通販カタログ(4) (Pixiv Fanbox)
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(4)
結論から言えば、ご近所さん――特に一発アウトな噂好きの主婦たちに見つかるという、最悪の事態は回避できた。
唯一すれ違ったのは小学生らしい女の子ふたり組だけで、しかも車道を挟んだ反対側。ちらりと見られはしたけれど、「背が高い、古風な格好の女の子かな」くらいで、男だとはバレていなかっただろう。いなかったと思う。思いたい。
とはいえバッチリ美容師さんには見られたし、予約の時点で本当は男子中学生だということもバレていたため、
「あらあら、裕一くん!? すっごく可愛くなっちゃって……ふふっ、その髪型に合わせたカットにするのね、任せてちょうだい!」
と、ちょっぴり化粧の濃い美容室の店主さんは大張り切りで、恥ずかしい思いをしたことに変わりはなかったんだけど。
しかも三つ編みがいいの、ツインテールがいいのと、どんな髪形にするかで母さんと議論を白熱させた結果――
「うぅっ、ほんとに、おかっぱ頭にされちゃってる……」
鏡の前に立つと、そこに映っているのは出かける前と同じ、女子小学生用の制服を着た自分の姿。こんな格好で、すぐ目の前の美容室とはいえ外を歩いたんだと考えると、恥ずかしさに玉袋がすくみあがる。しかも、適当に伸ばしていた髪は綺麗に整えられて、女の子のようなおかっぱ頭にされていた。
美容師さんは可愛い可愛いと大喜びで、「くれぐれも他の人には言わないでください」と念押ししたものの、噂が広がらないかちょっと不安だ。まぁ、客商売の口の堅さを信じるしかないんだけど。
「学校の友達には、どう説明しよう……マッシュルームカットっていえば、誤魔化せるかな……」
そんな心配をしていた時だった。
「うっ……!」
むくっ、と股間で動いた気配に、視線を下げる。
鏡に映る「女子小学生」の、スカートの前側。そこには、女の子では決してあり得ないふくらみが、不自然なシルエットと陰影を作り出していた。
「ぼ、勃起、しちゃってる……!」
考えてみれば、当たり前だ。そもそもぼくが女子制服や体操服、女児下着の商品番号をりすとにしていたのだって、もともとそれらを買って、着ることを妄想しながらオナニーするためだったんだから。実際に着せられていたら、昂奮しない方がおかしい。今まで勃起せずにいたのは、戸惑いや緊張のせいだったんだろう。
でも、こうして落ち着くと――
「これが……女の子の服の、着心地……」
ぴったりとしたブラウス。意外なほど重みのあるスカートの、頼りなくも存在感のある着心地。そしてその内側で、柔らかく胴体と下腹部を包む下着の穿き心地――
改めて意識すると、いっそうペニスがみなぎってくる。
「はぁ、はぁっ……!」
幸いなことに、母さんは買い物に出かけている。つまりいまなら、何の心配もなくオナニーできる。
「ふーっ、ふーっ……」
勃起は早くも最高潮、ともすればこすれるだけで射精してしまいそうになるのを、深呼吸しながら必死でこらえて、ぼくはスカートの裾を握って、左右に広げてみる。扇状の見た目はいっそう女の子らしく、裏地が太腿の前後を挟み込むようにこすって、パンツとは明らかに違う「スカート」の穿き心地に、心臓が飛び跳ねるように激しく脈打った。
さらに握った左右の裾を、互い違いに前後に揺らしてみせる。翻るスカートの中で空気が大きく揺れ、ざらつく裾と一緒に太ももをこすって、スカートの前に浮かぶふくらみが、いっそう高く伸びあがった。
「ぐっ……!」
ヌきたい。今すぐスカートをめくりあげて、ショーツの中からペニスを取り出して、皮をむいて激しく扱き上げて射精したい。
「でも、まだ……!」
母さんが買い物から帰ってくるまで、ちょっとした時間はある。ぼくはおちんちんを弄りたくなるのをこらえながら、部屋の中を歩いたり、ジャンプしたり、ベッドに座ったり、勉強机に向かったりと、いろいろな動きをしてみる。
「すごい……スカートを揺らしてるだけで、まるでお姫様になったような気分……うっ……!」
ついに我慢しきれず、ぼくは勉強机の前のチェアに座ったまま、紺色のスカートをめくりあげた。
その下から現れたのは、純白のショーツ。穿き口とフロントリボンの水色が目を引くが、それ以上に、中央に高々と張られたテントの支柱が存在感を主張する。
「はーっ、はーっ……」
荒い息をつきながら、ぼくはめくりあげたスカートを左腕全体で押さえるように胸元にホールドし、万が一にも落として汚さないようにする。そして右手で、股間を包むショーツをゆっくりとめくると――そこにはすでに包皮が剥けてしまっているほどの勃起が、その赤黒く艶やかな亀頭で、早く射精させてくれと怒声を上げるようにこちらをにらんでいた。
もはや一刻の猶予もない。油断していたら、ショーツの中でこすれておもらし射精してしまうだろう。
ぼくは覚悟を決めてショーツをずり下し、玉袋に引っかけるように被せると、赤熱する竿を握りしめた。
(続く)