冬コミの新刊.没案(進捗.3の続きですのでそちらを先に読むことをお勧めします) (Pixiv Fanbox)
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「あーあ……快感欲しがっちゃったね……。淫魔の生まんこの味思い出して、孕ませ欲湧いちゃったね……」
──その声は、僕のすぐ右隣から、現れた。
なんとか首を動かし振り向くと、そこには──シェシィが、もう一人。
静かに、牛柄の極小マイクロビキニを着込んで、座っていた。
いわゆる、分身。
たった一人だけでも、一生かかっても甘え切れない身体を──シェシィは、容赦も躊躇もなく、増やす。
当たり前のように、自分の身体をもう一つ増やし、それを自在に操るという神業をやってのけ。
それを、あろうことか──僕という、一人の人間の性欲を煽るために使っているという事実に、まず興奮をもよおす。
そうして、少しだけ放心した後。
ようやく、現実を直視して──震え、上がる。
彼女は、どれだけ──僕を、幸せ漬けにするつもりなのだろうか。
だって、ただでさえシェシィの身体なんて、麻薬なのだ。
それも、超、超、超強烈で、抱えきれないほどボリューミーな、雌肉のドラッグ。
着衣越しの、むっちむちに熟れた身体に抱き着くだけで、精液が枯れるまで漏らし果ててしまうほど──その肉体の全ては、男性器を虜にするための魔性を詰め込んで、出来ている。
例えば、今も両手にもっちり吸い付く爆乳は、まかり間違ってペニスを挟んでしまえば、もう死ぬまで腰を振りたくってしまうほど、パイズリオナホとして凶器じみて名器であることは、明白で。
もっと言えば、ズボンに包まれてなお、ねっとりと甘ったるい淫臭で金玉を狂わせるおまんこなんかは──もう、言うまでもなく。
それほど、たった一つの身体ですら、快感が濃ゆくなりすぎて、味わいきれないというのに──それが、群れを成して、ハーレム。
二つの身体に、みっちり両側から挟まれて、雌肉プレスをかまされるなんて、想像しただけで、脳細胞が潰れて馬鹿になる。
何故なら、二人を同時に侍らせるということは、単純に快感が二倍になるなんて、そんな生易しいものではないのだ。
行えるプレイの幅も、全身に満ち溢れる肉感も、まるで別物。
ざっと考えただけでも──フェラしている間にべろちゅー。両側から逃げ場なく両耳舐め。バックでぶるんぶるん尻肉を波打たせながら、正面から抱き合いパイ揉み。
肉棒に叩き込まれる満足感は、二倍どころか二乗、いやそれ以上に膨れ上がってしまう。
この身には受け止められないほど、クオリティもボリュームも馬鹿みたいに抜群な、酒池肉林。
──だと、言うのに。
「ふふ……次こそはちゃんと、本気で、手加減抜きに、容赦なく甘くしてあげる……。死ぬほどめろっめろに蕩けさせて、苦痛なんて二度と味わえない体にしてあげる……」
──先程の射精が、準備運動だとしたら。
今から始まる、分身ハーレムが、”序の口”。
今度こそ真に、両腕ではまさか抱えきれるはずもない、冗談みたいにむっちむちの、至高で究極の女体が。
たった一人だけで、僕の全てを魅了し尽くして、ただただそこに鎮座するだけで、永遠にでも僕を虜にし続ける女体が。
僕を、僕の全身を──埋め尽くす。
二人、三人──いや、きっと、しようと思えば、それ以上。
それが、あくまでも、極楽の入り口として、ほんの前戯として、提案されていた。
シェシィという淫魔は、僕という人間が、最も美しく、そして淫蕩に感じるビジュアルだと、そう知っているからこそ──その顔立ちや身体つきは、下手に変える必要もない。
至高にして究極の、理想の淫魔ボディは──ただ、その身体が”一つきりではない”と示す、それだけで最高の興奮を生む。
それを、知り尽くしているからこそ、彼女は味に変化をつけるため、下手に性癖から外したハーレム用の分身女体を作ったりはしないのだ。
──ことごとく、彼女は、僕が喜ぶツボを、何でも知り尽くしている。
その、アメジスト色の視線に射抜かれて、絶望的な生物としての隔絶を教え込まれるよりも、むしろ。
もっと、ずっとずっと深く、心底肝が煮溶けるほど、恐怖した。興奮した。勃起した。
──あまりの幸福に、僕は恥も外聞もなくしゃくり上げ、ぽろぽろと涙をこぼすしか、なかった。
これらのシェシィが、全て。
あくまでも、甘ったるく、僕に辛さを与えないよう、細心の注意を払いながら。
全身の骨が溶ける、あの呼吸がひたすら深くなる快感を、ひたすらひたすら、味わわせようと言うのだ。
──彼女が言うように、今日こそは、本気だ。
彼女は本気で、僕に人間をやめさせて、ただシェシィの女体にしがみつく、愛玩用の精液袋にしようとしているのだ。
僕は、むしろ心の底から、嫌気が差してしまいそうになるほど、陶酔した。
──シェシィという、究極の淫魔の、分身ハーレム。
身体がいくつあっても、命がいくつあっても足りやしない、桃源郷そのものの快感が、これから始まる。
右を見れば──相も変わらず、馬鹿みたいに整った美貌。
だけど──今抱きついているこの身体よりも、唇はぽってり厚く、見るからにベロキス用にあつらえられていて。
彼女がその肉体を、用途に合わせて自在に変えられることを考えると、それは今からこの口で、お前にこってり濃厚な、ガチ恋本気ベロキスをかます──と、そう宣言しているに等しい。
淫魔の技巧から繰り出される、粘着質なまでの舌の絡みを思い、ペニスがはち切れそうなほど熱くなる。
そして、その身体もまた、眼下の抱き枕めいてむちついた女体とは、少しばかり趣が違っていた。
乳肉はやはり、頭をすっぽり覆うほども大きいけれど、下半身が丸ごと埋まるほどの、馬鹿げた巨大さはなく。
その腰や腹も、抱いて愉しむため、あえて贅沢に軽く肥らせたものではなく、更に鋭くメリハリを効かせた、いわゆるモデル体型。
雌としての魅力ではなく、女としての魅力を際立たせた──早い話が、セフレとして抱くよりも、恋人や愛人として侍らせたい姿で。
これ以上なく、”ハーレムを彩る二番手の女”として優秀な、腕を腰に回して抱き寄せたくなる女として、あえて傍に座っていた。
「……残念、キミが何も言わなくても、何もしなくても、してほしい事、全部分かっちゃうから、さ……。キミはただ、性欲貯めて、必死にむらついて、ちんぽを私に預けるだけで……人生が嫌になるくらい、私に甘やかされちゃうんだよ……」
そして、左にも、同じように、分身。
こちらはこちらで、下品に艶めく金色ビキニ姿を、恥ずかしげもなく晒していた。
紐がほぼ丸ごと、裸体にむっちり食い込んで、局部だけを薄くてぺらぺらの頼りない細布で覆った、裸体よりもよっぽど下品で、情欲をそそる恰好。
高貴で優雅な、王としての威厳を持ったシェシィの──下劣なダブルチン媚びビキニに、とめどなく精子が作られる。
「うん……もう全部、バレッバレ……。キミが今、私のどこに目線を向けて、何に興奮して、どこが最も感じて、どんな内容の囁きが欲しいのか……手に取るように、分かっちゃう……。ふふ……淫魔がセフレだと、ちんぽ勃起させて寝転んでるだけで、最高の快感が与えられるから、楽でいいね……?」
透き通るように白く、そのくせ血色は抜群な、滑らかさとエロさを究極のバランスで混ぜた、国宝級の裸体。
そんな、完成された逸品に──頼んでもいないのに、勝手にエロコスを着込ませて、こってりとした下品さを盛りつける興奮に、気が遠くなる。
黙って立っているだけで、事実として国を傾かせる美貌を、とことん台無しにして。
私は高貴で優美な淑女などではなく、あくまでえっろい淫肉まみれの、貴方のカキタレだと──そう言外に宣言させて、濃く雌のくびれと豊満さを強調。
すらりと洋ナシ形の曲線を描き、誰が見ても恥ずかしくない、アスリートのような恰好良さすら感じる、細い腰を見せつけている分、馬鹿らしい牛柄と金色に包まれた雌脂肪が、『だッぷぅ……♡♡♡』『むっぢぃっ……♡♡♡』と、今にも聞こえてきそうに品のない肥え具合なことを、これでもかと僕に分からせていた。
特に──牛柄ビキニのシェシィは、今にも大量の母乳を吹き出しそうな、ホルスタイン級の爆乳を、自らの腕に挟みみっちり寄せて、胸の谷間を無限に深くして。
金色ビキニの方は、むしろ背中をこちらに向けて、ベッドの淵に座り、そのどっしりと重そうな、引っぱたきたい巨尻の安定感を見せつける。
とにかく、純度の高い、苛立ち混じりの興奮。
「あーあ……絶対、今日こそ、人生終わったじゃん……。私が、本気でキミのこと、甘やかしちゃうから……もう二度と、人間の生活に戻りたいなんて、思えなくなっちゃう……」
「もう永遠に、私の女体ベッドに、むちむちいやらしく、沈んでいたくなるんだ……。うわ、かわいそー……天国なんて行きたくなくなるぐらい、魂の底にまで、多幸感こびりついて、一生私と絡み合うの確定……。気持ちよすぎる淫魔ハーレム、永遠に堪能しまくり、おつかれさまー……」
ひそやかに、そっと唇を耳元に寄せ、声色は冷たくてトーンも平淡なくせに、ひどく情欲の込められた甘ったるい声で、囁く。
それこそ、耳に糖蜜をぶっかけられたかと思うような、途方もない甘さ。
誰が聞いたって、大量のハートマークを幻視する、愛欲をどっぷり粘つかせた、艶たっぷりに掠れるハスキーボイスに、僕は思わず、堪らない心地になって、ぐりぐりと恍惚をなすりつけるように、頬を女体に擦りつけて──
「「はい、弱点みーっけ……」」
──そんなことをすれば、例え彼女が淫魔でなくとも、その声が大好きで仕方ないことが、どうしたってバレるというのに。
また一つ、快楽の注ぎ口を見当てられて、ぎゅっと太もものホールドを強くしながら、生唾を飲む。
やや骨ばった、脛のところが、特に彼女の大腿に食い込んで、また一際、雌肉にうずもれながら包まる感覚が強まる。
「今日は囁き多め、吐息甘め、脳みそどろどろ蕩かしまくりコースね、はい決まりー……」
「まさか、自分から頭おかしくなって逃げようなんて、そんなこと思ってないよねー……?何度も言うけど、そんなの絶対、ムリだから……」
──もう、枯れ果てて出すものも無くなったペニスに、血液がどくりと送られる。
びく、びく、むしろ先程よりも怒張は張り詰めているけれど、精液は一滴も漏れなくて、むなしく空撃ち。
ぴく、ぴくんっ……♡と、白旗を上げるかのように、恍惚たっぷりにひくつかせる。
ぞく、ぞく、一向に引いていく様子がない、まったりと粘つく余韻に、どこまでもうっとりと浸りながら──隣のシェシィに目を向ける。
「……ん?ああ、何かと思えば」
「「……まだ、精液空になったぐらいで、このベッドの上から、逃げられると思ってたの?」」
──その途端、彼女はにまりと、軽く頬を吊り上げ、自らの唇をちろりと舐め上げた。
ゼリーを思わせるような、神がかった潤いとぷるつき。
赤く色づく、官能的な色合いのルージュを、軽く湿らせてから──勢いよく、僕の目の前に、その顔を近づける。
逃げまどう獲物が、自ら罠にかかりに行くのを見つめる、狩人のような視線だった。
にんまりと、ひどく官能的に、三日月形に歪められた、形のいいリップと目尻。
それを、両側から向けられて──僕は、くらりと意識が揺れるほど、ときめいた。
逃げ場なく、両側に、美貌。
目を合わせるだけで、脳が痺れて使い物にならなくなるほど、強すぎる顔面が、迫る、迫る。
美少女という言葉すら、むしろ不適切にしか思えない、それどころではない麗姿。
とにかく、無意識にそれを確認しようと、まず右を向いた途端──
──~~~~~っっっ……!?
「あ……そっちに盗られたか」
──んむっぢゅう~~~っっっ……♡♡♡
もう、まるで当然に。
特濃の、ディープキスを、かまされる。
頭を鷲掴みにされ、雌の本能を丸出しに、舌を捻じ込まれ、ねぶり尽くされる。
心臓が飛び出るかと思うほどの、強い衝撃。
叫び声をあげる暇もなく、戸惑う暇もないほど、突然だった。
それと同時に──彼女にもまた、戸惑いや逡巡は、見られなかった。
当たり前のように、それが義務であるかのように。
僕の口を、奪って、粘膜という粘膜をねぶり尽くして──同じように、器用に舌を使い、彼女は僕の口に唾液を送る。
いや──多分それは、唾液ではない。
だって、こんなにも甘酸っぱくて、クセになる味なんて、するはずがない。
いつまでも、舐めしゃぶっていたくなるような、中毒性のある液体を、送り込まれるままに、喉を鳴らして、飲み込む。
それは、例えるなら──ミルク風味の、レモンキャンディー。
彼女が行っているのは、確かに品のないベロキスだけれど、そこから余計な不潔感だけは取り除くように、彼女は唾液の組成すら組み替えてまで、僕の舌をぺちゃくちゃと嫐る。
ねちっこく、けれどワイルドに。
片手に抱いた僕の頭を、たまにすりすりと撫でながら、恋人ですら躊躇する深さのキスを、呼吸も忘れて行う。
ねろ、ねろ、ねろ、ねろ、ねろ──と、何度舌が交差したか分からないくらい、歯の裏やら頬の内側まで、丹念に丹念にこそぎ。
その、肉厚でぷりっぷりのベロ肉が、ひどくしつこく、容赦なく、徹底的に、僕を愛しまくって──ちょうど呼吸がしたくなったタイミングで、彼女は僕から離れる。
そして、気が付けば。
「……はい、淫魔の体液飲んじゃったから、精液満タン逆戻りー……」
「ついでに疲労も吸い取って、これでまたいくらでも、好きなだけ射精できるねー……」
──金玉は、精液が詰まりまくったように、テニスボールほども大きくパンパンに膨らむ。
それと同時に湧き上がる、途方もない性衝動。
それこそ、気が遠くなるほどの年月を、オナ禁に費やしたような──射精をする前の状態に、全く逆戻りしてしまっていた。
いや、それどころか──彼女の言う通り、疲労や倦怠感すらも、初めから無かったかのように、ごっそりと抜き取られ。
セックスを始める前よりも、更にコンディションは優れている。
つまり。
彼女とキスをする限り、僕は、何度も何度も何度でも──
「……射精しても、射精しても、どぷどぷ甘出し終わらせてもらえない……口移しで精力無限供給、終わりどころのない甘えんぼ……。よかったねー……さいっこーに気持ちいいけど、泣きそうなくらい勿体ない、まんこに種付けする分の精液台無しにする、お漏らし暴発射精も……何度でも、飽きるまで、リピートし放題だね……」
「ひっど、残酷すぎ……。人間なんて、たかが数ミリリットル分の精液を、大事に大事に焦らして、なんとかセックス長引かせてさ……その、ちゃっちい数ミリリットル分の射精でも、脳みそ焼けてちんぽ中毒になっちゃうのに……こんな媚び媚びの身体に、いつでも気兼ねなく、どこでもドピュり放題とか、私とのセックスにドはまりするの確定じゃん……。絶対、他の人間のメスなんかと、馬鹿らしくて子供作れなくなるやつじゃん……」
──耳に吐息がかかる距離で、前に大きくせり出した、マイクロビキニの食い込むデカパイを、すりすり擦りつけられる。
射精の余韻のちんぽのひくつきすら、まだ一向に収まりきらないのに、既に鈴口からは、とろりと一滴、カウパーが糸を引いて垂れ落ちた。
──無限に、僕の気が済むまで、極上女体とハーレム射精天国を満喫。
そんな、比喩としか思えない彼女の言葉が、いよいよ現実味を帯びる。
この閉じた一室の中では、どんなに非現実的な欲望でも、彼女が許してくれる限り、全てが都合よく叶い続ける。
一年中でも、それ以上でも──理論上は、永遠に、シェシィという淫魔に、溺れ続けていられる。
──そんな、シェシィにとっては”今更言うまでもなく、当たり前の前提”を、脳内で反芻して。
「てかさー……」
「「今日の親友、めっちゃマゾだよねー……」」
──またも彼女は、僕の背筋を、飽きずにびっくん、跳ねさせた。
「あーあ、バレちゃった……。イジワルな口調の、冷たい声の女にー……それと真逆の、胸焼けしそうなくらいクソ甘ったるい、密着ゼロ距離甘えんぼしたいの、絶対バレちゃダメなのに、バレちゃったんだー……」
「めんどくさい性癖の、分かりづらいキミのちんぽの気分、親友の私ならぜーんぶ分かっちゃう……。こんなの絶対、好きになっちゃうね、懐いちゃうね、一生ひっついていたくなっちゃうねー……?」
それはそれは、愉しそうに。
時折ちゅっちゅと、首筋やら頬やらに、口紅をこそぐかのように、ぷるっぷるのリップを押し付け、擦りつけつつ。
身体までも幅寄せし、太客に媚を売る風俗嬢のように、ひたすら下品にはしたなく、くねくねと揺さぶって、餅肌の感触を植え付ける。
それに対して、僕は色仕掛けを受ける童貞のように、あっあっ……♡と声を漏らし、舌にびりびりと残ったキスの余韻を、より濃くした。
「「……無限に、いちゃらぶキスハメ、したくなっちゃうねー……」」
──自分は、貴方の言う通り、マゾですと、そう宣言しているようなものだった。
いよいよ、二人のシェシィは、ベッドの両脇を固めて、僕にぴったりと腰を寄せて座る。
ただでさえ腰幅の広い二人が座るスペースなんて、この安ベッドにはないはずなのに──などと、そんな常識ぶった理屈は、もう通用させてはくれない。
ここは、僕にとって完璧に都合のいいことが起こり続ける、楽園なのだから。
そんな下らない、物理法則だどうだのという話は、考える必要も無いのだ。
だから──あれほど、頬ずりして甘えながら、抱きつきお漏らし射精をした女体から、気が付けば、衣服が全て消え失せて。
すべすべもっちもちの、茹でたての白玉団子のような肌が、その巨躯の上に途方もなく広がっていることも──当たり前、なのだ。
ついでに、その彼女が僕の心情を読み取ったかのように、体操のI字バランスめいた格好で、片脚をそっと上げて、おまんこを晒してくれるのも、当たり前。
代謝がなく、汗もかかないはずの肌を、あえてしっとりと湿らせて、むわりと甘いフェロモンをより濃くして──そして、大学生カップルの、昼下がりの気怠い生セックスらしく、汗で肌のぬめりを良くして、退廃的な感覚を演出してくれるのも、これまた彼女にとっては、取るにも足らないことでしかない。
その上──
「……真隣には、はしたなく潰れるように、わざと横乳押し付けて、媚びたフェロモン浴びせまくり、恋人ラブラブキス欲しがりすぎの二人の雌……。目の前には、どろどろに濡れきった、えっぐいヒダまみれの土手盛り名器おまんこを見せつける、人権ゼロの女体マネキン……」
「どこ見ても、食べきれないくらい豪華な据え膳、やっばいね……。この光景だけで、脳みそ痺れまくって、精子作るの止まらない……あっあっ金玉イラつく……責任も取る気ないけど、こいつの子宮にブッ濃い種ナマで注いで、マジで孕ませたくなってくる……」
──全てを見透かす彼女の囁きは、あまりにも、的確。
それでいて、少しずつ、ほんの少しずつ、更に僕の獣欲をぎらつかせ、わずかに残った人間らしい理性を削り取るため、囁きの内容を思考からあえて外し、欲望の誘導までやってのける。
更に深く、もっと深く、僕を肉欲の沼に沈め込むかのように。
「んべろべろべろべろ……。ちんぽの神経に直でキク、下品なベロキス素振り見せつけられながら、下半身でも超濃厚交尾かまして、全力で種汁排泄、一生ちんぽに快感残るくらい、きんっもちいい……」
「ちゅ、ちゅ、ちゅ……。孕ませ懇願するみたいに、ほっぺたに媚びたキス落とされて、どんどんおちんぽ本気にさせられる……マジにガキ仕込みたくなる……。人間を心の底から見下してる、いけすかないけど顔のイイ淫魔に、自分だけ特別扱いで、えこひいきされまくって、ぺとぺと唇貼り付けられるの、たっまんねぇ~……」
──いつも冷静なシェシィに似つかわしくない、あえて崩した口調で、性欲全開のギトついた語彙を、ぶつけられる。
しかし、声だけはいつも通り、平坦で抑揚がないのが、かえってその囁きの下品さを際立たせていた。
だぷんだぷん、馬鹿みたいにすべっすべで、キメ細かすぎる駄肉の塊が、僕の腕をずりずり上下し、パイズリする。
ふかふかの液体のような柔らかさと、ぷりんとした瑞々しいハリを持って反発する、弾力とのバランスが奇跡的。
軽く触れているだけで、勃起にどこまでも芯がこもる、神がかって雌々しい感触は、いつまで味わっていても飽きるものではない。
安定感抜群で、ちょっとやそっとでは揺るがない、太ましくボリューミーな下半身。
片腿をまっすぐ上げたままの、不安定で疲れそうな体勢なのに、そこにはどっしりとした重みが感じられ、むしろそこに思いっきり体当たりしても、こちらの方が跳ね飛ばされてしまいそうな、強い体幹を思わせる。
しかし、もちろん──かと言って、そこに筋張って硬そうな雰囲気は欠片もなく、勢いよく腰を叩き付ければ、ぶるんと肉が波打つような、種付け感をどこまでも深める、極上の肉感も兼ね備えている。
ちゅ、ちゅ、ちゅ──と、わざとらしく、耳元で軽くリップ音を鳴らされる度に、とめどなく獣欲が湧きだす。
どたぷんと、身体のラインから大きくはみ出した乳ごと、むっちりと厚く肉付いたリップが、僕に媚びを売るように、むにゅりと押しつけられた分だけ歪み、深い肉のコクを僕のちんぽに教え込む。
「ね……二人の雌が、キミのことを取り合って、キスハメせがんでるね……。嫉妬丸出し、独占欲を隠す気もない、鬱陶しいメス共のキャットファイト……。うざったいから仲良くしてろって、私たちの感情をぜーんぶ無視して命令するのも良いし……あるいは、私たちに、どっちの方がキミのちんぽを幸せにできるか、競わせるのも自由だよ……」
「ほら……どっちの女が好み?自分で選別して、格付けしてよ……。お前より、こっちの雌が好みだって、偉そうに選り好みして見せて……。だって、キミには、その権利があるんだよ……強いオス様が、媚びるしか能のないメスを娶るのは、当然のことでしょ……?」
ねえ、ねえ。
責め立てるように、寸分の揺らぎもなく無感情な瞳と声で、二人の淫魔が僕をなじる。
もう──目も、合わせられない。今すぐ、逃げ出したい。
かと言って、腰を引くこともできない。
がっしりと、特別に大きくむちついたオナホボディが、高くかかげた脚とは逆側の太ももで、僕の腰をがっしりと巻き付けるように、ホールドしているからだ。
ずるずると、太ももに抱き寄せられながら──腰とちんぽの先に、ぴとぴと当たるのは、外に粘液が軽く溢れる程度に、すっかり出来上がった、おまんこ。
まさに濃いめのローションを思わせる、ぬとぬと粘ついた感触は、独特の強いぬるつきを生み、ぬかるみに腰を突き立てるような、あるいは蕩けたスライムをちんぽで刺し貫くような、途方もなく現実離れした、至上の快感を生みだす。
それでいて──ぐずぐずに熟れた豊満なマシュマロのような膣肉の感触も、裏筋をしつこく擦るコリコリの肉粒の感触も、一見矛盾しているような二つの快感を、完璧に両立。
腰を落ち着けていつまでも浸っていたくなる安心感と、ちんぽをひたすら擦りつけまくって射精感を貪り散らかしたくなる刺激も、どちらも最高峰のものを用意してくれていて。
それを──二人の女神級の美女を侍らせ、そのクール極まる理知的な美貌をじっくり間近で鑑賞しながら、ベロを絡ませ、乳を揉みたくりつつ、片手間に味わう。
まるでそれは、最高級のフレンチフルコースを、ウィーンのオペラホールのVIP席で摘まみつつ、世界一の劇団が行う歌劇を眺めるような、絢爛極まる祭典そのもの。
しかし、その内容と言えば、ひたすら下品に猥雑に爛れて、けれど雌の高貴さと品格は落とさず、その内容だけを雌穴フルコースとストリップショーに置き換えた、雌肉のビュッフェだ。
要するに、早い話が──考えうる限り最も贅沢な、雄の理想や妄想をとことん叶えた、ハーレム。
「ほぉら……キミに名前呼ばれた時から、この子……ってか私、ずぅっとキミの生ザーメン期待して、黙って雌穴ねばつかせてたんだよ……?こんな健気なまんこ穴、さっさと耕してキミのちんぽの形覚え込ませてあげないと、可哀そうだよ……」
「ま……あえて無視して焦らすのも、悪くはないと思うけどね……。キミに従順に媚び切って、屈服の証をこんなに分かりやすく掲げてる女を、どうでもよくほったらかして、これ以上ない恥をかかせるのも……すっごく支配的で、雄の自尊心満たされるし、いいんじゃない……?」
だって、傍でこうして、僕の性欲を煽っているこの二人は──言ってしまえば、このセックスにおいて、必要なんて無いのだ。
眼前にこうして広がった、たっぷんたぷんでむっちむちの凹凸まみれな極悪女体さえあれば、それだけで雄の性欲なんて、もう興奮だけで先走りを漏らしてしまうほど、最高潮に達してしまうのは、明白。
その上で彼女は、分身してその極上の身体を複製し、それらに自律的な思考を与えて、しかもそれらは全て僕のことが大好きで。
更に、生まれつき誰かの上に立つことを宿命付けられた、王としてのプライドを自らへし折り、太ももに抱き着いて精液を情けなくお漏らしするような人間に、あえて媚びへつらい支配欲をむらつかせるように、卑屈に振舞わせるなんて──明らかにやりすぎだ。
「ねぇ……ほら、お願い、早くぅ……こっち向いて、お口同士でらぶらぶする権利、ちょーだい……」
「……ううん、違うね。物を頼む時は、もっとそれに相応しい態度を取るべきだ。例えば、こうやって……」
──何度も繰り返すが、シェシィは、ただの美女ではない。
僕がこうして、生け贄となって身も心も捧げ、癇癪を収めて機嫌を取らなければ、人間を皆殺しにしてもおかしくない、神話に語られる悪魔よりも理不尽な、忌むべき怪物。
その淫らさと美しさで、人の瞳に映るだけで、その人間の心を奪って人形に変え、ことごとく支配してみせる、神の如く冒涜的な奇跡を見せる、邪神だ。
──だからこそ、だろう。
「……お願いします、どうか、この卑しい雌に、貴方様のベロキスをお恵み下さいませ……」
そっと、異性の唇を奪う時のように、顎をくいと持ち、視線を軽く誘導した、その先。
ベッドの傍らに──またも分身体を増やしたシェシィが、綺麗に衣服を畳み、ぴしりと端正に三つ指を付き、土下座をしながら、そう懇願する姿の。
──何と、よく似合う事か。
誰よりも強く気高い、淫魔という何もかもが人を上回った存在の、その中でも最も強く、気高く、美しい、魔王という立派な肩書──もとい、ゴテゴテと装飾を盛りつけた、豪勢なトロフィーだからこそ、それがこれ以上なく卑屈に、僕のちんぽの機嫌を伺う姿には、これ以上なく鬱屈とした、悪いむらつきが掻き立てられる。
シェシィの持つ圧倒的な魔力に裏付けられた、傲慢で我儘な性格ごと、鼻っ柱を叩き折るような、最大級に卑屈な屈従の表現。
貴方には逆らいません、私は貴方の意のままに操られる奴隷ですと、魔王であるシェシィがそう態度で語る姿は、抜群に嗜虐心をそそる。
急所である頭を差し出しながら、目を地べたに伏せて、咄嗟の反撃や逃走もできないよう、なっがいおみ足を折りたたんでいる。
土下座とは、最も屈辱的な懇願の方法であるとはよく言ったものだ。
だって、こんなの──このまま、頭を足の裏で押さえつけて、ぐりぐりとかかとで踏みにじってやったって、抵抗のしようもないのだ。
もちろん、シェシィと僕とでは、圧倒的という言葉すら足りないくらい圧倒的に、歴然とした力の差があるのだから、ちょっと頭を押さえつけたぐらいでは、彼女の身体を戒めることなんてできやしないけど。
でも──もし僕が後先も考えず、興味本位で彼女の尊厳を踏みにじってみても、彼女は絶対に、そんな無粋な抵抗なんてしてはこないだろう。
だって、元より彼女は、こんな風に自分を貶めてまで、僕に媚びる必要なんてないのだから。
「どうか、どうか……惨めったらしく、貴方様の足元に跪くしか能のない私に、寛大な貴方様の慈悲を賜りますよう、この通り、お願い申し上げます……」
眼前のシェシィは、深々と、頭を下げ続けていた。
太ましい腿肉を、コンパクトに折りたたんで扁平に潰し、完全に僕に対して白旗を掲げる上に、駄肉が生み出す極楽の肉感まで、卑賎にアピール。
牝牛みたいに巨大に垂れ下がった、長くて真ん丸な乳肉も、地面で楕円形に潰し、スリムで美しい背中のシルエットから、下品にはみ出させる。
それを眺めさせながら、二人のシェシィは、変わらずひそひそ、濡れた吐息を耳に掛けながら、囁きを続ける。
生ハメを前にして、勃起が萎えたりしないよう、すりすりしゅらしゅら、腰回りをすり撫でる事も、忘れない。
僕も負けじと、彼女らの尻の下に指を潜り込ませ、むっちゅりとケツ肉を揉み込み、手のひらで弾力たっぷりの媚肉を弄ぶことを、忘れない。
「うわー……キミからのベロキス欲しがりすぎて、こんなに綺麗にガチ土下座してるよ……。しかも、キミに屈服できるの嬉しすぎて、マゾまんこ濡らしてるし……きもいねー……。こんなに夢中になって、キミのべろちゅー欲しがってたら、いくら何でも、二度と魔王なんて名乗れないよねー……」
──それらの行為は全て、僕が命じた訳ではなく、シェシィのマゾ心が暴走して、勝手に行っているという言い訳が効く状況も、また良かった。
女の子に土下座をさせるという、あまりに倫理を無視しすぎた非道な行為にも、心を痛めることも無い。
だって──彼女は、これを自ら勝手に、悦んで行っている。
どれもこれも、全て彼女が望んだことで、僕はそれに付き合うことを、強要されていて──
「「あ……」」
──だからこそ、贅沢に。
僕は、両腕を、彼女らの肩に、思いっきり回し。
力ずくで、抱き寄せて、背中越しのなまちちを、めいっぱい乱雑に揉みたくりながら。
さんざベロキス欲を煽ってきやがった、無礼で恥知らずで、艶々むっちりな唇に──望み通り、タコのようにみっともなく吸い付き、舌を思いっきりねじ込んでやった。
──ぶっぢゅるるるるるるるぅぅぅぅぅ~~~~~~っっっ………………♡♡♡♡♡ぢゅるぢゅるぢゅるぅっっっ…………♡♡♡♡♡
「あっ、あっ……親友、ベロキス、えぐいね……男らしくて、めっちゃかっこいいね……。そんなにかっこよく唇奪われたら、こいつ絶対、キミのこと惚れ直しまくって、ガチ恋アクメ極めちゃうじゃん……」
──それでいて、その口つきには、どこまでも濃く、恋愛感情がコーティングされている。
そこには、もはや、”親友”という建前すら、感じることはできない。
それぐらい、熱烈極まる、舌同士のまぐわい。
僕の唇が貧相に思えるほど、肉厚でやや前にせり出した、彼女のグミのようにむっちりしたリップに、まず唇を絡め取られて──しっかりとホールドした上で、ずろんずろんとダイナミックに、口腔を長い蛇のような舌が、動く、動く。
唇を、べっとり不細工に潰れるほど押し付けて、お互いの唾液で口元がべとつくことすら構わない、”甘やかし”とはまるで真逆の、レイプじみたベロキス。
スタイリッシュさの欠片もない、シェシィのイメージとは真逆の、ただただ抜き目的の口レイプに──反応が追いつかない心よりも先に、まず身体が、屈服する。
避妊具を付ける必要も無い、生の淫魔まんこをすぐ前にして、ベロキス無刺激吐精を行うことすら──勿体ないとも思わない。
だって、シェシィの甘ったるい唾液を啜れば、精液なんていくらでも補充できるから。
──んねろねろねおねろぉっ……♡♡♡んべろべろべろべるべるれるれるれるれるえろえるえるえらぁっ……♡♡♡
「あーあー……大喜びで、舌絡ませ返してさ……。さっきまで親友親友って、犬っころみたいに懐いてたくせに、いざ恋人みたいなラブラブキスされたら、尻尾振りまくってキミに媚びて、卑しすぎ……。愛人としてすら意識してもないセフレ女に、こんなに必死こいてべろちゅーされるの、ウザいね……愛情重たすぎて、めんどくさいね……」
余裕なく、ひたすらぶっぢゅり、啜り尽くす音を立てまくって、吸い尽くす。吸い尽くされる。
あえて下品な音を立てる、快感特化のジャンキーなキスに、僕は大きく身体をびくつかせて、目の前をちかちかと白黒明滅させた。
そんな様子を、あえて”ウザい”と評するのは、安物の薄いコスプレ用牛柄ビキニを着込んだ方のシェシィ。
どんなに冷徹に、片割れをバカにしてみせても──それと同じだけ馬鹿らしい恰好をして、雌牛みたいに乳肉をだぷつかせているのだから、その言葉は最早、同じ愛玩家畜への嫉妬でしかない。
だけど、そんな品のない奉仕をしておいて、なお──眼前いっぱいに広がる、彼女の顔は、相変わらず冷徹で。
眠たげに、少しばかり瞼を下ろしながら、口角なんて全く上げず、頬の血色すら少しも赤くならずに、ただ舐る。
どこか作業的にすら思えるほど、退屈そうな表情なのに──僕の口の中で、ねろねろ熱烈にのたうつ肉舌は、そんな彼女のものだと言うのだから、堪らない。
そして、少し視線を外し、ベッドの横の床に目を向ければ──シェシィは今でも、ぐりぐりと地面に頭を擦りつけ、嬉しそうに、気持ちよさそうに、土下座をしていた。
まるで本当に、僕に唇を奪っていただけたことに、深い感謝を捧げているかのよう。
その姿は──僕が、この場においてだけは、シェシィという魔王すら従える、本物の王様であることを錯覚させるには、十分すぎた。
両腕には、雌を二人も同時に抱き。
眼下には、ベロキスハメ乞いをするためだけに、雌が頭を地面に擦りつけ。
そして視線を下に落とせば、ヒダの加減も肉粒の位置も、全て僕のためだけにあつらえられ、おまけにぐずぐずに濡れ切って準備万端の、暴発確定まんこ。
「あ~……クソうっぜぇ……。こいつら、むにむに乳肉押し付けて、あっまい汗の匂い嗅がせて、舌も恋人絡めして、唾液も啜りまくって、一丁前にちんぽイラつかせてきやがって……。雌奴隷のくせに、まんこ欲しがり過ぎ、ムカつく……。媚び方あからさますぎ、家畜のくせに俺様のガキ欲しがるとか、何様すぎ……」
「イラつく、イラつく、イラつく……。もう、膣穴に思いっきりちんぽねじ込んで、時間がない時のオナニーみたいに、自分勝手に腰振りまくって、ガシガシちんぽコキ倒さないと、気が済まない……。愛液塗れの穴で、亀頭も竿もぬるんぬるん、ぱこぱこぱこ……最後はぷりっぷりの子宮の奥に、どっぴゅ~っ……。あ~気持ちいい、絶対気持ちいい、雌穴チンコキちょ~気持ちいい……」
耳元には、口調だけは俗っぽく、しかし機械的に平淡な声色の、シェシィの囁き。
口元では、べろべろにゅるにゅる、口の端まで濡れるほどにねぶり散らかす、舌のねとつき。
そして目と鼻の先には、心臓が止まってしまうほど、カリスマたっぷりに冷たく見下す無表情が堪らなく美しい、一流の彫刻家が手掛けた氷像のような美貌。
それらの全てが──ミスマッチ。
熱烈極まりなく、品性の欠片も無い奉仕と、感情の欠片も感じることができない、眠たげで退屈そうなありとあらゆる態度は、もはや矛盾と言ってもいい。
だからこそ、興奮を煽る。
本心がどちらか、ミステリアスな彼女の内心は想像もできないけれど──だからこそ、今僕の神経に、溺れるほど流されるこの快感が、殊更に実在を訴えかけて。
──やはり、手籠めにする雌の態度は、冷たく事務的であればあるほど、行為のねちっこさが際立って、くらくらするほど気持ちがいい。
そんな、間違った認識まで植え付けられて──もう、いよいよ、遠慮なんてものはない。
ただ、心から性欲の赴くまま、しつこく絡む舌を口からにゅるりと引き抜き──
「あ……ちんぽ、びっくんびっくん跳ねて、孕ませ準備整っちゃってるね……。精液、死ぬほど濃い時の匂いする……こんなギトついた精子、ゴム無しのナマで喰らったら、200%孕む……双子孕んじゃう……。うわ、それ絶対、気持ちいい……。もう一回、唇ぺっとり貼り付けて、まんこと別の女に浮気しながら、ベロキスで精子煮詰めて膣内射精、あっあっ、想像だけで、腰溶ける……」
「はぁ……?何ちゃっかり、親友のキスまた奪おうとしてんの……?あんな性欲強すぎる女やだよね……。次は絶対、私だから……。親友は、お前みたいに、好き好きオーラ出しまくって、しつっこくベロ絡めてくる、愛情欲しがり過ぎ女は嫌いなのー……。ね、私だけの親友?そうだよね……?」
──途端、嫉妬丸出しに、僕とのキスの権利を、二人の妾が奪い合う。
まるで、ベタ惚れなんて程度じゃなく、財産を全部貢いで人生を破滅させるメンヘラ女のような、盲目的で信仰じみた愛情を錯覚するほど、二人の舌戦は、刺々しい。
そんな状況下ですら──僕に対しての奉仕は、忘れることはなく。
あくまで僕の興奮を最優先にしつつ、僕の性欲の矛先が自分に向くよう、自らの口技を、アピール。
──んにゅるう~~~っ……♡♡♡にゅらにゅらにゅら……♡♡♡
両耳へ、至福の、耳舐め。
ぴくぴくと、口を半開きにしながら、どちらの方を向くこともできず、耳元に張り付くグミのような唇のぷるつきを、味わう。
丹念に丹念に、舌の腹をぶっちゅり、耳の穴を塞ぐように押し当てられ、れろれろ嫐られながら。
それだけでも、一生飽きずに射精していられるほど、淫らさはもう最高潮だが──しかし、ちんぽの先には、これまた媚びるようにしゃぶりつく、シェシィのおまんこがあるのだから、使わずにはいられない。
どっち、どっちと、優柔不断に二つの唇を試させながら、目の前で高々と柱のようにそそり立つ、肉厚な脚にすりすりと軽く頬擦りをして、とことん気持ちよく、優越感を募らせながら、たっぷり尺を取って、迷い箸。
あまりに贅沢な肉の詰まり加減により、大陰唇まで溢れるかのように、もっちりと肉が盛り上がって、ちんぽを誘導するその穴へ、しかし挿入はしないよう、軽く腰を揺すり、ぬるぬると入り口の肉だけを、豪勢にも味見してみせる。
「ね、ね、親友……。せっかく犯すなら、私の方がいいよね……。あんな下品で恥知らずな、ぎっとぎとの金色ビキニであざとく媚びる、頭の悪いまんこ穴なんて、やだよね……?こんな女抱いてたら、せっかく格好いいキミまで馬鹿になっちゃうよ……。ほらほら、私のおまんこにしときなよ、こっちのまんこは甘いぞ~……」
「なぁに馬鹿なこと言ってんの、お前みたいに牛の格好して、乳くっさいデカパイ揺らしてる方が下品だっつの……。ね、あんな馬鹿女ほっといて、私といちゃいちゃしたほうがいいよね……。あいつは適当に、牛みたいにデカ乳ゆさゆさ揺らさせてさ、オナサポダンスでも踊ってもらおうよ……。そんで勃起させたちんぽで、この牛女じゃなくて、私のことを抱いちゃうの……。ね、いいでしょ……」
ビキニの紐すら絡むほど強く密着して、自らの雌としての価値をひたすらちんぽに叩き込む二人。
淫魔のフェロモンはむんむんと、呼吸をすれば舌の上にすら甘みを感じるほど濃くなっていくくせに、二人の舌戦は激しくなるばかりで。
お互いを口汚く罵っては、お互いの価値を貶めて、どうにか興味を引こうと、なりふり構わず媚び散らかす。
ただ──僕に、抱いて貰うためだけに。
気分はもう完全に、自分をこの世の支配者だと思い上がり切った、ハーレムの王様。
だからこそ、更に僕は、どこまでも傲慢に。
「「あ……」」
──二人の懇願を、全く無視して。
目の前で、ぶるんぶるんと震える肉腿に、舌を這わせてむしゃぶりつきながら、寝転ぶシェシィのまんこに向かって、腰を思いっきり突き込んだ。
どんな男でも女でも、人間なら誰だって好きなように手のひらで転がす、シェシィという神域の淫魔が、僕のちんぽを煽るためだけに、へりくだり頭を床に擦りつけてまで、あからさまな嘘媚びを受けているのに──それを、ただ自分勝手な性欲で、ガン無視。
人間に好意を向けたりしないどころか、敵意や殺意を噴き出している場面しか見たことがないシェシィの、滅多なことでは賜れない、値千金のベロキス懇願を、ただ贅沢さを味わいたいという、それだけのために、無碍にする。
誰もが羨む極上の美女からのベロキスおねだりを、あえて手ひどくフッて、雄としての価値を上げる、最低な興奮。
僕に媚びる淫魔からの告白を適当にあしらって、快感のためだけに浮気交尾を決め込むの、めちゃくちゃ優越感をそそって、直に脳にキク。
そんな、人間として最悪な快感を貪っていることを、きっとシェシィは知っている。
そんな、不快になって然るべきの思考を、彼女は分かりきった上で──
「あーあ……私の親友、ただの太ももに寝取られちゃった……。私ったら、こぉんなに美人でクソほどモテて、おっぱいも尻も馬鹿みたいにでっかくて、その上キミにベタ惚れなのに、キミのおちんぽ様のご機嫌取れなかったから、盗られちゃったんだ……。」
「でもでも、そんなの当たり前だよね……。私たちはキミの雌奴隷、キミのおちんぽ様が何よりも優先で、キミ絶対主義のベタ惚れまんこ……。キミのちんぽを気持ちよくさせることしか能の無い、ちょっと雌としての価値が世界一高いだけの、チンコキ穴でしかないんだから、キミに選んでもらえなくても、文句を言う権利なんて全くない……」
──その行動すらも、まさに彼女の誘導通りだと言わんばかりに、耳元で淫語をたたみかける。
どこまでも、どこまでも彼女の手のひらの上で踊っているだけなのに、彼女はむしろ自分こそが貴方の操り人形であり、貴方は私の支配者であると語ってみせる。
脳は過度の興奮で、ほとんど機能を停止してしまっているのに、その言葉の内容だけは、不思議と理解できてしまう。
ますます興奮したところに──まんこの肉粒と膣圧が、ちんぽにへばりつくように襲いかかって、ひたすらに快楽神経を痺れさせる。
腰を突き入れれば、にゅらつく濃いめの粘液をまとった、とろとろの柔らかなまんこ肉に、むっぎゅ~~~っっっ♡ときつくハグされ受け止められて。
引き抜こうとすれば、かえしのように逆立った肉粒が、名残惜しく亀頭のカサを削り取って、稲妻のような快感をもたらす。
淫魔の名に恥じない、破滅的なまでの名器。
人間が受け止めるには、あまりに濃すぎる快感と幸福感に、意識がぐらぐらと揺れるけれど、シェシィの持つ魅惑に気が狂うようなことも、うっかり気を失うようなこともない。
それは、何故か。
「て言うかむしろ、ますます惚れ直しって感じ……?こんなに価値のある雌を簡単にフってみせるなんて、親友男らしすぎ……。やばやばっ、めっちゃご主人様だね……。こんなの絶対逆らえない……。やんやん、腰振り見てるだけで、卵子ごと支配されちゃいそう……」
「あーあ、私ったら、ベタ惚れしすぎで盲目になっちゃってんじゃん……。こいつ終わりだね、もうキミに何されたって悦ぶよ……。浮気しても金巻き上げても、どうせまんこ濡らしながら、キミのこと褒め称えるんだろうなぁ……。ま、私だってそうだけど……」
──手加減、しているからだ。
あえて度を超した快楽を与えないように、力を抑えるというよりは、ほとんど力を封印していると言って良いくらい、手を抜いている。
例えるならば、少し力を入れれば脆く崩れ去る砂の塊を、崩さないようそっと握り込むように。
決して僕の快楽神経を焼き尽くしてしまわないよう、シェシィからすれば退屈極まりない、ぬるくて緩いセックスで、文字通りに奉仕してくれている。
シェシィはもはや、このセックスで快感を得ようだなんて、微塵も思ってはいないのだろう。
無論、もとより人間なんかの男性器を挿入されたぐらいで、彼女が喘いだり絶頂したりするとは全く思わないが、それにしたってこれほどスローで退屈なセックスなど、シェシィにとっては赤ん坊のおままごとに付き合っているにも等しいはずだ。
そう、彼女は自分の快感など棚に上げて、ただただ僕が心地よく、この極楽のハーレムに浸っていられるよう、甘やかしてくれているだけだ。
こんな、何でもないただの人間のオスである、僕のことを。
それでいて──その手加減を表立たせないよう、見た目には華美を極めたハーレムをあてがって、濃厚で飽きの来ない興奮を与えてくれるという徹底ぶり。
耳元では、ひそひそひそひそ、耐え難く背筋をぞわつかせる、蜂蜜じみて甘く粘ついた声が、脊椎ごと身体をブチ蕩かし。
身体には、むちむちむちむち、押し寄せるように抱きついてくる肉が、こってりとした濃い肉感を直接叩き込み、雌の身体の柔らかさと反比例させるように、ちんぽに思いっきり芯を込めさせる。
そうして二人のシェシィが、たっぷりと肉付いた高身長を、甘くすり寄って密着させるたびに、僕の小さな身体は押しのけられて、より深く肉腿の柱にうずもれてしまう。
まるで全身が、巨大なスライムに取り込まれたかのように、肌という肌に甘ったるい肉のもちつきが広がって、今すぐにでも頭がおかしくなりそうだ。
もはや、前後不覚どころか、前後左右に上下も不覚。
自分が今、どちらを向いているかも不確かなほど、脳みそがシェシィのこと以外なにも考えられなくなって、思考が幸福と快楽に埋め尽くされる。
こんなに興奮しているのに、こんなにシェシィの身体を犯したいのに、腰を振ろうと思える余力すら残ってはいない。
それほどに、純粋な幸福に脳みそが乗っ取られているけれど──性交には、一切の差し支えがないよう、シェシィはそれすらも加減してくれている。
僕の身体が倒れてしまわないよう、顔を寄せて首筋を舐めるついでに、背中をそっと手で支えてくれて。
ふにゃふにゃに力の抜けた腕が抱きつくのをやめて、快楽から無意識に逃げてしまわないよう、そそり立った太ももごと、後ろから手を回して抱きしめて、むっちりと女体を堪能させることをやめない。
べろちゅーをかます唇と舌は、無茶苦茶に舐め嬲っているようで、繊細にこちらの様子を気遣いながら、ベロを絡め取って、シェシィの口腔内へと誘導してくれて。
そしてオナホに徹してくれている、寝転んで太ももとまんこを差し出すシェシィは、もどかしくはないけれど、精液を漏らしてしまわない程度に、軽く腰を揺すってくれている。
つまり、シェシィの言っている浮気交尾なんてものは、あくまでも名ばかりに過ぎず、僕が今行っていることと言えば、奉仕に身を任せながら、だらりと全身の力を抜き、時折太ももに舌を這わせて、深い恍惚に浸ることくらい。
そんな、オスとしての一切の努力を放棄させる、全自動でバリアフリーな性奉仕を行って、なおも。
「そう、そうだよ、上手……。セフレまんこを”利用”するの、すっごく上手だね……。キミみたいな強いオスは、セックスする時に相手のことなんて考えちゃダメ……。そうやって、自分勝手に快感に浸ったり、かと思ったらずっこずっこハメ潰してみたり、相手の反応も考えずに、自分のちんぽの都合だけで動くのが、雌淫魔ペットの飼い主のマナーだからね……。お前はあくまで俺様の奴隷、お前の主導権は俺様にあるんだぞ~って、わからせてあげなきゃ……」
「そう、親友はね、こいつの飼い主なんだよ……。ほっといたら人間を狂わせたり、破滅させたりしちゃう、やんちゃな馬鹿犬には、厳しく当たってあげないと……。お前は所詮、俺の精液コキ捨てるための便所……。オナティッシュに過ぎないんだって、態度で示してあげようね……。そしたらこいつ、どれだけ尻尾振って喜んで、キミに懐くだろう……。あーあ、気持ち悪いマゾ犬だね……。もっと蔑んであげてもいいんじゃない……」
──もっと、もっとワガママを言ってほしい、自分のカラダを求めてほしいと、貪欲に催促し続ける。
僕がそれを囁かれるたび、あまりの興奮に瞳孔がきゅっと収縮して、目を見開くその仕草を、決して見逃さないとばかりに、じぃっと、僕の目を覗き込んだまま、視線を一切動かそうとしない、二人のシェシィ。
瞳の奥にハートマークが浮かぶくらい、底なし沼じみた偏愛を伴って、魔性の瞳が舐めるように、じろじろと無遠慮に上下、上下。
腰を揺する動きに追従するように、ひたすらじっとりと、僕の反応を視覚で貪る。
そうして紫色の瞳に見つめられながら、脂の乗った臀部に必死こいて腰を打ち付けると、その度にたぱ、たぱ、と水風船を打つような音を伴って、下半身が波打つ。
肉塊とすら表現したくなる、迫力たっぷりのデカ尻は、広い骨盤に負けず劣らずたっぷりの雌肉をこさえており、腰をぐりぐり練り付けるのが、どうにも病みつきになってしまう。
混ぜたばかりのどろどろなコンクリートに、鉄の柱を突き立てるように、僕の硬くて細い腰を、ぶっとく肉付いた彼女の腰に埋めさせると、しっとりとした肉がにゅるりと潰れて、扁平に伸ばされ、捏ねられ、溢れてゆく。
その、コクに満ち溢れた感触。
そして、シェシィの神がかって艶やかな巨尻を、彼女と比べたら笑ってしまうくらい貧相な僕の恥骨が、無造作に潰してしまう、その征服感、背徳感。
その全てが、膣肉を掻き分けてちんぽを子宮に突き立てる瞬間、愉悦となって背筋を駆け、脳みそを痺れさせ、腰骨をかっと熱く蕩かし。
鉄砲水のように噴き出す脳内麻薬にびたびた浸って、有頂天の心地で腰をくねらせ、またもにゅらにゅらと巨大な尻にうずもれて、練り付けて、幸せの絶頂から降りられないまま、無限に陶酔が後を引いてしまう。
そして、やがて満足するまで天国の膣内を堪能したのなら、また腰を弓なりに引きしぼり、狂ったように喘ぎながら夢中で腰を叩き付ける。
一度一度のストロークが、長さも濃さも桁違いな、シェシィとのまぐわい。
おまんこの中に挿入して、子宮口を亀頭で小突き、そして竿をずろりと抜くまでに、ゆうに二、三分は使い果たすほど、じっくりと堪能し尽くす執拗さで、何度も何度も耕してゆく。
「ね……。こんな女に好かれちゃったら、親友はもう、ワガママし放題だね……。ちょっとでもちんぽがイラついたら、深夜だろうと構わずに呼びつけてさ……。そんで、モノに八つ当たりするみたいに、黙ってちんぽ舐めさせたりしたら、こいつクソマゾだから、気をよくしてお小遣いなんかくれちゃうよ……。完全合意なATM女、都合良くて便利だね……。クソみたいなヒモ男ごっこができちゃうね……。あーあ、かわいそう……親友は、女の子にそんなひどいことしたくなんかないのに……」
「でもでも……そんな、クズみたいな振る舞いされて、しかもモノも言わないオナホ太腿に、べろちゅーの相手寝取られても……。私は一途に、キミのことを思って、せめて快感を深めるために、奴隷根性の染みついた、乳揉ませ耳舐め囁き奉仕を、続けるだけ……。だって、私がそうしたいから……。うんうん、かわいそうだよね、親友は……。つよーい淫魔に脅されて、欲しくもないのに無理やりメス奴隷を従えさせられるんだもん……」
耳の少し後ろから、シェシィの冷たいビロードの声が聞こえると、抗いようもなく腰がぞわついて、どうにか逃れようと前のめってしまう。
しかし、そうして背中をまるめたところで、僕の身体はますます弾力とむちつきに溢れた、シェシィの身体に跳ね返されるだけ。
そうすれば、やはり後ろに侍女めいて構える二人の、ほとんどナマ乳丸出しな薄いビキニに受け止められる。
逃れようのない、天国に閉じ込められている。
ペニスがびっくんと跳ねれば、そりくり返った竿は膣ヒダに絡め取られ、千本ミミズの数の子天井に擦られて。
身体がぴくんと跳ねれば、ずっしりと重たい肉感の、淫魔らしく艶まみれなシェシィの極肉が、ますます抱擁を強めて、理性にとどめを刺しに来る。
それでいて──耳元の囁きは、ますますインモラルに、ひたすら媚びへつらいを強めるばかり。
お前のちんぽがムラついたなら、お前のちんぽのイライラを鎮めるためだけに、いつでも望んだ時に駆けつけて、黙ってまんこを差し出してあげよう。
そうしてくれたなら、私はきっと心から貴方に感謝して、更に深く惚れ直しながら、にやにやと卑屈に微笑みかけ、せめてものお返しに財布の中身を丸ごと置いて帰るだろう。
──それを、貴方が望んでいなくても。
どれもこれも、あくまで私が望んでいるだけ。
貴方からの寵愛を恵んで頂くために、尊厳すら一切かなぐり捨てて、身体も心もなにもかも捧げようとするのも──ただ、私がそうしたいから。
それに付き合わされる貴方は被害者だ。とっても哀れな立場なのだ。
ああ、可哀そう。貴方はそんなことをしたくないのに、男の淫欲を具現化したような、究極の淫魔に押し掛けられて、脅されているから、淫魔を奴隷にしなくてはならない。
見ているだけで意識がぐらつくほど美しくて、クソほどおっぱいとお尻と太ももがデカくて、死ぬほどえっちが上手くて、世界を容易に支配しうるほど強く、それから貴方のことがとってもとっても大好きな淫魔を、本当はそんなことしたくないのに、自分のモノとして一生手元に置き、いいようにコキ使ってやらなければならない。
──彼女は、どこまでも卑屈だ。
ここまでお膳立てしておいて、なおも僕が余計な罪悪感など抱かないよう、徹底的に逃げ道を作ってくれる。
シェシィという、そして一 恣紫という、比喩でなく彼女より美しい女性なんて存在しない、文字通り世界一の美女が、僕という世界で上位50%に入るかもわからない男の手元に、わざわざ降りて捕まってくれているのに。
世界中から、男からも女からも、嫉妬を買って然るべき僕に──責任すらも、取らせない。
とことん、徹底している。
そうだ。だって、それが彼女の望みなのだから。
それをするために、彼女は僕をベッドに押し倒し、啄んでいるのだから。
だって、そもそも、これは──
「「これは……”甘やかし”なんだから……」」
ぢゅううぅぅぅぅぅ────っと、一際強く、耳にディープキスをかまされて、僕はいよいよ脳みそを啜られたような気分だった。
意識も肉棒も理性も、何もかもがどろどろに溶けている。
それでも、がっしりと脚に絡め取られた腰が、ばすんとシェシィの股肉に打ち付けられる瞬間だけは、いやにはっきりと、鮮烈な快感が走っていた。
どれもこれも、シェシィという女の肉感が、あまりに生々しいのがいけない。
後ろから抱きついては、ひそひそひそひそ、いやに間近で囁いて、ぷるりとグロスが弾ける、魅惑のリップノイズまで響かせて。
その上で、まるでロッカールームに三人で閉じ込められたかのように、いやに狭っ苦しく密着して、むせ返るような女の匂いをまき散らし、惜しげも無く贅沢に、乳肉で顔中を包んでみせる。
一人でだって、僕の頭くらい後頭部まですっぽり包める、馬鹿げたサイズ感のくせに──わざわざ二人で包むものだから、どうにも乳肉が余って仕方ない。
これほどのハーレムを、彼女以外の誰が用意できるというのだろう。
これほどのハーレムを、僕以外の誰が味わえるというのだろう。
──いけない、これは、勘違いしてしまう。
彼女に唆されるがまま、自分が王様扱いされることを、当たり前だと認識してしまう。
シェシィの甘やかしは、いっそ毒々しいまでに、献身的だ。
どんなに些細な玉疵でも許さないと言わんばかりに、ほんの砂粒ほどの不快や嫌悪すらも取り除き、純度100%の肉感に浸らせる、病的なまでの愛情と奉仕を押しつけてくるくせに──彼女の声も態度も、全く演技がかっておらず、冷ややかで淡麗だからこそ、それが当然のことなのだと、錯覚させられてしまう。
「何をしても、どれだけひどいことをしても、どれだけ自分勝手にちんぽを気持ちよくさせても……絶対に怒らないし、嫌な顔一つしない……。それどころか、キミが何かを望む前に、私はそれを叶えてあげる。女の扱いに慣れてないキミに、余計な負担を負わせないように、ね……」
「心の中に思い描いた、いっちばん気持ちよくて、下劣な欲望を、思いのままに全部全部ただ叶えて、何でも言う事を聞いて、受け入れてあげる……。そうして好き放題させてあげたら、その責任は全て、私が被ってあげる……。それって、これ以上ない、甘やかしそのものだよね……?」
──甘やかされている。精神も、肉体も、魂までも。
隣にある乳肉を鷲掴むか、はたまた腰を抱き寄せるか、あるいは目の前の太ももにしがみつくか。
さんざん迷い箸して、飽きっぽくつまみ食いするように、あっちにもこっちにも浮気しながら、何人ものシェシィを撫で回して。
単純な肉欲という意味での快楽と、数多の女に片っ端からセクハラして、それを許容されるという、支配的な仄暗い快楽を、たっぷりと堪能する。
その間にも、膣内ではべろべろとちんぽが舐めしゃぶられて、ぶるりと背筋が震えては、熱いため息を漏らすばかり。
温泉に浸かる時の、陶酔と脱力感を伴いながら、しかし鳥肌が立つほど深い恍惚に見舞われる、あの感覚。
あれを、何百倍にも深くしたような、ずぅんと腹の奥に来る快感に、唇を突き出して喘いだ。
シェシィはそれを、キスをねだっていると思ったのだろうか、それともただ快楽に酔いしれていることを理解していながら、わざと口づけをしてきたのだろうか。
右には、淫猥さだけを引き出すように、わざとらしく紅を濃くした、厚くて下品な女くさいリップ。
左には、自然で理知的な、恣紫が持つ超越者然とした美しさをそのまま表した、薄いグロスの上品なリップ。
それらを、どちらも食らいつくすように、むしゃぶりついて奪い、貪って──オスの唾液にてらつかせ、マーキング済みの証を残すと、もう無限に射精できるくらい、金玉がぐつぐつと本能に煮え上がった。
「そう……キミは最初から全部、私の手のひらの中で、転がされてただけ……。女の子にひどいことをしたくないっていう、キミの優しさや倫理観、常識とか社会通念とか、そういう分厚い壁によって、こっそり心の内側に隠された、その欲望を……私はただ、私にぶつけてしまうよう誘導して、暴いて、受け入れてあげただけ……」
「ね……こういう欲望って、さ……誰の心にも、一つは必ずあるものなの……。絶対に叶う訳がなくて、死ぬまでに叶えたいとすら思えなくて……そして、あんまりに下品で、低俗で、誰かに聞かれたくもないくらい、ドロドロの性欲にまみれた、そんな途方もない欲望……。それって、さ……人間の心の中で、いっちばん柔らかくて、脆くて、敏感な部分なんだよ……」
「そう……例えば、それを見抜かれて、面と向かって指摘されたとしたら……それが、どれだけ親しい間柄の人間であっても、死んでしまいそうなくらい、恥ずかしい……。それぐらい、弱点と言ってもいいほどデリケートだから、みんなひた隠しにしてる……。でも、それと同時に、さ……」
「「それを、完璧に叶えられて、しかも受け入れられてしまったら……絶対、絶対、依存しちゃう……」」
依存する。シェシィの女体にも、この状況にも、彼女が与えてくれる全てに、依存してしまう。
両側から腕を奪われて、指ごとそっと女性器へ導かれ、そのままぬぷりと挿入。
指を入れているだけで、途方もない名器だと確信できる、うねり倒した狭い膣穴を、じっくり品定めしながら──ホンモノのまんこを、ほじくる。
入口はきゅっと狭く、中盤にかけて締め付けは柔らかくなってゆき、膣肉による柔らかな抱擁を味わわせたところで、奥のざらついた天井で舐め上げて、こりこりの肉粒でトドメ。
全くの同一人物を犯しているという、本来あり得ない状況だからこそ、オナホの中身を覗くがごとく、自分が今どれほどえげつない搾精器官にちんぽを苛められているのかを、指で確認してしまえる。
そのためだけに、女を抱き寄せ股座に手を突っ込み、ぬるぬると自分勝手にまさぐることを、許してもらえる。
──シェシィの、国宝級の顔を見つめながら、しばしとびきりの優越感に、浸った。
浸りながら、雑にまんこを弄って、耳元で『あん♡あん♡』『やん♡やぁん♡』と、噓くさく喘いでもらった。
誰がどう聞いたって、それが演技であることは証明するまでもなく明らかだけれど──むしろ今は、その方がいい。
わざわざ僕を悦ばせるために、あの冷酷な淫魔であるシェシィが、普段のクールで静かな声色をがらりと変えて、似合わないくらい甘ったるい演技をしてまで、徹底的にちんぽに媚びてくるのが、ひたすら心地よかった。
ぶっぢゅりと品のない音を立て、乱雑に吸い付いた唇からは、唾液の糸を引いている。
ぬとぬとに汚されていながらも、彼女の態度はあくまで平静を保ち、声のトーンもまた平坦。
この行為を”当たり前”だと条件付けるような、彼女の洗脳じみたカリスマたっぷりの声色に、本能も理性も丸め込まれて、騙される。
彼女に言われるがままに、依存する。
夢ですらもあり得ない、頭がおかしくなりそうな、どこを向いても、何をしても、呼吸の一つを行う時ですら愉悦が伴う、極めて天国に近い堕落の世界を、僕は受け入れ始めている。
依存する、させられる。
このままでは、シェシィがいないと、生きていけなくなる──。
「……別に、いいじゃん」
「親友ったら、へんなの」
──と、ぐずぐずに蕩けながら、無意識に言葉に出ていただろうか。
呆れるように、二人が言う。
「幸せで幸せで仕方がなくて、永遠に浸っていたくなるぐらい気持ちいいくせに……なんで、やめたいって思うの?」
「……別に、いいんじゃない?私がいいって言ってんだし、あとはキミのその……罪悪感?それ無くせば、お互い合意で、ウィンウィンだよ」
飴を最後まで噛まずに舐め溶かすかのように、腰をじっくり落ち着けて、射精してしまわないよう、ゆっくりゆっくりとちんぽをねじ込む。その繰り返し。
口元が脱力感に緩みきり、涎を零してはシェシィに舐め取られているというのに、太ももに抱きつく腕だけは、離さないとばかりに力がこもる。
人間を蕩かし堕落させるためだけに誂えられた、極限まで豪奢な肉布団。
ふかふかで、しっとりしていて、どこもかしこももっちもち、まるで巨大な大福か柏餅に寝転んでいるような、至福の甘え心地をもたらす肉を、噛みしめるように抱き潰す。
媚肉の中にうずもれて、どったぷんと波打つ肉に揺さぶられるたび、じんわりと多幸感が湧き出して、恍惚にため息を吐かざるを得ない。
もっともっと、嗅げば嗅ぐほど癖になるような、シェシィの女くさくて甘ったるい匂いを、肺いっぱいに満たしてやりたいのに、あまりに恍惚が深すぎて、声が漏れるほどの吐息を抑えられない。
全身を使えるだけ使っても、まるで甘え足りない、シェシィの女体。
抱けば抱くほど、飽きるどころかもっともっと堪能したくなる奥深さをもって、僕をどこまでも依存させる。
飛びついても、むしゃぶりついても、抱きついても、しがみついても、吸い付いても、舐め回しても、まるで足りない。
こんなに全身を投げ打っているのに、まだまだ甘えられる余白を残してしまい、どう味わったって味わいきれず──足先から頭のてっぺんまで使うほど、贅沢に堪能しまくっているのに、ああ勿体ない、ちっとも身体が足りない、僕なんかではシェシィの魅力を持て余してしまっている、とすら思わせるほど。
シェシィの身体は、どこまでも味わい深く、至福。
シェシィの甘やかしは、病みつきになるほど、究極──。
「ね、じゃあ、依存しよっか。私がいないと呼吸もできなくなるくらい、ベッタベタに惚れちゃお。そしたらさ、私達、ずっと一緒だよ」
「それいいね、そうしよっか。私にずぶずぶに依存して、一秒でも離れたら寂しくなって泣いちゃう、赤ちゃん以下の存在になるまで、ほら、甘えていいよ」
──だからこそ、ここで射精したら、終わる。
今でさえ、全身が炙られた飴玉のように、どろどろに濃く溶けて、筋肉も骨も脳みそも、すかすかで甘ったるい綿飴になってしまっているのに。
この魔性の肉体に、いよいよ膣内射精なんてキめてしまえば──もう、おしまい。
あとは麻薬中毒のジャンキーみたいに、シェシィから与えられる快楽を、ただ口をぼんやり開けて受け止めるだけの、肉のカタマリに堕ちてしまう。
言われるがままに、依存してしまう。
彼女との、ほんの手加減セックスのせいで、僕の人生はこっぴどく破滅する。
そうすれば、ただただ永遠の幸福に囚われて、シェシィという淫魔の雌肉の中にうずもれながら、必死こいて乳の中でもがくだけの、死ぬほど惨めで気持ちいいだけの、長い長い時間が待っている。
人生を、淫魔とのセックスで、棒に振る。無駄にする。
だって、もう、こんなもの、生きながらにして天国に連れ去られたのと同じだ。
夢かと思うほど、何もかもが最上で至高の、艶まみれで都合の良すぎる世界にいるのに──せめて夢であってほしい、目が覚めたら元の世界に戻っていて欲しいと、心のどこかで考えてしまうほど、人の身には過ぎた快楽と幸福だけを与えられる。
これほどの極楽を味わってしまえば、二度と現世には戻れない。
言うまでも無く、そうに決まっていた。
けれど、もし、もしも今抵抗して、逃げ出すことができたなら。
這いずってでも、この肉布団の上から抜けて──それから、どうにか、今の僕にその方法は分からないけど、とにかくシェシィから逃げおおせたなら。
まだ、万が一くらいの確率で、正気に戻れるかもしれない。元の生活に、戻れるかもしれない。
だから、せめて、射精だけは我慢しなければならない。
「……ふーん?」
「あっそ……」
──そう考えて、下半身の筋肉を締めようとしたのが、きっと伝わったのだろう。
彼女は剣呑に目を細め、苛立ったように吐き捨てる。
──いいんだ、そういうことして。
声に出して、二人がそう言ったのかは分からない。
過度の興奮に、もはや聴覚までもがぐずぐずに蕩け腐って、霞んでしまっていたからだ。
ただ──二人の目を見れば、分かる。
もういい、ここで蕩かす。
二度と人間に戻れなくても知らない。
身体中がブッ溶けて、くったくたに煮溶けたボロ雑巾みたいに、甘やかし中毒の一本のちんぽに成り果てるまでやめない。
もう──膣内射精だなんて、生易しいものでは許さない。
それ以上の、想像もつかない幸福で、理性も知性もぶち殺す。
イキ殺す。幸せすぎて死ぬまでやる。あんまりの安寧に、心臓を動かすのも億劫になるまで。
──背筋がぞくりと、震えた。
凍るのではなく、ただ震える。
射精感にも似た、もったりと濃厚な痺れに、震えたのだ。
思わず、シェシィから与えられる、とめどない幸福から抵抗したことに、後悔をもよおす。
大人しく、ここで人生を諦めておけばよかったと、心からそう思ってしまう。
「「……えい」」
──けれど、そんな僕の深い後悔と、そして期待と。
その二つを、ちょうど思い通りに満たすよう、シェシィは、ごく軽く、子供だましの手品でもするように、人差し指を大げさに振った。
しゃらら、という作り物のような音が響き、部屋中に光のオーロラのようなものが降り注ぐ。
昔の漫画かアニメにありがちな、魔法を使うコミカルな表現を、そのまま表したようだった。
そして──その瞬間、眼前に広がった光景は、そんな陳腐な演出とは、まるで真逆のものだった。
「……あのね」
「さっきも言ったけど……今日は、気が済まないの」
部屋の風景がぐんぐんと遠ざかり、ベッドの縁が拡張される。
空間がねじ曲がり、真っ白く寝慣れた布団だけが、途方もなく巨大になってゆく。
そうして、地平線が見えるほど、無限に広がった、暖かで柔らかな、ベッドシーツの海。
そこから生えるのは──無限に増殖した、数限りないシェシィの女体。
掻き分けても掻き分けても、どこに逃げても僕を埋め尽くすように、ひたすら裸体が、僕の目をじっと見つめている。
目を合わせれば、心臓が止まりかけるほど、壮絶な妖艶さを伴った瞳が、僕を射抜いている。
耳を澄ませば、みちりと、肉が詰まる音がしたのは、きっと幻聴なんかではない。
130センチが当たり前、冗談みたいにむちついた、こってり艶まみれのおっぱいが、幾人ものシェシィの間でぶつかって、ばるんと跳ね返っているのだ。
至福の乳肉が無限にゆさつき、まろやかに潰れあう、絶景。
それから目を逸らし、下を向けば──そこには、あまりの肌艶によって照り輝く、太腿でできた天国がある。
今にも僕を挟み、股座の蒸れた匂いを嗅がせながら、ゆったりと太もも枕してあげようと、すりすり生肌を押し付けている。
上を向けば──どれもこれも、飽きがこないよう微調整された、至極の美貌と、目が合ってしまう。
眠たげでダウナーな図書委員顔、ギャルっぽく肌をこんがり焼いた顔。
明るい金髪、真っ暗な黒髪、オタク好みする銀髪。
徹底した無感情を貫く、アンドロイドじみた表情に、デレデレでハートマークまみれの、弟くんを溺愛するショタコンお姉ちゃんのような表情。
文字通り、無限に抱いたって飽きられないどころか、深みにはまって抜け出せなくなること請け合いの、シェシィという淫魔が──世界中を、埋め尽くす。
くそほど贅沢に、膨大なスケールの天国をひっさげて。
「キミのこと、ブチ蕩かして依存させないと、気が済まない」
「私なしじゃ生きられない、私に依存しておっぱいに吸い付くだけの生き物になってもらわないと、無理なの」
酒池肉林の、桃源郷。
行けども行けども、無数のシェシィに甘やかされるだけの、ハーレムだけがある世界。
血色豊かで、堪らない色香をむんわりと湧き立てる、肌色まみれの光景を──ゆっくり、ゆっくり、消化して、かみ砕いて、理解していく。
ぞく、ぞく。
ぞくぞく、ぞくぞくぞくぅ……。
ぞくぞくぞくぞくぞくぞくっ♡
ぞわぞわぞわぞわぞわぞわぞわぁっっっ……♡♡♡
シェシィの機嫌を、ほんのちょっと損ねるという、たったそれだけのこと。
そのせいで、あまりにも理不尽に、それが始まってしまったから、分からなかったけど。
これはただの、天国なんかじゃない。
それよりももっと、もっとおぞましくて、気持ちよくて──ああ、言葉なんかじゃ、到底表せない。
人の尽くせる言葉も、想像も、まるで足りないほど──恍惚と幸福に溢れかえった世界。
「だから……そんなに抵抗されたら、さ」
「本気……出さないと、いけなくなっちゃうから」
だめだ、これ、死ぬ。
気が狂うまで幸せにされて、多幸感に殺される。
ここは、地獄だ。
天国に堕ちることを拒んだ、哀れで間抜けな罪人が堕ちる、快楽地獄。
「……意固地な親友が、悪いんだから、ね」