連載小説「女装強要妄想ノート」(10) (Pixiv Fanbox)
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3月第2週「ホワイトデーにメイド服を着せられてチョコを手作りする」
(5)
「ひっ……!? お、お嬢様、なにを……!」
「そのままにしてなさい。後ろに下がったり、スカートを下ろしたりするんじゃないわよ」
「うっ……は、はい……」
「へぇ、意外とちゃんと硬いのね。大きさは、教科書で見たのよりずいぶん小さそうだけど」
「…………」
おそらく保健の教科書との比較だろうが、実の妹に「小さい」と言われていささかならず傷つく真弓。
しかしそんなデリケートな心とは裏腹に、ショーツの上から妹の爪先に押さえつけられた少年の証は、さらに劣情を猛らせてしまう。
「お、お願いです、お嬢様、もう、お戯れ、はっ……!」
「戯れじゃなくてお仕置きよ、真弓ちゃん。エッチなメイドをしつけるのも、お嬢様の役目だもの。ほら、こうされるのがいいんでしょ?」
「ひぃっ……!」
妹は爪先で円を描くように、ショーツの上から彼のペニスをこねくり回し始めた。
ソックスの内側で指そのものも動かしているため、まったく予測のつかない変則的な刺激が真弓の怒張を翻弄し、ビクビクと激しく痙攣して、いよいよ最高潮に達する。
「や、やめてください、お嬢様……もう、で、出ちゃいそう、ですっ……!」
「ん? 何が出ちゃうのかしら? はっきり言ってくれないと判らないわね、真弓ちゃん?」
「そ、それは、せ、精液、がっ――!」
答えた瞬間には、しかしもう遅かった。
上向きにされたペニスの裏筋を、亜弓の爪先――親指と人差し指に挟まれようにしごき上げられて、真弓はついに果ててしまっていた。陰嚢がギュッと締め付けられると同時、尿道を駆け抜けた欲望があふれ出して、ショーツの中に吐き出される。
「あっ、ああっ……!」
「あら、あら」
苦しげなよがり声と、全身を痙攣させ、目じりに涙すら浮かべた兄の様子、ショーツに浮かび上がった大きなシミと、かすかに鼻をつく青臭い匂い。
亜弓もすぐに事態を察してくすくす笑い、
「ほんと、ご主人様の足に弄られてイっちゃうなんて、真弓ちゃんったらはしたないんだから」
「う……ご、ごめんなさい……」
「これはみっちりと、しつけが必要ね。――でも」
亜弓は脚を組みなおすと、テーブルの上に置かれているチョコレートをひょいとつまんで口に入れ、
「うん、おいしい。チョコに免じて、許してあげるわ」
「あ、ありがとうござい、ます、お嬢様……」
いまだ興奮冷めやらず、さらに射精後の余韻と賢者タイム特有の慙愧にわななきながら、真弓は声を震わせて答えた。
「でも、ちゃんとしたメイドさんになれるように頑張ってもらわないとね。罰として、今日いちにちはその格好で、ママの手伝いをしなさい。わかった?」
「は、はい。かしこまりました……」
「それと――さすがに下着も、そのままってわけにはいかないわね。あたしのおさがりをあげるから、好きなのを持って行って履き替えなさい。一番下の段に入ってるから」
「は、はい……」
結局、メイド服は脱げないままか――射精後の冷静な状態でメイド服を着せられ続けることに、先ほどよりいっそう強い羞恥を覚えながらも、真弓は素直に妹のクローゼットに向かうのだった。
*
その後、真弓はピンクドット柄の下着に穿き替えたのち、母親に言われて家の掃除をしたり、洗濯物を畳んだり、料理の手伝いをしたり――さらには亜弓に命じられて、ソファでくつろぎながらテレビを眺める彼女の足を揉んだりさせられた。もちろんその間は、ずっとメイド服だ。
ようやく脱ぐことを許されたのは、夕食が終わってお風呂に入るタイミングであった。
「はぁ、疲れた……友達が来る日じゃなかったから、よかったけど……」
湯船につかりながら、真弓はひとりごちる。
女装しているところを友人たちに見られたらと考えるだけでも、身震いが出る。馬鹿にされることはない――むしろ大喜びすることだろうが、
「女装だけならともかく、昂奮してるなんて知られるわけにはいかないからな……」
(でも、ちょっと気持ちよかったかも――)
昼間に妹の足でイってしまったことを思い出し、真弓はまた、余韻に勃ちそうになってしまい、真弓は慌てて頭を振るのだった。
(続く)