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短編「妹の花嫁になった日」(11) (Pixiv Fanbox)

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  (11)  妹の部屋に入ると、彼女は男物のスーツ――さすがに白ではなかったが――を着て、ベッドに腰掛けていた。部屋の明かりが消され、枕元のランプだけがついているのも、常とは違う雰囲気を作り上げている。 「ククッ、あたしに処女を奪われる覚悟はできた?」 「は、はい……」  男子高校生である自分が、ヴェールをかぶり、純白のドレスを着て、男装した妹に処女を捧げる。  逆にしても何かの間違いとしか思えない行為がこれから始まるのだ。身震いが出たのは、湯冷めのためなどではない。 「ま、マリお姉ちゃん。どうかマユの、ば、バージンを、もらってください……」 「アハハッ、うんうん、よく言えました」  真里は満足げに笑うと、男のように大きく脚を開きズボンのチャックを下ろす。  その隙間からボロンとこぼれだしたのは、黒々とした大振りのディルドー。自分のペニスに勝るとも劣らないサイズのそれに、怯えた真佑が「ひっ」と喉を鳴らす。 「ククッ、なかなか立派でしょ? さ、まずはあたしの妹として、ここに誓いのキスをしてちょうだい」 「は、はい、喜んで」  恐怖に満ちた内心とは裏腹に、真佑の口は恭順の言葉を滑らかに述べた。妹の前に膝をつき、「失礼します」と口にしてから、彼女の股間に生えているモノに顔を近づける。  その頭上から、 「――新婦、三田村真佑。あなたは従順な妻として、妹として、あたしに尽くし、身も心も捧げることを誓いますか?」 (オレのほうが妻で、しかも妹なんて――あべこべにもほどがある……!)  誓いの言葉の、歪んだカリカチュア。  それを聞きながらも、真佑ははっきりとうなずくよりほかにない。 「は、はい、誓い、ます……」 「では、誓いのキスを」  真里はにっこり笑って、股間に生えたシリコンラバーの疑似ペニスを「花嫁」に向ける。 「うぅっ……ん、ちゅっ……」  真佑は眼前に向けられた亀頭に、ゆっくりと唇を近づけて接吻する。唇同士ですらない、贋い物のペニスへの接吻に、少年の心は千々に乱れた。 「ククッ、いいわよ、マユちゃん。あたしからは、指輪の代わりにこれをあげる。立ってちょうだい」 「う、うん……?」  戸惑いながらも立ち上がった真佑は、妹がサイドテールを留めていたレースのシュシュを引き抜くのを見た。妹はお気に入りだったレースのシュシュを二重にすると、 「マユちゃん、スカートを持ち上げて、チンチンを見せてちょうだい」 「うん」  何のつもりかわからぬまま、真佑は言うとおりにドレスの前をめくった。  あらわになったのは、スリーインワンで固定されたストッキングと、その間に覗く裸の下半身――ショーツも穿いていない剥き出しのペニスは、いまにも射精しそうなほどガチガチに硬直して、水平に「花婿」の顔を睨んでいる。先ほどとは逆だ。  真里は前かがみになって、シュシュを持った手をその肉棒に近づけると、 「はい、このシュシュ、マユちゃんにあげる」  シュシュを二重に巻いて、固定した。上側でクロスさせ、下側は陰嚢を前後から挟み込むような形だ。 「ひっ……!」  可愛らしいレースの飾りが、男根に巻き付き、縛り付けている――あまりにも今の状況にぴったりな、冷笑に満ちた暗喩であった。 きつく締めつける痛みと恥辱に、真佑が喉の奥で小さく呻いていると、 「ククッ、これで儀式は完了ね。それじゃ――改めて、あたしのオチンチンを舐めなさい」 「う……うん、喜んで……」  そうだ。今までのやりとりは、ほんの前座、前戯に過ぎない。  真佑はドレスの裾を下ろして、シュシュの結びつけられたペニスを隠す。再び膝をつき、よりいっそう前かがみになって「花婿」のペニスに顔を近づけて―― 「んっ……」  真上から咥えこむ。贋い物のペニスで痛くないのは判っていながらも、歯を立てないよう気を付けて、さらに奥まで飲み込んだ。顎が外れそうだ。 「んぅ、ん……!」 「そうそう、もっとしっかり舐めてちょうだい。ちゃーんとフェラしてくれないと、あとで痛い思いをするのはマユちゃんなんだからね?」 「んうぅ……」  こくこくとうなずく真佑だったが、このサイズではとても根本まで飲み込めない。いったん亀頭から口を離すと、左右からしゃぶりつき、裏筋を舐めあげる。  自らの頬が唾液まみれになるのも厭わぬ「花嫁」の奉仕を、真里はうっとりと見下ろして、その頭を優しく撫でる。 「うんうん、いいわよ。おちんちん舐めるの、上手くなったわね、マユちゃん」 「んふっ……あ、ありがとう、ございます……」  フェラの合間に息継ぎしながら答える真佑。顔が引きつったのは屈辱のため――そして、褒められたことで思わず緩みそうになった頬を隠すためであった。 (男のオレが、フェラを褒められて頭を撫でられるのが嬉しいわけがないんだから――)  真里はしばらく「花嫁」にフェラチオさせつつ、その頭を優しく撫でていたが、 「ククッ、そろそろじゅうぶんね。マユちゃん、ベッドに上がって、仰向けに寝て」  そう言って立ち上がり、道を譲るように横に動く。 「う、うん……」  いよいよ近づくその瞬間に、真佑は表情を引き締めた。   (続く)

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