こはねちゃんとイチャ甘デートをするつもりだった僕の童貞が奪われる話 (Pixiv Fanbox)
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※これはprskの2次創作小説です。
※オホ声、フェラ仕草、食べ物を性器に例える描写、包茎弄り、童貞喰い系ビッチ、淫語要素を含みます。
とある暖かな日曜日のシブヤ駅前。人ごみの中で僕は一人の少女を探す。今日は愛しの彼女、小豆沢 こはねとの初デートである。
お嬢様校である宮女……そのセーラー服を身にまとっていたはずの彼女がステージにのぼった瞬間を、僕は一生忘れないだろう。友人の付き添いで内心面倒に思いながら訪れたライブ会場の入り口ですれ違った姿と、ステージに現れた姿。衣装やアクセサリーだけではない、まるで彼女のまとう空気そのものが塗り替えられたような別人っぷりに最初は同一人物だと思えなかった。甘く溶けるような、しかしまるですべてを捕食するかのような蠱惑的な声を聴いた僕は気づけば最前列まで駆け寄っていた。
激しく焚かれるスポットライト。内臓すべてを鷲掴むようなサウンド。それらすべてが彼女を色濃く縁取るような感覚。つまり、僕の一目惚れからこの出会いは始まったのだ。
そこからはガムシャラだった。イベントを堪能し終えメシにでも行こうと誘う友人を放って僕は裏口まで走った。他のメンバーと談笑しながら現れた彼女はもうステージ上で見せた牙を隠していたが、そんなことは重要ではなかった。とにかく声をかけ、衝撃を語り、想いを告げる。傍に立つメンバーから牽制の言葉を投げかけられたものの、僕は譲らなかった。名を名乗り、これまで口にしたこともないような激情を思いつく限りの言葉で紡ぐ。
メンバーの姿越しに彼女を見つめ、頭を下げる。きっかり頭を90度下げたのがとどめ……いや、決め手となったのか、ついに彼女は戸惑いながら頷いてくれたのだった。
「こはねちゃん!」
ようやく見つけ出した小さく愛らしい背中は、心細そうに立ちすくんでいた。しかし僕の声を聞き取った彼女は小動物のように肩を跳ねさせ、あたりを見回す。やがて人の波をくぐりぬけて駆け寄る僕に気付いた。その花のように綻ぶ顔の愛らしさよ……僕は必死にニヤつく頬をおさえる。
セーラー服ともステージ衣装とも違う彼女の私服は、ある意味予想通りのものだった。襟元にラインがあしらわれたスモーキーピンクのサマーニットは彼女の可憐さと、気温にあわせた半袖から覗く二の腕の眩しさを引き立てる。視線を下げれば1小さく細い膝が覗くスカートとパステルカラーのスニーカーが親しみやすさを感じさせた。
男子校育ちの僕が描く理想の彼女だといって差し支えないだろう。想定外なのは、それを見にまとって照れ臭そうに身をよじるこはねちゃんが可愛すぎることか。
「ごめんね、待たせちゃった」
「私がはやく着いただけだから気にしないで」
しっかり僕を立てる気遣いも忘れない。生まれて初めての彼女がこんな素敵な女性でいいのだろうか? いや、違う。最初で最後の彼女だ。この子を守る為なら何だってできる。お付き合いを始めて一週間足らずという一番浮かれる期間なのもあり、僕は目の前の笑顔にまたもやデレデレとしてしまう。
この姿を友人に見られたら囃し立てられるだろうが、それが僻みから来ることは考えずともわかる。そんな奴らを鼻で笑い、言ってやるのだ。お前らも彼女が出来ればわかるよ、と……。
「タイチくん?」
「えっ!? ごめん、ボーっとしてた……」
「今日暑いもんね。休めるところ行く?」
こはねちゃんが心配そうに僕の顔を覗き込んだ。彼女の視線を受け、ひとりで盛り上がっていたことに羞恥心が湧く。浮かれている僕と比べて彼女はかなり落ち着いているようだった。
僕だけが楽しみにしていたかのようで寂しく思いつつ、黙って見つめてくるこはねちゃんを安心させるため笑顔を返す。愛しの彼女がリラックスして楽しんでくれるデートを遂行するのが最優先だ。
「いや、一緒に行きたいお店があるんだ。早速行こうか」
「うん。……えっと、タイチくん」
「ん?」
もじもじと僕を上目遣いで見つめる姿に、思わず甘い声が出てしまった。急いで頬を引き締めるも、こはねの言葉の前では我慢も無駄だとすぐに理解する。
「デートだから、腕を組んでもいいかな?」
「! ……もちろん!!」
返事を受けて遠慮がちな指先が僕の腕をつかんだ。その感触は布越しに伝わり、僕の心臓が肋骨を突き破るような早鐘をうつ。女の子に触れられただけでどぎまぎするなんてカッコ悪いと思うが、この緊張は体験した者にしかわからないだろう。少なくとも、昨日までの僕が知らない温もりだった。
「……ドキドキするね❤」
そんな僕に上目遣いではにかむこはねちゃん。彼女だって楽しみにしてくれていたのだ。それがわかっただけで十分だ。
ぎこちないながらも幸せな温度を交わして、僕らはにぎわう通りへ足を向けた。
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トレンドを更新しつづけるシブヤらしく、新しくできたショップが立ち並ぶ通りは若者であふれている。日曜日と陽気な気温が組み合わさった都会ならばそれも必然だろう。
「わぁ……結構混んでるね」
人の波へ流されないようこはねちゃんが僕の腕へ抱き着く度、やわらかな熱……おっぱいの感触も形を変える。鼻の下が伸びないよう必死に振舞うも、今度は耳元で囁く声がそれを許さない。彼女の髪までもが弄ぶように僕の首筋を撫でた。
こはねちゃんは女子校に通っているし、同じ音楽グループにいる男の子二人以外との男性のつながりはないのだろう。あまりにも無防備な姿が最早まぶしくもあった。
偶然を装いつつ、こっそり調べていたアイスクリームショップの前で立ち止まる。最近日本に初上陸した人気メーカーであり、同じく期待してやってきた人々が行列をなしているのは傍目からもすぐわかった。待ち時間中にメニュー看板を眺めながら、彼女の食の好みを掘り下げる。なるほど、さっぱり系より甘いものの方が好きらしい。
「いっぱいあるから迷っちゃう」
「僕は普段こういうの食べないからなぁ……せっかくだし、限定のものにするよ」
少しずつ列は進み、ようやく期間限定メニューをスケッチした看板前までやってきた。そこにはアイスクリームだけでなくアイスキャンディーやジェラートなどバラエティー豊かなものが描かれている。既に購入を終えた客を盗み見ると、その子も期間限定のアイスキャンディーを選んだようだ。汗の伝う気候もあり、確かにアイスキャンディーという選択肢は魅力的である。結局僕はミックスベリー味のアイスキャンディーに、こはねちゃんは一番人気のミルクジェラートに決めた。
ついにレジまでたどりついた僕らが注文を終え、出来上がりを待つ為脇にそれる。軒先の小さな日陰に二人で入れば、また肩が触れ合った。コンクリートに反射した熱が足首を焼き、この瞬間が嘘ではなく実在するものなのだと実感する。
「お待たせしました~」
そんな思いに浸る僕の背後からアイスを持った店員が現れ、声がかけられる。お礼を言いながら受け取るこはねちゃんの横顔は本当にうれしそうだ。
どこかで落ち着いて食べるという僕的デートプランに基づき公園へ向かうと、運よくベンチがひとつだけ空いていた。腰かけたのもつかの間、移動中の暑さに屈したアイスキャンディーから一筋の雫が垂れようとしているではないか。色濃いピンクのそれがシャツにでも付けば、きっと今日一日存在を主張しつづけるだろう。呆れながらも洗濯してくれる母の顔を思い出し、せめて最低限の被害におさえようと棒を傾けた瞬間だった。
「あっ……」
こはねちゃんの小さな手が伸び、その手のひらで雫を受け止める。彼女のアイスを心配してもう片方の手を見たが、ジェラートはもともとカップに入っているため僕の心配などもともと不要だった。狼狽える僕を放って彼女は濡れた手のひらを軽く払い、ポケットから摘まむような手つきでハンカチを取り出す。優しくて可愛い彼女のハンカチもやっぱり可愛かった。
「タイチくん、勝手にごめんね」
「う、ううん! むしろごめんっていうか、ありがとうっていうか……!」
ベンチの座面にジェラートを置き、こはねちゃんは手を拭った。少し毒々しさすら感じさせるピンクがそこに残ることに罪悪感を覚える。
「でも、急がないとまた……」
彼女の言葉に僕はまたアイスキャンディーへ視線を向ける。一度溶け出したそれはしとどに濡れ、重力のままにまた雫を垂らしていた。なんとか抗おうと手をひねるも、アイスキャンディーはごく当たり前のように表面を艶やかせるだけ。
あ、と声が漏れるのと、こはねちゃんが身を乗り出すのは同時だった。虚しく零れ落ちた雫は、突き出されたこはねちゃんの舌にしみこんでいった。またもや彼女にフォローさせてしまったのだ。
まず僕がすべきなのは謝罪で、次に彼女を楽に座るよう促すことだろう。しかしすぐにそうできない理由があった。普段男まみれの学び舎で過ごしている僕にとって、可愛い女の子が棒状のものに舌を伸ばすという情景はあまりにも刺激的だった。淡い桃色の舌は木漏れ日を浴びて煌めき、濡れた瞳がアイスキャンディーを見上げている。いわゆるフェラを始める数秒前のように見えてしまう。友人と盛り上がる猥談を楽しんだこともあったが、この時ばかりは己の性欲に蝕まれた脳内が憎かった。
――ツツツ……❤
そんな僕の葛藤などつゆ知らず、こはねちゃんは舌をアイスキャンディーに這わせた。垂れる液は彼女の舌が舐めまわすようにふき取り、凹凸のない表面へ変化させていく。
僕が我に返ったのは、彼女がちゅっ❤と音を立ててアイスキャンディーから離れてからだった。
「ごめんね、少し食べちゃった……」
「い、いや!! ごめん!!」
申し訳なさそうに手を合わせる彼女を見て、なんとか僕は身体を動かせるようになった。まるで二人きりの世界にいたかのような錯覚と、そこから時が動き出した感覚。噴き出る汗は暑さのせいだけではないだろう。もつれる舌を必死に操る僕を気遣ったのか、こはねちゃんはアイスキャンディーを見つめながら囁く。
「アイスキャンディー、すごくおいしかったよ」
「そっか! ならいいんだ、はは……もっと食べる? なんて……」
冗談交じりでアイスキャンディーをこはねの前に差し出す。今度はきちんと自分の意思だ。その陰にいやらしい姿がまた見られないかという欲望を隠していたが、どうやら天は僕に味方することを選んだようだった。
「じゃあ、お言葉に甘えて……いただきます❤」
なんと彼女の指は僕の手に添えられ、小さな口でアイスキャンディーを咥えこむ。木漏れ日が彼女の顔を照らし、まるで思い出の一ページのように輝いていた。見惚れるというのはあまりにも刺激的な情景に僕はまた動きを止めてしまう。その沈黙を自分の行動待ちだと考えたのか、なんとこはねちゃんは頭を前後し出した。
――じゅっぽ!❤ じゅっぽ!❤
想像していたものを上回る光景に、また汗が噴き出る。うっとりと目を閉じて味わう顔は何度も見てオカズにしたAVのサンプル動画に酷似していた。唇を伸ばしてしゃぶる音が僕の脳に響く。
情報を処理できない僕と彼女の目が合う。上目遣いでじ……っと見つめる瞳は一切そらされず、互いに凝視しあうことになった。僕が生唾を飲み込んだのをきっかけに、こはねちゃんはさらに唇をすぼませる。
――ぎゅぽぽッ!!❤❤❤
最早下品といえる音を立てながらこはねちゃんはギリギリまで頭を引いた。先端は咥えたまま舌だけを器用に出し、水音を立てながら舐めまわす。アイスキャンディーの色合いも相まって、これはもうフェラチオといって申し分ないのではないか。液晶画面越しに見るものとはまったく違う臨場感。毎晩オナニーの度にゆっくり性感を高めていく僕を笑い飛ばすように、ちんぽが一気に勃起する。それを隠さねばならないと気づいたのも、ごく自然な動作で彼女の手が僕の股間に乗せられたからだった。
――れろれろ~ッ❤
余すことなく舐め上げるこはねちゃんの舌は濃いピンクに染まっている。果実の甘酸っぱい香りが漂い、僕の手を震わせた。指の隙間からずり落ちそうになる棒はこはねちゃんのもう片方の手でからめとられる。呆けたままの僕とは違って、まるで何もなかったかのように彼女はアイスキャンディーを持った。
「わ、っとと……大丈夫?」
「うん……」
爆音疑似フェラチオを披露した人物とは思えない気遣いに動揺するのも仕方ないだろう。そのギャップは先ほどまでの光景が白昼夢なのかと僕に考えさせるほどだった。それでもアイスキャンディーを持っていない方のこはねちゃんの手が僕の股間を擦り続けている感覚に、これこそが現実なのだと思い知らされる。これは最早手が当たっちゃったとかいうレベルではない。
視界と触覚から受ける刺激は魅力的だったが、意を決して股間を擦るこはねちゃんの手に触れる。小さくて柔らかい、でも女の子としての細さが感じられる手だ。汚れを知らないであろうこの手が気づいて離してくれるはずだと思ったのだ。
しかし、意に反してこはねちゃんの手は離れなかった。
――すり……❤ カリカリ……❤
むしろ股間の膨らみを下からなぞりあげたと思えば、今度はてっぺんを爪の先で刺激してくる。服の上から受けているため刺激はマイルドになっているが、こんなものを直接亀頭にくらえば彼女に許しを乞う隙すらもなく即射精するのは想像に容易い。
なぜ彼女がこんなことをするのか、僕にはまったく理由がわからなかった。日曜日のおひさまの下、初彼女との初デート。僕が友人との外出を断って三日間考えたデートプランに彼女から服の上をちん擦りされる時間帯などなかった。そりゃあ締めにハグを切り出そうかとか、あわよくばその流れでキスが出来たらという願望がなかったといえばウソだ。
ふとこはねちゃんがずっと黙っていることに気付く。もしかして本当に偶然触れてしまっただけで、僕が勝手に勃起した故に膨らみの中身が何かわかっていないのではないか? お嬢様校に通う純粋無垢なこはねちゃんのことだ。欲望を滾らせ、獲物を狙う男の欲など知らない可能性が高い。
僕はこれまでの思考を恥じた。こはねちゃんをなんだと思っているのだ。これ以上彼女を汚れに晒す前に止めねば。そう意を決した僕の耳に刺激が訪れた。
「ふ~~……❤ ふ~~……❤❤❤」
それは吐息だった。普通の呼吸とは違う、ほんのすこし声音を含んだ吐息。明らか僕に聴かせることを目的としたそれは耳たぶを優しく撫で、鼓膜を這う。全身の力が抜け、僕はこはねちゃんの手に添えていた自分のそれをだらりと垂らしてしまった。彼女はそれに気づいたのか、股間を撫でる手を一瞬止める。しかし力が抜けたままの僕を見て再度刺激を再開するのだった。
「タイチくん……ここ、膨らんじゃってるけど大丈夫?❤ 私がアイスキャンディーをぺろぺろ~❤ってするの見てから、むくむく~❤って大きくなってるみたい……❤❤❤ 大丈夫?なんだか私、おかしいことしちゃったのかな……?❤❤❤」
そう囁きながら彼女はアイスキャンディーをベンチの座面に置かれていたジェラートのカップに刺す。濃いピンク色は溶けたミルクジェラートをまとい、また僕の目の前に現れた。ひとつひとつは涼をもたらすスイーツのはずなのに、彼女の行動のせいで精液をまとうちんぽに見えてしまう。
射精後もバキバキに硬度を保ったまま鎮座するちんぽ……いや、アイスキャンディーを舌先でちろちろと舐めながら、こはねちゃんは僕へ視線を送る。もちろんその間もずっと股間から手を離してもらえないままだ。
その舌が見せる動きは「私にフェラさせたらこ~んなことまでできちゃうよ❤」と言わんばかりだった。存在しないはずのカリを舌先で責め立て、息んで射精をこらえようとした裏筋をおちょくるように舐め上げる。ふぅ~……❤と吐息を吹きかけたと思えば、伝って垂れる雫を大げさなほど舌を見せびらかしながら舐めとった。
僕が間抜けにも見惚れているうちにアイスキャンディーは小さくなっていき、ついにはこはねちゃんの小さな口にすっぽりおさまってしまう。しかし彼女はそれをガリガリかみ砕くことはせず、最後まで丁寧にしゃぶるつもりらしい。口をすぼめて吸い付く横顔はとっても下品だ。あまりのバキュームに柔らかそうだった頬がべっこりへこみ、影を落としている。棒にまとわりつく唇の隙間からはブッピ……❤と一瞬だけ空気の漏れる音がした。
精液をあのバキュームフェラで無理やり吸い取られたら、きっと腰が抜けるほど気持ちいいに違いない。まだ自分の右手しか知らないちんぽも同意するようにさらに硬くなる。
やがてこはねちゃんはすぼめた唇からゆっくりと棒を引き抜いた。僕のアイスキャンディーがすべて彼女に嚥下されたことを理解するも、それを糾弾する気など一切起きなかった。
「ごめんね、タイチくん……全部食べちゃった……❤❤❤ お詫びに私の分のジェラート、食べてくれないかな?❤」
なぜならば彼女がジェラートのカップを持ち、僕の口へ突きつけてきたのだ。硬直した僕の視線を甘い笑みで受け止めているが、それには有無をいわさぬ圧があった。彼女の手を振り払ったらそれ以上の恐怖に支配されることになる気がした。傍から見れば妄想のしすぎだと笑われるかもしれないが、今の僕に選べる行動はただ従うことだけだった。
「はい、あ~ん……❤」
「あ、あ~……ん……」
震える唇を必死に開き、カップにつける。ミルク味の液体は歯列を伝い、舌にまとわりつき、やがて喉へ向かって垂れていく。ほんのりと漂う香りとは裏腹に、味そのものは濃く感じた。
「美味しいかな……?❤❤」
彼女の問いかけに必死に頷く。美味しさとしての適度を保っているかなんてどうでもいい。小豆沢こはねという人物を前にして異を唱えることが僕にはもうできなかった。
そんな僕の内心を知ってか知らずか、彼女は嬉しそうに笑う。続いて自分でもジェラートだった液体を舐め、とっても甘いねと囁いた。舌をちろりと出したその表情はまるで先ほどまでの痴女フェラとは似ても似つかない。久しぶりに見た可愛い仕草に頬が緩みそうになった。
勿論そんな空間はすぐに終わりを告げ、カップをまた口元に押し付けられる。鼻先に香るそれを大人しく最後まで飲み込み、もう中身がないことを必死に身をよじって伝える。その姿はまるで芋虫のように惨めだっただろう。こはねちゃんは満足げにほほ笑み、蠢く僕からようやくカップを離した。唇から垂れた液体を丁寧に拭ってくれるおまけ付きだ。
「ありがとう……」
「ふふ、どういたしまして」
空になったカップと、その底に先端を沈めるアイスキャンディーの棒がベンチの座面に戻っていく。終わったのだ。きっと暑さが見せた幻覚だと言われた方が納得のいく、異常な時間が……。こはねちゃんとのデートプランはまだ始まったばかり。ここからエスコートして最終的に楽しかった思い出にすればいい。途中に見せつけられた疑似バキュームフェラやちんカリ刺激はいろいろな偶然が重なった結果であって、彼女の本意ではないはずだ。
そう意識を切り替え瞬間、横に座った彼女が再度僕の耳に顔を寄せる気配を感じた。
「初めてのデートなのに、公園でちんぽ勃起しちゃったね……❤❤❤ とっても恥ずかしいよね❤ でも大丈夫だよ……❤ そんなの、どうでもよくなっちゃうぐらい、私が……」
卑猥という単語では済ませられないような言葉が、耳へ直接流し込まれる。彼女が一言喋る度僕の脳に浮かんでいたはずの倫理観や常識が霧散する。
甘くとろけるような声に僕はぼんやりとステージ上の彼女を思い出していた。可憐な彼女が目の前で変化した姿に衝撃を受けたあの日。どんどん飲み込まれていくような感覚は、今感じているものとまったく一緒だ。
……きっと僕はあの時から彼女に喰われていたのだ。足の先からゆっくりと飲まれ、痺れを感じた頃にはもう身動きもできない。肉食獣にとらえられた獲物の行く末は、僕だって知っている。
身体中に残った力を振り絞り、横に座るこはねちゃんへ視線を向ける。木漏れ日を浴びてほほ笑む彼女がそこにはいた。
「気持ちよ~く、金玉の中の精液ぶっこヌいてあげるから……❤❤❤」
……薄く色づいた唇からの『お誘い』に、僕が頷く以外の選択肢はあるのだろうか?
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慣れた手つきでラブホテルへのチェックインを済ませる背中を、僕はぼんやりと眺めていた。フロントで受け取ったキーが照明を反射する。それに目を細める間もなく、彼女は僕の手を取った。少し遠慮がちに指を絡めるその仕草と上目遣いが本当に可愛くて、僕は一瞬自分がどこにいるのか忘れそうになる。
しかし狭く薄暗いエレベーターに乗れば、彼女の表情はまたもや妖艶なものに変化した。必然的に二人きりであることを意識させられ、情けない僕は金属製の扉を見つめることしかできない。鏡のように姿を反射するそこには、付き合って一週間足らずでラブホテルにやってきたカップルがうつっている。僕よりほんの少し低い位置にあるこはねちゃんの顔は穏やかに笑っていた。それは他のメンバーと談笑していたものや、今日の待ち合わせ場所で見せてくれたはにかみ笑顔ではない。まるで追い詰めた獲物を眺めて遊ぶような、そんな嗜虐的な表情だ。
チン、と場違いなベルとともに扉が開けば目の前にうつる僕らは消え、薄っぺらいカーペットで取り繕った廊下が現れる。体験したことのない空気に立ちすくんでいるとこはねちゃんに無言で腕を引かれた。つまずくようにフロアへ飛び出した瞬間、背後でエレベーターの扉が閉まる。
目的の部屋につき、やはり手慣れた様子で彼女が先に入室した。土間で脱いだスニーカーの向きを整える仕草は丁寧で、ここがラブホテルという空間であることを忘れそうになる。狭い土間では二人同時に靴を脱ぐわけにもいかず、僕はしゃがんだ彼女を見下ろして待っていた。
――ぐいっ
ふと引っ張られる感覚に顔をあげると、こはねちゃんの細い指が僕のベルトのバックルを掴んでいるではないか。慌ててあがろうとするも彼女に制され、僕はされるがまま扉に背中を預けることになった。
「おちんちん、苦しいよね?❤ 脱いじゃおう?❤❤❤」
「こ、こはねちゃ……」
するするとベルトを外されれば自然とズボンもずり落ち、僕が持っている中で一番かっこいいダークグレーのトランクスがあらわになる。通気性がよくなるよう緩いシルエットで設計されていることが災いし、勃起したちんぽが布を押し上げていた。想定していた流れとは違うものの、初めての彼女とラブホテルに来た僕には仕方のないことだろう。彼女の視線は股間をまっすぐとらえたままだ。
さらなる刺激が与えられることを内心期待する僕だったが、こはねちゃんの次の行動は想像の範囲外だった。
「パンツ……トランクスなんだ。ボクサーパンツがはりついたところの、くっさい匂いを嗅ぐのが好きなのに」
う~ん……と少し困ったように唸り、あからさまにがっかりしたのだ。立ちすくむ僕はお気に入りのはずのパンツが突然恥ずかしく感じてしまう。ようやく湧いてきた羞恥心にパンツを隠そうとしたところ、こはねちゃんが突然顔面を股間に押し付けてきた。刺激は当然勃起したちんぽを襲う。
乱暴な真似はしたくなかったが、暴発を恐れた僕の手は彼女の二つ結びにされた髪を掴んでしまった。必死に引きはがそうとする僕と、僕の腰を抱きかかえて顔面を股間に押し付けるこはねちゃん。ギリギリと引っ張られる痛みに眉をしかめているのがわずかに見える。
「こ、こはねちゃん! 離れて……!!」
「ふーッ……❤ ふーッ……❤ タイチくん、包茎でしょ?❤❤❤ 包茎だよね?❤ パンツのおちんちんのところ、ここすっごいくさい❤❤❤ 恥ずかしいちんカス貯め込んでる、包茎おこちゃまちんぽ❤ かわいいおちんちん見せて❤❤❤ っすぅ~……うお゛ぉぅ❤ くっさぁ……❤❤❤」
「!!」
包茎、臭い、おこちゃま。年頃の僕にとって、コンプレックスをことごとく刺す言葉が投げかけられた。修学旅行の大浴場で友人にからかわれるようなものとは違う。身体を震わせる僕とは対照的に、楽しそうな彼女は躊躇いなくトランクスをずり下ろした。
――ぽろんっ
文字にするならそんな音だろうか。勃起済であることを考慮しても決して大きくはなく、かといって粗ちんという程でもない。……たぶん小さくはない、はず。至って平均サイズの皮を被ったちんぽだ。陰毛が覆いかぶさっているせいで実際より小さく見えるのかもしれない。現実逃避のようなことを考えたくなるほど、ちんぽからはあの特有の生臭さが香ってきた。自分では慣れたつもりでも目の前にいるこはねちゃんにこれを嗅がれているのだと思うと、ちんぽそのものを見られることよりも恥ずかしかった。
一方、抗うことすらもできずに現れた包茎ちんぽを見て彼女の声が跳ねる。
「本当はおちんちんがくっきり見えるぐらいキツ~いパンツが一番だけど……包茎なら大歓迎だよ❤ あっ! ちん毛巻き込んでる……❤ ふにふにのちん皮の中にくっせぇ匂いこもらせてデート来ちゃったんだね❤ それなら待ち合わせ場所についた時点で言ってくれれば即尺ちんカス掃除したのに❤❤❤」
悔しいような、恥ずかしいような思いが身体を駆け巡り、喉の血管が強く脈打った。それを真似するようにちんぽが上下に揺れる。混乱する思考とは裏腹にちんぽは既に勃起しきっていた。ちんぽを至近距離で眺める彼女の鼻先がちん先とぶつかる。包皮の先っぽに溜まる粘液が付着したことで、彼女の顔とちんぽが一本の糸でつながった。賢者モードの自分ですらその粘つきに少し嫌悪感が湧くというのに、彼女はまったく気にする素振りもない。むしろしゃがんだ足を少し調整して、鼻筋をちん先へ密着させた。
「ふふ、タイチくんの包茎おちんちん……フル勃起してそれなの?❤ まだ亀頭全部見えてないよ?❤❤❤ かっこいいおちんちん、ちゃんと見せてほしいな❤」
「い、い、今剥くから……!!」
剥けきっていないことを指摘され、慌てて手を股間へ伸ばす。しかしこはねちゃんはその手を素早く払いのけたうえ包皮を摘まんだ。親指と人差し指だけで摘まむその所作はまるで使い古した雑巾でも持つようだった。その行動と目的が汲み取れず動揺する僕へ、また彼女が囁く。
「こうやって、おちんちんの皮持っててあげる❤ かっこよ~く腰振って亀頭見せてほしいな❤❤❤ タイチくんのくっさい包茎おちんちんから、かっこいいフル勃起❤つやつやおちんちんになるとこ……私に見せて?❤❤❤」
「うぅ……!」
甘えるような上目遣いで告げられたのは、ちん皮を固定されたまま腰を振れという指示。自分で剥くことは到底許されなさそうな誘い文句に僕は唇を噛む。包茎であることをからかわれ、腰を振って剥けるところを見せろと煽られる……これを屈辱といわずなんと呼ぶのか。燃えるように熱く火照る顔すらも見られるのが恥ずかしかった。
しかし僕の身体だけは違った。脳で感じる屈辱を無視して腰が揺れてしまうのだ。それはやがてこはねちゃんの要望通り亀頭を見せつけるための腰振りとなり、彼女も嬉しそうにその先端を見つめる。にち❤にち❤と音を立てるちん皮や鈴口からは先走りがにじんでいた。
「タイチくんの亀頭、やっと見られた❤ ぷりぷりでピンク色の亀頭……とってもかわいいね❤❤❤ ……あれ? カリのところ、チンカスついてるよ?❤ 昨日シコったあとちゃんと拭いてないのかな?❤ すぅ~……❤❤❤ っはぁ……❤ 包茎おちんちんにくっさいチンカスついてるの、嬉しいな❤❤❤」
こはねちゃんの言葉を受け慌てて見下ろす。確かにカリの溝にわずかながらチンカスが残っていた。これが夢ならいいのにとすら思う羞恥に、またもや手が股間を隠そうとする。先ほど彼女に払いのけられたことを思い出し一瞬硬直してしまったが、意外にも制止されることはなかった。拍子抜けしたような僕の顔を見たこはねちゃんはゆっくりと立ち上がり、部屋へ上がるよう声をかけてきた。
ここまでの包茎煽りが嘘かのような振る舞いに唖然とするも、ホテルのチェックアウト方法など知りもしない僕は黙って従う他なかった。脱いだ靴をこはねちゃんのスニーカーの横に並べ、部屋の奥へ歩みを進める。あまりにもキョロキョロするのはカッコ悪いと思い平静を装うも、部屋の中央に鎮座する巨大なベッドに思わず動きが止まってしまった。
枕元にはティッシュペーパーのボックスと小さなバスケット。大げさな見た目の照明スイッチと有線放送の操作パネルは一部のボタンが虹色に光っていた。なぜこんな派手に光る必要があるのかはきっと今の僕が考えてもわからないだろう。それを除けばちょっとおしゃれな寝室のようにも見える。
「タイチくん、こっち来て?」
「う、うん……」
手招きされるままベッドに腰かけるこはねちゃんの横に移動する。しかしそのまま彼女は黙ってしまう。
彼女との沈黙という気まずさが調子を狂わせ、僕はいつの間にかおどけるようにこの部屋の感想を並べ立てていた。ベッドの存在感が大きいことを除けば想像とは程遠いものであり、なんだかもっと派手な色合いで卑猥な道具が鎮座しているような光景を考えていたのだ。それをこはねちゃんは黙って聴き、時折うんうんと頷く。どんなに早口になって彼女の名前を噛もうとも、それをバカにされることもなかった。
彼女の気遣いを嬉しく思うと同時に、数分前玄関で起きた出来事が脳裏でちらつく。もしかして今彼女が黙っているのは優しさではなくて、ラブホテルに初めて来た僕が口を噤む一瞬を待っているのではないか? 目を合わせてくれるのは隙を窺っているからではないか? それに気づいた瞬間恐怖がすべての感情を勝り、とにかく目についたものへ浅いコメントを繰り出すという選択肢を選んだ。クッションの色、うちつけられた窓格子、そんなどうでもいいことへ次々言及していく。
「っていうか、この部屋ちょっと薄暗くて見づらくない? こはねちゃん、足元気を付けてね?」
上半身をひねってまだ話題にしてないものを探す僕の視界に、枕元のバスケットがうつる。座った位置からは見えない中身へ手を伸ばすと小さな包みが数枚入っていた。ショッキングピンクとブラックでデザインされたビニールの包装。これは……おそらくコンドームだろう。というかよく見たら英字で小さくプリントされている。
ふと背後で衣擦れの音がした。おそらくこはねちゃんが覗き込んできているのだろう。背中に当たる胸のふくらみ自体はありがたいが、僕から観測できない場所にいるこはねちゃんは正直言って恐怖の対象でもある。決して動揺を悟られないよう、軽いスナップをきかせてコンドームの包みをバスケットへ放る。
「戻しちゃうの?」
主語もないはずの質問に、心臓が飛び出るかと思った。こはねちゃんは僕が何を手に取って、なぜノーコメントで戻したのかを見透かしている。その目的の根源は僕自身の腰振りで亀頭を出させたのと一緒……わかりきっているモノをあえて僕自身に応えさせることなのだろう。そこで隙を見せたから僕はあんな包茎煽りやチンカス指摘という仕打ちを受けた。それならば、僕の取るべき行動はひとつだ。
意を決し振り返った僕はしっかりと返事を紡ぐ。
「あぁ、さっきのはコンドームだよ。今は使わないでしょ?」
楽しいおしゃべりにもどろう。そんな意図を込めてこはねちゃんの隣に再度腰を落ち着けた。彼女はそれ以上無理に覗き込むこともなく、自然な動きで僕のひざに手を置く。チンカスを見られたあとだというのに僕はさりげないスキンシップひとつで唾を飲んでしまう。隙を見せてはいけないという結論のもと新たな話題を出そうとした瞬間、こはねちゃんはゆっくり体重をかけてきた。てっきりまた現実味のない攻め方をされるのではないかと怯えていた僕の身体はあっけなくシーツへ沈んでいく。
「こ、こはねちゃん?」
「タイチくんは使わないって言ってたけど……セックスするなら、必要だと思うよ」
「え!? そういう意味じゃ……」
自覚なき油断は言いよどむ返答に現れ、いつの間にか彼女を誘い込んでしまったらしい。するすると這う指がまた僕の衣服を剥ぎ、了承も待たずにパンツまでも取り上げる。
何か言う前に全裸にされた僕と、そんな僕が逃げることなどないと確信してゆっくり自分も脱衣を始める彼女。空調のきいた部屋であらわになっていく裸体はきめ細やかな肌に包まれていた。僕にとって縁がない故に興味をそそられるランジェリーは意外と乱雑に取り外され、ラブホテルのベッドで僕らは全裸になった。
こはねちゃんのおっぱいは決して大ぶりではないが、触れれば絶対に柔らかいだろうと感じさせるラインを誇っている。わずかに身動きしただけでふるふる揺れるてっぺんの乳首はほんの少しくすんだ色のブラウン。すべての女の子は乳首がピンク色だと思い込んでいた僕にはそれが衝撃的で、でもそれがものすごくエロく見えた。股間を見れば顔立ちから連想するような柔らかそうな陰毛が生えており、僕のちんぽを囲うものとはまったく別の毛質であることは一目瞭然だ。薄い肩から伸びる二の腕は今朝より細く見える。
ひとつひとつのパーツに見惚れてしまうほどこはねちゃんの身体は魅力的であり、同時に僕はこんなに少女然とした肉体を持つ彼女に逆らえないのだと嫌でも実感する。その感覚は甘やかすなどといった猶予ではなく、完全に支配された捕食者のそれだった。
「タイチくん、私とセックスしたい……?❤」
……質問にちんぽの角度で応えてしまったのが何よりの証拠だ。大人しく彼女の裸体を見て勃起させる僕には、そのちんぽを見せつけて蹂躙するという手法はもう今後一生とれないだろう。彼女の言葉を待ち、ただただ従う。女の子のことはリードしなきゃ、と寝る間すら惜しんでデートプランを立てていたあの感覚などとうに忘れてしまった。
ちんぽの跳ねを見届けた彼女はまったく迷いのない手つきでコンドームを僕のちんぽに被せる。そのままくるくると巻きおろし、位置や巻き込みがないかの微調整までこなした。これまで多くのちんぽに同じことをやってきたのだろう。ほんの少し胸の奥がチクリと痛むが、それはなぜか心地よくも感じた。
こはねちゃんはゆっくりと僕の上に跨り、勃起するちんぽの上で中腰になった。もちろん腰を突き上げて挿入を急かすような真似は許されない。焦る心情を必死におさえようとした結果、僕は童貞であることの告白を選んだ。初めてを貴女に捧げる、それほど惚れ込んでいるのだということを伝えたい一心だった。……それがさらなる支配と悦びを招くことになるとも知らずに。
「僕、僕、こういうの初めてで……!!」
「うん……だからお付き合いしたんだよ❤」
「……え」
「初めて会った日のタイチくん、ものすごく必死に告白してくれたでしょ? 女の子の都合とか、時間とかまったく考えない自分勝手な告白……でもまるで下心じゃなくて本当の私を見て惚れた、みたいな……童貞丸出しの告白」
「そ、そんなつもりじゃ……」
「告白以降も、お付き合いを始めてから今日の初デートまで……メッセージの既読もはやいし、寝る前にも電話したがるし……。今日もたくさんデートのプラン立ててくれたんだよね? ありがとう、とっても嬉しいよ❤」
こはねちゃんが僕のちんぽの上で腰を浮かせたまま楽しそうに語る。長く中腰をキープできるのは歌とダンスによる身体能力故か。瑞々しく光る汗を垂らしながら尻だけをたぷ❤たぷ❤と揺らす余裕っぷりだ。
一方、僕はちんぽ丸出しで先走りをコンドームの中の鈴口で膨らませ、生で見る女の子のまんこから目が離せなかった。騎乗位という体位故に暗くなってよくは見えないが、僕と違って柔らかそうな陰毛とその奥にうっすら割れ目が見える。顎から何かがぽたりと垂れる感触がして、そこで初めて自分の口からよだれが垂れていることに気付いた。慌てて口を閉じるも、それをずっと見ていたこはねちゃんがくすくす笑いながら手を伸ばす。
その行先はなんと僕の乳首だった。男なんだからそんなところを触られても何も感じない。本心からそう思っていたはずなのに、彼女の巧みな指使いの前に吐息を耐えることしかできなかった。明らかに手慣れたフェザータッチはやがて丸く切りそろえられた爪先での刺激に変わった。
――カリカリ……❤ カリカリ…❤
「タイチくん、乳首好きなの……?❤ すごいビンビンに勃ってて、はやく乳首シコって~❤ってアピールしてるよ❤❤❤」
「ちがう、ちがう……!!」
「うそつき❤」
――ギュゥウ~~~……ッ!!
ずっと優しく愛撫していたはずの指が乳首を強く摘まみ上げる。
「うッッグ……うぅ~……ッ!!❤❤❤」
決して痛みは感じさせない程の絶妙な力加減に、僕は顎を跳ね上げ歯を食いしばる。歯の隙間からは唸るような声が漏れ、脂汗が首筋を伝った。情けないことにコンドームを装着したままのちんぽはずっと勃起しているようだ。
一方、こはねちゃんは浮かせていたお尻を僕のおへその上に落とし、身悶えする僕へ寄り添うように身体を倒した。薄く小さなお腹越しに骨の感触が伝わってくる。その硬さに彼女が華奢な少女であることを思い出した。僕が腕を伸ばし突き飛ばせば容易に逃げ出せるだろう。しかし悲しいことに、力で訴えたところで僕が彼女を支配できるビジョンはまったく見えなかった。
観念する僕を見て何を思ったのか、こはねちゃんは僕から離れてしまう。肌が触れ合っていた面積が急激に冷え、僕はいつの間にか寂しさすら感じていた。証拠として、逃げ出したり彼女を押し倒すのではなく、次に彼女から与えられるものを期待し大人しく待機してしまっている。
そんな僕を見下ろしながら彼女は予想外の行動に出た。
――ぐいっ
小さく華奢な手のひらで僕の両足首を持ち上げたのだ。理解できない現状に足の筋肉が強張るが、黙って見つめてくる顔を見れば従う他ない。小柄な女の子に見下ろされるという状況ですら特異なものに感じるのに、今の僕はまるでおむつを変える赤子のように足首を掴まれ大股開きにされている。
やがて彼女は満足げに息を吐き、ちんぽを避けて再び僕に……より正確に言うならば仰向けのまま金玉を天井に向けさせられた僕の腰へ、和式便所に跨るかのように腰を落ち着けた。(性への関心がまだ初歩的だった僕はまだ知るよしもなかったが、性癖をこじらせた数年後この体位がちんぐり騎乗位と呼ばれていることを知った)
マウントをとられ、ちんぽもお尻の穴も丸出しというあまりの羞恥に思わず彼女へ手を伸ばすが、そんな行動は見透かしていたかのように避けられる。むしろ足首を掴まれたまま回避されたことで僕の下半身も大きく揺れ、ちんぽが跳ねるぺチンという情けない音が響いた。
「せ、せめて違う向きで……!!」
「私ね、男の子が初めてセックスする時の顔をこうやって見下ろすのが大好きなんだ……❤ 毎日毎日、おまんこに挿れたいよぉ~❤ってシコってたおちんちんがおまんこににゅるる~❤って食べられちゃう瞬間の顔……❤ 恥ずかしいのに気持ちよくって、私に見られてるからかっこつけたいのにだらしな~く❤とろけていっちゃうの……❤❤❤ やめて~❤とかやだやだ~❤とか頭振りながらおちんちんだけは大人しく勃起させてる恥ずかしい男の子、とっても可愛いと思うな……❤❤❤」
だからね……と囁きながらこはねちゃんが腰をゆっくり浮かせた。
「タイチくんのおちんちんもお尻の穴も丸見えの恥ずかしいポーズで、童貞卒業しちゃお……?❤❤❤」
――にゅる……❤
そしてそのままノールック挿入した。見えないままちんぽを襲う熱、ぬめり、刺激に僕のまぶたがひきつった。しかし僕の反応は彼女を喜ばせる為だけのものとして消費され、まん穴に当たる感触だけで勃起ちんぽを飲み込んでいく。それはただ奥へ誘い込むだけの段階であり、AVのようなピストン運動は行われていない。それでも熱い肉ヒダはコンドーム越しのちんぽを十分な程責め立てた。可愛い顔と華奢な体躯、そしてえげつない肉ヒダを持つ彼女は僕につき合わせた顔をニヤつかせる。
「おちんちん、挿っちゃった……❤ 身動きできなくて、自分より身長も小さい女の子にお股ぱっか~ん❤って開かれて、カッコ悪いね❤❤❤ ……でもタイチくんの"セックス"はもうこれが基準になっちゃったから……今後他の子を押し倒してかっこいいピストンしても、きっと比べちゃうことになるよ❤ 僕のセックス、初めてのお股丸見え童貞喪失より気持ちいのかな、って思い出しちゃう……❤ たくさん計画した初めてのデートで、恥ずかしいよ~❤こはねちゃんやめて~❤っておちんちんぷるぷるさせながらおまんこヒダの気持ちよさを知っちゃった今日のこと、ず~っと忘れられないね……❤❤❤」
「あ……❤ はぁ……ッ❤」
「こんなエッチな女の子、嫌いになっちゃう……?❤ もっと優しくて、タイチくんのことをかっこいいね❤って誉めてくれる女の子と付き合うようになるのかな……?❤ いつかそういう子とセックスするとき、あぁ僕は初めてのセックスで恥ずかしい恰好したんだ……って思い出してくれると嬉しいな❤❤❤」
逆光になってはいるが、こはねちゃんが上半身を屈めてくれているおかげで表情はよく見えていた。時折快感を耐えるように眉を寄せたと思えば、すぐにわざと唇を尖らせリップ音を鳴らす。まつ毛に縁取られた瞳は潤み、甘い吐息交じりの声で僕を追い詰めてくる。
「んっふ……❤ 恥ずかしがるタイチくん、可愛い……❤ もっとよく見せて?❤」
「こはねちゃん、こはねちゃん……ッ❤」
「そう、そのままこっち見ててね❤ おちんちんもちゃ~んと気持ちよくしてあげる……私のおまんこ、あったかくてぬるぬるでしょ?❤ 何もしなくてもおまんこヒダが勝手に……っぉ゛❤ 今みたいに勝手におちんちんはむはむしちゃうんだけど……きちんとピストンしたらもっと気持ちいよ?❤❤ 目、ず~っと合わせててくれるって約束してくれるならタイチくんのおちんちんを上から下までぜ~んぶおまんこヒダでシコシコしてあげるからね……❤❤❤」
既にまんヒダが吸い付く刺激だけで金玉を震わせていた僕にとって、彼女の要望はあまりにも魅力的だった。力任せにこくこくと頷く僕の腰をしっかりと跨ぎなおし、こはねちゃんはお尻を持ち上げた。
――にゅるる~……❤ とんっ❤ にゅるる~……❤ とんっ❤
「っふ……!❤ っふぅ……❤ あ゛~……まんこ、キク……❤ タイチくんのおちんちん、ちゃぁんと私のおまんことセックスしてるよ……❤❤❤ っぉお゛ぅ……❤ お尻の穴に金玉あたってくすぐったい❤❤❤ ふふ、それじゃあ次はちょっとペースあげちゃおうかな?❤❤」
――ぬっぽ!❤ ぬっぽ!❤ ぬっぽ!❤ ぬっぽ!❤
彼女の言葉通りピストンの速度が上がる。それに合わせて部屋に反響する水音はより粘着質になり、室温が上がっていく。
しかし、欲望を駆り立てられるままに僕が喉を晒し快感に浸った瞬間ピストンは減速するという罰まで与えられた。
「はっ!❤ はぁッ!!❤ こはねちゃんッッ❤ お願い、射精したいぃ……!!❤❤❤」
「だめだよタイチくん❤ ちゃんとこっち見て❤ タイチくんが私に恥ずかしい恰好させられてるセックス、忘れられないようにこっち見て?❤❤❤ 仰け反ってないで、ほらっ❤」
「無理、無理、無理……ッ!!❤❤❤」
「…………」
弱音を吐く姿に苛立ったのか、こはねちゃんは僕の両足首を持つ手を掴みなおす。その感覚にまずいと思ったが、もう遅かったようだ。
――ばすんッ!!❤❤❤
彼女は止まっていた腰をぬろろッ❤と持ち上げ、勢いよく一度だけ振り下ろした。減速した刺激でゆるゆると慣れさせられていたちんぽは突然与えらえた刺激に過去最大の性的快感を示してしまう。竿に這う血管が張りつめ、持ち主の意思などお構いなしで今この瞬間のセックスのためだけに血流を通わせているといっても過言ではなかった。
不意打ちにしては激しく、絶頂を釣るための餌にしては短いそれの続きを求め、ようやく僕は汗まみれの顔を必死にこはねちゃんへ向ける。彼女の膣ヒダが勝手に蠢くことで与えらえる快感に肩が跳ねるも、僕の意思は伝わったようだ。
「あは……❤ 偉いね、タイチくん❤❤❤ それじゃあ、このままおちんちんに気持ちいのたくさんあげるね……ッ!!❤❤」
――ぐりんっ❤ ぐりんっ❤
いい終えると同時に力任せとしか思えないような子宮口押し付けグラインドが行われ、コンドーム越しの亀頭がひしゃげるような感覚に僕は思わず雄たけびを上げてしまう。肉と肉が相手を押しつぶそうとし、持ち前の弾力で弾きあうその行為は少なくとも今日を初デートとして待ち合わせたカップルには相応しくないだろう。しかしその快感を与えるのも、与えられるのもこの二人が決めること。あくまで与える側として翻弄していた彼女の顔もやがて快楽に歪み、結合部から上り詰める快感に唇を尖らせていく。それはアイスキャンディーでの疑似フェラなどで見せた『媚び』ではなく、身体の内側で処理しきれなくなった結果漏れ出てしまった表情だった。
「うぉ゛……❤❤❤ おちんちん、刺さる……ッ!!❤ 下がった子宮口で童貞ちんぽ喰い散らすのやめらんない……ッ!!❤❤❤ まんこほじりたいくせにカッコつけてる男のケツ穴丸見えセックス……んっぎもぢいぃ~……❤❤❤ っほッ❤ ほッ❤」
「こはね、こはねちゃん……ッ!!❤❤❤ まんこぬるぬるですごい……ッ❤ だ、出したい、出したい~……ッ!!❤❤」
「っふ~……ッ!!❤❤❤ タイチくん、それじゃあ……私が数字を数えて、ゼロになったらだしてね……❤❤ ゼロより前に出してもダメだし、ゼロになってからまだ出ない~っていうのも、なしだよッ?❤❤」
「わかった!!❤ はやくっはやく数えてッ!!❤❤❤」
「…………」
――バスバスバスバス!!❤
「さぁ~ん……❤ っふーッ!!❤ っふーッ!!❤ 命令しないでくれる? タイチくん……❤」
乱雑なピストンとともにカウントダウンとお叱りを受け、僕は必死に謝罪の言葉を並べた。思いつく限りのそれはすぐに尽きてしまったが、こはねちゃんは満足したようだ。
――ドスッ!❤ ドスッ!❤ ドスッ!❤
「にぃ~……ッ❤❤ んっほ…ッやっべまんこイキそ……ッ!!❤ あ゛ぁ~まんヒダでカリはむるの止まんない……!!❤❤」
――ばちん!!❤❤❤ ばちん!!❤❤❤ ばちん!!❤❤❤
「いぃ~ちぃ……ッ!❤❤❤ タイチくんの金玉あがってすっごい私のお尻にべちべち当たってるよぉ……ッ!!❤❤❤」
そして、ついにその時がやってきた。見つめあいながら粘膜を擦り付け、僕らは全身から汗を撒き散らす。シーツは既にしわくちゃになり、とっくに寝具としての役割を果たせない有様だ。
しかし僕たちにとって一番重要なのは汗の量でもシーツの無事でもない。
「お゛ッ❤ お゛ッ!❤ ぉお゛やっべイグイグイッッ……グッ!!❤❤❤ ゼロッ!!❤❤❤ ゼロゼロゼロゼロッ!!❤❤❤ 出してッ!❤ おちんちんからザーメン出せ出せ出せッ!!❤❤❤」
――びゅ~~ッ!!❤❤❤ びゅるるッ!!❤❤❤ びゅッ!!❤❤❤
絶頂による緊張で膝を踏ん張るこはねちゃんと、限界から解き放たれた悦びに股間を震わせる僕。まんヒダを味わう為のピストンとは違って結合部をめちゃくちゃに押し付けあう感覚を味わいながら僕は射精する。足がガクガクと震えるが、身体は金玉に詰まった精液を思い切りコンドームへ吐き出すことを優先した。燃えるように熱い下腹部からぬちぬちと音を立てながら呼吸を繰り返せば、やがて胸を突き破らんばかりだった鼓動は平常へ戻ろうとする。
「はぁ……❤❤❤ はぁッ……❤❤❤」
ここまで優位に立っていたこはねちゃんも流石にベッドに横たわり、天井を見上げ胸を上下させた。汗で張り付いた髪からは甘酸っぱい香りがする。
そんな彼女とは裏腹にずっと足をあげさせられていた僕は間接にわずかな痛みを感じた。労わるようにさすっていると、心配そうな彼女と目が合う。大丈夫だと身振りで伝えようとするもちょうどよく……いや、この場合はタイミング悪くか、足首のあたりから小気味いい音がなった。飛び起きて僕の足首をさするこはねちゃんを断ることはやはりできなくて、僕はされるがままを選ぶことにした。