 優しく円を描くように触れたり…… ――とんっ……❤ とんっ……❤ 懸命に腕を伸ばして、さらなるピストンを促すように腰骨をつつく。それを繰り返せば、当然振動は性感を加速させる。 背骨を駆け上がってくる刺激に限界が訪れ、ケンヤはついに腰をグイッと押し込んだ。 「出る……ッ!!❤」 ――びゅ~~~ッ!! びゅるるっ❤ どぷっ❤ ぴゅ~……ッ❤ ぴゅるる……ッ❤ 今日初めてちんぽを知った奏の膣の中で、コンドームの精液溜めがみるみる膨らんでいく。その間も膣ヒダはくすぐるようにちんぽへまとわりつき、尿道の残り汁出せッ❤ 金玉に種汁隠すなッ❤ おまんこ搾りでブッ濃いの最後まで吐け~ッ❤と何度も収縮した。案の定鈴口からはとぴゅ……❤とぴゅ……❤と最後の一滴まで精液を吐き出される。その一方で、射精直後も硬度を保つちんぽのカリが最後にぬめマン❤ふっくらGスポ❤をひと押しした。奏はその刺激にたまらず「ッお?❤ ッおぉ~ん……❤」と間抜けな声を上げ、舌を垂らす。 ……ふたりがベッドから降りたのは、翌朝だった。彼らは自然と肩を寄せ、汗まみれの身体を流すべく浴室に向かう。この部屋に来た時と同じように浴室に入り、シャワーを出す。やはり温かな湯気がすぐに二人を包み込んだ。 セックスに必要な膣はもちろん、散々こねくりまわされた奏の乳首は赤く腫れあがっている。柔らかな泡で包まれればもどかしい刺激が乳首を覆う。思わず声をあげた彼女の額へケンヤがキスを落とす。 その優しくも情熱のこもったリップ音は、やがて思いを告げる言葉に変わるのだった。 ##### 「っていう経緯で、お付き合いすることになったんだ」 いつものファミレス、いつものボックス席……ではなく、店舗隅のもう少し大きな角ソファ席。普段より一名多い状態で彼女たちは互いの顔を合わせていた。その一名とやらは奏が紹介したいからと連れてきたケンヤ、その人である。 向かいには驚愕と困惑を浮かべる二人、まるで興味などないかのように首を傾げる一人。その中から、瑞希が一番最初に発言した。 「か、奏。つまりその……出会いは身体ってこと?」 「うん、今もまだ名前と身体以外のことは知らないけど……」 「そんなんで付き合うなんてッ、もがが……」 勢いづいた絵名の口に、まふゆがスプーンを突っ込む。どうやら食べる手を止めた絵名にデザートの摂取を再開させようとしたらしい。案の定真顔のまま行われた暴虐に今度は別の嵐が巻き起こる。そんな光景を横目に眺めながら、瑞希は耳打ちした。 「あのさ~、奏。ボクなんかが口挟むことでもないけどさ、出会いが出会いでしょ? 正直、話聞いた感じ不安しかないよ」 「? そうかな? ケンヤさん、すっごく親切だからみんなにも紹介した方がいいかと思ったんだけど……」 現状除け者にされているケンヤ自身はまったく気にすることなく、一人分のポットを傾け奏のカップに紅茶を注いでいる。ニーゴのメンバーでないことを除いても、彼は騒ぎ立てる二人と真顔の一人を気にする素振りなどない。文字通り、奏しか眼中にないという状態だった。 ある程度の問答が落ち着いたのか、絵名がまふゆから取り返したフォークで皿の上のケーキを刺す。少し荒々しい手つきに肩をすくめた瑞希を一度にらみつけ、次にケンヤへ矛先を向けた。 「ともかく、私は反対! 何なのよ、処女卒業サポートって……要はヤリモクでしょ。そんな男が奏に近づくなんてありえない」 「でも今回のことはわたしからそもそも依頼したんだし……」 「そういう! ことじゃない!」 「絵名、うるさい」 「うるさくもするでしょ! そういうあんたは心配じゃないワケ!?」 「別に。奏だって奏の付き合いがあるだろうし、その方が曲作りが捗るっていうならなおさら」 絵名とは対照的に淡々と喋るまふゆは、どうやら本当にそう思っているらしい。眉根を寄せた絵名と数秒間視線を絡ませるも、先にそらしたのは絵名の方だった。納得いかないと言いたげな顔でケーキの最後の欠片を口に放り込むが―― 「……でも、そんなによさそうなら、私も処女卒業サポート頼んでみようかな」 それは、起伏のない声で紡がれたトンデモ発言によって噴出される。激しくせき込む絵名の為に紙ナプキンを取った瑞希は、会話をとりまとめるべく奏とケンヤに返事を促した。軽い冗談としてこの場は流してくれという意図を込めたそれは伝わらず、むしろ奏は少し慌てたように口を開く。 「! ケンヤさんはもうこの仕事やめるから、お願いはできないよ。……あ、いや、HPから応募できるから、実際の担当はそっちで決めてくれる……と思う」 歯切れの悪い言葉は明らかに本気の焦りを含んでいた。途端にニヤつく瑞希と、寂しいやら興味深いやらで複雑な表情の絵名。先に発言しておきながら大して興味なさげに「ふぅん」と返すまふゆ。三者三様の反応を受け、奏がさらに顔を伏せる。ケンヤはそんな状況を喜ぶ……と思いきや、黙って奏に肩を寄せる。不自然にうごめく腕から察するに、テーブルの下で手でも繋いでいるのだろう。 不器用ながらも甘い雰囲気を醸し出す一組のカップルを前にし、絵名が空いた皿をテーブル脇へ移動させる。 「――な~んか、ごちそうさまって感じ~……」 その言葉に瑞希は笑い、まふゆはまたもや首を傾げるのだった。

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