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SS「悪夢の入学式」(6) (Pixiv Fanbox)

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  (6) 「は、はいっ!」  俺は元気よく返事すると、ショーツを玉袋に引っ掛け、ペニスを左右に揺らした状態で、一歩前に踏み出した。  右側の教職員・来賓列にお辞儀して。  左側の保護車列にお辞儀して。  中央通路から、舞台左側の階段に向かい、その前で新入生・在校生一堂にお辞儀して。  何もおかしなことなど起きていないかのような雰囲気なのが、かえって異様であった。なぜ誰も、丈の合わない女児用スーツを着て下半身を露出しながら、神聖な入学式の場に参加し、あまつさえ壇上に上がろうとしている変態を引きずりおろそうとしないのかわからない。  けれど、俺は何事もなく舞台の中央――マイクの前まで、辿り着いてしまい、 「は、はじめまして。特別児童の、塚原、アキラです」  自分のものとは思えない舌足らずな声が、スピーカーを通して講堂に響いた。  入学スーツを着た、新入生80人。  その後ろに居並ぶ、在校生240人。  彼女たちの前で、俺は―― 「本当は、アキラは、高校3年生の男の子です。だけど、小学生の女の子になりたくて、特別に入学させてもらいました。みなさん、どうか、よろしくお願いします」  そう言って、お辞儀する。恥ずかしさのあまり今すぐこの場から逃げ出したい気持ちは、俺の体にはいっさい伝わらない。 「ア、アキラは、可愛いお洋服が大好きで、今日の入学式にも、女の子用のスーツを着せてもらいました。ちょっぴりスカートが短いけど、可愛いスーツで参加できて、嬉しいです」  じっさいには、ちょっとどころではない。ピンクのジャンパースカートはほとんどチュニック丈で、前も後ろもパンツ丸出し――その下着さえ、下半身の屹立を隠しきれず、怒張した竿が露出している有様なのだ。  大勢の人たちにみっともない女装姿で勃起しているところを見られながら、しかし俺の体はますます昂奮に猛ってゆき、 「好きなものは、可愛いお洋服と、それを着て、たくさんの人に見られること――そ、それと、たくさんの人に見られながら、オナニーすることです。今も見てもらってわかるように、可愛いスーツを着て、見られているだけで、おちんちんがこんなに、大きくなっちゃっています」  挨拶の内容は、さらに危険な領域に突入する。  俺の右手は、やおら股間に生えている竿を握って、 「はぁっ、はぁっ……! 可愛いお洋服を着て、たくさんの人に見られながら、おちんちんを弄るの、とっても気持ちいいです……! 念願がかなって、女子小学生になったので、これからは毎日、可愛いお洋服を着て、学校に通いたいと、思います。自分でいじるのも好きですけど、他の人に弄られるのはもっと好きなので、どうか、在校生、新入生のみなさん、アキラとお友達になって、おちんちんを弄ってやってください……!」  変態的にもほどがある、在校生、同級生達への挨拶を口にしながら、俺の手がついに動き出す。竿を上下にしごきたてて、早くも流れ出した先走りに、グチュグチュと淫らな音が響き渡った。 「はぁっ、はぁっ、せ、先生も、保護者の皆様も、ア、アキラのことを、いっぱい叱って、一人前の女の子になれるように、調教してください。どんな恥ずかしい罰でも、アキラは受け入れます。なので、んぅっ――!」  声を詰まらせ、手が止まった次の瞬間、俺は400人近い観衆の中で射精していた。ついさっき校門前で射精したばかりとは思えない、大量の白濁液が飛び散って、舞台の上、そして下に向かっても撒き散らされる。  そして射精は、止まらない。2度、3度、4度、5度――10回を超えてすら勢いは衰えることなく、ついには小水のように間断なく流れ出す。絶頂の連続に、俺は気が狂いそうになり―― 「はぁっ、はぁっ――ゆ、夢か……」  ベッドの上ではね起きた俺は、ほっと安堵する。 嫌な夢だった。男の体のままで、女児用スーツを強引に着て、妹に手を引かれて小学校の入学式に参加するなんて。夢は願望充足だなんて聞いたことがあるが、どう考えても違うだろう。まして正夢なんて――まぁ、絶対にあるわけないんだが。 「はぁ、朝からどっと疲れたぜ……」  あれだけの強烈な射精の夢、もしやと思って確認してみたが夢精もしていないようだ。まぁ、昨日もオナニーしてからネタから大丈夫だとは思っていたけど。 「しかしなんだって、あんな夢を――」  つぶやいたところで、部屋のドアがノックされる。すぐに入ってきたのは小学生の妹だ。夢でのことを思い出して、少しばつが悪い。 「おはよう、お兄ちゃん」 「お、おはよう。どうした? もう朝ごはんの時間か?」 「ううん、お兄ちゃん、忘れてるの?」 「忘れてるって、何を――」  言いかけた俺に、妹が差し出したのは―― 「はい、入学スーツ。今日はお兄ちゃんの、小学校入学式でしょ? これに着替えて、入学式に行きましょうね? 大丈夫、あたしが保護者として、ついて行ってあげるから」  手渡された女児用スーツ――夢と同じ丸襟ブラウスとグレーのボレロ、ピンクのジャンパースカートのセットは、しかし夢とは違って、俺でも着られそうな170センチサイズで、 「う、嘘だろ、おい……」  つぶやいてつねった頬の痛みは、これが確かに現実だと伝えていた。   (終わり)

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