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進捗.3 (Pixiv Fanbox)

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「あ……それから、もう一つだけ……」

「今だけは、俺の事……ううん、”私”のことは」

「『シェシィ』……って、呼んでほしい……」

──なんて、恣紫が、いやシェシィが、わざとらしいほどいじらしく、卑しく。

脳みそが恋愛ホルモンで茹だった、大学生ぐらいの若い男女がそうするように、セックスの時だけは愛称で呼んでくれなんて、そんなことを言うものだから。

僕は居ても立ってもいられず、矢も楯もたまらず、がむしゃらに。

想像するだけで胸焼けがするような、甘ったるいバカップルのいちゃらぶ交尾に舵を切り──

ぷっつり途切れた理性で、その身体に、飛び込んだ。

──そう、飛び込んだのだ。

ちんぽ殺しという言葉がよく似合う、身体中どこもかしこも射精のためだけに肉付けたかのような、ベッドを丸ごと埋め尽くす、シェシィの特盛サキュバスボディ。

触れればしっとりと沈み込み、腕も脚も指も、腰も腹もちんぽも食い込んで離さない、もちもちとした素材の最高級オナホを思わせるような、皮下脂肪厚めのセックス専用むっちり体型と──そのくせ、メートルを超えてなお余りある、ド迫力サイズの乳山に、きっちりとメリハリを効かせるように、堪らなく悩ましくくびれる腰つきを両立した、ちんぽ好みしすぎる肉体に、全体重をかけて倒れ込む。

”甘やかし”の始まりは、いつもそうだった。

まず、豊満を極めたような、彼女のむっちりと艶やかな女体を、全身で噛み締めるように、思いっきり抱きすくめて。

善がり狂うように、もうめちゃくちゃに、がむしゃらに、彼女の肢体という肢体に、頬ずりしまくる。

「……ん」

自殺行為、というよりは、自殺そのものだった。

──~~~~~~っっっ!!!♡♡♡♡♡

まず、身体を支えるために、腕立て伏せのような体勢で、指先を乳肉に噛ませたのが、間違いだった。

人の頭よりも大きな、キメ細かくてふかふかもちもちな乳脂肪の塊に、肌が触れた途端──びくんと、身体中に電撃が走ったような、鮮烈な快感が脳を焼く。

それだけで──シェシィという悪魔に対しての、恐怖や畏怖など、軽々と吹き飛び。

もう、目の前の彼女が、ただちんぽを擦りつけるための、極上の女体としか思えなくなる。そうとしか、扱えなくなる。

そして、次に感じるのは、包容力満点、母性満点、巨大な抱き枕サイズの、むっちり凶悪な丸太ふとももの感触。

体温高め、フェロモン濃いめの、あまくて柔らかい雌肉の楽園に、まず腰を落ち着かせ、沈めて。

脚を絡め、腰を練り込み、下半身を思いっきり抱きつかせると、それだけで雄に生まれて良かったと、心から感謝してしまうほど心地よい。

そしてペニスは、これまた濃密な肉感の、堪らなく柔らかな腹肉に、埋める。

確かなくびれとスタイリッシュさを持ちつつも、”ちんぽが最も甘えやすい女体とはこれだ”と、容赦なく結論付けられた、淫魔らしく豊満で艶やかな肉付きに、もう屈服するしかない。

おへその辺りに、体重を込めてぎゅうっと抱きつき、ペニスを思いっきり押し付けると──もう、白旗を上げるしかないほどに、天国。

ペニスの輪郭をみっちり隙間なく埋めて、もちもちと吸い付くオナホじみたホールド感に、狂ったように勃起が跳ね上がる。

考えるまでもなく、当たり前の話だ。

彼女はそもそも、触れるまでもなくその容姿だけで、人間を狂わせる淫魔であり。

そして、特に今の彼女は、その触れれば切れる美しさ、狂気を引き起こす威圧感、畏怖、魔力、神聖さ、その全てを──僕を甘やかすため、ただただえっろく蕩かした、艶事極振りサキュバスなのだ。

神のごとく崇められる、魔王の力を──全部全部、ちんぽを喜ばせるために、使い果たした女体。

究極の淫魔とは、文字通りどころか、それを軽々上回るほど、究極なのだと。

これ以上なく如実に、どうしようもなく表現した肉付きに、ため息が止まらない。

そんな中でも、特に性的魅力を詰め込んだ、ふっかふかの爆乳なんて凶器──そんなものに、ただの人間が触れて、ただで済むはずもなく。

指が乳肉に沈み込み、乳腺まで潰しきるより先に。

僕は、気づけば背中を大きく仰け反らせ、乳揉み暴発をしていた。

着衣越しの潰れおっぱいは、見るだけで視覚にすら絡みつき、脳裏にむっちゅむちゅの揉み心地を想起させる、至高の極肉。

目に映すだけでも、ちんぽが使い物にならなくなるほどの、強烈なお漏らしを引き起こす、魔性の雌肉を──全身全霊を込めて、思いっきり揉みしだくなんて、そんな無謀な行為を行って、まさか無事でいられるはずもなく。

──っっっ……!!!♡♡♡♡♡

「うわ、えっぐい射精音……。まあ、糊みたいな濃さのを、狭い尿道で引き絞って、無理やり大量に吐き出してんだから、そりゃそうか……」

声も出ない、引きつるような、射精。

シェシィをどさりと押し倒し、優位に立っているのは僕のはずなのに──実際にやっている事と言えば、子供の精通じみた、情けなさすぎるお漏らしだ。

それも、ただの吐精ではなく──極限まで上り詰めた興奮により、全身の神経と脳細胞を、不可逆なほど溶かし、ダメにしながら行う、無刺激吐精。

百度生まれ変わっても、魂にまで染みついて射精狂いになるほど、死ぬまでちんぽに焼き付けられ続ける快感に、まず背を弓なりに引き絞った。

そうして、そのまま──ぴんと立てた腕が、手のひらごと、乳肉の中に、沈む。

どこまでも、スライムでできた底なし沼のように、手首を付け根まで包んで。

軽く楕円を描く、下品な長めの乳肉が、僕の手跡を付けるように潰れて──その、霜降りのような、マシュマロ触感に、とことん酔いしれた。

何度も何度も、重ね重ね──極限の『骨抜き』を、更新し続ける。

これ以上は耐えられないし、そもそもこれ以上の快感など存在しないという状況を、軽々超えて、余力たっぷりに、極楽加減のギアを上げるシェシィ。

もう、もう勘弁してほしい、これ以上僕のちんぽを堕とさないで、更にめろめろにしようとしないで──と、情けなく懇願するように、あまりの天国具合に涙を流して、濃ゆく吐精した。

でも、それなのに──不自然なほど、苦痛は感じない。

大量に射精した後、更に無理やり精をひねり出す時の、あの腫れたできものを触るような、ペニスが張り詰める痛みも。

体力をごっそりを奪い取られ、心臓が痛くなるような苦しみも、あまりの快感にのたうち回り、悶絶してしまうような過剰な快楽もない。

ただ──幸せで、気持ちいい。

薄布越しにむっちり密着する、蒸れて火照った至高の肉感に、ひたすら全身を受け止められて、ふかふかと包まれるように沈むたび。

受け止めきれないはずの、あまりにも強烈な恍惚が、喉から漏れて、掠れた吐息となって吐き出される。

そこに、逃げ出したくなるような、理不尽な快感のおぞましさは、一切ない。

ただ、理不尽に、幸せ。

淫蕩と豊満をひたすら極めた肉体に、腕を食い込ませ、脚を絡めるたびに、多幸感だけが天井知らずに溢れてゆく。

そして、その快感を逃がすため、更にぎゅっと力を込めて抱きついて。

そのせいで、理不尽な女肉のむちつきを味わってしまい、途方もない快感を生む。

──その、無限ループに、いつの間にか、陥っていた。

もう、手も足も、100%以上の密着率を叩きだし、これ以上力が入らなくなるまで、超濃厚に、絡む。

奴隷相手でもこうはしないというほど、理性も人間性もかなぐり捨てて、めっちゃくちゃに、甘え倒して。

それでも、シェシィの魅力まみれの女体は──人間一人ぽっちでは、牛の丸焼きは絶対に食べきれないのと同じで、どこをどう味わったってエロいのに、一つぽっちの身体では、どうやったって堪濃しきれず。

でも、目の前には、視界を埋め尽くすくらい一杯に、こんなに雌肉のフルコースが広がっているのだから──とにかく、手あたり次第、舐めまわす他はなかった。

喚き散らすように、絶叫じみた嬌声を、両腕で寄せ集めた乳肉の隙間に、上げる。

喉が枯れるほどの喘ぎだったが、シェシィの乳房があまりにも分厚く、乳脂肪がところ狭しとみっちり詰まっているせいで、その声は防音壁に染み込むように、うっすらと頼りないものへと変わる。

僕は、とめどない快感を、表現することすら許されない。

興奮にかっかと火照る体温を、精液ごと思いっきり擦りつけて、途方もない質量の艶々な女体を、いっそう照りと艶まみれにする。

──もう、めちゃくちゃに、イく。

──びちゃびちゃと、汚らしく精液を吐き、とことん彼女の一張羅を汚していく。

殺されてもおかしくない、というよりは、殺されて当然の行為だった。

それを、承知の上で──僕は、今にもむらむらと、シェシィのぷるつく肉厚な唇に、ベロキスすらせがみたい気分だった。

そんなことをしでかすのは、まさに、僕の頭が性感に茹だり、お花畑になってしまっている証左に他ならない。

人をゴミ同然に扱う、恐ろしい悪魔に向かって、一切の気遣いなく、ゼリーじみて濃ゆい精液を、ぶっかけ。

それも、下手に生肌にかけられるよりも、むしろ後始末が面倒で不愉快な、お気に入りの服を台無しにする、着衣ぶっかけを行ったのだ。

どこまでも自分勝手な、乳揉み暴発オナニー。

まともな思考が残っていれば、あまりの恐れ多さに、やらなければ殺すと命令されたって絶対に行えない、ちんぽ本位のわがままな射精を行って──快感で真っ白になる頭の中、ぞくぞくと。

けれど、そうはならなかった。

快感どころではなく、さあっと血の気が引いて、恍惚に雑念が混じる、その直前──彼女は、短く言ったのだ。

「……いいよ、後で洗うから」

それは、静かな一言だった。

シェシィは、ただ、そう言って──僕の手のひらが、練り込むように、乳肉を平らにならすのを、受け入れていた。

どこまでも、訳が分からないほど、幸せだった。

──こんなにも都合が良く、こんなにもただ幸せで、こんなにも濃厚に甘やかされるなんて、ちっとも意味が分からない。

シェシィは、媚びる必要も無いのに、こんなにこってりと媚びて。

甘やかす必要も無いのに、こんなに極楽に甘やかして。

どうして、そんな真似をするのか、意味不明すぎて、理不尽に濃い精液を、びゅるりとぶっ放す。

──誰であれば、こんなシェシィのことを、好きにならずにいられるのだろうか。

そう言わざるを得ないほど、シェシィの甘やかしは、あまりにも、完璧。

濃すぎる快感で男に苦痛を与え泣かせるのも、男にいちいちどう甘やかされたいかと聞くことすらも、そんなもの、究極の淫魔たるシェシィに言わせれば──まるで程度が低く、二流三流もいいところ。

ろくに好みの男を悦ばせられない、凡庸なザコ淫魔でしかない。

そう、神域にすら達する、究極の淫魔の寵愛を受けるとは、つまり。

それ以上の幸福など、絶対にこの世に存在し得ない、文字通り最高の快感を、賜ることなのだ。

──まるで、そう表明するのような、雄をとことん依存させる手練手管に、精巣が煮えたぎる思いを抱く。

でも──彼女にとって、僕を、こんなに依存させる必要なんて、ある訳がない。

なのに、彼女は──僕の思考を先回りして、どこまでも、媚びる。

ついさっきシェシィが口走った、その言葉を裏付けるような、一言だった。

彼女は、僕への甘やかしに、一滴でも不純物が混ざることすら許さない、完璧な楽園を作ろうとしている。

自分の衣服が汚されることよりも、僕にほんの少しでも、気持ちいい射精のこと以外を考えさせないことを優先した、奴隷未満の媚び方に──僕は、腰を抜かして、興奮する。

多弁に好意を語るより、あえて静かにしっとりと、当たり前のように何もかもを受け入れる方が、極めていちゃついた、甘い雰囲気になることを、淫魔である彼女は知り尽くしていた。

──彼女は、どこまでも、男のツボを知り尽くした存在だ。

その淫魔としての力と知識を、全て僕を蕩かすためだけに、全力で使われてしまっては、まるで精液の止めようもない。

そう、改めて深く感じ入り──射精の脈動を、果てしなく長くする。

ありとあらゆる筋肉がふやけて、まったりと絡みつくような痺れが、全身にまとわりつく。

身体中のどこにも、もう力が入らなくて、ほとんど反射的に、ぴんと伸ばした背筋と腕も、次第に溶けるような悦楽に屈してしまう。

そうして、やがて全身を、どさりとシェシィの身体の上に、完全に密着するように倒れ込ませて。

すっかり影を落とした、乳肉の軒下あたりに顔を乗せ、肌触りのいいシャツにすべすべと頬ずりをした。

しかし、両乳を鷲掴みにしたままの指先は、未練がましく名残惜しげに、だだっ広い爆乳の表面を、深く捏ね回したままで。

その間にも、栓のゆるみきった射精中毒のちんぽは、シェシィのジーンズの厚い生地越しに、おまんこを精液浸しにしていた。

──欲望が、止められない。

ついさっきまでは、嫌悪しているとは決して言わないものの、言動も何もかも信用しきれず、恐怖すら抱いていたシェシィに、布越し腹ズリ射精。

恋人として心から通じ合ってもいなければ、ましてそんな関係を望まれてもいない相手に、こんなこと、絶対にしてはいけないと、分かっているのに。

思考の主導権が、脳ではなく下半身に乗っ取られたかのように、身体が自由に動かない。

心にふと抱いた、性欲にかまけた手つきを、恥も遠慮も気遣いもなく、シェシィにぶつけてしまう。

こんなの、絶対、駄目なのに──更に、セクハラが、止められない。

それが、自分の意志によるものなのか、あるいはシェシィに操られているからなのかも、判別がつかない。

ただ、何もかもが蕩け切っていて、分からないのだ。

気が付けば、僕は自分の左手を、シャツがはだけたシェシィの生肌に這わせ、腰のくびれを、すりすり。

気が遠くなるほどキメ細かくてすべすべなのに、少し湿り気を帯びた吸い付きと、軽くむにりと沈む、媚びたむちつきが堪らない。

交尾への期待感を無限に高める、肉感と美を両立した柔腰。

すりすり、すべすべ、病みつきになりながら、ひたすら撫でる。

そして右手は、いや右腕は、乳肉を掻き抱いたたまま、離れられない。

頭よりも大きく、持ち上がらないほど重いパイ肉を、痛いくらい思いっきり握りつぶしたり、生地をこねるように、手のひらで潰して回ったり。

そんな、大金を貰ってセックスする高級娼婦でもしかめっ面をするような、ワガママ極まる手つきで乳を揉み込んで、なお──

「……もっと強くしてくれて、いいのに。どうせ、痛くも痒くもないし」

──シェシィは文句も言わず、嫌がる素振りすら見せないことに、ますます捏ねる動きが熱っぽく、ねちっこくなる。

彼女が、人間を超越した、淫魔という魔物であるということに裏付けされた、絶大な安心感。

至近距離から心臓目がけてショットガンをぶっ放しても、居眠りすら覚まさないような理外の存在だからこそ、その言葉だけは嘘ではなく、僕は気にする必要もない。

彼女はどこまでも──ただ寝転がるラブドール役に徹して、好き放題に性欲をぶつけさせまくることに、適し過ぎた生態をしている。

シェシィは、確かに、生まれつき人間全ての敵になるべき存在とすら言えてしまう、危険極まりない悪魔だ。

だが、もしそれが、こうして自分の手中に収まり、忠犬のように従ってくれたなら、こんなに素晴らしい恋人になってくれる。

この時ばかりは──悪魔のような恐ろしさなんて、一欠けらも感じない、ただの雌肉マネキンで、いてくれる。

その背筋が凍るような威圧感も、ひれ伏して恭順を誓いたくなる美貌も、甘ったるい撫でくり回しの前では、てんで形無し。

そこに存在するだけで、人間を廃人にしてしまう、究極の美しさは──今や、ただ僕の理性をめろめろに蕩かす、シロップのような甘い愛撫でしかない。

その紫の瞳に視線を合わせれば、どこまでも深い愛情を伴った熱視線で、五秒と経たずに胸焼けするほどの恋慕が湧き上がる。

その明らかに媚びたトーンの甘え声で囁かれたなら、例え死んでしまえと言われたって、胸の中がとめどなく甘酸っぱくなって、抱きつきたい欲望を止められなくなる。

甘えたくなる。甘えなきゃ、いられなくなる。

──まるで、反転。

あの、人を寄せ付けず、遠巻きにすら狂わせる、究極的なまでの淫魔の魅力は、きっとその極端な人嫌いの性格から、無意識に発生してしまうものなのだろう。

しかし、もしもそれを、好みの男性に向けて発露させたなら──こうだ。

人間の精神では受け止められないほど美しい容姿は、僕専用に緻密に加減してくれたなら、何度見ても一目惚れを抑えられず、それでいて僕の精神に一切の危害を加えない、理想の顔と体型になり。

その肌もまた同じように、どれだけ撫でまわしても、上限なく興奮をむらむら高めてくれる、ちんぽに良すぎる理想の感触になる。

シェシィは、世界の法則すらも意のままに改変してしまえる、全能の存在だ。

だから、”この人間のことを甘やかしたいな”と、シェシィが心の底からそう思ったら、彼女の身体は、それに最も適したものに、勝手になってしまうのだ。

それは、全てのスペックがずば抜けた、怪物の中でも特級の化け物だからこそ味わえる、至高の贅沢。

単純な体型の美しさ、胸や尻の大きさ、肌質の滑らかさだけでなく──僕の好みという、僕だけにしか分からない、僕だけにしか刺さらない要素すら揃えた、完璧に素晴らしいタイプど真ん中の恋人を、演じてくれる。

そんな、一生撫でていても飽きの来ない腰と、一生どころか永遠にでも揉み潰していたくなる乳肉を堪能してしまったら。

当然──蕩ける。

身体を支える背骨から、手指の爪先に至るまで、全てが蕩け切る。

骨も肉も、形が保てないスライムのように、どろどろの気持ちがいい粘液に成り果てたと、そう本気で錯覚するほど。

蕩けて、蕩けて、力の入れ方すらも忘れた、赤ん坊未満の存在にまで、堕ちる。

──何も、性的なことはせず、ただ寝転がって、ハグをしているだけなのに。

精液を漏らす時の、あの痺れるような恍惚が、全身に途切れなく広がって、いつ呼吸をすればいいかも分からないほど、性感が押し寄せて仕方がない。

全ての神経が、直に炙られ溶かされる、暴力的な悦楽と幸福感が、いつまで経っても止まらず、天井知らずに昇りつめていく。

しかし、そのくせ、全身に広がるその快感は──どこまでも、静かだった。

激しさがなく、ただ滾々と湧き出ては、骨髄まで染み渡る快感。

例えるならば、ローションをまぶしたストッキングで、亀頭が削れるほどごしごしごしごしと擦られる、泣き叫びたくなる感覚の──その、真逆。

どこまで高まっても辛さがなく、むしろもっと深く嵌まりたくなる、頬が自然とにやつくような、いつまででも味わっていたくなる多幸感に、堕落する。

とめどない、興奮。

心臓が、これ以上なく高鳴って──しかし、そのはずなのに、意識がぷつりと切れそうになる感覚はなく、むしろ安堵すら覚えて。

大量に脂肪が詰まったデカ乳に、腕まで手をめり込ませて、ふざけたサイズのケツ肉を、跡がつくほど握りしめているくせに──妙に落ち着いたため息を吐いて、浸り尽くす。

体力も気力も尽きて、甘ったるい声を上げることすら、できない。

芋虫のように、もぞもぞと腰をゆすり、ペニスを擦りつけることも、当然できない。

腹から声を出して、喉を震わせるほどの力も、身体を動かして、快感を貪ろうとする思考も、今の僕には残っていないからだ。

本当に、全てが、甘く蕩け切って──半開きになった口から、涎が一筋垂れる。

それを止められないどころか、気づくこともできないのが、今の僕だ。

そして、一人の人間を、ただ寝そべるだけでそうしてしまうのが──シェシィの、深すぎる淫蕩だった。

──外は、時が止まっているかのように静かで、抱きつくシェシィの心臓の鼓動が、邪魔されずよく聞こえる。

吸い込む空気は、混じりっけなく彼女のフェロモンに犯されていて、唸るほど甘い。

どぷり、どぷり、精液が漏れる。

視覚、嗅覚、聴覚、触覚から味覚に至るまで、何もかもがエロすぎて、興奮を煽りすぎて、尿道が閉まる暇がない。

射精の快感は、興奮の度合いによって決まると言うが──それが正しいなら、僕は今、考えうる限り最も気持ちいい射精をしているはずだ。

興奮が高まりすぎて、あっあっむりむり、もれるもれる──と喚きたくなりながら、刺激の一つもなく、前立腺に力を込めることすらなく、ただ溢れる。

大量に作りすぎた精液が、過度な性欲にごぽりと尿道から這いずり出続ける。

その、気持ちよさと言ったら──ない。

どんな射精よりも上回って、絶対にこれが最高と言えるほど、世界で一番、気持ちいいのだ。

そう、例えば──この世で最も美しくて、体つきも淫らな”人間”を、大量に侍らせて乳首を舐めさせて、性欲をでっぷり肥らせた上で、尻肉を鷲掴みにぱんぱんと腰を振りたくり、一か月貯め込んだ性欲を、子宮の最奥にびゅうびゅうと流し込む。

──そんな射精を、鼻で笑うほど、麻薬じみて気持ちいい。

そう、断言してしまえるほど。

シェシィの身体は、理想を超えて、冒涜的なまでに、エロかった。

──いよいよ、脳みその中身が全て、脳内麻薬で溺れきったような気分だった。

いや、頭の中だけでなく、実際に呼吸器まで溺れているかのように、腕を乱雑に上下して。

絹のようにすべらかで、かつもちもちとした吸い付きが、無限に『もうひと往復だけ』と後を引かせる、シェシィのもち肌をしゅらしゅら撫でまわし、セクハラ。

そうしながら、目の前でぷるつく、潤いたっぷりの蒸れた乳肌に、ぢゅるるるる──と、音を立てて、吸い付いた。

乳首ではなく、ただ下乳の、肌。

ミルクが出る場所の方が吸いやすいという、たったそれだけの事すら、考えつかない。

ただ、僕の顔から、一番近いところに、吸い付いた。

それ以外の理由なんて、一つもない。

もう、もう、矢も楯もたまらず──キスマークを付けるために、吸う。

この雌は自分のものだと、マーキングする。

──そこで、ようやく。

静かにその行為を受け入れていた彼女は、口を開いた。

「……痕、付けたいんだ」

──それだけ。

否定をするでもなく、拒絶をするでもなく、我慢の限界に達して怒り狂うでもなく、ただ無機質に、確かめるように、それだけを言った。

その上で──僕の頭に手を回し、一撫で。

百年の恋でも冷めきる、あまりにも度を超えたセクハラを、とことん許容する姿勢を見せた。

とめどない興奮が、うなじの辺りを擦る。

蒸れた乳肉が、煮込んで溶けた餅のように、とろっとろの蕩け具合を見せるのも。

珠の肌にうっすら浮いたフェロモン乳汗が、がつんと味蕾を叩くほど、糖蜜のように甘いのも。

そして、シェシィが、ただ僕の情欲を受け入れて、甘えることをどこまでも許してくれることも──何もかも、興奮を呼んで、堪らない。

そんな興奮のまま、唇を押し当てたなら──まるで、キスを返してくれるように、ぷるりとハリのある乳肉が弾けて、それだけで背筋が仰け反る。

ただ、乳に向かってちゅぱちゅぱと、キスを繰り返しているだけなのに──シェシィの身体が、あまりに極上すぎるものだから、たったそれだけで、射精感がとめどなく高まってしまうのだ。

もう──どれだけ、この女体は。

脳内でそう呟き、暴力的なほど、欲望を募らせて。

ちゅっちゅ、ちゅっちゅと、赤ん坊がミルクをねだるかのように、ひたすら乳肌に、唇の形をつけまくる。

この、気持ちいい雌肉のカタマリを、誰にも渡さないために。

──独占欲。

それも、愛情から来るものではない、ただただ純粋な性欲から来る、汚らわしくて身勝手で、一方通行なそれを、僕はシェシィに対して──いや、シェシィの身体に対して、抱いていた。

当然というのも憚られるくらい、それは唾棄すべき欲望だが──しかし、実際、シェシィの身体を一度でも味わったなら、それは確かに、当たり前に抱いてしまうものなのだ。

いやらしく曲線を描く全身は、そのくびれた下腹部すらもむっちむちと、抱けばどこまでも堕落を誘う、極上の雌肉布団。

一度でもその柔らかくしっとり温かな肉に、安心感たっぷりに包まれながら、ゆっくりと漏らすように精液を吐き出したなら──もう、手放す気なんて、起きるはずがない。

だから、僕は。

自分なんかとつり合うはずがないどころか、本来は頭を上げて並び立つことすら許されない、シェシィという女神に、必死こいて唇を押し付けて。

尻肉を掴んで、噛み締めるようにむっちり揉みしだき、手のひらの跡をつけ。

時には──軽く歯を立てて、噛み痕すら、付ける。

──シェシィは、それを一切、拒否しない。

いや、それどころか、極めて機嫌よさげに。

表情は確かに、いつも通りの無表情だけれど、誰がどう見たって、今にも鼻歌なんか歌い出しそうな上機嫌さで。

「……ま、当然だよね」

──ぎゅっと、柔らかく、抱擁。

背中に回された腕に、痛くは無いけれど強烈に抱きつかれて、更にその雌肉に数ミリほど、強く全身がむっちり埋まる。

これ以上は、肌と肌が溶けあって、一つのカタマリになってしまうんじゃないかと思うほど。

──声にならない、恍惚の嬌声を上げる。

力の抜けきった、その甘え声は、ともすれば仔猫の鳴き声にすら思えた。

「だって、この身体は……キミの理想を読み取って、キミを幸せにするためだけに作った、究極のカラダだ。顔も形も、肌とか肉の感触も、髪色のグラデーションすら、全部全部、キミ好みに作られてるんだよ……」

防音壁よりも分厚い、特大の爆乳に阻まれているはずなのに──シェシィの、落ち着いたハスキーボイスは、どうしてか耳元で囁かれているように、間近で聞こえる。

甘くて、けれど静かで。

ひたすら、ちんぽに悪い声。

「これ、全部、キミのもの……親友だけのもの……。フェロモンは格別に濃く甘く、身体もたっぷりむちつかせて、甘えやすいように身長も大きくして……だけど、頬のほっそりしたラインとか、腰のくびれとかは損ないたくない……。こんな贅沢な身体、人間のメスじゃ、どれだけ頑張って育てても、再現できないだろう、ね……」

むちりと、手のひら一杯に、なまちちを鷲掴みにして、むちむち、指の隙間から贅沢に溢れさせる。

まるで、指すらも性器になったかと錯覚するほど、途方もない快感と恍惚が、満ちて。

密着感たっぷり、安心感たっぷり、満足感はますますたっぷり、何もかもが特大ボリュームだからこその、至高の多幸感を、逃がさず100%、味わわされる。

しかし、シェシィが行う”甘やかし”において、最も理不尽で、最も絶望的な事実として。

──それでも、異常な快感から来る、辛さや苦しみは、一切生まれない。

「分かる?理想っていうのはね……文字通り、”理想”。これ以上、キミにとって都合のいい身体は、絶対にあり得ない。これ以上、キミにとって心地のいい身体は、どうやっても生まれようがない……。理論上、キミが最も好きな、身体なの……」

全身に快感の熱を溜め込み、身体中がマグマのような、どろどろの熱い塊になったかのような、気が狂いそうな心地。

けれど──気を狂わせることは、できない。

それどころか、母親に包まれる赤ん坊のような、うっとりとした安心感すら覚えてしまう。

──これが、あくまでも、慈愛と好意に溢れ切った”甘やかし”であることを、嫌でも覚え込まされる。

「だからね……キミは、この身体に対して……苦痛を感じることなんて、できない。キミは、この身体に触れている限り、どこまでも幸福しか感じられない……」

──身悶える。

くねくねと、腰を練りつけて、更に深い恍惚を貪り狂う。

人間には毒としか思えない、極上の雌肉に、滅茶苦茶に抱きつく。

踏み潰すかのように、乳肉を両腕でかき集めて、抱えきれないボリュームを味わい尽くす。

掌どころか、上半身を全て使って、蕩ける乳肉を揉みしだく、その感触。

あまっあまの、マシュマロじみてまろやかな抱擁は、赤ちゃん返りしてしまうほど、強烈。

けれど、そのくせ。

普段の恣紫が与える、あの過剰な恍惚や、過剰な快楽による苦しみは、どこにもない。

ただ、幸せだけが、無限に降り積もる。

「そう……都合が、いいんだよ。度を超えた、究極の快楽を、どこまでも与えてくれるのに……そこに、苦痛は絶対に伴わない。あの、目を合わせただけで気が狂う、淫魔の美貌よりも……もっともっと、美しく見えるのに。その美しさを、全て余すところなく、雌としての魅力として受容してしまえる……」

僕はそのまま、柔らかく熟れた腹肉の上に、堂々と乗っかかり、相手を気遣う余裕もなく、重いだろうに、更に体重をかける。

脚はたっぷりと、僕の胴ほども太い腿にもっと絡めて、もっともっと力いっぱい締めあげ、雌肉のもちつきを堪能。

顔面はぐりぐり、しつこくみぞおちの辺りに擦りつけて、衣服の中で甘く蒸らした乳臭を、脳みそがぷちぷちとはじけ飛ぶのも構わずに、嗅ぎまくり。

「”甘やかす”って……つまり、そういう事……」

──苦しみなんて、与えてももらえない。

その言葉の意味を、嫌というほど、噛み締める。

シェシィが言うには、雄を悦ばせるノウハウを詰め込み、とことん忠実に僕の好みを再現した、これ以上ない究極のカラダ。

それは、どれほど壮大な理外の存在が言ったとしても、大言壮語も甚だしいとしか思えない言葉だが──確かに、一度抱きついてみれば、地獄にだって、天国にだって、神々が住む楽園にだって、これ以上の女体など存在しないと、断言するしかない。

だって──いくら頬ずりしても、いくら腰をすり回しても。

どれほど全身が甘ったるく蕩け、骨身に快楽が染みついても。

あまりの雌肉のむちつきに、雌肌に触れている自分まで連鎖して蕩けてしまいそうな、至福の腹肉の柔らかさに。

深く、深く深く、イく。

そう、深く──例えば、一か月ほど射精を禁止した上で、丸一日たっぷりと、絶頂手前で焦らされに焦らされたところで、世界中の極上の雌をかき集めたハーレムにより、膣内コキ捨てを行う絶頂の深さが、100としたら。

もう、数字では表せないくらい──999999999999999999……というほど。

それは明らかに、一秒と言わず一瞬でも味わえば、脳みそがダメになる快感のはずなのに。

どうしてか、僕の全身に溢れるのは、とろんっ……とろんの、恍惚ばかりで。

しかも、それを貪れば貪るほど、より深く多く、雌肉のこってりとしたコクを味わうために、頬ずりがますます止められなくなる。

──もう、死にたくなるくらい、幸せで幸せで、たまらない。

いや、できることなら、もう永遠に、終わることなくこの女体に、頬ずりし続けていたいのだけれど。

「そう、要するに、キミはね……どれだけ、私に本気で甘やかされて、泣きわめくほど幸せになっても……」

ひそやかに、しっとりと、囁き。

いやにしんと静まり返った、真昼の安アパートに、シェシィの麗しく澄んだ声と、汚らしく粘ついた水音、それからベッドが軋む音だけが、響く。

とめどなく、興奮。

脳の血管がぶちんと切れそうな、血が沸騰する興奮と──しっとりと、身体の内側から、ぞくぞくぞくぞく、自分が今どれほど贅沢な射精を味わおうとしているのかを、じっくり現実として直視して、這いあがらせる興奮を、ない混ぜにして。

理想をどこまでも貫き超える、至高の女体を精液で汚す快感を、どこまでも底上げしてくれる。

絶望するくらい、都合のいい、快感。

世界の理を書き換える、理不尽なまでの力を持った、全知全能の邪神がもたらす──全力の甘やかしの、その味わいきれないほどの甘さを、理解させられる。

僕は、きっと。

彼女がどれほど、恐ろしい魔王として、今日も目の前で行われたように、人類に対して非道な行いをしても。

気まぐれなシェシィが、僕のことをいつか飽きて捨てると、そう確信していても。

僕を何らかの理由で騙していると知ったとしても、大嫌いな人間を最も的確に絶望させるために色仕掛けをしていると気が付いても──

「──気を狂わせて逃げることも、苦痛で気を紛らわせることも、私のことが嫌いになることも、できないんだよ」

びっ…………くん。

一際強く、僕の身体で魚拓を取ったかのように、雌肉が僕の形にむっちりひしゃげるほど抱きついて。

どぽりと、反りくり返ったちんぽを、潰すように練り込み、射精した。

どく、どく、どく。

音すら鳴るほど、濃く精液をひり出す。

数分、数十分にも思えるほど、長く──しかし、実際は、十秒、二十秒。

それでも、絶頂が続く時間と考えれば、あまりに長すぎて、心が壊れてしまいそうな秒数、鈴口を緩ませて。

やっと──精液が打ち止めになり、緩やかに、絶頂から降りてくる。

尿道の残り汁をこそぐように、ぴくぴくとペニスを痙攣させて、ゆっくりゆっくりと。

じっくりと、ねっとりと、じわじわと、徐々に徐々に──時間をかけて、無限に後をひく余韻から、降りる。

ぞくぞく、ぞくぞくぞくと、震えだしてしまいそうな、オーガズムの後の気だるさに、身を任せて。

身体の底から、氷を解かすかのような、これまた蕩ける熱を、湧き上がらせる。

性的絶頂とはまた別の、快感。恍惚。

眠気にも似ていて、瞼が落ちるリラックスを引き起こすけれど──腰骨が溶けるほど、濃い痺れと刺激たっぷりな、イった後特有の、緩やかに降りてゆくぞくつきに、再び震えた。

絶頂に向かう往路でも、そこから収束する復路でも──どちらも、耐えられないほど、快い。

このまま死んでもいいと、本気で思ってしまうほどの、現実味のない壮絶な法悦に、屈服。

もう、無限にシェシィのことが好きになって、彼女がどういう存在で、どれほど危険で邪悪なのかなんて、全てどうでもよくなってしまう。

もう、このまま死んでもいいから、ただこの女体に密着させてほしいと、それだけを願ってしまう。

そして、それが、叶ってしまう。

何故ならば──

「……あれ、もうお休み……?まだ私、なんにもしてないけど……」

──彼女はまだ、何もしていない。

まだ、彼女の言う”甘やかし”は、始まってもいないのだから。

シェシィは、”甘やかし”てなんか、いない。

ただ、僕が”甘えて”いるだけだ。

そう、今までのことは、どれもこれも、勝手に僕が抱きついて、射精をしているだけ。

一文にまとめれば──シェシィのえげつなくえっろい身体に抱き着いて、枯れるまで暴発した──という、情けなさ極まる、セックスの相手として落第なものでしかない。

それは、人間の女性が相手だったとしても──退屈だ、つまらない、と愛想を尽かされて当然のもので。

だけど、シェシィは、あくまでも。

「あ……快感逃がしちゃダメだよ、いっちばん気持ちいいところに、腰たっぷり練り込んで、蕩けてて。ゆっくり、じっくり、神経が全部溶けるまで、浸って……」

すりすりと、背中を撫でて、とことん許容してくれる。

イった後特有の、気だるさと快感が入り混じった、この恍惚を、どこまで長引かせてもいいと、言ってくれる。

そう、シェシィは、僕を無理やりにでも甘やかして、退屈しのぎをしたいと言うくせに。

その実、一度ベッドに入ってしまえば──無限に、優しくしてくれるのだ。

もう──意味が、分からない。

どこをどう考えても、シェシィの望みからは矛盾している行為のはずなのに、これを望んで行っているのは、他でもない彼女で。

きっと、彼女の中でどこかが狂って、何かを間違えて──その積み重ねの果てに、こんな、僕だけに都合がよすぎる天国が、形成されてしまっているのだろう。

針の穴にラクダを通すような、億が一の奇跡を何度も何重にも重ねて、その結果──まかり間違って、その淫らさと美しさにより、全ての知的生命体を思い通りに使い潰す、至高の淫魔の女体に、最愛の恋人とのまぐわい以上に甘ったるく、甘やかされながら尽くされてしまう。

──脳みそが、どろんどろんに蕩けて、使い物にならない。

それくらいの、身も心も焼き尽くすような、発情。

”一 恣紫”という淫魔を知る、彼女の全ての奴隷たちから──たった一人抜け駆けして、何の努力もしていないのに、こっそり裏で一目惚れされて、抱かれまくっている。

あんなに人間に冷たくて、一生に一度きりでもお目見えできれば、地獄の底ででも永遠に自慢し続けられる、あの恣紫が、裏でこうして、僕に手籠めにされているという事実に──人生が破滅するほど、脳を痺れさせた。

すぅ、はぁ、呼吸をとことん深くして、身体の中のぞくつきを、反芻し続ける。

その間にも、絶頂の余韻を途切れさせないように、両手で全身をわしわしとまさぐり、柔肉を弄んで回る。

まるで、ちんぽの遊園地。

どこを触っても、どこを揉んでも、指の隙間にみっちり溢れる食い込みで、神がかった艶のまろびを返し、とことんちんぽに媚び切ってくれて。

精巣が空になるまで撃ち尽くした後ですら、せっかく貯めたちんぽのむらつきを損なわないよう、次の射精に向けて、ことことと期待感を煮詰められ、どこまでも極楽が続くことを示す。

「ね、親友……」

なのに。

「お腹に腰ヘコずりずり、お漏らし射精……ぜんっぜん、気持ちよくなかったねー……」

なのに──シェシィは、その快感すら。

「女体に抱きついて、ちんぽ擦る暇もなく漏らすだけの、浅い射精……。自分の右手で乱雑にシコる、寝る前の義務オナニーより、ぬるくて薄い快感だったねー……。もう二度と、こんな下らない真似、したくもないねー……?」

下らない、つまらないと、自ら馬鹿にして見せる。

もう、こちらは──既に、くたくたに蕩け切っていると、知っていながら。

僕を、馬鹿にしている訳ではない。

その行為が、言葉通りに下らないことだと、本当に思っている訳でもない。

ただ──僕を、僕の欲望を、彼女は誘導しているのだ。

「だって、キミは知ってるもんね……。雄の本懐、射精の極致……」

幼児に言い聞かせるように、それでいて義務的に。

悪びれもせず、勃起と期待感を、更に煽り散らかすためだけに──入れ知恵する。

「雌を孕ませる、ナマ膣射精の快感……♡」

──それに比べれば、あんなものは、甘やかしですらない。

まだ僕は、天国の入り口にも、入ってはいない。

今までのそれは、ただ僕が勝手に、その弱すぎるちんぽを、自ら壊していただけ。

お前を、本気で赤ちゃんにするのは、これから。

それだけを、彼女は、伝えたいのだ。

そう、静かに、自らを卑下するように語られて──ぞくぞく、ぞくぞくぞくと、絶望的なほどの多幸感がせり上がって、思いっきり、震えた。

もう、もうたくさんだと──そう宣うことすら、できなかった。

シェシィが与えてくれる、この桃源郷のような甘やかしは、耐えようと思えるものではない。もしそうなら、どれほど救われたか。

ほんの少しでも、苦痛と思えるものならば、なんとか彼女から逃げ出そうと思えたものの──これではまるで、快楽の蟻地獄、多幸感の底なし沼でしかない。

これでは、どうあっても──僕の人生が、めちゃくちゃに拗れまくるしか、有り得ない。

ふー、ふー、興奮に濡れた呼吸をして。

シェシィという、最高位の淫魔の前で、そんなにあからさまなむらつきが、まさかバレないはずもなく。

「あーあ……快感欲しがっちゃったね……。淫魔の生まんこの味思い出して、孕ませ欲湧いちゃったね……」

──その声は、あまりにも前触れなく、当然のように。

僕のすぐ右隣から、現れた。

なんとか首を動かし振り向くと、そこには──シェシィが、もう一人。

静かに、牛柄の極小マイクロビキニを着込んで、座っていた。

いわゆる、分身。

たった一人だけでも、一生かかっても甘え切れない身体を──シェシィは、容赦も躊躇もなく、増やす。

しかし、それに対して、シェシィは今更取り立てて言及するようなことではないという態度で、平然と僕の身体にすり寄る。

そう、彼女は当たり前のように、自分の身体をもう一つ増やし、それを自在に操るという神業をやってのけておきながら。

そしてそれを、あろうことか──僕という、一人の人間の性欲を煽るために使っているという事実に、まず興奮をもよおす。

そうして、少しだけ放心した後。

ようやく、現実を直視して──震え、上がる。

彼女は、どれだけ──僕を、幸せ漬けにするつもりなのだろうか。

だって、ただでさえシェシィの身体なんて、麻薬なのだ。

それも、超、超、超強烈で、抱えきれないほどボリューミーな、雌肉のドラッグ。

着衣越しの、むっちむちに熟れた身体に抱き着くだけで、精液が枯れるまで漏らし果ててしまうほど──その肉体の全ては、男性器を虜にするための魔性を詰め込んで、出来ている。

例えば、今も両手にもっちり吸い付く爆乳は、まかり間違ってペニスを挟んでしまえば、もう死ぬまで腰を振りたくってしまうほど、パイズリオナホとして凶器じみて名器であることは、明白で。

もっと言えば、ズボンに包まれてなお、ねっとりと甘ったるい淫臭で金玉を狂わせるおまんこなんかは──もう、言うまでもなく。

それほど、たった一つの身体ですら、快感が濃ゆくなりすぎて、味わいきれないというのに──それが、群れを成して、ハーレム。

二つの身体に、みっちり両側から挟まれて、雌肉プレスをかまされるなんて、想像しただけで、脳細胞が潰れて馬鹿になる。

何故なら、二人を同時に侍らせるということは、単純に快感が二倍になるなんて、そんな生易しいものではないのだ。

行えるプレイの幅も、全身に満ち溢れる肉感も、まるで別物。

ざっと考えただけでも──フェラしている間にべろちゅー。両側から逃げ場なく両耳舐め。バックでぶるんぶるん尻肉を波打たせながら、正面から抱き合いパイ揉み。

肉棒に叩き込まれる満足感は、二倍どころか二乗、いやそれ以上に膨れ上がってしまう。

この身には受け止められないほど、クオリティもボリュームも馬鹿みたいに抜群な、酒池肉林。

──だと、言うのに。

「ふふ……さあ、今日はどうやって、私の身体に依存させて遊ぼうか……。とりあえず、死ぬほどめろっめろに蕩けさせて、苦痛なんて二度と味わえない体にするのは、いったん確定として、ね……」

──先程の射精が、準備運動未満の、肩慣らしだとしたら。

今から始まる、分身ハーレムが、”序の口”。

今度こそ真に、両腕ではまさか抱えきれるはずもない、冗談みたいにむっちむちの、至高で究極の女体が。

たった一人だけで、僕の全てを魅了し尽くして、ただただそこに鎮座するだけで、永遠にでも僕を虜にし続ける女体が。

僕を、僕の全身を──埋め尽くす。

二人、三人──いや、きっと、しようと思えば、それ以上。

それが、あくまでも、極楽の入り口として、ほんの前戯として、提案されていた。

シェシィという淫魔は、僕という人間が、最も美しく、そして淫蕩に感じるビジュアルだと、そう知っているからこそ──その顔立ちや身体つきは、下手に変える必要もない。

至高にして究極の、理想の淫魔ボディは──ただ、その身体が”一つきりではない”と示す、それだけで最高の興奮を生む。

それを、知り尽くしているからこそ、彼女は味に変化をつけるため、下手に性癖から外したハーレム用の分身女体を作ったりはしないのだ。

──ことごとく、彼女は、僕が喜ぶツボを、何でも知り尽くしている。

その、アメジスト色の視線に射抜かれて、絶望的な生物としての隔絶を教え込まれるよりも、むしろ。

もっと、ずっとずっと深く、心底肝が煮溶けるほど、恐怖した。興奮した。勃起した。

──あまりの幸福に、僕は恥も外聞もなくしゃくり上げ、ぽろぽろと涙をこぼすしか、なかった。

これらのシェシィが、全て。

あくまでも、甘ったるく、僕に辛さを与えないよう、細心の注意を払いながら。

全身の骨が溶ける、あの呼吸がひたすら深くなる快感を、ひたすらひたすら、味わわせようと言うのだ。

──彼女が言うように、今日こそは、本気だ。

彼女は本気で、僕に人間をやめさせて、ただシェシィの女体にしがみつく、愛玩用の精液袋にしようとしているのだ。

僕は、むしろ心の底から、嫌気が差してしまいそうになるほど、陶酔した。

──シェシィという、究極の淫魔の、分身ハーレム。

身体がいくつあっても、命がいくつあっても足りやしない、桃源郷そのものの快感が、これから始まる。

右を見れば──相も変わらず、馬鹿みたいに整った美貌。

だけど──今抱きついているこの身体よりも、唇はぽってり厚く、見るからにベロキス用にあつらえられていて。

彼女がその肉体を、用途に合わせて自在に変えられることを考えると、それは今からこの口で、お前にこってり濃厚な、ガチ恋本気ベロキスをかます──と、そう宣言しているに等しい。

淫魔の技巧から繰り出される、粘着質なまでの舌の絡みを思い、ペニスがはち切れそうなほど熱くなる。

そして、その身体もまた、眼下の抱き枕めいてむちついた女体とは、少しばかり趣が違っていた。

乳肉はやはり、頭をすっぽり覆うほども大きいけれど、下半身が丸ごと埋まるほどの、馬鹿げた巨大さはなく。

その腰や腹も、抱いて愉しむため、あえて贅沢に軽く肥らせたものではなく、更に鋭くメリハリを効かせた、いわゆるモデル体型。

雌としての魅力ではなく、女としての魅力を際立たせた──早い話が、セフレとして抱くよりも、恋人や愛人として侍らせたい姿で。

これ以上なく、”ハーレムを彩る二番手の女”として優秀な、腕を腰に回して抱き寄せたくなる女として、あえて傍に座っていた。

「……残念、キミが何も言わなくても、何もしなくても、してほしい事、全部分かっちゃうから、さ……。キミはただ、性欲貯めて、必死にむらついて、ちんぽを私に預けるだけで……人生が嫌になるくらい、私に甘やかされちゃうんだよ……」

そして、左にも、同じように、分身。

こちらはこちらで、下品に艶めく金色ビキニ姿を、恥ずかしげもなく晒していた。

紐がほぼ丸ごと、裸体にむっちり食い込んで、局部だけを薄くてぺらぺらの頼りない細布で覆った、裸体よりもよっぽど下品で、情欲をそそる恰好。

高貴で優雅な、王としての威厳を持ったシェシィの──下劣なダブルチン媚びビキニに、とめどなく精子が作られる。

「うん……もう全部、バレッバレ……。キミが今、私のどこに目線を向けて、何に興奮して、どこが最も感じて、どんな内容の囁きが欲しいのか……手に取るように、分かっちゃう……。ふふ……淫魔がセフレだと、ちんぽ勃起させて寝転んでるだけで、最高の快感が与えられるから、楽でいいね……?」

透き通るように白く、そのくせ血色は抜群な、滑らかさとエロさを究極のバランスで混ぜた、国宝級の裸体。

そんな、完成された逸品に──頼んでもいないのに、勝手にエロコスを着込ませて、こってりとした下品さを盛りつける興奮に、気が遠くなる。

黙って立っているだけで、事実として国を傾かせる美貌を、とことん台無しにして。

私は高貴で優美な淑女などではなく、あくまでえっろい淫肉まみれの、貴方のカキタレだと──そう言外に宣言させて、濃く雌のくびれと豊満さを強調。

すらりと洋ナシ形の曲線を描き、誰が見ても恥ずかしくない、アスリートのような恰好良さすら感じる、細い腰を見せつけている分、馬鹿らしい牛柄と金色に包まれた雌脂肪が、『だッぷぅ……♡♡♡』『むっぢぃっ……♡♡♡』と、今にも聞こえてきそうに品のない肥え具合なことを、これでもかと僕に分からせていた。

特に──牛柄ビキニのシェシィは、今にも大量の母乳を吹き出しそうな、ホルスタイン級の爆乳を、自らの腕に挟みみっちり寄せて、胸の谷間を無限に深くして。

金色ビキニの方は、むしろ背中をこちらに向けて、ベッドの淵に座り、そのどっしりと重そうな、引っぱたきたい巨尻の安定感を見せつける。

とにかく、純度の高い、苛立ち混じりの興奮。

「あーあ……絶対、今日こそ、人生終わったじゃん……。私が、本気でキミのこと、甘やかしちゃうから……もう二度と、人間の生活に戻りたいなんて、思えなくなっちゃう……」

「もう永遠に、私の女体ベッドに、むちむちいやらしく、沈んでいたくなるんだ……。うわ、かわいそー……天国なんて行きたくなくなるぐらい、魂の底にまで、多幸感こびりついて、一生私と絡み合うの確定……。気持ちよすぎる淫魔ハーレム、永遠に堪能しまくり、おつかれさまー……」

ひそやかに、そっと唇を耳元に寄せ、声色は冷たくてトーンも平淡なくせに、ひどく情欲の込められた甘ったるい声で、囁く。

それこそ、耳に糖蜜をぶっかけられたかと思うような、途方もない甘さ。

誰が聞いたって、大量のハートマークを幻視する、愛欲をどっぷり粘つかせた、艶たっぷりに掠れるハスキーボイスに、僕は思わず、堪らない心地になって、ぐりぐりと恍惚をなすりつけるように、頬を女体に擦りつけて──

「「はい、弱点みーっけ……」」

──そんなことをすれば、例え彼女が淫魔でなくとも、その声が大好きで仕方ないことが、どうしたってバレるというのに。

また一つ、快楽の注ぎ口を見当てられて、ぎゅっと太もものホールドを強くしながら、生唾を飲む。

やや骨ばった、脛のところが、特に彼女の大腿に食い込んで、また一際、雌肉にうずもれながら包まる感覚が強まる。

「今日は囁き多め、吐息甘め、脳みそどろどろ蕩かしまくりコースね、はい決まりー……」

「まさか、自分から頭おかしくなって逃げようなんて、そんなこと思ってないよねー……?何度も言うけど、そんなの絶対、ムリだから……」

──もう、枯れ果てて出すものも無くなったペニスに、血液がどくりと送られる。

びく、びく、むしろ先程よりも怒張は張り詰めているけれど、精液は一滴も漏れなくて、むなしく空撃ち。

ぴく、ぴくんっ……♡と、白旗を上げるかのように、恍惚たっぷりにひくつかせる。

ぞく、ぞく、一向に引いていく様子がない、まったりと粘つく余韻に、どこまでもうっとりと浸りながら──隣のシェシィに目を向ける。

「……ん?ああ、何かと思えば」

「「……まだ、精液空になったぐらいで、このベッドの上から、逃げられると思ってたの?」」

──その途端、彼女はにまりと、軽く頬を吊り上げ、自らの唇をちろりと舐め上げた。

ゼリーを思わせるような、神がかった潤いとぷるつき。

赤く色づく、官能的な色合いのルージュを、軽く湿らせてから──勢いよく、僕の目の前に、その顔を近づける。

逃げまどう獲物が、自ら罠にかかりに行くのを見つめる、狩人のような視線だった。

にんまりと、ひどく官能的に、三日月形に歪められた、形のいいリップと目尻。

それを、両側から向けられて──僕は、くらりと意識が揺れるほど、ときめいた。

逃げ場なく、両側に、美貌。

目を合わせるだけで、脳が痺れて使い物にならなくなるほど、強すぎる顔面が、迫る、迫る。

美少女という言葉すら、むしろ不適切にしか思えない、それどころではない麗姿。

とにかく、無意識にそれを確認しようと、まず右を向いた途端──

──~~~~~っっっ……!?

「あ……そっちに盗られたか」

──んむっぢゅう~~~っっっ……♡♡♡

もう、まるで当然に。

特濃の、ディープキスを、かまされる。

頭を鷲掴みにされ、雌の本能を丸出しに、舌を捻じ込まれ、ねぶり尽くされる。

心臓が飛び出るかと思うほどの、強い衝撃。

叫び声をあげる暇もなく、戸惑う暇もないほど、突然だった。

それと同時に──彼女にもまた、戸惑いや逡巡は、見られなかった。

当たり前のように、それが義務であるかのように。

僕の口を、奪って、粘膜という粘膜をねぶり尽くして──同じように、器用に舌を使い、彼女は僕の口に唾液を送る。

いや──多分それは、唾液ではない。

だって、こんなにも甘酸っぱくて、クセになる味なんて、するはずがない。

いつまでも、舐めしゃぶっていたくなるような、中毒性のある液体を、送り込まれるままに、喉を鳴らして、飲み込む。

それは、例えるなら──ミルク風味の、レモンキャンディー。

彼女が行っているのは、確かに品のないベロキスだけれど、そこから余計な不潔感だけは取り除くように、彼女は唾液の組成すら組み替えてまで、僕の舌をぺちゃくちゃと嫐る。

ねちっこく、けれどワイルドに。

片手に抱いた僕の頭を、たまにすりすりと撫でながら、恋人ですら躊躇する深さのキスを、呼吸も忘れて行う。

ねろ、ねろ、ねろ、ねろ、ねろ──と、何度舌が交差したか分からないくらい、歯の裏やら頬の内側まで、丹念に丹念にこそぎ。

その、肉厚でぷりっぷりのベロ肉が、ひどくしつこく、容赦なく、徹底的に、僕を愛しまくって──ちょうど呼吸がしたくなったタイミングで、彼女は僕から離れる。

そして、気が付けば。

「……はい、淫魔の体液飲んじゃったから、精液満タン逆戻りー……」

「ついでに疲労も吸い取って、これでまたいくらでも、好きなだけ射精できるねー……」

──金玉は、精液が詰まりまくったように、テニスボールほども大きくパンパンに膨らむ。

それと同時に湧き上がる、途方もない性衝動。

それこそ、気が遠くなるほどの年月を、オナ禁に費やしたような──射精をする前の状態に、全く逆戻りしてしまっていた。

いや、それどころか──彼女の言う通り、疲労や倦怠感すらも、初めから無かったかのように、ごっそりと抜き取られ。

セックスを始める前よりも、更にコンディションは優れている。

つまり。

彼女とキスをする限り、僕は、何度も何度も何度でも──

「……射精しても、射精しても、どぷどぷ甘出し終わらせてもらえない……口移しで精力無限供給、終わりどころのない甘えんぼ……。よかったねー……ちんぽ腹肉に擦りつけて、さいっこーに気持ちいいけど、泣きそうなくらい勿体ない、まんこに種付けする分の精液台無しにする、お漏らし暴発射精も……何度でも、飽きるまで、リピートし放題だね……」

「ひっど、残酷すぎー……。人間なんて、たかが数ミリリットル分の精液を、大事に大事に焦らして、なんとかセックス長引かせてさ……その、ちゃっちい数ミリリットル分の射精でも、脳みそ焼けてちんぽ中毒になっちゃうのに……こんな媚び媚びの身体に、いつでも気兼ねなく、どこでもドピュり放題とか、私とのセックスにドはまりするの確定じゃん……。絶対、他の人間のメスなんかと、馬鹿らしくて子供作れなくなるやつじゃん……」

──耳に吐息がかかる距離で、前に大きくせり出した、マイクロビキニの食い込むデカパイを、すりすり擦りつけられる。

射精の余韻のちんぽのひくつきすら、まだ一向に収まりきらないのに、既に鈴口からは、とろりと一滴、カウパーが糸を引いて垂れ落ちた。

──無限に、僕の気が済むまで、極上女体とハーレム射精天国を満喫。

そんな、比喩としか思えない彼女の言葉が、いよいよ現実味を帯びる。

この閉じた一室の中では、どんなに非現実的な欲望でも、彼女が許してくれる限り、全てが都合よく叶い続ける。

一年中でも、それ以上でも──理論上は、永遠に、シェシィという淫魔に、溺れ続けていられる。

──そんな、シェシィにとっては”今更言うまでもなく、当たり前の前提”を、脳内で反芻して。

「てかさー……」

「「今日の親友、めっちゃマゾだよねー……」」

──またも彼女は、僕の背筋を、飽きずにびっくん、跳ねさせた。

「あーあ、バレちゃった……。イジワルな口調の、冷たい声の女にー……それと真逆の、胸焼けしそうなくらいクソ甘ったるい、密着ゼロ距離甘えんぼしたいの、絶対バレちゃダメなのに、バレちゃったんだー……」

「めんどくさい性癖の、分かりづらいキミのちんぽの気分、親友の私ならぜーんぶ分かっちゃう……。こんなの絶対、好きになっちゃうね、懐いちゃうね、一生ひっついていたくなっちゃうねー……?」

それはそれは、愉しそうに。

時折ちゅっちゅと、首筋やら頬やらに、口紅をこそぐかのように、ぷるっぷるのリップを押し付け、擦りつけつつ。

身体までも幅寄せし、太客に媚を売る風俗嬢のように、ひたすら下品にはしたなく、くねくねと揺さぶって、餅肌の感触を植え付ける。

それに対して、僕は色仕掛けを受ける童貞のように、あっあっ……♡と声を漏らし、舌にびりびりと残ったキスの余韻を、より濃くした。

「「……無限に、いちゃらぶキスハメ、したくなっちゃうねー……」」

──自分は、貴方の言う通り、マゾですと、そう宣言しているようなものだった。

いよいよ、二人のシェシィは、ベッドの両脇を固めて、僕にぴったりと腰を寄せて座る。

ただでさえ腰幅の広い二人が座るスペースなんて、この安ベッドにはないはずなのに──などと、そんな常識ぶった理屈は、もう通用させてはくれない。

ここは、僕にとって完璧に都合のいいことが起こり続ける、楽園なのだから。

そんな下らない、物理法則だどうだのという話は、考える必要も無いのだ。

だから──あれほど、頬ずりして甘えながら、抱きつきお漏らし射精をした女体から、気が付けば、衣服が全て消え失せて。

すべすべもっちもちの、茹でたての白玉のような肌が、その巨躯の上に途方もなく広がっていることも──当たり前、なのだ。

ついでに、その彼女が僕の心情を読み取ったかのように、体操のI字バランスめいた格好で、片脚をそっと上げて、おまんこを晒してくれるのも、当たり前。

代謝がなく、汗もかかないはずの肌を、あえてしっとりと湿らせて、むわりと甘いフェロモンをより濃くして──そして、大学生カップルの、昼下がりの気怠い生セックスらしく、肌のぬめりを良くして、退廃的な感覚を演出してくれるのも、これまた彼女にとっては、取るにも足らないことでしかない。

その上──

「……真隣には、はしたなく潰れるように、わざと横乳押し付けて、媚びたフェロモン浴びせまくり、恋人ラブラブキス欲しがりすぎの二人の雌……。目の前には、どろどろに濡れきった、えっぐいヒダまみれの土手盛り名器おまんこを見せつける、人権ゼロの女体マネキン……」

「どこ見ても、食べきれないくらい豪華な据え膳、やっばいね……。この光景だけで、脳みそ痺れまくって、精子作るの止まらない……あっあっ金玉イラつく……責任も取る気ないけど、こいつの子宮にブッ濃い種ナマで注いで、マジで孕ませたくなってくる……」

──全てを見透かす彼女の囁きは、あまりにも、的確。

それでいて、少しずつ、ほんの少しずつ、更に僕の獣欲をぎらつかせ、わずかに残った人間らしい理性を削り取るため、囁きの内容を思考からあえて外し、欲望の誘導までやってのける。

更に深く、もっと深く、僕を肉欲の沼に沈め込むかのように。

「んべろべろべろべろ……。ちんぽの神経に直でキク、下品なベロキス素振り見せつけられながら、下半身でも超濃厚交尾かまして、全力で種汁排泄、一生ちんぽに快感残るくらい、きんっもちいい……」

「ちゅ、ちゅ、ちゅ……。孕ませ懇願するみたいに、ほっぺたに媚びたキス落とされて、どんどんおちんぽ本気にさせられる……マジにガキ仕込みたくなる……。人間を心の底から見下してる、いけすかないけど顔のイイ淫魔に、自分だけ特別扱いで、えこひいきされまくって、ぺとぺと唇貼り付けられるの、たっまんねぇ~……」

──いつも冷静なシェシィに似つかわしくない、あえて崩した口調で、性欲全開のギトついた語彙を、ぶつけられる。

しかし、声だけはいつも通り、平坦で抑揚がないのが、かえってその囁きの下品さを際立たせていた。

だぷんだぷん、馬鹿みたいにすべっすべで、キメ細かすぎる駄肉の塊が、僕の腕をずりずり上下し、パイズリする。

ふかふかの液体のような柔らかさと、ぷりんとした瑞々しいハリを持って反発する、弾力とのバランスが奇跡的。

軽く触れているだけで、勃起にどこまでも芯がこもる、神がかって雌々しい感触は、いつまで味わっていても飽きるものではない。

安定感抜群、ちょっとやそっとでは揺るがない、太ましくボリューミーな下半身。

片腿をまっすぐ上げたままの、不安定で疲れそうな体勢なのに、そこにはどっしりとした重みが感じられ、むしろそこに思いっきり体当たりしても、こちらの方が跳ね飛ばされてしまいそうな、強い体幹を思わせる。

しかし、もちろん──かと言って、そこに筋張って硬そうな雰囲気は欠片もなく、勢いよく腰を叩き付ければ、ぶるんと肉が波打つような、種付け感をどこまでも深める、極上の肉感も兼ね備えている。

ちゅ、ちゅ、ちゅ──と、わざとらしく、耳元で軽くリップ音を鳴らされる度に、とめどなく獣欲が湧きだす。

どたぷんと、身体のラインから大きくはみ出した乳ごと、むっちりと厚く肉付いたリップが、僕に媚びを売るように、むにゅりと押しつけられた分だけ歪み、深い肉のコクを僕のちんぽに教え込む。

「ね……二人の雌が、キミのことを取り合って、キスハメせがんでるね……。嫉妬丸出し、独占欲を隠す気もない、鬱陶しいメス共のキャットファイト……。うざったいから仲良くしてろって、私たちの感情をぜーんぶ無視して命令するのも良いし……あるいは、私たちに、どっちの方がキミのちんぽを幸せにできるか、競わせるのも自由だよ……」

「ほら……どっちの女が好み?自分で選別して、格付けしてよ……。お前より、こっちの雌が好みだって、偉そうに選り好みして見せて……。だって、キミには、その権利があるんだよ……強いオス様が、媚びるしか能のないメスを娶るのは、当然のことでしょ……?」

ねえ、ねえ。

責め立てるように、寸分の揺らぎもなく無感情な瞳と声で、二人の淫魔が僕をなじる。

もう──目も、合わせられない。今すぐ、逃げ出したい。

かと言って、腰を引くこともできない。

がっしりと、特別に大きくむちついたオナホボディが、高くかかげた脚とは逆側の太ももで、僕の腰をがっしりと巻き付けるように、ホールドしているからだ。

ずるずると、太ももに抱き寄せられながら──腰とちんぽの先に、ぴとぴと当たるのは、外に粘液が軽く溢れる程度に、すっかり出来上がった、おまんこ。

まさに濃いめのローションを思わせる、ぬとぬと粘ついた感触は、独特の強いぬるつきを生み、ぬかるみに腰を突き立てるような、あるいは蕩けたスライムをちんぽで刺し貫くような、途方もなく現実離れした、至上の快感を生みだす。

それでいて──ぐずぐずに熟れた豊満なマシュマロのような膣肉の感触も、裏筋をしつこく擦るコリコリの肉粒の感触も、一見矛盾しているような二つの快感を、完璧に両立。

腰を落ち着けていつまでも浸っていたくなる安心感と、ちんぽをひたすら擦りつけまくって射精感を貪り散らかしたくなる刺激も、どちらも最高峰のものを用意してくれていて。

それを──二人の女神級の美女を侍らせ、そのクール極まる理知的な美貌をじっくり間近で鑑賞しながら、ベロを絡ませ、乳を揉みたくりつつ、片手間に味わう。

まるでそれは、最高級のフレンチフルコースを、ウィーンのオペラホールのVIP席で摘まみつつ、世界一の劇団が行う歌劇を眺めるような。

それを──ひたすら下品に猥雑に爛れさせて、けれど雌の高貴さと品格は落とさず、その内容だけを雌穴フルコースとストリップショーに置き換えたような。

要するに、早い話が──考えうる限り最も贅沢な、雄の理想や妄想をとことん叶えた、ハーレム。

「ほぉら……キミに名前呼ばれた時から、この子……ってか私、ずぅっとキミの生ザーメン期待して、黙って雌穴ねばつかせてたんだよ……?こんな健気なまんこ穴、さっさと耕してキミのちんぽの形覚え込ませてあげないと、可哀そうだよ……」

「ま……あえて無視して焦らすのも、そう悪くはないと思うけどね……?キミに従順に媚び切って、屈服の証をこんなに分かりやすく掲げてる女を、どうでもよくほったらかして、これ以上ない恥をかかせるのも……すっごく支配的で、雄の自尊心満たされるし、いいんじゃない……?」

だって、傍でこうして、僕の性欲を煽っているこの二人は──言ってしまえば、このセックスにおいて、必要なんて無いのだ。

シェシィの、メリハリが効きまくった、たっぷんたぷんでむっちむちの、凹凸まみれの極悪女体さえあれば、それだけで雄の性欲なんて、煽るまでもなく興奮だけで漏らすほど最高潮に達してしまうのは、明白。

その上で彼女は、分身してその極上の身体を複製し、それらに自律的な思考を与えて、しかもそれらは全て僕のことが大好きで。

更に、生まれつき誰かの上に立つことを宿命付けられた、王としてのプライドを自らへし折り、太ももに抱き着いて精液を情けなくお漏らしするような人間に、あえて媚びへつらい支配欲をむらつかせるように、卑屈に振舞わせるなんて、明らかにやりすぎだ。

「ねぇ……ほら、お願い、早くぅ……こっち向いて、お口同士でらぶらぶする権利、ちょーだい……」

「……ううん、違うね。物を頼む時は、もっとそれに相応しい態度を取るべきだ。例えば、こうやって……」

──何度も繰り返すが、シェシィは、ただの美女ではない。

僕がこうして、生け贄となって身も心も捧げ、癇癪を収めて機嫌を取らなければ、人間を皆殺しにしてもおかしくない、神話に語られる悪魔よりも理不尽な、忌むべき怪物。

その淫らさと美しさで、人の瞳に映るだけで、その人間の心を奪って人形に変え、ことごとく支配してみせる、神の如く冒涜的な奇跡を見せる、邪神だ。

──だからこそ、だろう。

「……お願いします、どうか、この卑しい雌に、貴方様のベロキスをお恵み下さいませ……」

そっと、異性の唇を奪う時のように、顎をくいと持ち、視線を軽く誘導した、その先。

ベッドの傍らに──またも分身体を増やしたシェシィが、綺麗に衣服を畳み、ぴしりと端正に三つ指を付き、土下座をしながら、そう懇願する姿の。

──何と、よく似合う事か。

誰よりも強く気高い、淫魔という何もかもが人を上回った存在の、その中でも最も強く、気高く、美しい、魔王という立派な肩書──もとい、ゴテゴテと装飾を盛りつけた、豪勢なトロフィーだからこそ、それがこれ以上なく卑屈に、僕のちんぽの機嫌を伺う姿には、これ以上なく鬱屈とした、悪いむらつきが掻き立てられる。

その圧倒的な実力に裏付けられた、我慢を知らない性格も忘れ、後先も考えず──そこまでの事は、後味の悪さが勝るから実際にはしないけれど、頭をぐしぐしと踏んづけてみたくなる気持ちも、少しだけ湧き上がる。

「どうか、どうか……惨めったらしく、貴方様の足元に跪くしか能のない私に、寛大な貴方様の慈悲を賜りますよう、この通り、お願い申し上げます……」

眼前のシェシィは、深々と、頭を下げ続けていた。

太ましい腿肉を、コンパクトに折りたたんで扁平に潰し、完全に僕に対して白旗を掲げる上に、駄肉が生み出す極楽の肉感まで、卑賎にアピール。

馬鹿みたいに巨大に垂れ下がった、長くて真ん丸な乳肉も、地面で楕円形に潰し、スリムで美しい背中のシルエットから、下品にはみ出させる。

それを眺めさせながら、二人のシェシィは、変わらずひそひそ、濡れた吐息を耳に掛けながら、囁きを続ける。

生ハメを前にして、勃起が萎えたりしないよう、すりすりしゅらしゅら、腰回りをすり撫でる事も、忘れない。

僕も負けじと、彼女らの尻の下に指を潜り込ませ、むっちゅりとケツ肉を揉み込み、手のひらで弾力たっぷりの媚肉を弄ぶことを、忘れない。

「うわー……キミからのベロキス欲しがりすぎて、こんなに綺麗にガチ土下座してるよ……。しかも、キミに屈服できるの嬉しすぎて、マゾまんこ濡らしてるし……きもいねー……。こんなに夢中になって、キミのべろちゅー欲しがってたら、いくら何でも、二度と魔王なんて名乗れないよねー……」

──それらの行為は全て、僕が命じた訳ではなく、シェシィのマゾ心が暴走して、勝手に行っているという言い訳が効く状況も、また良かった。

女の子に土下座をさせるという、あまりに倫理を無視しすぎた非道な行為に、心を痛めることも無い。

だって──彼女は、これを自ら勝手に、悦んで行っている。

どれもこれも、全て彼女が望んだことで、僕はそれに付き合うことを、強要されていて──

「「あ……」」

──だからこそ、贅沢に。

僕は、両腕を、彼女らの肩に、思いっきり回し。

力ずくで、抱き寄せて、背中越しのなまちちを、めいっぱい乱雑に揉みたくりながら。

さんざベロキス欲を煽ってきやがった、無礼で恥知らずで、艶々むっちりな唇に──望み通り、タコのようにみっともなく吸い付き、舌を思いっきりねじ込んでやった。

──ぶっぢゅるるるるるるるぅぅぅぅぅ~~~~~~っっっ………………♡♡♡♡♡ぢゅるぢゅるぢゅるぅっっっ…………♡♡♡♡♡

「わ、わ……親友、ベロキス、えぐいね……男らしくて、めっちゃかっこいいね……。そんなにかっこよく唇奪われたら、こいつ絶対、キミのこと惚れ直しまくって、ガチ恋アクメ極めちゃうじゃん……」

──それでいて、その口つきには、どこまでも濃く、恋愛感情がコーティングされている。

そこには、もはや、”親友”という建前すら、感じることはできない。

それぐらい、熱烈極まる、舌同士のまぐわい。

僕の唇が貧相に思えるほど、肉厚でやや前にせり出した、彼女のグミのようにむっちりしたリップに、まず唇を絡め取られて──しっかりとホールドした上で、ずろんずろんとダイナミックに、口腔を長い蛇のような舌が、動く、動く。

唇を、べっとり不細工に潰れるほど押し付けて、お互いの唾液で口元がべとつくことすら構わない、”甘やかし”とはまるで真逆の、レイプじみたベロキス。

スタイリッシュさの欠片もない、シェシィのイメージとは真逆の、ただただ抜き目的の口レイプに──反応が追いつかない心よりも先に、まず身体が、屈服する。

避妊具を付ける必要も無い、生の淫魔まんこをすぐ前にして、ベロキス無刺激吐精を行うことすら──勿体ないとも思わない。

だって、シェシィの甘ったるい唾液を啜れば、精液なんていくらでも補充できるから。

──んねろねろねおねろぉっ……♡♡♡んべろべろべろべるべるれるれるれるれるえろえるえるえらぁっ……♡♡♡

「あーあー……大喜びで、舌絡ませ返してさ……。さっきまで親友親友って、犬っころみたいに懐いてたくせに、いざ恋人みたいなラブラブキスされたら、尻尾振りまくってキミに媚びて、卑しすぎ……。愛人としてすら意識してもないセフレ女に、こんなに必死こいてべろちゅーされるの、ウザいね……愛情重たすぎて、めんどくさいね……」

余裕なく、ひたすらぶっぢゅり、啜り尽くす音を立てまくって、吸い尽くす。吸い尽くされる。

あえて下品な音を立てる、快感特化のジャンキーなキスに、僕は大きく身体をびくつかせて、目の前をちかちかと白黒明滅させた。

そんな様子を、あえて”ウザい”と評するのは、安物の薄いコスプレ用牛柄ビキニを着込んだ方のシェシィ。

どんなに冷徹に、片割れをバカにしてみせても──それと同じだけ馬鹿らしい恰好をして、雌牛みたいに乳肉をだぷつかせているのだから、その言葉は最早、同じ愛玩家畜への嫉妬でしかない。

だけど、そんな品のない奉仕をしておいて、なお──眼前いっぱいに広がる、彼女の顔は、それでも冷徹で。

眠たげに、少しばかり瞼を下ろしながら、口角なんて全く上げず、頬の血色すら少しも赤くならずに、ただ舐る。

どこか作業的にすら思えるほど、退屈そうな表情なのに──僕の口の中で、ねろねろ熱烈にのたうつ肉舌は、彼女のものだと言うのだから、堪らない。

そして、少し視線を外し、ベッドの横の床に目を向ければ──シェシィは今でも、ぐりぐりと地面に頭を擦りつけ、嬉しそうに、気持ちよさそうに、土下座をしていた。

まるで本当に、僕に唇を奪っていただけたことに、深い感謝を捧げているかのよう。

その姿は──僕が、この場においてだけは、シェシィという魔王すら従える、本物の王様であることを錯覚させるには、十分すぎた。

両腕には、雌を二人も同時に抱き。

眼下には、ベロキスハメ乞いをするためだけに、雌が頭を地面に擦りつけ。

そして視線を下に落とせば、ヒダの加減も肉粒の位置も、全て僕のためだけにあつらえられ、ぐずぐずに濡れ切って準備万端の、名器確定おまんこ。

「あ~……クソうっぜぇ……。こいつら、むにむに乳肉押し付けて、あっまい汗の匂い嗅がせて、舌も恋人絡めして、唾液も啜りまくって、一丁前にちんぽイラつかせてきやがって……。雌奴隷のくせに、まんこ欲しがり過ぎ、ムカつく……。媚び方あからさますぎ、家畜のくせに俺様のガキ欲しがるとか、何様すぎ……」

「イラつく、イラつく、イラつく……。もう、膣穴に思いっきりちんぽねじ込んで、時間がない時のオナニーみたいに、自分勝手に腰振りまくって、ガシガシちんぽコキ倒さないと、気が済まない……。愛液塗れの穴で、亀頭も竿もぬるんぬるん、ぱこぱこぱこ……最後はぷりっぷりの子宮の奥に、どっぴゅ~っ……。あ~気持ちいい、絶対気持ちいい、雌穴チンコキちょ~気持ちいい……」

耳元には、口調だけは俗っぽく、しかし機械的に平淡な声色の、シェシィの囁き。

口元では、べろべろにゅるにゅる、口の端まで濡れるほどにねぶり散らかす、舌のねとつき。

そして目と鼻の先には、心臓が止まってしまうほど、カリスマたっぷりに冷たく見下す無表情が堪らなく美しい、一流の彫刻家が手掛けた氷像のような美貌。

それらの全てが──ミスマッチ。

熱烈極まりなく、品性の欠片も無い奉仕と、感情の欠片も感じることができない、眠たげで退屈そうなありとあらゆる態度は、もはや矛盾と言ってもいい。

だからこそ、興奮を煽る。

本心がどちらか、ミステリアスな彼女の内心は想像もできないけれど──だからこそ、今僕の神経に、溺れるほど流されるこの快感が、殊更に実在を訴えかけて。

──やはり、手籠めにする雌の態度は、冷たく事務的であればあるほど、行為のねちっこさが際立って、くらくらするほど気持ちがいい。

そんな、間違った認識まで植え付けられて──もう、いよいよ、遠慮なんてものはない。

ただ、心から性欲の赴くまま、しつこく絡む舌を口からにゅるりと引き抜き──

「あ……ちんぽ、びっくんびっくん跳ねて、孕ませ準備整っちゃってるね……。精液、絶対濃い時の匂いする……こんなギトついた精子、ゴム無しのナマで喰らったら、200%孕む……双子孕んじゃう……。うわ、それ絶対、気持ちいい……。もう一回、唇ぺっとり貼り付けて、まんこと別の女に浮気しながら、ベロキスで精子煮詰めて膣内射精、あっあっ、想像だけで、腰溶ける……」

「はぁ……?何ちゃっかり、親友のキスまた奪おうとしてんの……?あんな性欲強すぎる女やだよね……。次は絶対、私だから……。親友は、お前みたいに、好き好きオーラ出しまくって、しつっこくベロ絡めてくる、愛情欲しがり過ぎ女は嫌いなのー……。ね、私だけの親友?そうだよね……?」

──途端、嫉妬丸出しに、僕とのキスの権利を、二人の妾が奪い合う。

まるで、本当に心の底から、ベタ惚れなんて程度じゃなく、財産を全部貢いで人生を破滅させるメンヘラ女のような、盲目的で信仰じみた愛情を錯覚するほど、二人の舌戦は、刺々しい。

そんな状況下ですら──僕に対しての奉仕は、忘れることはなく。

あくまで僕の興奮を最優先にしつつ、僕の性欲の矛先が自分に向くよう、自らの口技を、アピール。

──んにゅるう~~~っ……♡♡♡にゅらにゅらにゅら……♡♡♡

両耳へ、至福の、耳舐め。

ぴくぴくと、口を半開きにしながら、どちらの方を向くこともできず、耳元に張り付くグミのような唇のぷるつきを、味わう。

丹念に丹念に、舌の腹をぶっちゅり、耳の穴を塞ぐように押し当てられ、れろれろ嫐られながら。

それだけでも、一生飽きずに射精していられるほど、淫らさはもう最高潮だが──しかし、ちんぽの先には、これまた媚びるようにしゃぶりつく、シェシィのおまんこがあるのだから、使わずにはいられない。

どっち、どっちと、優柔不断に二つの唇を試させながら、目の前で高々と柱のようにそそり立つ、肉厚な脚にすりすりと軽く頬擦りをして、とことん気持ちよく、優越感を募らせながら、たっぷり尺を取って、迷い箸。

あまりに贅沢な肉の詰まり加減により、大陰唇まで溢れるかのように、もっちりと肉が盛り上がって、ちんぽを誘導するその穴へ、しかし挿入はしないよう、軽く腰を揺すり、ぬるぬると入り口の肉だけを、豪勢にも味見してみせる。

──気分はもう完全に、自分をこの世の支配者だと思い上がり切った、ハーレムの王様。

だからこそ、更に僕は、どこまでも傲慢に。

「「あ……」」

──二人の懇願を、全く無視して。

目の前で、ぶるんぶるんと震える肉腿に、舌を這わせてむしゃぶりつきながら、ペニスを思いっきり勃たせ、肉穴に向かって遠慮なく腰を突き込んだ。

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