お隣の少年に着せてみたSS (Pixiv Fanbox)
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俺の部屋には、お隣に住んでいる一家の男の子が、よく遊びに来る。
母親の教育方針で漫画やゲームが禁止されているため、土日は俺の部屋にあるそれらを目当てに入り浸っているのだ。まぁ俺も、懐かれて悪い気はしないので、母親に告げ口するような野暮なことはしていない。
しかし、その日――
「お兄ちゃん、これなぁに? なんでお兄ちゃんの部屋に、女の子の服があるの?」
少年がそう言って持ってきたのは、彼の目につかないように戸棚の奥に隠しておいた、女物のコスプレ衣装。もちろん、俺に女装趣味があるわけではない。趣味のイラストを描くための資料用だった。
彼としてはちょっとした探検のつもりで、珍しいものがあったから思わず持ってきたのだろうけど――さすがに年長者として看過できない。
「……人の部屋を勝手にあさるのは、いくらなんでもお行儀がよくないぞ」
「あ……ご、ごめんなさい!」
言われてすぐに自分のしでかしたことに気付いたようで、少年はしゅんと頭を垂れる。やってしまったのは好奇心からくる出来心で、注意されれば素直に謝ることができるいい子なのだと、その姿を見て改めて思う。
これ以上きつく言うのは、却ってよくない。本人もしっかり反省してるのだ。
だが――俺の心の奥に、むらむらと不穏な思いが湧きあがってくる。
(この子に、この服を着せたら――)
サイズは女物のS。150センチ足らずの子の少年には、ぴったりあうことだろう。顔立ちも、女の子と間違えられるくらいだ。申し分ない。
いやしかし、もう充分反省しているこの子にそれを言うのは――
「お兄ちゃん、許して……あの、何でもするから……」
黙っている俺を見て、本気で怒っていると思ったのだろう。少年は涙目になって謝る。
その表情を見ていると、最後に抑えようとしていた理性のタガが外れて――
「……そうか。なら、罰として――その服を、着てもらおうかな」
俺の言葉に、少年は涙目のまま肯いた。