「変態女装子メイカー」(14) (Pixiv Fanbox)
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命令3.変態女装子マミは電車で痴漢してもらう
(4) 変態女装子心得
その日の三時間目の授業は体育であった。場所は校庭ではなく体育館である。
「まずはストレッチするから、ペアを作ってちょうだい」
女性教諭の指示に、1年2組の生徒はおずおずといった様子で二人組になる。
陰キャのご多分に漏れず、マミはいっしゅんトラウマを刺激されかかるが、
「一緒にストレッチしよ、変態女装子マミちゃん」
「う、うん!」
隣にいた船木しずか――入学式で仲良くなった、子猫のようなショートカット少女に声をかけられて安堵する。
(こういうところは割とうれしいんだけどなぁ……)
高校生活が始まってすぐに、可愛い女の子と仲良くなれたことは、年頃の少年としては実に喜ばしい。少なくとも女子校に男一人だけで、いじめられたりするよりはずっとましだ。しかし、
(こんな格好でさえ、なければなぁ……)
マミはストレッチしながら、自分の姿を見下ろして小さく嘆息する。
体育の間なので、もちろん体操着だ。他の生徒は学校指定の体操シャツに、青系ハーフパンツもしくはジャージという、地味ながらも動きやすい格好である。
その中でマミだけ、昭和にタイムスリップしたかのようなエンジ色のブルマーを穿いていた。
(ううっ、もう半月近くになるけど、まだ落ち着かないよ――)
マミ自身が好き好んで、もはやグラビアかイメクラでしかお目にかかることのできないブルマーを穿いているわけではない。入学式での誓い通り、クラスメイトからのリクエストで選ばれたのが、このブルマーだったのである。
当然のように太ももは、左右の付け根まで丸出し。股間もお尻もぴったりと密着して、腰のラインはもちろん、前のふくらみまでわかるようになっている。
そう――すでに射精準備万端と言わんばかりの屹立が、はっきりと。
(うっ……下着まで取られたから、ちょくせつブルマーを穿かなくちゃいけなかったけど……そのせいでざらざらの裏地にチンコがこすれて……!)
隠しようもないほど盛り上がったそのテントをごまかしつつストレッチを続けるマミに、
「くすくすっ、今日もマミちゃんのおちんちんはおっきいね。そんなにブルマーが好きなんだ?」
すぐ隣のしずかから、揶揄が投げられる。
「う……うん……すごくえっちだし、何より、男のマミがブルマーを穿いてるって言うのが、変態っぽくて、大好きなの……」
「くすくすっ、もー、マミちゃんったら変態なんだから~」
マミの答えに、しずかだけではなく周りの女子たちもくすくすと忍び笑いを漏らす。
「そんなマミちゃんには――こうよ!」
しずかの手が、不意にマミの股間に伸びた。
そのふくらみをブルマーの上からぎゅっとつかまれて、
「ひっ――あぁんっ!」
マミの口から、甘い喘ぎ声が漏れる。いかにも「変態女装子」らしい反応に、周囲の笑い声がさらに大きくなった。
「あははっ、マミちゃんったらほんとにエッチなんだから」
「いまにもブルマーの中に射精しそうじゃん」
「もうここで射精しちゃった方が楽なんじゃない?」
女子の嘲笑は、しかし完全に悪意あるものばかりではない。あくまで仲のいい友達を揶揄う程度のニュアンスだ。
それを聞きながら、マミは真っ赤になって唇を噛む。
(ううっ、やっぱり、「変態女装子」になりきるのは恥ずかしすぎる……!)
先ほどの、しずかの問いへの答えは本心ではなく、また甘く喘いだのも半分は演技だ。
しかし、マミは「変態女装子マミ」として、特待生扱いで女子校に通っている。立場上、こうして少しでも「変態女装子」らしい振る舞いをするしかないのだった。
(なにより、「変態女装子」になり切ってたほうが、クラスメイト達も仲良くしてくれるし……)
入学して最初の数日、恥ずかしがって素に近い振る舞いをしていたら、白けた反応を返されたのだ。このままではまずいと気づいたマミは、慌てて「変態女装子」らしさを心掛けるようになった。
自分のことは「変態女装子マミは~」と呼び。
階段を上り下りするときもスカートは押さえず。
スカートをめくられたときは嬉しそうに悲鳴を上げ。
下着や下半身を見せろと言われたら嬉しそうに答える。
そうしたマミの反応にクラスメイト達も喜び――
(女子に仲良くしてもらえるのはうれしいけど、「変態女装子」としてっていうのが……)
マミが複雑な気持ちになっていると、ふいにブルマーに押し込められていた股間の窮屈さが消えた。
ハッとすると、しずかの指がマミのブルマーをずり下していて、
「ね、マミちゃん。ブルマーの中におちんちんを入れたままじゃ苦しいでしょ? いっそ出しちゃえば?」
「う……うん! そうする! ありがとう、しずかちゃん」
マミは引きつった顔に精いっぱいの笑顔を浮かべて答えた。
エンジ色のブルマーに根元を支えられるようにして、すでにずる剥けて亀頭をあらわにした男根が、仰角にそびえたっていた。
まるで、しずかに向かって射精しようとしているかのように。
「うっ……!」
その想像に、マミはさらに劣情を催す。もはやこのまま、指一本触れぬままに射精してしまうのではないかと思うほどの昂奮にペニスが震え――
「変態女装子マミさん、船木さん! オチンチンを弄ってないで、早く済ませなさい!」
「は、はーい! ごめんなさい!」
体育教諭の声に、マミとしずかは慌ててストレッチを続けるのだった。
(続く)