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乳魔のあまあま酷厳禁錮拷問牢獄 (Pixiv Fanbox)

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怯えたような荒い息と、乾いた石畳に響く足音。

ただそれだけが反響する狭い廊下には、幾つかの人影が見えた。

まず目につくのは、身の丈が2mを悠々と超えるほどの、軍服を着た二人の大女だ。

腰に提げたサーベル、そして胸元の勲章。

そして、精悍な軍帽が似合う、鋭く冷たい目つき。

その立ち居振る舞いや格好は、誰がどう見ても、まさに冷徹な兵士そのものと言えるだろう。

しかし、その体格はと言えば──おおよそ、軍人と呼べるものではなかった。

見るも淫らに膨らんだ、下品なまでのド爆乳と、いかにも脂肪のまろみを帯びた、安産型に肥えて雄を誘う巨尻。

抱かれるためだけにこさえたかのような、むっちりとだらしなく娼婦じみて肉の乗った、けれど雌らしい魅力を損なわない艶のある腹に、ニーハイソックスの薄い生地を破らんばかりにいじめ抜く、プリンの如くはみ出しまくった脂肪だらけの艶々むちむちな太もも。

鍛えて引き締まった筋肉など一切存在せず、ただただ男を欲情させ、ペニスを極楽に導くためだけに存在する淫肉だけが、彼女らの肢体には刻みついている。

しかし、なまじ顔だけは冷徹なのが、かえって一層、彼女らの下劣なまでに強調されたエロスを引き立てていた。

そんな二人の女性の間に居るのは、彼女らの体躯の半分ほどしかない、小さな少年だ。

彼は、両手を二人に繋がれ、引っ張られるかのように歩いている。

その微笑ましさすらある様子から見れば、その少年は彼女らの弟か何かかと思うかもしれないが──しかし、その他全ての要素が、その可能性を否定する。

少年は、縛られていた。

目は黒い布で塞がれ、口にはギャグボールを嵌められて。

両手は彼女らに掴まれて、逃げようにも逃げられない。

身体には服すらも着せてもらえず、恥部を隠すことすらも許されない。

その少年の立場は──捕虜であった。

こつ、こつ、と。

延々と、それこそ少年にとっては永遠にすら思えるほどに、視界を奪われたまま、歩かせられる。

少年にとっては知り得ないことだが、その石でできた廊下は、光が一切届かないためひどく薄暗い。

そして、普段は通路への入り口が閉じきられているからか、寒気がするほど空気が冷えて、いやにじめじめと湿っていた。

ゆらゆらと妖しく揺れる松明の火だけを頼りに、彼女らは進む。

その所々には、簡素ながらも頑丈な、太い鉄でできた檻がそびえている。

人間の力では、その中に入れられてしまえば、いかに屈強な戦士や勇者であろうとも、素手で無理矢理脱出するのはどう考えても不可能だろう。

──あぁぁぁ……!!!♡♡♡

──ひぃ……♡♡♡やめっ……!!!♡♡♡

──いやだ、だれか、たすっ……♡♡♡

そんな檻の中からは、無数の哀れな犠牲者の声が、絶え間なく上げられ続けている。

深くくぐもった、苦痛とも快感ともつかない、蕩けたような情けない声。

つまるところ、この場所は──人間を収容しておくための、地下牢だった。

それも、敵対する魔族の欲のはけ口となるべく、捕らえられた人間が拷問を受け続ける、あまりにもおぞましい、地獄。

そんな中を、目隠しされたまま、強制的に奥へ奥へと連れて行かれるのは、どれほどの恐怖だろうか。

何の罪も犯していないのに、恐怖と苦痛だけが存在する監獄に、無慈悲に押し込められる。

そして、いつ助けが来るかも分からないまま、もしかすると死ぬまで、隣で自分を押さえつける魔族にいたぶられなければならない。

少年は、幼いながらも、ある種本能的に、自分の置かれている立場を理解していた。

成人にすら到底届かない、育ち盛りの小さな少年にとっては、今にも大声を上げて泣き出したいほどの絶望だろう。

けれど、それすらも、彼女らは許してはくれない。

涙は目隠しの布に全て染みこんで、声は口枷の隙間から、ただ嗚咽として小さく漏れるだけだ。

そんな不条理な現実に、少年はとうとう心が折れ、歩むのをやめてしまった。

「……止まるな、きびきび歩け」

けれど、奴隷未満の捕虜に、そんな権利があるはずがない。

体中が小刻みに震え、足が前に進まない少年の腕を、女はくいと小さく引っ張る。

少年は、転びそうになりながらも、よたよたと足を前に動かした。

「……こんな情けない男が、まさか勇者だとは、到底思えんがな」

苛立ったような低いハスキーボイスで、彼女は小さく吐き捨てる。

その声は、異常なまでに耳心地がよく、一度でも聞いたら、粘着質なまでに脳にこびりつき離れない。

強制的に人間を虜にし、安心させ、麻薬でも摂取したかのような心酔を引き起こす。

それが、例え人間にとっては聞きたくもない罵倒だったとしても。

──淫魔。

農村生まれの小さな男の子でも、その名は知っている。

それほどに、その魔物の脅威は大きくて──そして、雄である少年にとっては、一度聞いたら絶対に忘れられないほど、衝撃的なものだった。

「そう言うな。可能性の芽は、潰せるうちに潰した方が、我々にとっても安心だろう」

左右から、脳を直に揺さぶるかのような、強烈に甘い声が聞こえる。

その言葉は、会話の内容から察するに、決して自分に向けられたものではないのだろう。

そう知っていながらも、男の子は──腰の奥から、ぞくぞくと、脱力感とも虚脱感ともつかない感覚を湧き上がらせてしまう。

それは、男の子にとっては全く未知の感覚であった。

彼は、まだ精通も経験していなかったため、性的興奮や快感といったものがわからなかったのだ。

少年は、がくりと腰が砕け、倒れ込んでしまいそうになるのを、何とか踏みとどまる。

彼女らに迷惑をかけたなら、きっと罰として、鞭打ちやら何やらの拷問を受けることになるのだろう。

恐怖感からそう思っての、極めて理性的な判断だった。

「……ちっ、鬱陶しい」

しかし、かえってそれが、目の前の魔族には苛立ちの原因となってしまったらしい。

いかにも不機嫌そうに舌打ちをして、女は──ぐいと、空箱でも持ち上げるかのように、軽々しく。

所謂お姫様抱っこの体勢で、ひょいと少年の身体を持ち上げた。

少年は、突然ふわりと身体が持ち上げられる感覚を覚え、困惑する。

それと同時に、身動きが取れず、一切の抵抗ができない状態になったことに、ひどく怯えて息をのんだ。

このまま、地面にたたきつけられたら。

あるいは、全身を掴まれたまま、四肢を折られたりなんてことも。

少年の頭の中で、恐ろしい想像ばかりが、ぐるぐると巡る。

数秒後、あるいは一分後。

目隠しがしてあるため、その苦痛がいつ来るのかが全く予知できず、嘔吐感すらこみ上げてくるほどに、ただただ恐ろしい。

しかし、それでも、身体をじっと縮こまらせ、これから来る苦痛に備えて、目隠しの下で、ぎゅっと目をつぶった。

「全く、情けのない……」

「ああ、本当に、苛立つな……」

──しかし、来るはずだった苦痛は、待てども待てどもやってこない。

彼女らはただ、文句をたれながらも、足が竦み、腰が砕けて動けない少年の身体を運んでいただけだった。

少年は、不可思議な心地を覚えた。

自分を抱える魔族の手つきが、いやに優しく、そして懐かしかったからだ。

思えば、さっき足が止まって自分の腕を引っ張られた時も、やけに優しさを感じた気がする。

それは、例えるなら、散歩している犬のリードを軽く引いて合図を出すような、必要最低限の動きと言うのだろうか。

「人間への拷問というのは、実に嫌になる……。特にガキが相手など、最悪だ」

「全くもって同意だな。これほどに弱く、小さく、矮小で虚弱な生物の世話など……気が触れてしまいそうだ」

少年は、深く困惑していた。

頭上で聞こえる会話は、あくまでもため息交じりの低いトーンで、呆れたような腹を立てたような、少なくとも好意的なニュアンスが含まれたものではない。

しかし、彼女らが自分を運ぶ手つきと言えば、母親に抱っこされた時を思い出すような、ひどく優しいもので。

そもそも、彼女らは体格も巨人のように大柄で、特に足の長さの比率なんて、村一番の長身だった木こりのおじさんよりもずっとずっと長い。

だから、考えてみれば、これまでずっと、歩くペースも合わせてくれていたという事になる。

ぐるぐる、ぐるぐると、そんなことを考えているうちに、頭の中がこんがらがっていく。

本当に、この人たちは、僕を傷つけようと思っているのだろうか。

本当に、僕は今から──拷問をされるのだろうか。

──きぃ。

思考の海から引き上げるかの如く、蝶番が鳴く音がする。

それと同時に、石廊に漂っていた、じめじめとした嫌な湿気と、どことないかび臭さが消えた。

おそらく、廊下とは切り離された、別の部屋──つまるところ、僕を収容しておくための牢獄に入ったのだろう。

がちゃ、り。

そう察するのも束の間、背後で重たそうに閂が閉まる音を聞く。

その重そうな反響音を聞くに、きっと僕なんかの筋力では、例え鍵が開いていたとしても、その門を開けることは不可能だろう。

ますます、僕がここから脱出することは絶望的に思えた。

とさり。

優しく、地面に下ろされる。

床の感触は、先程の石畳のものとは違い、少し柔らかい。

何か、動物の毛のようなものだろうか。

そんなことを思い、たふたふと足踏みをしていると、横から声をかけられた。

「おい……動くな。枷を外してやる」

相変わらずの、冷酷な声色。

しかし、どうしてか、今の僕には、それが優しげなものに聞こえてしまう。

それは、魔族である彼女の、人の理を超えて魅力的な、人間に強制的に安心感を与えてしまう、甘い声のゆらぎのせいだろうか。

とにかく、少年は、その声に逆らう気は一切起きず、親にパジャマを着替えさせてもらう幼子のように、魔族の手を甘んじて受け入れた。

「……はぁ、警戒心のない奴め」

その仕草に、彼女らは忌々しげにため息を吐く。

けれど、その手つきが荒々しく乱暴なものに変わることはない。

むしろ、赤ん坊の柔肌を傷つけないようにするかの如く、ただただ優しくいたわるような、甘やかす動きになってゆく。

「少しは抵抗するなりしてみたらどうだ、愚図め……」

ぴく、と身体が震える。

心から呆れたような声に、少しばかりの諦念を感じて、彼女らの言うとおりにしてみようかと、そんなことがふと頭を過ったからだ。

しかし、彼女らは紛れもない人類の敵であり、自分にとっても恐ろしい拷問官であるはずであり、そんな奴らの言葉に従うのもおかしいだろうか。

そう考え、結局は自分の心に素直になることにして──最終的に、彼女らに身を預けるという、ちぐはぐな結果になってしまった。

「……はぁ、愚か者も極まると、いっそ清々しいな」

そんな僕の心の中を、彼女らが知っていたかは分からない。

しかし、少なくとも結果として、僕は侵略者であるはずの魔族に罵倒されてまでも、その手を払いのけようとすらしなかったのは事実だ。

故に、彼女らは呆れ果てて、さっさと拷問に移る──でもなく、ぱさりと枷と目隠しを外し、僕の身体を自由にした。

──あっ……♡♡♡

その時初めて、僕は、彼女らの姿を見ることができた。

そして、それと同時に──僕は、犬になる心地を覚えた。

自分よりも圧倒的に上位の存在に平伏し、媚びを売るように尻尾を振り、喜んで足の指を舐めしゃぶる、犬。

僕は、彼女らの姿を見た瞬間に、今まで人間として生きていた事すらも忘れてしまう衝撃と共に、自分がなぜ生を受けたのかを理解したのだ。

「何だ、その顔は……」

「涎を垂らすな、舌をしまえ、駄犬」

ずいと、二人──いや、二つの人ではない存在が、顔を近づけた。

その瞬間、少年が感じたのは、心の底から感動と興奮と──ともかく、意識の全てが彼女らへの恋慕に埋まり尽くしてしまうほどの、凄まじい感覚。

そして、ふわりとした雌の香り──甘ったるい、練乳なんかよりもずっと甘ったるい、なおかつ生クリームよりもずっと濃厚で、バターのように乳脂肪感たっぷりの、ひどくペニスがいきり立つ匂い──を嗅いだ瞬間。

──ぴゅっ♡♡♡ぴゅるっ……♡♡♡

精通した。

甘く、情け無く、漏れるような精通だった。

少年は、不幸なことに、女性への耐性が欠落していた。

屈強な男ばかりで、若い女性の少ない田舎の村に暮らしていたからだ。

故に、いきなり乳魔という存在を見せつけられて、そのあまりの色香、フェロモンに耐えきれなかったのだ。

少年は、ひどく恐れおののいた。

その感覚が、快感だということを知らなかったからだ。

腰が溶け、脳内の全てが「すき♡♡♡」で埋め尽くされ、意識が遠くなることの正体が「キモチイイ」だとは、まさか夢にも思わない。

むしろ、それは脳みそを真っ白に染めて腑抜けにする、言わば洗脳とか精神破壊のようなものだと直感的に思ってしまったため──実際のところ、その解釈も間違っているとは言えないのだが──幼い少年はぽろぽろ泣き出してしまう。

「「…………」」

なにしろ、少年は、初恋すらまだだった。

そのため、それよりも比べものにならないほど濃い、絶対的な崇拝にも近い恋慕感を植え付けられては、困惑する他はない。

むしろ、その強すぎる感情は、同時に強い怯えを引き起こす。

けれど、それども、恐ろしいのは自分の中の衝動ばかりで、魔族である彼女に対しては、恐怖や嫌悪を向けることはできなかった。

なぜなら、彼女らは、あまりにも美しすぎた。

敵対視するには、あまりにも、魅力的すぎたのだ。

じっとりと、小さな虫でも見るかのような、取るに足らないものを見る目線。

怜悧に切れた目線は、軍帽に少し隠れて、理知的ながらも強く鋭い、刀の鈍色を思わせる色艶を持つ。

それに加え、鼻梁はすらりとスマートに立ちそびえ、優れすぎた顔立ちの芯を形取り、雄の心を捕らえて放さない。

そして、そのくせ、ぷっくりとパールピンクに艶めくリップは、目鼻のシャープな筋立ちと反して、いかにもむっちりと柔らかそう。

少年は、性知識など欠片も持ち合わせていないくせに、その性器じみて豊満な唇に、むちゅりむちゅりと吸い付かれる妄想に耽り、とめどなく勃起を固くしてしまう。

それほどに、その顔立ちは、淫魔そのものだった。

「「…………」」

顔だけでそうなのだから、その肉体については──最早、語るまでもない。

ただ、一言で表すなら、それは性の悦楽そのもの。

雌肉、駄肉、媚肉、その極地。

それが、抱きつき、沈み、溺れ、雄から全てを奪い尽くすためのものである事は、きっと物心もつかない幼子であっても理解できるだろう。

そんな、恐ろしいまでの魅力の前に、少年はただ跪く。

そして、村で人づてに聞きかじった淫魔という存在への情報──ただひたすらに美人でえっちな女性であるというというもの──に対し、認識を改めた。

──淫魔は、恐ろしい怪物だ。

こんなのに襲われたら、人間なんて全員おしまいだ。

だくだくと、我慢汁とも精液ともつかない液体を垂れ流し、みっともなく地べたに這いながら、少年は恐怖した。

「……気が、済んだか」

彼女らの姿にばかり気をとられていたが、自分が今座っていたのは、ふわふわのカーペットらしい。

こんな代物は、田舎の村では到底お目にかかることすらできない。

きっと、これは相当な贅沢品であるに違いない。

けれど、少年は、それを自分の汚らしいおしっこ──その液体は精液であったが、少年はそのことを知らない。しかし、どちらにしろ汚い体液である事には違いない──で汚してしまったことに、鳥肌が立つほどぞっとする。

それは、彼女らにお仕置きとして、鞭か何かで痛めつけられることを想像したからではない。ただ純粋に、彼女らに嫌われる、軽蔑されると思ったからだ。

それほどに、少年は虜になっていた。

「堪え性のない、本当にどうしようもない奴め……」

──けれど、二人は動じることはなく、先程と同じ目を向ける。

冷たくて、褪めていて、蔑むような、侮るような。

しかし少しだけ、どこか優しくて、熱っぽくて、甘い目線。

それは決して、親愛や友愛の情を持った相手に向けるようなものではない。

けれど、その内に篭もった意思が殺意や敵意であるとは、どうしても少年には思えなかった。

「こんな奴、我等が拷問を行うまでもないであろうに……」

二人はじっと、ただ這いつくばる少年を眺めていた。

その瞳には、何やら抑えつけたような感情が見え隠れしていたが、少年がそれに気づくことはない。

「しかし、規則は規則だ。仕方あるまい」

そっと、少年は抱き起こされる。

既にその手つきは、優しさを隠しきれていない。

彼女らの乳魔としての本能は、目の前の無力な少年を、どうしようもなく至高の餌と見定めていた。

「……ああ、本当に、重ね重ね、嫌になるな」

乳魔は、苦虫を噛み潰したかのように、深く顔を顰める。

心から嫌気が差した様子で、少年からは一切目を離さずに。

「乳魔として、こんな……どう考えたって虚弱で、幼く、庇護されるべき弱者など……」

「甘ったれの弱虫であることを、行動でも姿形でも、一切隠そうともしない、愚鈍なのろまなど……」

深く深く、ため息を吐いて。

そうしてから、ぞっとするほど艶めかしく震えた声で、呟いた。

「「甘やかしたくて、甘やかしたくて、仕方がなくなってしまうに決まっている……」」

甘い甘い、砂糖菓子のような声。

ふわふわのパンケーキにシロップが染みこむかのように、痺れるような鋭い甘みが、脳内にじゅわりと広がる。

少年は、またも、体中に広がる甘すぎる感覚に、腰を大きく震わせる。

それにより、思わず放心してしまい、半開きになった口元からは涎を無意識に一滴垂らし──その雫は、乳魔の華々しい軍服の袖で拭われた。

その目つきは、まさに──超絶ブラコンお姉ちゃんと、その最愛の弟くん。

それでいて、幼子を溺愛する血の繋がらないママであり、思うがままお世話をされる可愛い彼氏赤ちゃんでもある。

つまるところ、彼女らは──庇護対象として、少年を甘やかしに甘やかす準備が、心の中ではすっかり整っていた。

ただそれを、今までは押し殺して隠し通し、努めて冷酷に振る舞っていたに過ぎない。

それは、今や少年にも、何となくではあるが、理解されつつある。

しかし、乳魔である彼女らが、その本能をここまで表に出さなかったという事が、どれほど強靱な精神力が必要で、針の穴にラクダを通すほど困難であるかという事は、少年にとっては知る由もない。

もしかすると、その瞳の奥にある、ミルク色にどろりと揺らめいたものを見れば、少しばかりはそれを察することができ、その愛欲や庇護欲のあまりの深さに、恐怖を抱くことができた可能性はある。

しかし、幸か不幸か、少年は今や彼女らの柔らかな肢体にばかり目を向けていたため、それを見ることはなかった。

二人の乳魔は、至近距離で、少年の顔をじっと眺める。

少年は、たったそれだけの事で、またも心の中が乳魔への恋心で染め上げられるのを感じた。それは、例えるならば、二度も三度も連続で、鮮烈な一目惚れをさせられているような心地。麻薬じみた中毒感と多幸感にあふれたそれは、まだまだ幼い男の子には、到底受け入れられるものではない。

そして、年頃の子供特有な、やれ魔族になんて屈しないぞとか、やれいつかはギャフンと言わせてやるぞとか、言ってしまえば状況を正しく理解できていない、無謀なまでに勝ち気な心はどこへやら。

少年は、呆けたような、だらしのない顔を晒す。

ほんの数分も前までは、目の前の魔族に対して、強い恐怖と敵対心を持っていたにも関わらず──今の表情といえば、腑抜けそのもの。

それを見て、二人の乳魔は──やはり忌々しげに、美しい富士額に深く皺を寄せた。

そうして、いかにも不愉快そうにしながらも──すらりと長い白魚のような指は、不意に少年の頬を撫でつける。

優しく、愛おしく、最愛の恋人にするように、あるいは愛してやまない愛猫にするように。

二度、三度と撫でつけ──すぐに、意識を取り戻したかのように、腕を引っ込めた。

「はあ……全く、この愚図め……。大方、媚びているという自覚も無いのだろうが……」

じっと、自分の手を見つめる乳魔。

未だ名残惜しそうに、指を中空でわきわきと、顎下を擽るように動かしている。

「もう、いいだろう。とっとと拷問を始めるぞ。でなければ……我々も、我慢が効かなくなる」

もう一人の乳魔も、腕を組みながらそう吐き捨てるが──しかし、目線は少年の顔へと釘付けになっていた。

つまるところ、二人の思惑は、同じ。

少年は、大きく身体を震わせ、息を吐いた。

恍惚、興奮、それから期待。

今から行われる、その拷問とやらの詳細は知らないが──しかし、きっと。

身も心も、どろどろに蕩けきるほどの、何かが、今から。

しゅるり、ぱさり。

ぱちん、かちゃん。

──そして、その予感は、じきに確信へと変わってゆく。

大仰な装飾や、やたらと頑丈そうなボタンを付けた、豪奢な軍服に、乳魔は手をかけ始めたのだ。

少年の暮らしていた故郷の村では、一生分の稼ぎを貯蓄に回したって、到底手の届かないような、金ぴかに輝く飾りが映える服。

それを見るだけで、人間と魔族の豊かさの差など一目瞭然であり──それを理解できる賢さを持った大人は、それだけで、そもそもこの戦争が無理な戦いだったと悟るのだろう。

しかし、まだ一桁のかけ算や割り算のやり方も知らない少年には、そんな事は理解できない。ただ、豪勢で落ち着いた居心地のよい寝室のような場所──少年にとって、そこは想像もつかないほどの、夢にも見る巨大なお城の中にすら思えていた──の中で。

恐ろしいほど綺麗でえっちで、贅沢な服を着ているから、多分とってもお金持ちなお姉さん二人が、具体的には分からないけど、何かいいことをしてくれる。

ただ、それだけしか、分からない。

少年には、これが──願ってもないような、極限の幸運であるとしか理解できなかった。

ぱさり。

かっちりとした、物理的にも精神的にもお硬い軍服の下から、究極的なまでの柔らかさがまろび出る。

そのあまりの光景に、少年は思わず目を自分の手で覆った。

──うわ、うわ……♡♡♡

ばくばくと、鼓動がうるさく鳴り響く。

あまりにも、極上の、女体。

シルクのようにキメ細かく、シミ一つ無い、わたあめのような、あるいはできたてのモッツァレラのような、すべっすべで、もっちもちな。

それを見て少年は、自分の生まれ育った村の、最も美人なお姉さんのことを思い出した。

目の前の二人に比べれば──あんなの、はっきり言って、猿も同然だ、と。

ここで断りを入れておくと、その村の女性は、確かに美女であったことは間違いない。

むしろ、毎日茶摘みなどをして、自らの肌のケアをする暇もなかったことを鑑みれば、その女性は奇跡的なほどの美女だと言えただろう。

しかし、それでも。

目の前の、下着とシャツだけになった、二人の乳魔と比べたら。

あんなものの、何を美しいと思っていたのかすら、少年は思い出せない。

それほど、残酷なまでに、乳魔とは、完璧に美しい生き物だったのだ。

──村の貧相な体格をした女性とは、一線を画した、豊満に熟れた女体。

そして、もっちりと、見るからに潤いに満ちた、雌肉。

手を沿わせれば、きっとむちゅりと吸い付いて、極上の弾力とハリを返してくれるに違いない。

──抱きたい。

両手をいっぱいに広げて、めいっぱいの力を込めて、ぎゅうううぅぅぅ~~~っ……♡♡♡と。

そうすれば、どれほど気持ちいいだろうか。

どれほど、満たされるだろうか。

──などと、性知識の一つも、ましてや性経験の一つもない、小さな少年ですらも。

その太ももの艶めきと照りを見て、直感的にそう確信したのだ。

その感触の気色良さは、最早疑うところなど、一つも無い。

「……よく、見ておけ」

そして、最後の薄布に、二人はとうとう手をかける。

右側からは、ぷち、と。

左側からは、はら、と。

ホックを外す細やかな音と、パンティが宙にはためく小さな音。

「これが、貴様を……」

そして、その音が、また左右逆に聞こえた時。

二人の生まれたままの姿が、とうとう少年に晒された。

「地獄へと、叩き落とす身体だ……」

──女神。

少年は、咄嗟に、そんな単語を思い出す。

そして、少年は──またも、腰を抜かして、射精した。

いや、それは、射精と言うよりは、排泄にも近い。

どぽっ♡どぽっ♡と、重たげな音を立てながら、絶え間なく。

摘まめるほどの特濃精液を、異常に稼働した精巣から、長々とひり出し続ける。

何故ならば、その肉体は。

あまりにも、度を超えて、常軌を逸して──下品すぎた。

体格差の事もあり、自分の頭よりもずっと大きな、どたぷんおっぱい。

重力に従って、てろりと零れるように垂れながら、ゼリーのように一定の弾力を持って、ふよんと美麗な形を保つ。

そして、性の象徴とも言える、極度のデカケツ。

むっちりぱつんと、媚肉がありったけ詰まった様相を見せながら、物欲しげなS字曲線を描いて、雄に交尾をせがんでいる。

それらの、あまりの卑猥さは、性行為について知らない少年ですらも──孕ませる、絶対種付けする、子宮にありったけ射精し倒す、と、そう本能的に思わせるほど。

それほどに、背筋が震え上がり、睾丸がきゅっと持ち上がって種付けの準備をしてしまうほどに。

乳魔の身体は、淫らそのもの。

人間を堕落させ、思考も意思も奪い尽くし、死ぬまで精を啜り尽くして、養分とする──という、伝承の通りの姿。

そして、実際にその淫肉の数々を目の当たりにした少年にとっては、それを上回るほどに。

邪悪なまでに、凄まじく。

──淫靡、淫蕩。

それ、そのものだった。

「ふん……。我々の裸体を見ただけで、その有様か」

今や、少年の股間の側では、白濁液が水たまりになっている。

ぴゅくん、ぴくん、とペニスを一生懸命勃起させ、何か神聖なものでも見るかのように、乳魔に見惚れている少年は、きっと既に正気ではないのだろう。

単純に、乳魔のあまりの魅力に、最早テコでも動かせないほど心を囚われて、自ら望んで奴隷になるまで堕ちたか。

あるいは、乳魔が常に振りまく魅了の魔力に罹り、乳魔の言いなり人形に身をやつしたか。

そして、少年が最も不運であったなら──その、両方か。

とはいえ、そのうちのどれであろうと、末路は一つのみ。

乳魔に一生弄ばれ続ける、哀れな畜生に堕ちるだけであるから、大して変わりはしないのだろうが。

「当然だろう。女を知り尽くした遊び人でも、我等の身体を見て、漏らさぬ男は一人として居ない。それがガキなら、尚更だ」

ぽふり。

柔らかなカーペットの上に、乳魔が正座をして座る。

もっちりと、床の上に太ももが潰れ、左右に肉がはみ出す姿は、雄にとっては垂涎ものの光景だ。

「それも、そうだな……。しかし、哀れなものだ」

その体勢のまま、乳魔は動かない。

まんじりともせず、ただ冷ややかな目で、武器や拷問具など持つはずもなく。

「それでは、今から行う搾精が……永遠の苦痛にも、思えるだろうに」

静かに──ぽん、ぽん、と。

膝枕を誘うかのように、乳魔は、膝をゆったりと叩く。

「では……来い」

──おいで。

乳魔っから与えられた、冷酷な、拷問開始の合図。

しかしそれは、壮絶なまでの甘やかしの合図に他ならない。

それは、少年にとっても、十分理解できる事だった。

だからこそ──少年にとっては、それが不可解でならない。

それの、何が苦痛なものか。

その、むっちむちの膝の上──この世で最も、それこそ大国の玉座よりもずっとずっと心地よい、極楽の雌肉安楽椅子に座らせられることの、一体何が。

少年は、突如として与えられた無上の"ご褒美"へと、無我夢中で飛びつこうとする。

目の前に広がる、一畳の広さもない、狭い雌肉天国──乳魔の膝の上へと。

しかし──脚が、動かない。

すっかり腰が射精狂いになり、四肢としてはちっとも使い物にならなくなっていたからだろうか。

あるいは──本能が、その偽りの楽園の危険性を、理解していたからだろうか。

「……何だ、まだ抵抗する気か。ちんぽでしか物事を考えられない猿かと思っていたが、存外目敏いところもあるものだな……」

耳のすぐ後ろから、風鈴が鳴るような、冷たく美麗な声がする。

脳に直接すり込まれるほどすぐ近くからの声に、少年はびくりと背中を震わせて、呼吸を浅くしながら興奮を高める。

息も絶え絶えとは、まさにこの事を指すのだろう。

少年は、痛いほど心臓を跳ねさせて、痛いほどペニスを勃起させる。

しかし、目の前の、ゆさゆさ揺れるデカパイに甘えることも、溢れかえるほど雌肉に満ちた太ももに縋り付くことも、無防備に開かれた甘酸っぱい雌臭むんむんの股ぐらに倒れ込むことも、脚が動かず、故に叶わない。

少年は、今にも泣き出してしまいそうだった。

その感情は、例えるなら、一日中砂漠で迷い続けた果てに、目の前にオアシスを見つけたが、しかし力尽きて、あと一歩進めば水が好きなだけ飲めるのに、日照りに焼かれるのを待つしかないような。

そんな、気が狂いそうな渇望が、少年に襲いかかる。

もしかすると、これが拷問なのかもしれないと、少年はふと思った。

このまま、極上の女体を前にして、ただそれを見つめることしかできないのだろうか。

──嫌だ、ハグしてほしい、ぎゅうっと抱きつきたい。

そう願って、願って、とうとう泣きじゃくりそうになって。

そして、その願いは──他でもない、乳魔によって、叶えられる。

「はぁ……。全く、このガキは、どこまで我等を……」

「よせ、無理もない……。元々、こいつは子供なのだ。だから、乳魔の魔力で赤ちゃん返りするのも早いのだろう」

ひょいと、赤子でも抱くかのように軽々と。

後ろから、乳魔の手が、少年を持ち上げる。

まるで、本当に赤子を持ち上げているかのような、優しげな手つきと慈愛の目線。

そして、本当に赤子をこれから可愛がるかのような、目の前の乳魔の細められた瞳と落ち着いた呼吸。

「喜べ……。今から、貴様の望み通りにしてやろう」

むにゅり。

そのまま、尻から乳魔の膝の上に置かれ、対面させられる。

その身長差は、まさに赤子と母親か、あるいは人間と小さなぬいぐるみか。

「それが、拷問であり……処刑だ」

むちり。

乳魔の手による支えがなくなり、少年の体重が、全て乳魔の太ももにかかる。

その瞬間──腰が、ぬかるみに沈むような錯覚を覚える。

暖かで柔らかな、雌肉の沼。

ふわふわでむっちむちな、雌らしいまろみのある、霜降りの肉感。

それが、瞬間的に押し寄せて、少年は。

思わず、前のめりにバランスを崩して──

──む、ぎゅう……♡♡♡

「愚図め……。自分から、堕ちに来たか……」

──ぅ♡♡♡ぁ♡♡♡おぉ゛……♡♡♡

乳魔の身体に、思いっきり。

全ての力を込めて、その身体を、ひたすら、抱きしめた。

その刹那──満ちあふれる、快感、多幸感、幸福感。

もう、全身が、滅茶苦茶に、理不尽に、幸せになってしまった。

まず感じたのは、思わず身体が強張るほどの、柔らかさ。

マシュマロボディとでも表現すればいいのか、とにかく、至福の肉感に酔いしれる。

そしてそのまま、体重を預ければ、果てしなく沈む。

雌肉の奥深く、暖かで柔らかで安心する、母親の胎内のような場所へ。

それでいて、執拗なまでにしっとりと肌に吸い付き、強烈に種付け欲を煽る、やたらと甘ったるいミルク臭の濃ゆい、快楽の坩堝へ。

柔らかい、甘い、しあわせ。

しあわせ、しあわせっ、しあわせぇ……♡♡♡

そんな風に、脳みその中身が上書きされ、無意識で声にすら漏れるほどの、甘い甘い、抱擁処刑。

その感覚の甘さと言えば、人間の脳には一秒と耐えられないほど、どぎつい激甘のクリームのよう。

そんな麻薬じみた快楽は、少年のちっぽけな脳とペニスでは、耐えられるはずもなく。

──びゅうぅぅぅっ……♡♡♡

これまた甘く、途方もなく長く。

一度一度の脈動で、全ての精子がひり出されているかのように、まったりと。

漏らすように吐精して、きらめくパールホワイトの乳魔の腿を、濁って淀んだ黄ばみ混じりの汚らわしい白色に、上書きしてゆく。

「……遠慮がないな。もう、自分の立場すら忘れたか?」

乳魔の嘲りは、最早ただ耳元にそよぐ、心地よいだけの音色としか理解できない。

それほどに、雌肉の天国。

故に、もう、心も体も、居てもたっても耐えきれず。

しかし、この下劣な雄欲を具現化したその極地のような、特濃の肉感から逃げるなどと、そんな馬鹿げたこともできるはずがなく。

そうして、結局、射精にかまけて思考を削がれた少年の脳は──思いっきり、乳魔の胴に抱きついて、とにかく快感をどうにか逸らすという、最も愚かな選択をとる。

──ぁ♡♡♡は♡♡♡あぁぁぁ……♡♡♡

ぎゅうぅぅぅっ……♡♡♡と、鯖折りでもするかのように、遮二無二。

乳魔の極上の肢体に、艶々むちむちですべっすべな肌に、力を込めれば面白いほど沈み込む脂ののった至高の雌肉に、全身を密着させて、むっぎゅうぅぅ……。

大の大人でも痛がるくらい、全身全霊で、乳魔という魔物に密着するという暴挙を、少年は行ってしまったのだ。

そして、至極当然に、頭は全て、乳肉の深すぎる谷間の中へ。

乳汗とフェロモンに張り付きあって、にゅくりと隙間の線すら蕩け合った、極上の乳の、その中へと、飛び込むことになる。

当然、その末路など、語るべくもないだろう。

──はぁぁぁっっ……♡♡♡♡♡

その感触と言ったら、もう──ない。

言葉には到底表せず、ただ、全身にぞくつきを響かせて、ぱふぱふのまろやかな心地に、ひたすら脳を溶かす。

グラマラスと形容するのも馬鹿らしい、むちつきの極まった、雄殺しの乳肉に、頭をひたすら食まれては取り込まれる、その感覚といったら、どうだ。

もう、もう──死んでしまう。

乳魔の最もおぞましく、勇者ですらも触れたら一撃で人生終了が確定するような、そんな肉に愛撫されて、少年はたまらずそう思う。

そう思いながら──ペニスは、ひたすらに、歓喜の涙を流していた。

ぴゅる、ぴゅるり。

気分はまるで、捧げ物、貢ぎ物を、崇拝してやまない女王様に、自分が破滅するまでいくらでも用意してしまう、哀れな養分。

けれど、少年は、たまらなく気持ちよく、たまらなく幸せだった。

乳魔に惚れ込むという事はそのまま、どうしようもない破滅に向かう事に繋がる。

淫魔という種族は、きっとこうして、男を飼い殺しにし続けるのだと、少年に理性が残っていたなら思ったはずだ。

「……人間というものは、救いようもなく愚かだと聞いていたが、まさかこれほどとはな」

ぽそりと、乳魔が吐き捨てる。

彼女の言うとおり、全くもって、少年は愚かであった。

最早、彼の脳内には、乳魔に甘える以外の選択肢など、これっぽっちも残っていない。

快感が強すぎて、逃れるために、乳魔の腰を深く抱く。

その感触のあまりの甘さに、とめどなく精が漏れる。

精が漏れると溶けるほど気持ちよくて、きもちいいから乳魔がすき。

乳魔がすきだから、ぴっとりくっつくと、すっごくしあわせ。

その無限ループに陥り、少年は、最早幸せ以外が分からない。

乳魔の魔性の柔肉は、沈めば沈むほど、精神に強い傷跡を残すほどの、麻薬じみた中毒性のある多幸感を与える。

その沼に囚われた少年は──もう、戻れない。

「牢獄の意味を、そろそろ理解したか……?ほら、何とか言ってみろ、エナジータンクめ……」

──むぎゅり。

更に、抱擁の深さが増す。

今度は少年からではなく乳魔から、力強いハグを与えたからだ。

──~~~っっっ!!!♡♡♡♡♡

声にならない、至福の悲鳴。

あまりの甘さに声が蕩け、音にすらならず、乳肉の隙間に消えてゆく。

「クク、面白いな……。ほら、抱けば抱くほど、精を吐き出す……。玩具か魔力サーバーとしては、中々優秀だ……」

ぎゅっ♡♡♡と、乳魔が力を込めれば、その分だけ──乳魔の腹肉の辺りから、ぶびゅり♡♡♡と絞り袋を握りしめたような音が響く。

その被害に合う少年は、それをされればされるほど、両足をぴーん♡と伸ばし、マゾ性癖を拗らせる。

たったの数分で、このざま。

魔力タンクとして、マゾペットとして、躾けを終わらせられてしまう。

「……さて、そのままお漏らしを続けながら、聞くがいい。これから貴様が、どんな地獄の時間を過ごすか、教えてやろう」

後ろから、すっと、もう一人の乳魔の手が、優しく後頭部を撫でる。

それは、意識をしばしこちらに向けろというサインだったが──もう、少年は、頭の奥から、腰の底から、じくじくじくじく、ぞくぞくぞくぞく、溶けるような快感が止まらなくて、ぐちゃぐちゃになるだけだ。

「これから、お前は、ひたすら精を吐き続ける。我等がいいと言うまで、一秒の休みもなく、ただひたすらに、だ」

とぷ、とぷ。

何か粘性のある液体を、コップから溢れさせ続けるような音が、途切れない。

少年は、何度も意識を手放そうと苦心するが、それは決して叶わない事だと悟る。

何故なら、乳魔が与える快感は、あまりにも甘すぎる。

例えるなら、ハンマーで頭を殴られたなら、すぐに気絶もするだろうが、ナイフで表皮を傷つけただけなら、痛いかもしれないが気を失うには至らない。

そういった、まさに拷問そのものな射精を、少年は強要されている。

じっくりといたぶり、嬲り、気力を削ぎ、心を折る。

それを──快感と多幸感により、行う。

それが、乳魔の言う、拷問の正体だった。

「勇者というものは、お前ほどの年頃の者から生まれると言う。だから、こうして……射精狂いで、女狂いで、乳肉狂いの腑抜けにして、それを封じるという魂胆だ」

──ぁん♡♡♡ぁんっ♡♡♡

心から、悦楽に浸り尽くした、か細くて女っぽい、甘ったるくて情けない喘ぎ。

その甲高い声は、無意識に漏れたものだった。

乳魔は、ふっと優しく微笑む。

少年が、これ以上ないほどに、目論見通りに動いているからだろうか。

あるいは、乳魔としての本能──弱く、情け無く、甘えん坊で、赤ちゃん返りを起こしたような、どうしようもない男の子を、ひたすら可愛がって甘やかしたいという欲望のせいだろうか。

「よしよし……良いぞ。そのまま、甘えていろ……。まあ、お前のような、可愛いことと甘えんぼ射精するのだけが取り柄のようなガキが、勇者である訳がないがな……」

むちたぷの乳肉に、顔中を甘えさせ。

腰をぐりぐりと練り付けて、おちんちんを柔らかいお腹に擦りつけ、甘えながら吐精して。

そして、お尻は太ももにぽよぽよと沈み、深く深く、甘え尽くす。

全身で、限界まで乳魔に甘える少年が、勇者などという大層なものであるはずがない。

──乳魔の、言うとおりであった。

おちんちんからお漏らし吐精が止められず、気持ちいいことの虜になって、あん♡あん♡とみっともなく鳴くような少年が、何者かである訳がないのだ。

乳魔は、それを知っていた。

けれど、乳魔は、少年を手放す気はない。

もう、二人は、この愛おしい甘ったれを──永久に抱きしめ続け、おっぱいでいじめ続け、ぬくぬくと甘やかし続けるための、お漏らしぬいぐるみとしてロックオンしていたからだ。

「偉いぞ……。お前は、他の人間どもと比べても、最高に甘えたがりの愚図だ……。この無限の牢獄廊の中でも、最も乳魔好みする子供かもしれんな……」

よしよしと、撫でつける手つきが甘くなる。

むんむんと、甘ったるい特濃乳フェロモンが、輪をかけて甘くなる。

もう、乳魔は、少年に冷たい目を向けてこない。

それはつまり──少年は、この先永久に、脱出の機会を失ったということ。

これから先の、永遠という長い長い時を、乳魔にいい子いい子され続けるだけの、惨めで幸せすぎる人生が確定したということに、他ならない。

少年は、いよいよ、脳みそが溶けきる心地を覚える。

「だが、優しくはしてやらん……。あくまでも、冷酷に。貴様が泣こうが喚こうが、絶対に拷問の手は止めぬ。そうして、心を折り、反抗の意思を根こそぎ奪い尽くす。それが、この拷問の目的だからな……」

たぷたぷ、ゆさゆさ。

たっぷりとした巨大質量の乳肉を揺すられ、顔中がもみくちゃにされてしまう。

ぱふぱふという言葉があるが、これはそんな生易しい言葉では言い表せない。

しっとりと張り付く、ひたすら乳臭くて柔らかな重たいおっぱいに、万力のようにして磨り潰される。

それの擬音として『ぱふぱふ』などという言葉を使うのが、正しいはずがない。

もっともっと、強いて言葉にするのなら、そう──『もっちゅ♡むちゅぅ……ん♡にゅりにゅり……♡』というほどの。

重たく、湿っぽく、ねちっこい雌肉が、絡む、絡む。

頭だけでなく、ひたすら全身に、にゅりにゅり、にゅらにゅら。

その感触に、うっとりと身悶えして、絶えず精液を漏らし続ける。

苦悶の声を上げるほど、甘すぎる快感に、背筋をエビのように逸らしながら。

──確かに、これは拷問だ。

冷酷かつ残酷極まりない、地獄の拷問。

少年が、もし思考を言葉にできたなら、そう口にしたかもしれない。

それほどに、全身が幸せな感覚に支配されて、辛くなるくらい。

むちむち張り付いて苛む媚肉と、どぱどぱ溢れる脳内麻薬により、至福に溺れていた。

「精神を折り、しかも依存させ、抵抗する気も起きず、自ら隷属してしまう……。人間は皆、貴様のように、魅了耐性がないと聞くからな。色仕掛けは、最も都合の良い拷問方法と言えるだろう……」

へこ、へこ。

酷いへっぴり腰だが、少年は生まれつきの本能からか、孕みもしない場所に向かって腰を振る。

もしも性交の相手が見たのなら、呆れ笑いを禁じ得ないような、あまりにみっともない腰へこ運動。

しかし、乳魔の肉体は、あくまでも優しく。

ペニスをむっちり受け入れ、極上の腰振り感を演出し、種付け欲を一層煽る。

溢れる肉感、グラマラスな犯し心地、むっちりペニスを潰す雌肉のボリューム。

それらが渾然一体と相まって、最高の満足感がペニスを芯まで満たし、極楽にも昇る性感に打ち震える。

そして、腰がぶるりと射精感をもよおすと、糊のように濃く、勢いのない精液が、乳魔のお腹にべっとり塗り込まれた。

「よし、ほら、もっと漏らせ……。それが、我等の魔力の源……人間を捕まえて、お前と同じにする素だ……。お前が心地よく漏らせば漏らすほど、人間は早く滅びるだろうな……」

ふぅー……♡♡♡ふぅー……♡♡♡と、息を荒らげながら、腰をぐりぐり押し込んで。

目敏く、乳魔の子宮の場所を見つけて、そこに向かって、ペニスをじっくり押しつける。

──射精は、深いところでするのが、一番脳みそがダメになる。

少年は、射精という言葉すらも知らないくせに、乳魔のせいで、それを知ってしまった。

全身を反りくりかえらせて、吐精の愉悦に浸る少年は、もう、一人では射精もできないだろう。

「そうして、体力も精力も魔力も、全て枯らすほど、捧げるがいい……。お前がここから逃れるために必要な、全てをな……」

──かわいい、愛らしい、もっと甘やかしたい。

そんな思惑を、最早隠そうともせずに、乳魔は喘ぐ少年をじっと見る。

情けない声、情けない腰振り、情けない射精、情けない表情。

それらは全て、乳魔が好み、愛してやまないものだった。

ほぅ……♡と、時折熱いため息すら吐きながら、殊更に──乳魔は、フェロモンを甘くする。

その度に、少年は吐精感が濃くなってしまう。

甲高く、聞くだけで射精していることが瞭然な声が、快感にきゅっと締めた喉から漏れる。

もう、涙すら流すほど、魂ごと虜。

しかし、拷問は、決して終わることはない。

「クク、もう限界か……?それは哀れな事だな……。ほら……今に、もっと、良くしてやる……。こうして、な……」

──むしろ、真の処刑は、ここから。

そう言わんばかりに、後ろに構える乳魔は、にやりと笑って──その身を、寄せる。

──む、ちゅ……♡♡♡

ひっ……♡♡♡と、少年が悲鳴を上げかけたのも束の間。

にゅ、むむむ……♡♡♡

対面座位の後ろから、更に蓋をするように、覆い被さる。

──ひぁ……!♡♡♡む、ぷ……♡♡♡

小さな、悲鳴。

それと、ぶっびゅう……♡♡♡という、重い射精音。

比喩でなく、全身を雌肉に潰されて、少年は、溺れる。

指の一本すら動かせないほど、おっぱいに潰されて、全身を、パイズリ。

頭まで乳肉に埋もれて、腰まで乳魔のおっぱいに包まれて、乳肉地獄に堕ちる。

もっちり、にゅぷん、ずりゅん、にゅるん。

全身が、ふわふわの肉に包まれて、快楽に狂う。

大声を上げて叫び、全身を暴れさせるほど悶えたい。

けれど、あまりの優しさ、甘さに力が入らず、出来ることといえば──ぁん♡♡♡ぁっ♡♡♡ゃん♡♡♡と。

屈服した子猫のような、感じている甘みをそのまま表した、甘え声を出すしかない。

──とけっ……♡♡♡やぁ、とける……♡♡♡たすけへ……♡♡♡

最早、少年は、助けを呼ぶ声も覚束ない。

しかし、底なしの多幸感と、柔肉ににゅむりと包まれて潰される、その臼で擦られるような感覚から──溶ける、と。

心から、比喩でなく、少年は感じたから、そう助けを呼んだのだ。

もちろん、少年の全身は、溶かされてなどいない。

しかし、全身が、火にかけられた砂糖のように、どろどろのねばねばな液体になるという感覚は──実のところ、間違ってはいない。

乳魔の肌は、特にその巨大な乳肉は、人間から精を搾り取るための、危険な搾精器官だ。

その乳は、パイズリをした後などは特に、触れた精液をよく吸収する。

それは、魔力の素となる精液を無駄にしないようにドレインするためだが、それ故に──人間の肌からも、ゆっくりと、微弱に、魔力を吸収してしまうのだ。

その感触はまさに、肌も肉も骨も、どろどろに溶かされ、甘すぎる絶頂感と共に、全身を精液にして射精をするような、人間には到底耐えられない、ひどい感覚。

それを、極濃の肉感を持つ、まろやかな乳肉に、じっくりと潰され、締め上げられながら。

どっぴゅうぅぅぅ……♡♡♡と、射精を繰り返しつつ、味わわされる。

少年は、もう、掠れた吐息しか出せない。

「ほら、腰……。もっと、押しつけてやれ……」

二人の乳魔は、もぞもぞと、身体を深くこすり合わせる。

その度に、少年は呻き、より濃い吐精をさせられる。

にゅろり、ずびり、うどんのようになった精液が、尿道の形をそのまま残して、鈴口から這いずり出る感覚は、少年に大粒の涙を流させた。

薄い精液を、ほんの数ミリリットルほど、ぴゅっと出すオナニーすら、少年には経験がない。

それを──尿道をごりごりと削り、何十秒とかかってやっと全て排泄できるほどの、濃すぎて吐精にすら支障が出るものを、大量に吐かせられるのだ。

その感覚は、残酷なくらい、少年の腰奥を痺れさせる。

それこそ、溶けたと錯覚するくらいに。

「ん、こうか……。お前も、もっと深く抱いてやったらどうだ……?」

腰をぐっと、柔らかい肉のついた、種付け欲をたっぷり煽る雌腰に、押される。

ぐりぐり、ぐぅりぐぅり。

それは、先程少年が乳魔にかましていた、射精する時に最も気持ちよくなるための仕草。

乳魔は、それを見抜いていたため、強制する。

少年には、もう、気持ちいいことを止める権利すら、ない。

乳肉の隙間の中に、もっと深く、抱かれる。

甘く濃いフェロモンが、肺の奥まで染みついて、噎せ返るほど、呼気も吸気も甘ったるくて仕方ない。

糖尿になるほど甘い、クリームの匂いのフェロモンは、内側から少年の身体を溶かす。

脱力させ、感度を上げ、興奮を高め、ペニスを硬くする。

そして──全身をふにゃふにゃに蕩けさせるほど、匂いに負けず劣らずの甘い快楽を、細胞一つ一つに流し込むのだ。

少年は、乳の谷間から顔を上げ、むせび泣き、背を反らし。

恍惚に染まった表情で、ありったけの力を込めて──しかし、頼りなく、情けなく、叫ぶ。

──いっっ……くぅぅぅ……♡♡♡

どぷっ……♡♡♡どぷっ……♡♡♡どぽっ……♡♡♡

コールタールのように、粘っこいと言うよりかは、最早スライムじみた粘液を、ゆっくりゆっくり、ひり出す。

その脈動に合わせ、乳魔はじっくりと柔肉を締めるものだから──もう、堪らない。

いつまで経っても、腰の震えが収まらず、絶頂の瞬間から降りられない。

「そら、気をやるな……。まだまだ、拷問は始まったばかりだぞ……?」

──ぉ゛っ……♡♡♡お゛ぅ゛……♡♡♡

びゅっ……♡♡♡びちちっ……♡♡♡

精子が勢いよく跳ねるような、たっぷりの粘性を持った、精液。

人間の子宮に種付けしたなら、一撃で孕むこと間違いなしの、全生命力をかけたような精液を、無駄撃ちさせられる。

──はっ♡♡♡はー……♡♡♡はー……♡♡♡

舌を放り出し、アクメ顔。

乳魔がじっと見ていることも忘れ、恥ずかしげもなく、それを晒す。

みっとり吸い付く乳肉に、優しくたぷたぷ全身を労られ、極上の余韻に浸りながら。

「…………」

のぞき込む乳魔が、首をうつむかせ、顔を寄せる。

興味深そうに、そして──少しだけ、悪戯っぽい顔で。

「ん、あー……」

口を開き、肉厚で長い、蛇のような舌を、ちろちろ。

少年は、その光景を見せつけられ、何が何だか分からない。

ただ、陶酔にふわふわした頭で、ぼんやりと、舌先を目で追いかける。

そうして、徐々に舌先が近づくと、少年の唇に、乳魔の舌先が触れる。

──暖かい、柔らかい、ぬめぬめしてる、気持ちいい。

少年は、ぴくりと小さく、恐らくはただの反射で反応してから──突然、目を見開いた。

──これ、キスされようとしてる。

それで、絶対──めちゃくちゃ気持ちいいやつ、されてしまう。

ぞくぞくぞく、と背筋に寒気──ではない、熱い興奮のぞくつきが走り。

逃げなきゃ、逃げなきゃ──と思うも、身体は乳魔の柔肉にみっちりホールドされていて、もがけばもがくほど、むんにゅうり♡と粘っこい肉質が絡んで、力は抜ける一方。

「……ほら、逃げるな。それが、望みだったのだろう?そうしたいと、ほんの数分も前は、そう思っていたのだろう?なら、甘んじて受け入れろ……」

それどころか、背後から抱きしめる乳魔に、頭を優しく押さえられ、逃げ道はどこにもなく。

ただ、にゅる……♡にゅる……♡と唇を割り、少しずつ少しずつ、口内に侵入する、乳魔のやたらと甘い舌を、待つしかない。

例えそれが、度重なる拷問開始へのカウントダウンであったとしても。

乳魔の身体は、全くもって、どこもかしこも、雄を悦ばせるためだけに存在する。

それほどに、気持ちいい。

それほどに、男を虜にしてやまない。

乳魔とは、全身がオナホと言っても過言ではない、そういう存在なのだ。

当然、それは舌であっても、唇であっても、変わりはない。

むちむち肉厚で、こちらから舌を押しつけても、あるいは絡めても、ぷりっぷりの肉感と弾力を返す、こちらの倍ほども長い舌。

そして、むっちゅりと潤いに満ちて、ぷるぷると分厚く、いかにも淫らな艶のある、雌らしい薄ピンクのリップ。

少年は、歓喜と絶望に打ち震えながら、それらが迫るのを、待つしかないのだ。

「我等も、退屈なのだ……。折角だから、こうしている間は、お前を使って、遊ぶとしよう……」

後ろから、そんな事を囁かれ、ぞくり。

食いしばることもできないほど緩まった、歯と歯の隙間をこじ開けられて、ぞく、ぞく。

そしていよいよ、長舌が全て少年の口に収まってしまい、唇を。

「だから、私は、お前にキスができない代わりに……魅了魔力たっぷりの囁き声で。お前に甘く囁いて、お前の射精を、もっともっと……。促してやるからな……」

ぶ、ちゅうぅぅぅ……♡♡♡♡♡

低く、けれど甘く、好意に満ちた囁き声と。

ぷるっぷるの、熟れた果実のような唇の、遠慮のないむっちゅりディープキスにより。

──ぞくぞくぞくぞくっ……♡♡♡♡♡

背筋が粟立つほど、極限まで、興奮が際立って。

呼吸も忘れ、苦しさすらも知覚できなくなり、腰を浮き上がらせながら──もう、めちゃくちゃに、射精。

「ん……。心地良いか……?だいすきなお姉さんに、ぎゅー♡されながら、すきすきお漏らしするの、とろとろになっちゃうな……?」

口腔内を、ぬるりぬるり、肉の蛇が這いずり回り。

口元にはむちゅむちゅ、極上のぷるつきが広がって。

「ほら、もっと力を抜いて、全部任せきってしまえ……。甘えんぼ上手、かっこいいぞー……」

──れぇろ、れぇろ……♡♡♡にゅら、にゅら、にゅるる……♡♡♡にゅるにゅるにゅる……♡♡♡

長い長い、しつこすぎるキス。

執拗に、スローペースに、ねぶる、ねぶる。

ゆったりと、侵略すると言うよりは、自分の巣穴でもぞもぞと、落ち着く場所を探しているかのような。

そんな、緩慢で暖かく、我が物顔な舌使いに、屈服し続ける。屈従し続けさせられる。

「ほら、おねーちゃんのハグに合わせて、ぴゅー……♡やらかいの好きだな?頭の中ぜーんぶ、すきすきー♡しあわせー♡で埋まっちゃうな?」

それに加えて──凶悪な、囁き声。

相も変わらず冷酷な、声色だけみれば拷問官なくせに、その内容といえば、胸焼けするほど甘い。

そのコントラストが、更に甘さを引き立てて──興奮。

ぞくぞく、ぞくぞくぞく、ぞくぞくぞくぞく。

脳みそから背中に向けて、背中から腰にかけて、腰から脚やら手やら末端に。

這いずり回るような、きつい快感とぞくつきが、深い深い恍惚となって、ひたすら流れる。

「ぴゅっぴゅ、ぴゅ~……♡お漏らし上手だぞ、えらいなー……」

鼓膜を揺らす度、脳の奥までがつんと響く、甘ったるい声。

魅了魔力とやらのせいか、それを聞かされると、あまりにも心地よい酩酊感が、ぶわりと広がり、もう──何も、分からなくされる。

ふわりと浮き上がるかのような、重力さえ忘れたかのような、そんな感覚。

夢見心地とはまさにこのことで、強制的に天国行きにされ、快感だけの世界の中で、どっぷり射精漬け。

──少年は、今にも狂い果ててしまいそうだった。

しかし、当然、そんな救いを与えられるはずがない。

これは、拷問なのだ。

狂わせないよう、死なせないよう、細心の注意を払い、そのギリギリを与えられる。

狂う間際の、最も濃くて純度の高い幸福を、幸せを、多幸感を。

与えられ、流し込まれ──溺れるほど、漬けられる。

「ん……。ちゅ、れる……」

じっくりと、味わい尽くすように、にゅらつく乳魔の舌。

ほんのり甘い唾液を交わらせ、口でポリネシアンセックスをするかのように、交わるとも言えないほど緩く、むっちゅり。

それこそ、今乳魔がしているように、ただただ柔らかな肢体に身体をうずめさせ、その感触だけで、緩やかに、けれど途切れのない、お漏らし極深イキを繰り返させるように。

むんにゅりと、乳魔の肌が、意識を溶かす。

身体の表皮は、乳魔のもっちりとコク深い乳肉に、絡め蕩かされて。

内部からは、ぬるつく分厚い舌を伸ばされ、しゃぶられて。

脳みそは、冷たくも甘い、矛盾した甘やかし囁きで、ひたすら溶ける。

少年は、一刻も早い解放と、永久にこれが続くことを、同時に願った。

幸せで幸せで、それがひたすら辛い。

未だ勢いも濃度も衰えない、こってり濃厚な射精に、ごっそりと体力も気力も持って行かれ、身体も心も、濃密にとろけていくのが分かる。

「きもちいの辛いのか……?イく瞬間のじわぁ~っ……♡♡♡と広がるしあわせなのが、頂上まで昇ったのに、ちっとも降りてこられなくて、おかしくなりそうだな……?」

そう、降りられない。

脳波のグラフが、じくじくじわじわ、鈍くて甘い多幸感と共に、極点までゆっくりゆっくり上り詰め。

でるでるっ……♡♡♡いくいくいくっ……♡♡♡と呼吸が短くなり、ぞわぞわとした幸せが腰を包んで。

そして、おっぱいの柔さにじっくりと煮詰められた性感が、いよいよ、天井まで達した、その瞬間。

──それが永遠に、続く。

そんな、破滅的な、快感。

じゅくりと、マグマの中に足を滑らせ、熱さと共にどろどろに溶けるような、あのイく瞬間が、まるで終わらない。

それどころか、もっともっと、頂上より高く、天国の果てまで昇るまで、高められ続ける。

囁きを、ひそひそ。

お口に、むちゅむちゅ。

どれもこれも、激甘で濃密すぎる感覚を、無理矢理与えられ。

絶頂の深さだけが、どんどんどんどん、増してゆく。

──いくいくいくっ……♡♡♡いくっ……♡♡♡きんもちいぃぃ……♡♡♡いくいくっ……♡♡♡おもらしする……♡♡♡

もしも、少年の心の中を文字に起こしたなら、そんなところだろう。

いく。きもちい。おもらし。すきすき。しあわせ。

そればかりに埋まった脳内で、少年は必死に、キスの合間を縫って、ぁん……♡♡♡という喘ぎと共に、呼吸する。

それだけで、いっぱいいっぱいだった。

「ばぶばぶ甘えるの、きもちすぎるな……?おちんちんやぁやぁって泣いてるな……?でも、絶対に終わらせてやらんぞ……」

──む……ちゅ……♡

深くスタンプを押すように、くっつけられたぷるつくリップが離れて、ようやく呼吸というものの存在を思い出す。

はっ……♡はっ……♡と、犬のように浅い息をして、酸欠の頭に空気が回り──はっきりと、ぼんやりとした痺れのようだった快感が、輪郭が浮かぶほど確かなものになる。

──おぉぉ゛っ……♡♡♡ほぉ゛……♡♡♡

あまりにもみっともない、潰れたカエルのような、イキ声。

意地悪く、それを聞き届けてから、たぷたぷ乳で愛撫したり、ぎゅっと締めて射精を手伝ったり。

そうしながら、何分も何分も、快感の波が小さくなるまで、舌も足もピンと伸ばした、快感を100パーセント貪る浅ましい姿を、それはそれは愛おしそうに眺めて。

へっ♡へっ♡へっ♡と、必死に息を整えているところに──小さく、絶望を、囁く。

「……射精、じょうずだな……。えらいぞ……。もう、いじめられるの、慣れてきたか……?ここでは、どんな惨めで甘ったるい生活を送るのか、理解できたか……?」

耐えがたい、恍惚。

もう、眉をぎゅっとひそめ、いかにも切なそうに、涙を浮かべるしかできない。

少年は、呂律の回らない声で、快楽地獄から抜け出せるよう、許しを乞う。

その姿は、まさに──心を折られて、卑屈な奴隷根性が染みついた、人間家畜そのものだった。

「駄目だ……。これは拷問で、処刑で、禁固刑だと、何度も言っているだろう……?お前はこれから、ここで毎日を過ごすことになる……。諦めて、ぴゅ♡しておけ……」

少年は、いよいよ、光を失った気分に陥る。

狭く、心地よい、乳肉のゆりかごで、これからは──お漏らし赤ちゃんとして、暮らすしかない。

長い長い迷宮のような石廊を抜け、幾つもの牢獄の果てにある、この場所へ、誰かが助けに来るその日まで。

少年は、身じろぎの一つも許されない、この厳酷な牢獄で──ただ、甘やかされる。

それは、叫び声を上げたいほどの絶望であり、両手を組んでその場で跪き、神に土下座して感謝するほどの僥倖でもあった。

「ああ、だが……。我々も、お前を無闇に苦しめたい訳ではない。だから……拷問の後には、休憩時間をやろう。栄養たっぷりの食事も、ふかふかのベッドでの蕩けるような睡眠も、許してやる」

少年は、乳肉の沼にあぷあぷと溺れ、射精直後のおちんちんをゆるゆると甘やかされ、甘勃起をいじめられながら。

そんな言葉に、僅かな希望を見いだす。

この、終わりない天国から、逃れられる。

それは、今にも、人間として極めて大事な何かが──音を立てて、ぷつりと切れてしまいそうな少年には、これ以上ない朗報だった。

あと、どれだけ耐えれば、赦されるのか。

1時間?2時間?それとも──次の、食事まで?

そのどれであっても、気が狂いそうな事には変わりないが、しかし、今や触れているだけでも射精してしまうほどおちんちんに馴染みきった、乳魔の乳肉から離れられるなら、何でも良い。

そう甘く考えてる少年は、すぐに、打ちひしがれることになる。

「あと、12時間……。まだ、10分ほどしか経っていないから、あと11時間と50分だな……。これを、あと71回繰り返せば、同じだけ……12時間、休ませてやるぞ……」

──あ、あ、ぁぁぁ……♡♡♡

無理だ、そんなの──壊れてしまうに決まっている。

尿道がゆるゆるに緩みきって、エナジーも全て吸い尽くされて、泥みたいに横たわりながら、それこそ壊れた蛇口みたいに、精液をとく……♡とくん……♡と垂れ流すだけの人形になるに決まっている。

少年は、ふっと、身体から全ての力が抜ける。

頭が、乳肉の最も深い、焼けつくように甘ったるい、汗よりもねっとりと粘度のある極濃フェロモンの巣窟に、むちりと沈みゆく。

「休息の時間になったら、まずはそこの、巨大なベッドで、横になるがいい……。射精の後には、じんわりと広がるような、甘く幸せな余韻がつきものだ。それは、射精が長ければ長いほど、濃ければ濃いほど、甘く、深く、長くなる……。まずはそれを、ゆっくりと噛みしめて、処理するがいい……。落ち着くまでは、二時間くらいなら、早いほうだ……。きっと、お前の緩んだ尿道からは、その余韻ですら、乳肉の感触を思い出させ……幾度も、漏らすだろうな……」

むち、むにゅり、ずぬぬ……♡♡♡

少年の身体が、呑まれてゆく。

蛇の丸呑みにも似て、ずぶずぶと、雌肉の最奥──脱出不可能な、性的快楽と多幸感の溜まり場に、堕ちてゆく。

「そうしたら、食事の時間だ……。我等の栄養満点の母乳を、たっぷり飲ませてやる……。甘くて、濃くて、頬が蕩け落ちるほど美味いぞ……。きっと、中毒になり、二度と我等のミルク以外は、受け付けなくなるだろう……。それに、造精作用も、媚薬作用も、とても強い……。これからは、更に粘ついた精子を、ずび……♡ずび……♡と……。尿道に引っかかりながら、身悶えして泣き出すような、切ない快感と共に……より大量に、吐き出すことになろう……」

にゅむ……♡ぬにゅ……♡

もう、暗闇しか分からない。

ただ、全身がパイズリの豊満な感触に晒され、頭の先から指の端まで、柔肉に磨り潰されて、イク。

いく、いく、いく、いく……♡♡♡♡♡

「それが終わったら、たっぷり眠るがよい……。寝るときは、当然、今と同じように……。両側からむっちり挟んで、雌肉で押しつぶし、甘ったるいフェロモンを嗅がせ、金玉をフル稼働させてやるからな……。夢精しながら、夢の中でも、パイズリに苦しめ……。もし興奮をもよおしたら、横にいる我等に甘えることを許可しよう……。寝る間も惜しんでパイズリ射精……。乳魔のふわとろおまんこに膣内射精……。そうすれば、我等の魔力も早く溜まり、より迅速に人類は滅ぶだろうな……」

夢中になるほど、口をぱくぱく開き、声にも叫びにもならない、喉で掠れただけの空気を吐く。

腕を天へと伸ばして──~~~~~っっっ♡♡♡♡♡と叫び、おもらし。

それが、最高に、気が触れるほど、気持ちいい。

かくんと垂れた腕が、にゅぷりとパイズリに沈んだ。

「人類が滅びれば、晴れてお前は、正式な我等の奴隷だ……。そうなれば、もう、拷問をする必要もない……。お前は愛しいペットとなるのだからな……。もっともっと、想像を絶するような甘やかしを、かましてやる……。今度こそ、休みなく、常に、幸せだけを与えられるように……。もしペットとして持ち帰った暁には、もう、お前は、二度と地面すら踏む必要はない……。我等乳魔の柔肉の上で、一生を過ごすのだ……。死すら訪れない、世界から隔絶され、時すら止まった、我等の自室で……。朝も夜もなく、甘ったるいフェロモンが染みついた天蓋ベッドの中で、幸せなだけの永遠を過ごさせてやる……」

──びゅっ……♡♡♡びゅう~~~っ…………♡♡♡ぶびゅるるるるぅぅぅ~~~~~……♡♡♡♡♡

あまりにも長く、濃い射精。

優に数分も、脈動は収まらず、少年はただ喘ぐ。

もう、彼は、例え奇跡が起こってこの牢屋から抜け出せたとしても、廃人にしかならないだろう。

二度と人間相手では射精できない、そのくせあへ♡あへ♡と、身体に植え付けられた乳魔のパイズリの、柔肉に押しつぶされる幻覚に、おぉぉぉぉ……♡♡♡と身震いをもよおし、吐精する。

それだけの、虫けらにも劣る存在に、今や、少年は成り下がっていた。

「人間は、まだ刃向かってはいるが、まるで防戦一方と聞く……。誰も彼も、戦場に出る度持ち帰られ、お前のように惨めな家畜に堕ちる……。もう、滅びるのも、時間の問題だろう……。神とやらに、人間がせめて時間を稼いでくれるよう、祈っておくがよいぞ……」

少年は、幸せだった。

世界で一番、気持ちよくて、幸せで、甘いだけの人生を、永遠に送るのだ。

それは、何よりもの救い──つまり、天国の生活そのものでもあるし。

そして、何よりも恐ろしい──女体地獄とも、言うことができる。

「哀れよな……。お前は何も悪くないのに、こうして身に余る快感と幸福を与えられて……」

乳魔は、悪びれもせず、そう呟く。

今にも、少年の全身をパイズリで締め上げ、幸せを増幅させながら。

「初めから、人間という種族が、魔族の愛玩家畜種族であると認めていれば、こんなことにならずに済んだものを……。まあ、精々、愚かにも抵抗を選んだ、お前の国の王とやらを恨むがいい……」

乳魔は、人間よりも上位の存在だ。

不老不死にして、不滅。

人間が考えられる程度の範囲の物事であれば、ほとんど全知全能。

魔族とは、そういうものだ。

人間には、万が一にも、勝ち目はない。

そして、魔族が、人間に飽きることも。

永遠という時間の中で、とうとう人間に、死という救いを与える事も──決して、絶対に、あり得ない。

不死の生命体の精神とは、不変のものだ。

──休息まで、残り11時間と47分。

これまでに少年が吐き出した精液は、138ml。

おっぱいに磨り潰され無駄死にした精子は、おおよそ50億匹。

そして、少年がこれまでに味わわされた、性的快楽と多幸感は──平均的な人間の人生、6回分。

今世の分も、来世の分も、再来世の分も、そのまた先も──人生を6度繰り返して、加点方式で積み上げて、ようやく清算できる量を、13分で。

──拷問は、まだまだ、無慈悲に冷酷に、続く。

永遠に、永久に、終わらない。

少年は、またも、か細く一喘ぎして、幸せたっぷりに、艶々むちむちな乳肉へと吐精した。何度も何度も、吐精した。

その、繰り返しだった。

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