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GWの渋滞 (Pixiv Fanbox)

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「トイレいきたい…」 GWの最中、たくさんのファミリーカーが列を作りながらゆっくりと行き交う高速道路の真ん中で、ボソボソとした頼りない声が響いた。 「おいおい、今SA過ぎたばっかりだぞ」 「困ったわねぇ…、ガマンできそうにない?」 申し訳なさそうな彼の声とは対照的に、両親の慌てた小言が車内を賑わせる。 しばらく言葉のやり取りを交わした後、渋滞している車外の様子やカーナビを確認する傍ら、母がある提案をした。 「もう、仕方ないからおむつにしちゃいなさい。持ってきてるでしょ?」 「えーっ!ヤダよ!!」 普段から頻繁に使っているものとはいえ、起きている時にお世話になるのはわずかに残っているプライドをくすぐるというものだ。 しかし迷っている場合ではなかった。このままだと、去年買い替えたばかりでまだローンの残っている父の自慢の車のシートがあっという間に水浸しになるのが目に見えていた。 彼は隣に座っている妹に一言「見るなよ」と声をかけてから、ズボンを下ろしリュックを漁った。 見慣れたフォルムの、真っ白い下着のようなものが袋からのぞいている。その罪悪感の塊をひっつかんで慌てて取り出すと、慣れた手つきで素早く広げた。 そして、夜、泊まり先で使う予定だった“それ”に、周囲の視線を気にしながらもサッと足を通す。もう恥ずかしがっている余裕はない。 「ゆっくり出すのよ」 「……っ」 恐る恐るお腹に力を入れると“それ”の中がブワッと温かいもので広がっていくのを感じた。 ギリギリに保っていた小さなダムと少しばかりのプライドは、「シュー」という情けない音と共に静かに決壊していくのだった。 —————————— GWですね! たまには季節感のあるものをと思い、珍しくSS付きで描かせて頂きました。 車内ネタ実は好きなのですが、絵にするのが難しくてなかなか描けていませんね。 浦島くんで描いたのは初めてかも?

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